主要課題No.21 介護サービス基盤の充実

最新の戦略シート

令和6年度 戦略シート（PDF：854KB）

課題解決に向けたストーリー

(1)現状

• 介護保険制度における本区の要介護・要支援認定者数はおよそ9,100人となっています。また、要介護・要支援認定率は、令和4年度は20.2％となっています。
• 本区の高齢化率は、国や都よりも低い水準であるものの、今後、高齢者人口の増加が見込まれるため、介護サービスのニーズも更に高まっていくことが考えられます。
• 令和4年度の高齢者等実態調査結果では、力を入れてほしい高齢者施策・介護保険事業について「在宅医療・介護」が42.3％で最も多い状況です。また、要介護・要支援認定者の75.9％が、今後の暮らし方について、自宅での暮らしを希望しています。一方で、「施設サービスの充実」を求める声は37.5％となっています。
• また、同調査結果では、区内の介護サービス事業所の54.2％が従業員不足を感じています。そのうち50.0％が「採用が困難」と回答しており、前回調査より10％ほど改善傾向にあるものの、賃金や社会的評価の低さ、精神的な仕事のきつさなど、その理由は前回と変わっていません。
• 国の試算では、将来必要となる介護職員数は2025年度には約243万人、2040年度には約280万人となっています。また、都の試算では、2025年度に約31,000人の介護人材が不足するとしており、本区においても、事業所の人材確保を支援する必要があります。

関連する主な計画等

文京区高齢者・介護保険事業計画（令和6年度～令和8年度）

関連データ

1. 要介護・要支援認定者数等の推移
   要介護・要支援認定者数は第1号被保険者（65歳以上の介護保険被保険者）・第2号被保険者（40歳以上64歳未満の医療保険加入者）の合計、認定率は第1号被保険者のみの算出です。平成22年度から令和4年度までの12年間で、認定者は2,476人、37.2％の増となり、認定率は3.3ポイント増加しています。
   
2. 介護サービス事業所の従業員の過不足状況
   区内の介護サービス事業所の54.2％が、従業員不足を感じており、「採用が困難」、「事業を拡大したいが人材が確保できない」、「離職率が高い（定着率が低い）」などの声が多く寄せられています。
   

(2)課題解決に向けて取り組むべきこと

• 住み慣れた自宅や地域での生活を継続できるよう、（看護）小規模多機能型居宅介護、認知症高齢者グループホームなどの地域密着型サービスを拡充するとともに、特別養護老人ホーム、訪問介護、通所介護などの介護サービスの安定的な運営を支援する必要があります。
• 介護サービス事業所におけるサービスの質の向上、若手職員の定着等に関する取組を支援し、介護人材の確保・定着を図ります。

(3)4年後の目指す姿

多様な介護ニーズに対応する事業所の整備が促進されるとともに、介護人材が働きやすい環境整備を支援し、介護人材の確保・定着が図られることで、区民に必要な介護サービスが安定して提供されている。

(4)計画期間の方向性

高齢者施設・介護サービス事業所の整備

高齢者・介護保険事業計画に示した整備方針等を踏まえ、公有地等の活用も視野に入れながら、民間事業者による整備を進めていきます。

介護事業従事者の確保・定着

介護の仕事の魅力発信や周知啓発を継続的に行うとともに、介護サービス事業所における、若手職員に対する資質向上や、外国人介護人材の受入れ等に関する取組を支援し、介護人材の確保・定着を図ります。

(5)手段（当初事業計画）

手段（当初事業計画）

事業番号	計画事業	所管課
87	民間事業者による高齢者施設の整備	介護保険課
88	地域密着型サービスの充実	介護保険課
89	旧区立特別養護老人ホームの大規模改修	介護保険課
90	介護人材の確保・定着支援	介護保険課
77	元気高齢者の社会参画支援事業	高齢福祉課

行財政運営の視点

介護サービス事業所の職場環境の向上や介護職員の負担軽減に効果が期待されている、ICT等の活用については、職員の習熟など様々な課題があることから、先行事業所の取組や国のモデル事業の検証等を踏まえ、支援方法について検討を進めていきます。