平成20年度第2回文京区地域福祉推進協議会障害者部会要点記録

更新日 2011年01月06日

日時:平成20年6月23日(月曜日) 午後1時00分~午後3時00分

場所:文京シビックセンター16階 庁議室

次第:

  1. 開会
  2. 議題
    (1) 実態調査結果と課題について(資料第1号~第3号)
    (2) 計画の構成について(資料第4号)
  3. その他
  4. 閉会 

出席者:

《障害者部会員》高山直樹、内藤良二、綱島悦子、斉田宗一、佐藤澄子、安達勇二、井出晴郎、斎藤幹夫、住友孝子、上村榮子、大門勝、池上啓喜、井上美和、山内孝子、江口障害福祉課長、高橋福祉センター所長、佐藤予防対策課長、徳満教育指導課長

傍聴者:5名(内、介助者1名)

配付資料一覧

【次第】(PDFファイル; 91KB)

【資料第1号】課題抽出シート(PDFファイル; 1335KB)

【資料第2号】課題整理シート(PDFファイル; 294KB)

【資料第3号】実態調査カテゴリー一覧(PDFファイル; 20KB)

【資料第4号】計画の構成(案) (PDFファイル; 659KB)

1 開会(高山部会長)

議事に入る前に、障害福祉課長より第1回障害者部会での質問事項に対する回答の説明があった。

2 議題

(1)実態調査結果と課題について

障害福祉課長が資料第1号から第3号により説明を行った。

《主な質疑応答等》

課題整理全般について

【井出部会員】

資料を作成した。調査結果からの課題整理の中で、事務局資料では「多くの人が言っている」という記載が見られるが、「多く」とは何かということが分からなかった。カテゴリーの整理と、何人が回答しているかという整理をしたうえで、18~20年度計画に盛り込まれていない課題は新しい計画に盛り込む、という進め方をしたらいいと思う。

また、調査結果から課題を抽出する際に、調査対象者の意見なのか、調査者の意見なのか、事務局からの提案なのか整理しながら議論すると、いい議論ができるのではないか。

それから、調査結果には障害者団体9団体(38人)の意見が入っている。調査の中身について、団体の意見はどこか、個人の意見がどこか明確にする必要があるのではないか。高邁な話(政策的な話)と、タクシー券がもう1枚ほしいというような声と、かなり雑多な意見が入っているので、障害者団体からの意見が含まれているのではないかと思った。

【高山部会長】

団体への調査は、団体にも調査の状況を伝えてフィードバックをいただくことが有効だろうということで実施した。団体の意見というよりも、団体の方に集まっていただいた中での意見を個人的な意見として調査報告の中に入れている。

【斉田部会員】

私たちもヒヤリングに団体として参加している。団体の意見もあるが、個々の社会生活上の問題、地域社会に生きていくためのいろんな意見が出てきている。団体の意見も少し含まれているが、個々の意見をなるべく出したいという意図があった。団体の場合、件数というよりヒヤリングに出席した数名のほぼ思っている意見が出ている印象がある。

【大門部会員】

私は精神障害者の家族会だが、調査を受けているのは当事者である。調査でどのようなことをやっているのか途中の段階では分からないので、調査側と接触を持たせてほしいという意見を出した。団体ヒヤリングの参加者は家族会なので当事者以外であり、そこでの意見については意見交換という程度に思っている。数字の捉え方はどちらがよいか難しい。

【井出部会員】

20人のうち20人がそう思ったことと、20人のうち1人がそう思ったということは違うので、意見件数の母数を確認したいということで質問させてもらった。障害別の母数については、個別の調査人数+関係団体の調査参加者数を合わせた数と解釈する。

【高山部会長】

当事者の団体、家族とでは若干色合いが違うが、家族や団体の意見も全体の分析の中や図式に入れ込んでおり、また当事者の声とつながっていると確認している。団体へのヒヤリングにより多くの意見をいただき、深い部分で分析できるようになったと思う。

