更新日:2024年6月3日
ページID:2520
ここから本文です。
今般、海外において、麻しんの流行が報告されており、特にヨーロッパ地域における症例報告数は前年度の30倍以上に急増し、入院を要する重症例や死亡例も確認されています。また、訪日外客数が多い地域である東南アジア地域についても、世界的に麻しんの症例報告数が多い地域の一つとなっています。
国内においては、既に海外からの輸入症例が契機と考えられる事例報告もあり、今後、輸入症例や国内における感染伝播事例が増加することが懸念されます。
流行地域への渡航歴のある方や麻しん患者との接触のあった方は、健康観察を十分に行い、症状が呈するなど感染が疑われる場合は、事前に医療機関にそのことを電話連絡してからマスクを着用の上、早めに受診しましょう。
なお、感染症予防にはワクチン接種が有効です。
麻しんの感染事例に関する啓発リーフレット(PDF:287KB)
麻しんの予防接種に関する啓発リーフレット(PDF:88KB)
麻しんウイルスを原因とする感染症です。典型的には、10日から12日間の潜伏期間の後、38度程度の発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が2日から4日続き、その後39度以上の高熱とともに発疹が出現します。合併症がなければ7日から10日で回復します。
感染経路は、空気感染、飛まつ感染、接触感染で、免疫を持っていない人が感染すると90%以上の人が発症します。妊娠中に麻しんに罹ると流産や早産を起こす可能性があります。
感染してから発症するまでの潜伏期間は約10~12日です。
発症後の経過はカタル期、発疹期、回復期の3期に分けられます。
発熱、咳、鼻水、目やに、結膜の充血、口や頬の粘膜に小さい白い斑点(コプリック班)が出現します。
耳の後ろから始まる発疹が全身へ拡がっていきます。
色は初期の頃は鮮紅色ですが、次第に暗赤色になり、融合していきます。
全身へ拡がった頃に解熱します。
発疹が消退し色素沈着が残ります。また咳がひどくなることがあります。
特別な治療はなく、対症療法のみです。
中耳炎、肺炎、脳炎、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)などがあります。
※亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panenc ephalitis:SSPE)とは~
麻しんにかかった数年後に徐々に発症する約10万人に1人程度のまれな合併症で、運動障害、知能障害、けいれんを伴います。
麻しんは、感染力が強いと言われていますが、予防にはワクチン接種が有効とされています。定期接種(1歳児、小学校就学前1年間の計2回)のタイミングで予防接種を受けましょう。流行時や集団感染があった時などは、ワクチンの在庫状況により接種しづらくなる場合があります。
流行地域へ渡航される方は、罹患歴とワクチン接種歴を必ず確認し、罹患歴がなかったり、接種歴が確認できない場合は、麻しん・風しん混合ワクチン(MRワクチン)の予防接種をお勧めします。
以下の対象に該当する方は、公費で麻しん予防に有効なワクチンを、無料で接種をすることができます。
予防接種法に基づく予防接種です。予防効果を高めるため、1期及び2期の2回接種をします。
対象:生後12月から生後24月に至るまで
費用:無料
対象:小学校就学前の1年間(5歳以上7歳未満で、幼稚園保育園の年長に該当する方)
費用:無料
以下の制度における対象に該当する方は、無料で該当のワクチン接種をすることができます。
ワクチン接種の機会を逃した19歳以下の方に対する助成制度です。制度の対象や詳細は、「MR(麻しん風しん)定期予防接種の接種もれ」をご確認ください。
定期接種を受ける前の赤ちゃんを守るため、赤ちゃんと同居される方が麻しんに罹患しないように予防します。制度の対象や詳細は「0歳児麻しん対策」をご確認ください。
上記の制度に該当しない方は、医療機関と直接ご相談いただいたうえで、MRワクチンや麻しんワクチンを接種することはできますが、抗体検査や接種に係る費用は自己負担となります。
なお、風しん予防の制度に該当する方は、風しん予防を目的としてMRワクチンの接種ができることがあります。それぞれの制度の対象や詳細は「風しん予防の制度」をご確認ください。(ただし、風しん予防の制度を利用される場合、MRワクチンではなく、風しんのみの単抗原ワクチンを利用する場合もあるため、予め医療機関と良くご相談下さい。)
保健衛生部・文京保健所予防対策課感染症対策担当
〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号
文京シビックセンター8階南側
電話番号:
03-5803-1962
ファクス番号:03-5803-1355