第2回要点記録(HTML)

更新日 2016年03月02日

文京区障害者地域自立支援協議会 第2回障害当事者部会 要点記録

【日時】平成27年11月5日(木曜日) 15時から17時まで

【会場】文京シビックセンター3階 障害者会館会議室C

【出席者】髙山 直樹 (自立支援協議会会長)

志村 健一 (自立支援協議会副会長)

小和瀬 芳郎(障害当事者部会長・精神障害)

久米 佳江 (身体障害 区民公募)

四方田 敏幸(身体障害 区民公募)

石岡 美佐子(知的障害)

竹間 誠次 (知的・身体障害)

大形 利裕(就労支援専門部会事務局)

加藤 美穂(就労支援専門部会事務局)

須藤 直子(文京区福祉部障害福祉課長) 以上 10名

 

1 開会挨拶 (志村副会長、小和瀬部会長 挨拶)

2 議題

【議題1:平成27年度 就労支援専門部会からのテーマについて意見交換】(資料第1号)

 就労支援専門部会事務局の大形氏よりアンケートの主旨説明。

・企業で働く一般企業、福祉施設で働く福祉的就労いずれも大切。

・それぞれどんな課題、支援が必要か考えていきたい。

・区内の就労系の事業者、特別支援学校の方にアンケートを送りご回答いただいた。

・文京区の障害を持つ方の代表として、より多くのご意見をいただきたい。

※事前に送付しているアンケートに沿って各委員が発表した。

問1.福祉就労(作業所・福祉施設で働くこと)について、聞かせてください。

<良い点>

・専門職がいることで、自分の障がいを理解してもらい、自分にあった仕事をさせてもらえる。個別の支援が可能になっている。

・働くための環境が整っている。

・一般就労をしてないと引け目のようなものがあるが、無理をしすぎないことが出来る。

・仲間がいて、一人ぼっちではない。安心できる。居場所、職場がある。

・人間関係等、色々あるが、社会の一員として卑屈に思ったりしなくて済む。

・友達と一緒にお昼休みに、将棋やゲームをした。

・定期的にでかけることができるのはよい。

<良くない点>

・自分の世界だけになってしまう。健常者との関係を作ったほうがよい。

・虐待があること。テレビで報道されているのは、氷山の一角。

・のんびりしている点や配慮してもらえる点から、ぬるま湯に浸かってしまう。人生設計を忘れてしまいがち。

・今まで仲間と協力して仕事をしていたが、個別で動くようになったので、毎日しんどい。

・給料や工賃が安い。ゲームが買えない。しんどい。月2万円は欲しい。

・自分で考えて行動や作業することに欠ける点があると思う。

問2.一般就労(企業で働くこと)について、聞かせてください。

<良い点>

・働いた分だけ給料が出ること。

・障がいと関係ない人と接するのも良い。鍛えられて強くなることも必要。

・企業によっては、よい環境で継続的に就労できる点。

・色々な環境の人と接すること。自分の世界を広げるために一般企業での就労は、必要であると思う。

・一人前の人として扱われること、色々な人と共に働くことができること。

・社会の中で自分の能力を活かせる場、希望が持てるのではないかという点。

<良くない点>

・箱の組み立ての仕事は給料が安かった。いじめられた。

・働く時間が長くて、午後は体が疲れてしまう。

・終了時間になっても終わらなくて、その日によって帰る時間もばらばらだった。

・社員旅行もボーナスも新年会もない。忘年会もなくて、他の人達だけでやっていた。

・職場、企業、事業所の理解がなく、求人がない。受けても採用にならない。

・障がいがあることで、雇用されない可能性がある。

・自分の障がいを受け入れてくれる人ばかりではなく、環境に適応できない場合は、辛い事になる。

・障がいを理由に差別されるかもしれないと心配になる点。

・障がい者が作業に慣れないことで、誤解されやすいことがあるのではないか。

