更新日:2023年8月31日
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結核菌を吸い込むことによって人から人にうつる感染症です。早期発見し、結核に効果がある薬を医師の指示に従ってきちんと飲めば治療可能です。
主に肺に病巣をつくりますが、肺以外にも腎臓、骨、大腸などに病巣をつくることがあり、進行すると脳など全身に影響が及ぶこともあります。
結核の治療で大切なことは、処方された薬を飲み忘れることなく、最後まで内服することです。
この原則が徹底されず薬剤耐性になってしまった結核菌に感染すると、治療は困難を伴います。
そのために、保健所の保健師、病院の医師・看護師、薬局の薬剤師、介護入所施設のスタッフなど、地域の専門職が支援する体制ができています。治療が始まり、小さなことでも疑問があれば、主治医や保健所に相談しましょう。
結核の症状は風邪とよく似ています。
次のような症状が2週間以上続いたら、結核を疑い、マスクをして早めに医療機関を受診しましょう。
せき・たん・血たん・微熱・体がだるい・体重が減った・胸の痛み
重症の結核患者の「せき」や「くしゃみ」の中に含まれる結核菌を肺の奥まで吸い込むことによって感染する飛沫感染です。しかし、結核菌を吸い込んだ場合でも鼻やのど、気管支などで止まってしまい、肺の奥までたどり着いて増殖することがなければ、感染することはありません。また、飛沫の周りの水分が乾燥・蒸発した状態(飛沫核)でも、結核菌は生き続け、空気中を漂い、この飛沫核によって空気感染することもあります。
結核菌に感染しても、体内の免疫機能の働きで結核菌の増殖が抑えられるため、通常発病するのは10人に1から2人といわれています。結核菌に感染したからといって発病(結核菌が活動・増殖し体の組織を侵し始めること)をするとは限りません。
感染すると現時点で発病していなくとも結核菌が体内で休眠状態になっているため、免疫機能が低下したときに結核を発病する危険があります。抵抗力の弱い人(乳幼児や若年者、高齢者、栄養不良、過労、他の病気による体力低下、急激な体重低下があった方など)は結核に感染・発病しやすく注意が必要といわれています。
将来の発病の危険性を約70%抑えるために、発病予防の薬を飲む方法(潜在性結核感染症の治療)があります。結核に感染した人が発病する割合はもともと約10~20%ですが、服薬することで約3~6%に抑えることができます。
BCGは、ウシ型結核菌を弱毒化して作ったワクチンで結核の免疫をつけるために接種します。乳幼児の結核予防に高い効果があり、重症の結核を約80%予防します。ただし、BCGの効果は10~15年程度なので接種していても油断は禁物です。
胸部レントゲン検査で、結核を発病していないかどうかを確認できます。
自身の健康状態を把握するためにも、職場や学校・住民健診等を利用し、年1回は健診を受けましょう。
65歳以上の方は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」(感染症法)により、年に1度は受診するよう規定されていますので、必ず健康診断を受けてください。
普段から規則的な生活習慣を心掛け、医師のもとで病気の管理をしておきましょう。主に注意するポイントは、バランスの良い食事、禁煙、睡眠時間の確保、疲れをためない適度な運動、ストレス解消などです。
結核を発病すると、病気の不安のほか、まわりの人への感染や自分に対する偏見への不安、職場への気遣いなど、患者さんは多くの問題を抱えます。感染性の結核であっても適切な治療によって、ほぼこれまで通りの生活をすることができるようになります。
保健所では、結核についての啓発、予防、健診などに取り組んでいます。結核についてご不明な点がありましたらお気軽にご相談ください。
結核治療には、医療費の一部を公費で負担する制度があります。
詳しい内容やご質問は、治療に係る公費負担制度についてをご確認ください。
保健衛生部・文京保健所予防対策課感染症対策担当
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