井出委員の整理の仕方はよいと思うし、また18年度~20年度の計画との連動性、継続性が重要である。井出委員の資料と事務局資料を合わせながら見ていけるとよい。

【佐藤予防対策課長】

報告書では意見はなるべくそのまま載せているという話を聞いているが、集計なので同じような意見は書いておらず重複する意見が数件あるということはないか。

【高山部会長】

ニュアンス的に同じような意見だとしてもそのまま出させていただいている。

今日は最初の議論なので、前提条件を整理しながら、抽出した課題について議論していきたい。

身体障害者(視覚障害)について

【高山部会長】

福祉サービスとバリアフリーに関する意見が多く出てきている。また、就労のこともあった。一番特徴的なのはバリアフリーのところで、物理的なバリア(段差)をなくすことに関して、視覚障害の方は逆に段差がなくなるとわからないという意味でのバリアの問題がある。バリアに関しては、もう少し丁寧な議論が必要だという意見が印象に残っている。バリアといっても、それぞれの障害によって違うバリアがある。

【斉田部会員】

視覚障害者は段差がある方がいい、車椅子の人は段がない方がいいという意見の差はよく聞くので、この辺の問題をどう捉えて社会生活面の位置づけをするか。踏み切りや横断歩道においてもその辺のことが問題になるのではないか。

【高山部会長】

また放置自転車の件があり、家から区役所に来て帰るまでに怪我をしてしまう人がいる。

【佐藤部会員】

放置自転車については、文京区でも例えば千石の地下鉄のあたりなど整備が進んでおり、そういう形で区が整備をしていけば解決が早いと思う。私たちもとても歩きやすくなり、バリアをなくすことは私たちにとってもよいことである。区の施策としてお願いしたい。

【井上部会員】

駅周辺などは自転車置き場の整備が進んでいるが、日常生活において利用する商店街では自転車置き場が整備されていない。駅だけでなく商店街における自転車置き場の整備を、商店街、地域の方々と進めていくとよいのではないか。

【高山部会長】

バリアの問題は、視覚障害だけでなく全体に通ずるものなので、18~20年度計画に引き続き推進していくことになるだろうと思う。

また、視覚障害者の方のガイドヘルパーのニーズが非常に高い。井出委員の資料でも、幅広い年代での人材確保、ガイドヘルパーの用途拡大などの声、夜間や急用も含めた柔軟な利用などの声がすごく出てきている。

【住友部会員】

情報について、視覚障害者の方の点字や音声案内がある。点字ができる方は少なくなったということも聞いているが、点字に関するサービスや情報などについて、資料には出てきていないが視覚障害者の声はどうだったか。

【高山部会長】

情報ということに関して意見はあった。

障害者の計画は福祉部門だけではなくなっている。より広範な部署に関係して、総合的な施策になっている感じがしている。

身体障害者(聴覚障害)について

【高山部会長】

情報ともつながるが、資料2頁上から3番目、緊急時対応、特に防災に関する連絡の手段等の意見が強かった印象がある。

【佐藤部会員】

聴こえない方は、緊急時に連絡・情報機器が使えない時などの対応はどうするのか。また手話通訳がいないと対応できない場合など、問題が多々ある。緊急連絡の対応を区としてどのようにしているか。体制があればその周知、もしない場合には整備が必要である。

【江口障害福祉課長】

災害時、緊急時の安否確認ということで、ひとつの方法としては、障害者の情報を区で抽出して関係機関、消防署、警察、地域の町会や民生委員に情報を提供するという考え方があるが、個人情報などのことがありなかなか進んでいない。今は、「手あげ方式」で事前に区に登録していただき、その方に関して名簿を関係機関に送り災害時に対応をしている。昨年度からはじめたばかりでまだ十分浸透していないので登録されている方も少ないが、このような対応を進めている。この制度については広報でも周知したが、十分ではないところもある。防災課が中心となってやっているが、障害福祉課でも障害のある方にどう周知し登録していただくかが課題である。

【佐藤部会員】

手話ができる方の承諾を得て、連携ができるかどうかということも必要である。

【江口障害福祉課長】

区に手話通訳の方に登録をしていただいて、聴覚障害者から手話通訳者派遣の依頼があった場合に行っていただくという形でお願いをしている。やりとりはすべてFAXで行っているので、夜間や緊急時に連携がうまくいっていないというところは確かにある。

