更新日:2025年8月27日
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2011年に初めて特定された新しいウイルス(SFTSウイルス)による感染症です。
日本では、平成25年に報告されて以降増加し、近年では年間100例を超えています。これまでは西日本を中心に報告されていましたが、令和7年に北海道で初めての症例が確認されたことから、今後は西日本に限らず他の地域においても患者が報告される可能性があります。
SFTSに感染した場合には重症化することもあることから、発症後速やかに医療機関を受診してください。
また、マダニに咬まれないための予防措置も重要です。
病原体はSFTSウイルス(SFTSV)です。
ウイルスを保有しているフタトゲチマダニ等のマダニに直接咬まれること、もしくは、マダニに咬まれて感染した動物(野生、屋外で飼育されている動物)の体液などにより感染します。感染患者の血液、体液との接触感染も報告されています。
マダニは野外に生息する大型のダニで、屋内に生息するダニ(コナダニ類・チリダニ類など)はこの疾患とは関係ありません。
潜伏期間は6日~2週間程度です。主な症状は発熱と消化器症状(おう吐、下痢など)が中心で、倦怠感、リンパ節のはれ、出血症状なども見られます。致命率は27%とする報告があります。
特別な治療法はなく、症状に応じた対症療法が行われます。
マダニに咬まれないように気をつけることが重要です。
特にマダニの活動が盛んな春から秋にかけては、マダニに咬まれる危険性が高まります。草むらや藪など、マダニが多く生息する場所に入る場合には、長袖・長ズボン(シャツの裾はズボンの中に、ズボンの裾は靴下や長靴の中に入れる、または登山用スパッツを着用する)、足を完全に覆う靴(サンダル等は避ける)、帽子、手袋を着用し、首にタオルを巻く等、肌の露出を少なくすることが大事です。
服は、明るい色のもの(マダニを目視で確認しやすい)がお薦めです。これは、SFTSだけではなく、国内で毎年多くの報告例がある、つつが虫病や日本紅斑熱など、ダニが媒介する他の疾患の予防のためにも有効です。
動物も感染し、人と同じような症状を呈することがあります。野生動物や衰弱している動物には触らないようにしましょう。動物に口移しで餌を与えるなどの過剰な接触は避け、動物を触った後は必ず手洗い等をしましょう。飼育している動物にマダニがついていないかなど、日頃より動物の健康管理に努め、健康状態不良時は動物病院に相談してください。
マダニ類の多くは、人や動物に取りつくと、皮膚にしっかりと口器を突き刺し、長時間(数日から、長いものは10日間以上)吸血します。
無理に引き抜こうとするとマダニの一部が皮膚内に残って化膿したり、マダニの体液を逆流させてしまう恐れがありますので、医療機関で処置を受けてください。
また、マダニに咬まれた後は体調の変化に注意し、発熱等の症状が認められた場合は医療機関を受診してください。
保健衛生部・文京保健所予防対策課感染症対策担当
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