感染症発生動向調査:文京区感染症週報
2018年第15週(2018年4月9日 - 2018年4月15日)まで更新
今週の動向
第15週(2018年4月9日 - 2018年4月15日)について
感染性胃腸炎
都及の定点当たりの報告数は増加し、区の定点当たりの報告数は減少しました。
例年、11月から2月にかけて保育園や幼稚園、高齢者施設などを中心に腹痛、下痢、嘔吐を主な症状とする感染性胃腸炎の集団感染が報告されています。感染性胃腸炎の原因として最も多いのは、ノロウイルスやロタウイルスです。ノロウイルスは小学生以上に多く、ロタウイルスは乳幼児に多く見られます。感染経路は、飛沫感染、接触感染、経口(糞口)感染ですので、手洗いの徹底や施設の衛生的管理など、感染予防に努めましょう。
都民向け情報リーフレット(東京都健康安全研究センター)外部ページにリンクします
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎
都及び区の定点当たりの報告数は、増加しました。
A群溶血性レンサ球菌という細菌による感染症です。小児がよくかかる感染症のひとつで、冬季に多く見られ、飛沫感染や接触により感染します。
感染して2~4日後に発症し、発熱、咽頭痛、頭痛、吐き気などが見られ、通常1週間程度で症状は落ち着きます。適切な治療を行うと感染性は24時間でほぼ消失します。抗菌薬による治療が基本で、標準的治療期間は10日間です。
伝染性紅斑
都の定点当たりの報告数は、わずかに増加しました。例年並みの流行レベルですが、一部の地域で定点報告数の増加がみられています。区の定点当たりの報告数はありません。
伝染性紅斑とは、ヒトパルボウイルスB19による感染症です。皮膚の発疹を主症状とし、両頬がりんごのように赤くなることから「りんご病」と呼ばれます。主に春から秋にかけて流行しますが、最近は夏にも散発しています。
くしゃみやせき等による飛沫感染、経口・接触感染があります。他の発疹を伴う感染症と異なり、熱などの前駆症状の時に最も感染力が強く、発疹が現れた時には感染の可能性はなくなります。発熱、倦怠感、筋肉痛、頭痛などの風邪用症状で、治療は対症療法が中心です。
妊娠中にヒトパルボウイルスに感染した場合、感染した妊婦の5%以下に胎児水腫や流産が生じることがあります。
対象疾患
小児科定点対象疾患
- RSウイルス感染症
- インフルエンザ
- 咽頭結膜熱(プール熱)
- A群溶血性連鎖球菌咽頭炎
- 感染性胃腸炎
- 水痘(みずぼうそう)
- 手足口病
- 伝染性紅斑
- 突発性発疹
- 百日咳
- ヘルパンギーナ
- 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
- 不明発疹症
眼科定点対象疾患
定点とは?
感染症の流行状況を知るために、一定の基準に従って、1週間当たりの感染症罹患者の数を報告していただく医療機関のことです。
文京区では小児科定点が4箇所、インフルエンザ定点が7箇所、眼科定点が1箇所、指定されています。
定点あたりの報告数とは?
1週間に一つの定点(医療機関)あたり何人の患者の報告があったかを表す数値です。この数値によって感染症の流行状況が把握できます。区内の当該感染症報告全数を定点医療機関数で割った数が定点あたりの報告数です。
例えば、区内でインフルエンザの報告が28件あった場合、報告数(28件)を定点医療機関の数で割ります。この場合は、28÷7=4.0となり、区内のインフルエンザの流行状況を推計することができます。区内の定点数は東京都全体に比べ少ないため、値の変化が大きく出やすい傾向にあります。
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