更新日:2021年11月8日
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借主が賃貸住宅を退去する際に、壁紙張り替えやハウスクリーニング等の原状回復費用として敷金が返金されない、敷金を上回る金額を請求されたという相談が寄せられています。
新築の賃貸マンションに4年間住んで退去した。退去後に貸主から「リビングの壁紙に所々細かい傷がある。部屋全体の壁紙を張り替える。張り替え代は40万円だ。敷金を10万円預かっているいるのであと30万円払ってほしい」と言われた。壁紙を傷つけた覚えはない。一切払いたくない。敷金を返してほしい。
7年間住んだ賃貸マンションの退去時に「ハウスクリーニングする。5万円を敷金から差し引く。特約にも書いてある」と言われた。部屋の清掃は毎週行っていた。払わなければならないのか。
事例1では、通常の使用方法でできた傷であれば借主が修理代を負担する必要はありません。借主が故意や不注意で傷つけた場合は借主の責任となりますが、負担対象範囲は平方メートル単位が基本です。壁一面の負担が認められることもあります。経過年数による価値の減少が考慮され、壁紙は6年で残存価値が1円とされています。ただし、工事費等の負担が必要となることがあります。退去後に「傷がある」「ない」で争いになることがあるため、退去時の立会点検で、両者で汚れや傷を確認し写真を撮っておきましょう。
事例2では、ハウスクリーニングは次の借主のためのものなので、通常の掃除を行っていれば費用を負担する必要はありません。しかし、借主に負担させる特約がついていることがあり、特約については(1)その必要性と合理性が存在すること(2)借主が特約の内容を認識していること(3)借主が義務負担の意思表示をしていること、の3つの要件が満たしていることが必要です。裁判の結果、特約が無効となった例もあります。
退去時のトラブルは貸主との話合いにより解決を図ることが基本ですが、解決しない場合は、少額訴訟、民事調停などの法的手段をとることになります。
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