更新日:2023年7月3日
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クリプトスポリジウム症は、消化管寄生性原虫(cryptosporidium)によって引き起こされる感染症です。
数々の動物の消化管に寄生しており、家畜や飼育環境・患者からの接触感染および、水・食品を介した経口感染があります。環境中ではオーシスト(嚢胞体)の形で存在し、増殖することはありませんが、経口摂取すると消化管内で増殖して便と共に排出され、新たな感染源となります。
感染期間(便とともにオーシストが排出される期間)は発症から症状の消失後、数週間に及ぶこともあります。オーシストは、水道水に含まれる塩素でも死滅せず、感染性を保持するといわれています。
潜伏期間は3~10日です。感染部位は小腸付近に限られ、症状は下痢(主に水様下痢)、腹痛、倦怠感、食欲低下、悪心などであり、軽度の発熱を伴う例もあります。下痢は1日数回程度から20回以上の激しいものまで多様です。症状は数日から2~3週間持続し、自然治癒します。
治療薬はなく下痢に対して整腸剤を用いるなど対症療法が中心です。水分補給・安静に務め、消化しやすい食事を心がけましょう。
保健衛生部・文京保健所予防対策課感染症対策担当
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