【高山部会長】

手話についても、強調されていた。柔軟な手話通訳の活用が言われている。

行政の窓口には手話のできる人はいるか。

【江口障害福祉課長】

手話通訳者設置の制度はあるが、区の窓口に制度としてはいない。現在は区の障害福祉課職員で手話ができる者がいるので、その者が対応している。制度として置くか、置くとすると毎日置くか、曜日を決めるとその日しか対応できない、などいろいろな問題がある。

【上村部会員】

防災、緊急時対応は、他の障害のところにはあまり出てこないが、どんな障害の場合にも共通する部分であると思う。母子2人暮らしで、母親が入浴中に発作を起こした際に、障害のある子どもに携帯電話を持ってこさせて必死で119番に電話して、危ないところを助かった方がいる。核家族化、高齢化が進み、高齢の保護者1人と障害のある子ども1人の生活などで、2人とも何か時に咄嗟の援助が欲しいというケースが多いと思う。区としては、高齢者は希望すれば1人暮らしの人には通報の装置をつけている。障害の方たちで必要とする場合に、そのような制度がないか考えている。

【江口障害福祉課長】

区としても、重度の障害者については火災安全システムという形で、火災については自動火災報知機の制度は持っている。緊急通報システムについては、重度の身体障害者や特殊疾病の方に対しては高齢者と同じような制度は持っているが、対象者が限られる。また、地域の協力員の方が必要だということから、利用が進んでいないという実態がある。

【高山部会長】

18~20年度計画43頁に「災害要援護者支援ネットワークの整備」の項目がある。

【江口障害福祉課長】

これについては、18年度に計画を立てた段階ではそこまで整備が進んでいなかった。19年度から動き出している。

身体障害者(肢体不自由)について

【上村部会員】

本人が自分の状態の不自由さを訴えることができない場合には、適切に介入し支援できるソーシャルワーカーの配置と相談体制作りが一番大事なところなのかなと思っている。24時間いろいろな問題が起きるわけで、障害のある人が地域生活を送る場合には、24時間体制の、NPOでもよいので緊急支援の相談窓口などの機関が必要だと感じている。

【高山部会長】

総合相談、総合性と継続性とよく言われるが、そういう人が必要だということは様々な所で言われている。高齢者は地域包括支援センターが2006年にできて、まだ十分機能していないところもあるが、地区別ごとに総合相談窓口で社会福祉士を置いている。障害者分野でもそのような形にならざるをえないと思う。将来の方向性も踏まえて、総合相談窓口を強化するようなあり方は、声として出てきた。

【井出部会員】

報告書では、窓口や担当職員の専門性向上があちこちに出てくる。専門性というのはどの程度のものか分からないが、区役所では専門性の高い職員を窓口に配置しているのか。

【江口障害福祉課長】

役所の職員は、人事異動で一定のローテーションで動いている。福祉の専門職が少ないので、一般職員が対応せざるをえないこともある。ここ数年は、区でも福祉職の人間を採用し窓口につけたりしている。障害福祉課では身体障害者、知的障害者の担当係長、障害者就労支援センターの係長は福祉職がついている。できるだけ専門職をおくようにして、一般職の職員も研修等で専門家たりうるよう努力はしている。

【斉田部会員】

これからは、専門職を採用して5年~10年の長期でいられる人が必要だと思う。3~5年くらいで事務職の人は替わるが、替わるたびになかなか相談の中の細かなところが吟味できなくなる点が多々ある。区長の政策にもあるように、「やさしいまちづくり」「安全・安心のまちづくり」というならば、そういう人も配置していくべきだと思う。

【佐藤部会員】

どの障害でも、情報に関連したことがカテゴリーに入っている。いつの時代になっても、どこに行けばいいのか、誰に相談すればいいのかが分からず問題解決にならないので、きちんとした整理をして計画に載せることが大事だと思う。

【斎藤部会員】

文京区には、障害者トイレのマップはあるか。仙台の南の小さな市では、まちの中の障害者トイレのマップを作る動きがあった。何かの機会に文京区でも、マップを作ってみるとよい。そして障害者トイレがたくさんあったらよいが、少ない場合には設置の問題にまで目を向けないといけないのではないかと思う。