問3.企業実習(ためしに体験してみること)について、聞かせてください。

<やってみたい(その理由は)>

・自分の興味のあることなら、自分の感性を高めることができる。自分を受け入れてくれるかどうか、わからないので不安がある。

・職場のカフェでレジ打ちや接客を、一度は体験してみたいと思っている。

・どんな仕事があるかわからないから、二週間ぐらいやってみたい。特にやりたい仕事はない。どんな仕事があるか、わからないから。

・自分の新たな可能性について考えてみたいのでやってみたい。

・自立して仕事ができ、お金を稼げることができれば挑戦してみたいと思う。

<やりたくない(その理由は)>

・普段やっている活動で広がりやいきいきとした感じもあるので、企業実習をやってみ たいとは思わない。

・仕事場での人間交流が不安に思うから。

問4.作業所で働く知的障害のある人に意見を事前に伺い、共感できるもの。

・「人間関係の充実」は良いなと思った。作業所にいくと将棋等できる。

・「他の選択ができない」こと。他に行く所がない。

・「やりがいと充実」の所で「社会参加、規則正しい生活」をしたい。あとは、自分で考えて行動することができないので、教えてもらいながら作業に集中したい。生活のリズムが作れる。

・「人間関係の充実」「規則正しい生活」「他の選択がない」「小規模で職員の目が行き届き、スタッフも温かい」「スタッフが自分の事をよく理解して支援している」「人間関係の充実」に共感できた。細かい部分で共感できないこともあった。

■就労支援専門部会事務局の大形氏の総評

<印象に残った意見とその理由>

・「就労していないと社会に対して申し訳ない」

どうしてそういう気持ちに環境や社会がさせてしまっているのか、根っこの部分を解決する必要があると思った。

・「強くなるためにする」「一般就労は無理だから」

一般就労はとてもハードルの高い特別なことだと感じた。

・就労して良い点は、「一人前として扱われるところ」

・「人生設計を考えなくなってしまいがち」

支援する人たちの問題だと思った。やりたいこと、暮らし方など一緒に考えていかなくてはならない。

・「一人になってしまうと体がしんどい」「作業所はみんなで働く」

言い方をかえると企業の雇用管理の問題が問われていると感じた。企業の雇用管理に一石を投じた発言だと感じた。

・「ボーナス、新年会、旅行がない」

一般就労している人の働く質の問題というか、職業生活をする人の生活の質があまり高くないと感じた。余暇とか生活を楽しむような所まで至っていないことがわかった。

・「どんな仕事があるか、わらないから」

支援の立場で、きちんとした情報を提供できていないんだなという意識を持った。

・「働きたくない」

多様な価値観があり、障害のある方も福祉・企業就労等、多様な働き方があるということがわかった。企業実習や体験は、自分らしい働き方を見つける方法だという印象を持った。

・「他に選択肢がない」「他に行くところがない」「作業所へいくことを指導された」

当事者の方が自ら主体的に生き方を選択できていないことがわかった。とても重い意見ととらえ、福祉就労、企業就労のことだけではなく、もっと深い所に課題があるという問題意識を持った。

■就労支援専門部会事務局の加藤氏の総評

・障がい者就労は脚光を浴びているが、就労出来る人出来ない人という区別は違うと思う。

・就職していないから、同窓会にいけないという方もいて、就労すること=幸せと考えて良いものなのか、支援者側も考えていく必要がある。

・企業で一緒に働く人の意識を考えていかなければならない。人が一人変わってしまうことによって、職場の環境が変わってしまうことが現実によくある。

【議題2、3:平成27年度 情報発信、平成28年度の活動について】

席上配布資料:当事者部会からの情報発信について

(前回の振り返り)

