更新日:2025年10月27日
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2024年は、1999年に感染症法に基づく調査が始まって以降、最も多い報告数(3,760件)となりました。報告数は2014年(507件)と比較し、約7.4倍まで増加しています。
特に男性は20歳代~50歳代、女性は20歳代で多くの患者が報告されています。



菌を排出している感染者との粘膜や皮膚の接触を伴う性行為(膣性交、肛門性交、オーラルセックス)などで感染します。キスでも感染することがあります。
妊娠中に感染すると母子感染することがあります。
有効なワクチンはなく、免疫ができないため、一度治療が完了しても何度も感染します。
妊娠中に梅毒に感染すると、胎児が感染してしまうことがあります。胎児が感染すると、死産、早産、新生児死亡、障害をもって生まれることがあります(先天梅毒)。
妊婦健診で梅毒感染の有無の確認をして、妊娠中は性行為の際コンドームを正しく使用し、気になることがあれば早めに主治医に相談しましょう。
先天梅毒と後天梅毒に分けられ、さらに後天梅毒は4期に分類されています。
病期によって、症状の出現する場所や内容が異なります。治療を行わなかった場合の典型的な経過は次のとおりです。
| ステージ | 感染からの期間 | 症状 |
|---|---|---|
| 第1期 | 約3週間~3か月 | トレポネーマが侵入した部位(陰部、口唇部、口腔内)に、しこり(無痛性の硬結で膿を出すようになり、これを硬性下疳と言う)が生じます。しこりはすぐ消えますが、まれに潰瘍となることがあります。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることがあります。 |
| 第2期 | 約3か月~3年 |
全身のリンパ節が腫れる他に、発熱、倦怠感、関節痛などの症状がでる場合があります。 「バラしん」と呼ばれる特徴的な全身性発しんが現れることがあり、赤い目立つ発しんが手足の裏から全身に広がり、顔面にも現れます。 |
| 第3期 | 約3年~10年 | 皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生しますが、現在ではこのような症例をみることは稀です。 |
| 第4期 | 約10年以降 | 多くの臓器に腫瘍が発生したり、脳、脊髄、神経を侵され麻痺性痴呆、脊髄瘻を起こし、死亡に至ることがありますが現在では稀です。 |
先天性梅毒
妊娠している人が梅毒にかかると、胎盤をとおして胎児に感染します。生後数年以内の乳幼児期に症状が現れる早期先天梅毒では、梅毒しん、骨軟骨炎などがみられ、学童期以降に症状を呈してくる晩期先天梅毒ではハッチンソン3徴候(実質性角膜炎、内耳性難聴、ハッチンソン歯)やゴム腫などがみられます。先天梅毒の報告は現在ではまれです。
ペニシリン系とセフェム系の抗生物質が有効です。感染からの経過が長いと、長期の治療を必要とします。
また、感染の可能性がある周囲の方(パートナー等)も一緒に医療機関を受診し、治療を受けることが重要です。
文京区では、毎月第一水曜日にHIV抗体検査(即日検査)と合わせて梅毒の検査も行っています。
検査は無料・匿名です。詳細はこちらをご覧ください。
治療を希望する場合や、すでに気になる症状があるときは医療機関を受診しましょう。
保健衛生部・文京保健所予防対策課感染症対策担当
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