感染症発生動向調査:文京区感染症週報
2023年第20週(2023年5月15日- 2023年5月21日)まで更新
東京都感染症情報センターのホームページでも発生動向調査のデータをご確認いただけます。
WEBページ上でご覧になりたい方は、以下のリンクをご確認ください。
東京都感染症情報センター「WEB感染症発生動向調査」(外部ページへリンクします)
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東京都感染症情報センター「東京都感染症週報」(外部ページへリンクします)
今週の動向
第20週(2023年5月15日 - 2023年5月21日)について
新型コロナウイルス
都及び区の定点当たりの報告数は増加しました。
新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が原因で起こります。
一般的には飛沫感染、接触感染で感染します。閉鎖した空間で、近距離で多くの人と会話するなどの環境では、咳やくしゃみなどがなくても感染を拡大させるリスクがあります。
現在主流となっているオミクロン株においては、罹患しても9割以上が重症化することなく、療養を終えることが報告されています。一方、高齢者は、季節性インフルエンザと比べて死亡リスクが高いことが報告されています。特に、基礎疾患をお持ちの方では重症化するリスクが高いことも報告されています。予防としては、風邪や季節性インフルエンザ対策と同様に咳エチケットや手洗いなど基本的な感染症対策を行いましょう。
東京都の感染状況(モニタリング項目分析)については、以下のページをご確認ください。
過去の感染状況については、以下のページをご確認ください。
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
都及び区の定点当たりの報告数は増加しました。
A群溶血性レンサ球菌という細菌による感染症で、小児がよくかかる細菌性感染症のひとつで、冬季に多く見られます。飛沫感染や接触により感染します。感染して2~4日後に発症し、発熱、咽頭痛、頭痛、吐き気などがみられます。通常1週間程度で症状は落ち着きます。適切な治療を行うと感染性は24時間でほぼ消失します。抗菌薬による治療が基本です。標準的治療期間は10日間です。
ヘルパンギーナ
都及び区の定点当たりの報告数は増加しました。
ヘルパンギーナは、コクサッキーウイルスやエコーウイルスによる感染症で、乳幼児に多くみられる夏かぜの代表的な病気です。
接触感染と飛沫感染ですが、糞便にもウイルスが存在するため、手指を介して経口感染も起こります。
高熱が出ている急性期に最も感染力が強く、鼻汁や咳からウイルスが排泄されるほか、解熱後も最大4週間、糞便にウイルスが排泄されます。
感染して2~7日後発症します。突然の38~39度台の高熱に続き、のどの粘膜に小丘疹、次に痛みのある水疱ができ口内炎になります。2~4日程度で解熱し、7日以内に完治します。
一般には軽症ですが、入院が必要となることがあります。ワクチンや有効な抗ウイルス薬はなく、対症療法を行います。症状がみられる間は、安静、水分・栄養補給を心がけましょう。
感染性胃腸炎
都及び区の定点当たりの報告数は増加しました。
例年、11月から2月にかけて保育園や幼稚園、高齢者施設などを中心に腹痛、下痢、嘔吐を主な症状とする感染性胃腸炎の集団感染が報告されています。感染性胃腸炎の原因として最も多いのがノロウイルスです.
経口感染、接触感染、空気感染(飛沫感染)により感染するため、各施設においては、手洗いの徹底や施設の衛生的管理など、感染予防に努めましょう。
インフルエンザ
都及び区の定点当たりの報告数は増加しました。
インフルエンザウイルスが原因で起こります。いったん流行が始まると、短期間に多くの人へ感染が広がります。くしゃみやせき等による飛沫感染が中心です。
季節性インフルエンザは、毎年11月下旬から12月上旬頃に発生が始まり、翌年の1~3月頃にピークを迎えます。
突然出現する高熱、頭痛、関節や筋肉痛など全身の症状が強いのが特徴で、あわせてのどの痛みやせきなどの呼吸器症状や消化器症状が出現することがあります。
対象疾患
小児科定点対象疾患
- RSウイルス感染症
- インフルエンザ
- 咽頭結膜熱(プール熱)
- A群溶血性連鎖球菌咽頭炎
- 感染性胃腸炎
- 水痘(みずぼうそう)
- 手足口病
- 伝染性紅斑
- 突発性発疹
- ヘルパンギーナ
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
- 不明発疹症
眼科定点対象疾患
定点とは?
感染症の流行状況を知るために、一定の基準に従って、1週間当たりの感染症罹患者の数を報告していただく医療機関のことです。
文京区では小児科定点が4箇所、インフルエンザ/新型コロナウイルス定点が7箇所、眼科定点が1箇所、指定されています。
定点あたりの報告数とは?
1週間に一つの定点(医療機関)あたり何人の患者の報告があったかを表す数値です。この数値によって感染症の流行状況が把握できます。区内の当該感染症報告全数を定点医療機関数で割った数が定点あたりの報告数です。
例えば、区内でインフルエンザの報告が28件あった場合、報告数(28件)を定点医療機関の数で割ります。この場合は、28÷7=4.0となり、区内のインフルエンザの流行状況を推計することができます。区内の定点数は東京都全体に比べ少ないため、値の変化が大きく出やすい傾向にあります。
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