更新日:2025年11月11日
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川崎病は1967年に小児科の川崎富作先生が最初に報告した原因不明の病気です。5歳未満の乳幼児にみられる急性熱性疾患で、全身の血管に炎症がおきていろいろな症状が出ます。小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群(MCLS)ともいわれます。
原因として、細菌の感染、ウイルスの感染、なんらかの環境物質による刺激などがいわれていますが、今のところその原因は特定されていません。
世界各地で報告されていますが、日本人など東アジア系の人種で多くなっています。
最もかかりやすいのは、0歳から4歳までの乳幼児です。1歳前後をピークに、患者全体の約80%を4歳以下の乳幼児が占めています。男児が女児よりも1.3倍程度多く発病しています。
以上の6つの症状のうち5つ以上の症状があれば川崎病と診断します。4つ以下でも、他の疾患が除外されれば不全型と診断されます。
また、川崎病が発病した時には全身の血管に強い炎症が起こり、特に冠動脈という心臓の血管の一部が瘤(コブ)のように膨らむ冠動脈瘤ができることがあります。心臓を動かしている血管がつまると、心臓が動かなくなり、これは突然死の原因となるため、入院して検査と治療が必要になります。
川崎病の治療では急性期の強い炎症反応をできるだけ早く抑え、冠動脈瘤ができないようにすることが大切です。一般的に『アスピリン療法』と『免疫グロブリン療法』が行われます。
重症例には、免疫グロブリン療法と併用してステロイド薬、シクロスポリンが使用されることがあります。
免疫グロブリン療法は、免疫グロブリン製剤を1~2日で投与する場合がほとんどです。
これらの治療法を行っても、少数ながら効果が得られない患者さんもいます(15~20%)。この場合、免疫グロブリン製剤の追加投与、その他の薬(ステロイド薬、シクロスポリン、抗TNF-α薬、その他の炎症物質を抑える薬)や血漿交換療法による治療などが行われます。それぞれ長所・短所がありますので、主治医から詳しい説明を受けてください。
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