【江口障害福祉課長】

今現在マップはない。何年か前に社会福祉協議会でバリアフリーマップを作ったが、かなり前のものなので最新ではない。担当部署でバリアフリーマップを作る動きがあるのか確認していないので、確認させていただく。

【高山部会長】

マップは情報という意味で重要である。

【住友部会員】

専門職について。施設に関しても、福祉センターでも改善されて職員の方も一生懸命頑張っていただいているが、少し前には専門の人を職員に採用してほしいとの声が出ていた。私の子どもは訓練靴を履いているが、左右逆に履いて帰ってきたことがある。本人が何か訴えているのですぐに分かったが、事故につながることなので気をつけていただくようお話した。区の窓口についても重要だが、施設においてもきちんと専門職を配置してほしい。

【高山部会長】

専門性については、基本的には障害者の相談にきちんと乗れることもあるが、ソーシャルワーカーは全部自分で問題解決を導く訳ではない。重要なのは、ネットワークを持っているか、社会資源をどう活用するかということになる。現場におられる安達委員や池上委員にお訊きするが、既存の施設や事業所とのネットワークの問題はどう捉えたらよいか。

【安達部会員】

ネットワーキングは大変重要で、こういう問題はここに聞けばわかる、こういう社会資源がある、ということがどれだけ頭に入っているかが大事になる。相談支援事業に関しては、最近自立支援協議会が立ち上がり、その中でネットワーキングが進むかなと思う。

また、相談する人と受ける人の関係性の問題が非常に大きい。総合性と継続性の話が出たが、ここに行けばこの人がいる、この人に相談すれば他につながる、ということが重要だと思う。相談支援に関する不満や専門性の問題は、役所の体制そのものを問われているのではないか。民間では職員はそう替わらないので、異動に伴う問題は出てこない。

【池上部会員】

専門性は最初からあるものではなく、徐々につけていくものだと思う。法人での研修などをしっかりやることで、障害や本人に関する理解は法人、施設の中でかなりできる。

ネットワークは施設だけでは完結できない。文京区では、ネットワークはまだできていないと感じる。文京区には通所問題研究会というようなものもあるので、そういう所でできればよい。ネットワークは今回の計画でも大きなテーマになると思う。必要な時に必要な人が必要なサービスを受けることが当たり前にならなければいけない。そのような相談・支援体制づくりに今後努力していきたい。

【上村部会員】

必要な時に必要な支援を受けられることの事例として、知り合いのご主人が倒れた際に、子どもが若駒(本郷福祉センター)に通所していて偶々迎えの時だったので、若駒の職員が駆けつけて様々な手伝いをしてくれた。遠くの親戚より、身近な施設など支援の拠り所が身近にあることの大切さを感じた。また、親戚の者も重度の障害の子どもに対する支援ができないので、若駒を通して様々な手配をしていただいて大変助かった。

福祉センター建替えの問題もあるが、地域の拠り所というもの、通所施設、入所施設、グループホーム、ケースワーカー、またその間のネットワークが大事であり、それがないと私たちは生きられないと感じた。今はマンションが多いので近隣にプライベートなことを打ち明けて支援を望める人は少ない。自分の子どもの状態をわかっている施設や普段使っている所を中心としてネットワークを広げることが、一つの地域生活の考え方だと思う。

【高山部会長】

相談支援に関しては、区の方で自立支援協議会の専門部会もスタートしている。

肢体不自由の方においては、自立支援法絡みで1割負担の問題と負担感の軽減策、タクシー券、リフト付福祉タクシー、ヘルパーのことなどが課題として挙げられた。

身体障害者(内部障害)について

【斉田部会員】

携帯電話の問題が大きく、マナーができていないことも多いので、実質的にどのように徹底していけばよいか。見た目には分からないので、携帯電話をやめてくださいと言いにくいところもある。自分が障害者だというマークでもあればよいかもしれないが、持ちたくないという人も多い。IT社会の携帯等の問題点が障害者に及ぼす影響も検討したい。

【高山部会長】

施策として落とし込むのは難しいかもしれないが、斉田委員の発言も重要で、前回計画で見ると「心のバリアフリーの推進」のところに位置づけられるのではないかと思う。前回の計画では具体的な取組みはなかったようだが、これに関わることは何かあるか。

