年賀会区長挨拶（令和2年1月7日）
<新春を迎えて>
令和2年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
本日ご列席の皆様方には、日頃より区政に対しまして、格別なるご支援とご協力を賜り、厚く御礼を申し上げる次第であります。本年も、皆様方のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。
また、本日は、名誉区民の加賀 乙彦様にも、ご多用の中ご臨席を賜っております。ありがとうございます。
加えて、前区長の煙山 力様にも、新年早々お越しいただいております。ありがとうございます。
<国の経済状況と区政運営>
さて、我が国の景気は、輸出を中心に弱さが長引いているものの、実質GDP成長率が4期連続でプラスとなり、緩やかな回復を見せています。今後も、雇用情勢や所得環境の改善が続くなかで、緩やかな回復が続くことが期待されていますが、海外経済の不確実性や、消費税率の引き上げによる影響等に留意する必要があり、依然として予断を許さない状況にあります。
私は、区政をお預かりしている者として、こうした動向を注視しつつ、全ての区民の皆様が安心して住み続けられる、活力あふれる地域社会を築けるよう、全力を尽くしていく所存です。
<令和2年度予算・区民サービスの向上>
次に、令和2年度予算についてですが、今後も本区が「選ばれる自治体」として発展を続けていけるよう、変化を続ける社会に迅速かつ柔軟に対応し、区政課題の解決に向けた多様な施策を展開してまいります。
その主な施策といたしまして、まず、今後も増加が見込まれる子育て世代への対応として、私立認可保育所の開設を中心とした待機児童対策を引き続き推進するとともに、指導検査及び巡回指導を両輪とした指導体制を強化することで、保育の質の向上に努めてまいります。
また、ひきこもりの長期・高齢化に伴う、いわゆる「8050問題」が社会的な問題となっていることを受け、ひきこもり状態にある本人やその家族を支援するため、複合的な課題に一元的に対応する総合的な相談支援体制を構築してまいります。
さらに、緊急輸送道路から避難所等までを結ぶ短区間の「緊急道路障害物除去路線」について、無電柱化に向けた検討を行うほか、区立公園や児童遊園への防犯カメラの設置、災害情報システムの再構築事業等、安全・安心への取組みを進めるなど、各分野での課題に応じた施策を適切に展開してまいります。
そして、いよいよ本年、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会が開催されます。本区はこれまでも、様々な取組みや事業を通じて、気運の醸成に努めてまいりましたが、大会を間近に控えた本年5月には、東京2020NIPPONフェスティバル共催文化プログラムに位置づけた競技かるた事業を実施するほか、7月には聖火リレーに伴う記念事業を開催するなど、区一丸となって、東京2020大会を盛り上げてまいります。
加えて、花の五大まつり等で行われる大会の記念事業のうち、まつりの発展や地域の活性化等、大会終了後のレガシーにつながる新たな取組みに対し、助成を行ってまいります。
さて、平成22年に策定した基本構想は、本年6月に、計画期間である「おおむね10年」を迎えます。この間、3期にわたる基本構想実施計画を着実に遂行し、本区の将来都市像である「歴史と文化と緑に育まれたみんなが主役のまち『文の京』」の実現に向けて取り組んでまいりました。
現在、新たな行政計画として、「文の京」総合戦略の策定を進めております。総合戦略では、基本構想の根幹となる「基本構想を貫く理念」と「将来都市像」を継承するとともに、多様性を増す行政需要に的確に対応し、将来にわたり持続可能で豊かな地域社会を構築していくために、これまで以上に、迅速かつ柔軟に区政課題を解決する体系にしてまいります。
また、区政運営に当たっては、区民の皆様との協働を一層推進し、多様なご意見を伺ってまいります。その一つとして、区が設置している委員会や審議会等において、地域活動団体から委員を推薦いただく際には、女性委員の登用について、特段のご配慮をお願いしたいと存じます。国連で採択された「持続可能な開発目標（SDGs）」や男女平等参画社会の実現の視点からも、よろしくお願い申し上げます。
<おわりに>
さて、今年は、子年です。子には子どもの「子」という字が当てられますが、もともと、この字は「新しい生命が種子の中に萌し始める状態」を表すとされています。そのことから、子年は、新しい物事が始まる年になると考えられています。
私は、「歴史と文化と緑に育まれた、みんなが主役のまち」の実現に向けて、新たな一歩を踏み出していけるよう、総合戦略の策定を進め、今後も、様々な世代を支える施策に全力で取り組んでまいります。皆様の一層のご支援とご協力を心よりお願い申し上げます。
結びに、本日ご列席の皆様と全ての区民の皆様のご健康とご多幸を祈念して、新年のご挨拶といたします。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
【本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。】
