麻しん(はしか)にご注意ください
感染予防にはワクチン接種が有効です。
麻しんについては、平成27年3月に日本由来の麻しんが排除状態にあるとWHO(世界保健機関)に認定されたところですが、平成28年以降、海外渡航者を通じた感染が報告されております。令和5年4月にも茨城県で海外渡航歴のある麻しん患者の発生が報告され、その後、5月には東京都内でも複数の麻しん患者が確認されています。
流行地域への渡航歴のある方や麻しん患者との接触のあった方は、健康観察を十分に行い、症状が呈するなど感染が疑われる場合は、事前に医療機関にそのことを電話連絡してからマスクを着用の上、早めに受診しましょう。
- 厚生労働省「麻しんについて」 (外部ページにリンクします)
- 都民向け情報リーフレット(東京都健康安全研究センター)(外部ページにリンクします)
- 東京都感染症情報センター「麻しん」 (外部ページにリンクします)
- 海外渡航時の感染予防について
麻しん(はしか)とは
麻しんウイルスを原因とする感染症です。典型的には、10日から12日間の潜伏期間の後、38度程度の発熱や咳、鼻水といった風邪のような症状が2日から4日続き、その後39度以上の高熱とともに発疹が出現します。合併症がなければ7日から10日で回復します。
感染経路
感染経路は、空気感染、飛まつ感染、接触感染で、免疫を持っていない人が感染すると90%以上の人が発症します。妊娠中に麻しんに罹ると流産や早産を起こす可能性があります。
症状
感染してから発症するまでの潜伏期間は約10~12日です。
発症後の経過はカタル期、発疹期、回復期の3期に分けられます。
(1)カタル期(3~5日)
発熱、咳、鼻水、目やに、結膜の充血、口や頬の粘膜に小さい白い斑点(コプリック班)が出現します。
(2)発疹期(4~5日)
耳の後ろから始まる発疹が全身へ拡がっていきます。
色は初期の頃は鮮紅色ですが、次第に暗赤色になり、融合していきます。
全身へ拡がった頃に解熱します。
(3)回復期
発疹が消退し色素沈着が残ります。また咳がひどくなることがあります。
治療
特別な治療はなく、対症療法のみです。
合併症
中耳炎、肺炎、脳炎、亜急性硬化性全脳炎(SSPE)などがあります。
※亜急性硬化性全脳炎(subacute sclerosing panencephalitis : SSPE)とは~
麻しんにかかった数年後に徐々に発症する約10万人に1人程度のまれな合併症で、運動障害、知能障害、けいれんを伴います。
予防
麻しんは、感染力が強いと言われていますが、予防にはワクチン接種が有効とされています。定期接種(1歳児、小学校就学前1年間の計2回)のタイミングで予防接種を受けましょう。流行時や集団感染があった時などは、ワクチンの在庫状況により接種しづらくなる場合があります。
流行地域へ渡航される方は、罹患歴とワクチン接種歴を必ず確認し、罹患歴がなかったり、接種歴が確認できない場合は、麻しん・風しん 混合ワクチン(MRワクチン)の予防接種をお勧めします。
予防接種
以下の対象に該当する方は、公費で麻しん予防に有効なワクチンを、無料で接種をすることができます。
1 定期予防接種
予防接種法に基づく予防接種です。予防効果を高めるため、1期及び2期の2回接種をします。
(1) MR(麻しん風しん混合ワクチン)1期目接種
対象:生後12月から生後24月に至るまで
費用:無料
(2) MR(麻しん風しん混合ワクチン)2期目接種
対象:小学校就学前の1年間(5歳以上7歳未満で、幼稚園保育園の年長に該当する方)
費用:無料
2 任意予防接種への費用助成制度
以下の制度における対象に該当する方は、無料で該当のワクチン接種をすることができます。
(1) MR(麻しん風しん)定期予防接種の接種もれ(令和5年度)
ワクチン接種の機会を逃した19歳以下の方に対する助成制度です。制度の対象や詳細は、「MR(麻しん風しん)定期予防接種の接種もれ(令和5年度)」をご確認ください。
(2) 0歳児麻しん対策
定期接種を受ける前の赤ちゃんを守るため、赤ちゃんと同居される方が麻しんに罹患しないように予防します。制度の対象や詳細は「0歳児麻しん対策」をご確認ください。
3 その他
上記の制度に該当しない方は、医療機関と直接ご相談いただいたうえで、MRワクチンや麻しんワクチンを接種することはできますが、抗体検査や接種に係る費用は自己負担となります。
なお、風しん予防の制度に該当する方は、風しん予防を目的としてMRワクチンの接種ができることがあります。それぞれの制度の対象や詳細は「風しん予防の制度」をご確認ください。(ただし、風しん予防の制度を利用される場合、MRワクチンではなく、風しんのみの単抗原ワクチンを利用する場合もあるため、予め医療機関と良くご相談下さい。)
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