【江口障害福祉課長】

具体的な事業体系がとれないので、項目だけということになってしまっている。学校での教育などが関わってくる。

【井出部会員】

報告書92頁に「IH製品がたくさんあって恐い」とあるが、IH製品とは何か。

【斉田部会員】

電気の湯沸器や炊飯器などの台所用品や電子レンジなどで、磁気が発生する。電気メーカーでは大丈夫という話もあるが、どこまで大丈夫なのか証明されていない。

【井出部会員】

私は電気、電気通信の仕事をしているが、ブレーカーの近傍で工事をやっていて、電波の影響でブレーカーが落ちる事故があった。ペースメーカーにも影響はあると思う。

【高山部会長】

啓発的なことだが、だからこそ、具体的なものを出していかなければいけないかもしれない。皆さんにも意識していただいて、提案があればよろしくお願いしたい。

【内藤部会員】

視覚障害者に関して、階段の前に行ったときに放送が流れて階段の段数が頭に入ると歩きやすい、やさしいまちづくりになると思う。緊急時対応については、緊急事態が起きていることを知らせるために、例えば時計型の特別な振動が送れるものなどを持っていれば、聴覚障害の方も何かあることがわかってテレビなどで情報を得られるのではないか。

精神障害者について

【大門部会員】

精神障害者の家族であるが、他の障害者の実態を理解していないということがある。精神の場合の特色は、精神障害者手帳の取得に至らない前段階の人が非常に多いという実情がある。世間と接触をもたずに1人でいたり、家族と暮らしている人が少なくない。他の障害でも相談窓口の問題が出たが、そういう人が相談にいける場所がどこにもない。

シビックセンター3階に、障害者会館がある。当初は期待していたが、実際は会議室であり、事務室は会議室の予約を受けつける窓口としての機能である。私も毎月障害者会館を利用しているが、事務室へ困って駆け込む障害者の方が結構いる。区民とすれば素晴らしい区役所があるので、何とかなるだろうと思って来るのではないか。ひとつの窓口として相談内容により適切な行き先を示すことができれば、調査対象に入っていないような方の「何とかなる」「次につながる」場所となる。

【高山部会長】

「拠点化」という言い方をするが、拠点が区役所内にあるということは重要であり、またそれぞれのネットワークの中に拠点があるという形になると思う。

精神障害の方の相談、継続的な対応に関して、保健師が重要になる。保健師の対応やネットワークが重要であり、保健師が自分のキーパーソンだと思っている人が沢山おられた。

もうひとつは、文京区の特徴だと思うが、作業所が機能別にあって、病状の段階に応じて活用されているという感じがした。

【安達部会員】

作業所だけでなく、文京区では保健所デイケアが残っていることが、受け皿としてよい。

調査からは出てこないが、国でも重要な施策となっている退院促進ケアの課題がある。長期入院者が退院して地域で生活するという視点についても落としてはいけないと思う。

他に重要な視点として、障害者である部分と、病者であるという部分がある。病状により例えば1人で病院に行ける時と行けない時があり、自立支援法の中の給付事業では状態が変化する場合サービスが受けにくい。画一的なサービスでは、精神障害者の生きていく力を奪ってしまいかねない。

【高山部会長】

病状の安定を一番求めているということが、象徴的に出てきている。いろいろな状況の中で適切な支援にどうつながるかということが重要である。

もうひとつ、家族の方と住んでいる人と、1人暮らしで生活保護を受けて生活している人とで相当違うニーズがある。1人暮らしの方にとっては近隣の人たちとの関係性の課題が出てきており、誰かが介入しなければならない。家族の方と住んでいる人は、親が高齢になってきていることの心配をされており、家族支援のあり方ということも出てくる。

また、就労をしたいという意見と、就労と言っても月~金ということではなくもっといろいろな就労の形態があっていいという意見が強い。

【佐藤部会員】

就労支援については、知的障害者の場合と同じだと思う。庁内での就労が可能にならないか、などの点も盛り込んだ計画になるとよい。区としていろいろ考えていただいているが、もっと就労支援を充実させる必要性を感じている。