情報発信とは

・障がいのある人が周りの人に向けて、いろいろな気持ちや考えを自分で伝えること。

今年度から、当事者部会を周りに知ってもらうための広報誌を作ってはどうか

・各委員の特技を活かした広報誌作りの提案。

・サイズはA4、両面印刷で写真やイラストを載せる。

・内容は当事者部会の説明や話し合いの要約、生活の中で嬉しいこと・困ること、将来の希望について、各委員の自己紹介等。

<委員から出た意見>

・誰に、何を大切に、どうやって発信をしていくのか。区民と限るのか。

・例えばお互いの障がいについて理解をしたこと。学びを発信してはどうか。紙、インターネット等の手段が考えられる。他の部会への発信も考えられる。

・スウェーデンはラジオ局を持っている。工賃が低い等は全国同じ。区長、都知事、全国、全世界へ発信してはどうか。対象は、障害のある方、より多くの区民、区長、都知事、商店街の人等。方法は、ラジオ、ホームページ、区長との対談、学校に話に行く、ケーブルテレビ等が考えられる。

・予算についてはいかがか。区の障がい福祉課のホームページが使えるか。スマートフォンで見られるホームページが必要。ラジオもおもしろいが、予算がかかる。お金をつけるならやりようはある。

・基幹相談支援センターのホームページの活用も含めて検討は必要。

・スマートフォンで見ることができる、手間なく目にできる仕組みが必要。

・本格的な発信には人件費も含めて予算が必要。

・一番現実的な方法は、小和瀬部会長に区長と対談してもらう等。それをケーブルテレビで流す等。

・A4のチラシは捨てられて終わりという気がする。紙であればインパクトが必要。

・その回に応じて方法は変えてもよいかもしれない。

当事者部会の来年度の取り組みについて

(前回の振り返り)

・来年度の発信をどう考えるか。例えば、各委員の体験などを発信するのはどうか。

・講演会やシンポジウムのような方法もある。

<委員から出た意見>

・3年間やってきたことを次に伝える為に整理しておきたい想いもある。

・文字を大きくしてほしい。見やすくしてほしい。

・3年間やってきたことを、まとめた資料があるとアンケートに答えやすいと思う。

・アンケートにしてもらうと、考えて自分の意見を答えられると思う。

⇒結論としては、十分に議論する時間が持てないため、3年間の振り返りも含めて、後日アンケートにて意見を集約。第3回にそれをもとに検討していくこととなる。

【その他:副部会長の選出について】

・自分の発言力が強くなってしまうこと、自身の体調に対しても不安があることから副部会長の選出をお願いしたい。副部会長がいると会も大きく見える。

⇒結論としては、今回欠席の委員もおり、来年度委員の再編もあることから、副部会長を置くことは決定とする。次年度以降、具体的に配置していく。

【その他:就労支援専門部会での報告をする委員の選出】

・前回相談専門部会には、小和瀬部会長、天野委員が参加した。

・石岡委員、竹間委員の挙手により決まる。次回当事者部会は2月上旬を予定。

【終わりの挨拶】

・精神障がい者の方に言われたことで印象的なことがある。「1週間のうち数日なら一般就労できるのに、週5日勤務を求められる」「健常者と同じ水準を求められる」「週2日、週3日なら働けるのに」という話があった。今後、障がい者の働き方について、今までのように週5日午前9時~午後5時ではなく、その人に合わせた多様な働き方を考えていく必要がある。そういった、おかしいと思ったことを声に出して発信していくことが重要になってくる。是非、今後も部会委員の皆様と一緒に考えていきたい。

 

まとめ

・福祉就労については、人や社会とのつながりを持て、居場所や安心できる場であるという意見があった。一方、閉鎖的な環境から虐待の心配や、人生設計を忘れてしまいがちという意見が挙がった。

・福祉就労において、「人間関係の充実」「規則正しい生活」「小規模で職員の目が行き届き、スタッフも温かい」「スタッフが自分の事をよく理解して支援している」「他の選択肢がない」と感じている委員が複数いた。

・一般就労について、働いた分の賃金が得られること、色々な環境の人と接することが良い意見として挙がった。一方、障害を理由に差別されるかもしれない、誤解されやすいのではという不安の声も聞かれた。

・企業実習は、自分の可能性を広げるためにやってみたいという声が多かった。仕事場の人間関係が不安なのでやりたくないという声も聞かれた。

・“当事者部会の平成28年度の活動について”や“情報発信について”は、後日委員の方にアンケートにてご回答いただくことになった。

 

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