【高山部会長】

今回の計画では就労支援は打ち出してくると思う。就労支援センターが19年度にでき、就労支援連絡協議会もできてきている。前回と違うところはその辺りが具体化された計画になると思う。各障害を通して、就労支援はひとつの柱となる。

【住友部会員】

障害のある方が就労していて、ちょっとしたことで精神的に落ち込んでしまうことがあり、家族や職員等皆で相談してサポートしている例もある。周りの人のバックアップが大変重要であるので、協力体制がたくさんできるとよいと思う。

就学前、就学後障害児について

【山内部会員】

就学前障害児について。まとめられていることすべてが大事だと思う。サービス面では、送迎について送り迎えに保護者が一緒についていかないといけない。自分が体調を崩し、子どもは元気なので送ってあげたいと思った時に、どういうサービスがあるかわからず他の保護者に聞いた。受けられるサービスの情報をわかりやすく伝えてほしい。また、ファミリーサポートセンターやボランティアについても利用方法などがよくわからない。障害者手帳に関しても、受けられるサービスなどについて積極的に教えてもらえるとよい。

特別支援学級については、近くの学校になく引っ越さなくてはならないなどの意見もあるので、特別支援学級を増やす計画があるのかどうか聞きたい。

幼稚園、保育園の障害児の受け入れについては、園長が3~4年で代わるが、園長により方針が変わり、受け入れや入園した後の対応も変わる。そのこともお聞きしたい。

福祉センターについて、先生が異動になるのは仕方ないが、事前に何の話もなく4月に行ってみたら信頼していた先生が突然いなくなっていることがある。保護者の気持ちを少し考えてほしい。

【井上部会員】

福祉センターは、親としては最初に頼りになる行政の窓口なので、親に対しての行政サービスの勉強会や、愛の手帳についての説明があるといいと思う。例えば、親が急に病気になった時にどうすればよいか、現行の制度で何か利用できるか、親子が元気な時に頭に入れておくことができるとよい。

これから支援を考える中で、現行の支援をうまく利用すれば解決する課題と、現行サービスでは補えず新たに考えなければならないものと2通りある。学童期の場合、サービスがあるのに知らないがために利用しなくて困っているケースが大半を占めていると思う。「心身障害者福祉のてびき」をもらっているが、慣れない親御さんからすると、例えば「短期保護」と聞いても言葉がわからない。「障害児」「いざという時に」「子どもを預けたい時」など、もっとわかりやすい言葉で作っていただけるとよい。

ホームページを見たが、自分が入院することとなり子どもをどうしようと思った時に、「子育て」や「障害者サービス」をクリックしても出てこない。「子育て」「いざという時に」「子どもが障害児の場合」などのようにわかりやすいホームページの表記をしてもらえれば、現行のサービスを十分生かせるのではないか。

就労支援については、文京区立の中学生は通常学級ならば職場体験があるが、特別支援学級ではそのカリキュラムはない。親としては、将来的にはできる限り子どもには就労してもらいたいと思っているはずである。シビックセンター内での職場体験や、事業所との委託などによる職場体験ができる機会を、中学、高校の時から与えてもらいたい。また、北区の特別支援学校に通っている場合文京区の職場体験は難しいと思うが、区に在住しているのだから職場体験ができる機会をぜひ作ってほしい。

【高山部会長】

送迎の問題は大きい。それから、特別支援学級の質の問題、情報の問題がある。

【井上部会員】

送迎については、移動支援を知らない親も多いので勉強会を開いてほしい。その中で既存のサービスを利用し、不足している部分があれば区としてどのようなことができるか検討してほしい。また特別支援学級が4校しかなく地区に偏りがあり、子どもだけで通えず送迎しなければならない場合があるので、移動支援や送り迎えが絡んでくる。

【高山部会長】

母親同士の交流もあまりないような気がする。インターネット上の交流も必要だが、アナログ的に親のネットワークを作ることをどう支えるか、ということも重要になる。

【井上部会員】

福祉センターは父母の会があり、福祉センターで支えていただける。小学校に入ると、今現在特別支援学級のある4校の中で情報交換をしているが、行政からはどう支えてもらえるのか、また特別支援学校に通っている場合にどう支えるかということがある。

もうひとつ、相談窓口の一本化について。来月入院することになり子どもをどうしようと思った時に、子育て支援課、児童青少年課、障害福祉課のサービスがあり、保護者が3つの窓口に行ってサービスを照らし合わせ、走り回らないといけない。私の場合はお願いして障害福祉課が窓口となりケース会議を開いてもらったが、相談に対してどういう対応ができるか、ケース会議を開いて区としてのサービスをひとつの窓口で提案していただけるとよいと思う。私も、最初相談に行った時はパニックになっていた。パニック状態や、疲れきった状態で相談に行く場合も多く、相談窓口が1本だと大変ありがたい。

知的障害者について

【高山部会長】

知的障害についても重要であり、センター建替えの動きとも連動してくる。

私も秋田県の都外施設に行ってきた。基本的には帰りたいということがあり、また親が高齢化してきて冬になると面会に行けないということも訴えられている。

【佐藤部会員】

入所施設については、福祉センター建替えの計画の中にも入っており、私たちも心強く思う。子どもも高齢化し、親も高齢化して80歳を過ぎている場合も多い。先日も弟をみている高齢の方から、弟を残してどうしようかという相談を受けた。後見人をつけたらどうか、また入所施設があれば預けたらよいのでは、という提案もしている。地元に入所施設があるということは、地域で生活することが根底にあるので、重ねて計画の中に入れていただくことをお願いしたい。

就労のことも出ているが、通所施設で働いている方は少ない工賃で働いており、一般就労できる可能性のある人もたくさんいるので、積極的に進める計画を立ててほしい。また、就労支援センターの機能をもう少し効率のよいものにして、訓練を含めたもの、ジョブコーチの配置など、今もやっていただいているがさらに充実したものにしていただきたい。

【高山部会長】

地域生活支援と就労支援が重要なポイントになる。

センターの機能の中に入所をどう位置づけるかということも重要になり、計画と連動してくる。先週、センターの場所と機能の問題の委員会がスタートした。私はそちらの座長もしていて、部会での議論もそちらに持っていきたいと思うのでよろしくお願いしたい。

課題に関して、横断的なことでは就労支援、情報、バリアなどいろいろとあり、またその項目の中で具体的な障害別の課題があった。井出委員から出していただいた18~20年度の計画とどう連動していくかということも含めて整理し、今回の意見をそこに加えていく形になると思う。そのような方向性でまとめ、部会で全部は議論できないのでまた資料をお送りして意見を聞く。また、今日言い足りなかったことは事務局に言っていただく。山内委員の質問などについては、別の形でやっていただくこととする。

(2)計画の構成について

障害福祉課長が資料第4号により説明を行った。

《主な質疑応答等》

【高山部会長】

今日はもう時間がないが、関連して井出委員からもう1点資料をいただいている。

【江口障害福祉課長】

井出委員から、地域福祉計画改定の基本理念と基本目標に関する意見をいただいたが、この取り扱いをどうしたらよいかお諮りしたい。これは障害者計画だけではなく、障害者計画、子育て支援計画などを含めた地域福祉計画全体の基本理念、基本目標である。井出委員の意見に関連して部会の意見としてまとめるか、このままの形でよいかご議論いただき、最終的には地域福祉推進協議会の方で検討させていただきたい。

【井出部会員】

私の持っている視点と少し違う気がしたのでキーワードを出させていただいた。私がこのような意見を持ったということだけでもお話いただければと思う。上部委員会に上げるかどうかは、ここで意見提起させていただいたということで私としては十分である。

【江口障害福祉課長】

地域福祉推進協議会の事務局の方にご意見があったということをお話させていただく。推進協議会の下に庁内の管理職で構成する幹事会があり推進協議会と部会の調整をするので、そこに井出委員の意見を上げさせていただきどう取り扱うか検討させていただく。

3 その他

次回日程については、なるべく早く決め、日程を先に通知する。開催時間は、午後1時からとする。また、その次の第4回部会については、8月20日(水曜日)の午後1時から、区議会第2委員会室で行う。

4 閉会

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