ホーム > 区政情報 > 区長の部屋 > 所信表明・施政方針等 > 所信表明 > 区長就任にあたっての所信表明(令和5年6月文京区議会定例議会)
更新日:2023年6月8日
ページID:5205
ここから本文です。
私は、4月の区長選挙におきまして、多くの区民の皆様からのご支援をいただき、引き続き区政を担うこととなりました。
区長5期目にあたり、私の今後の区政運営に対する所信を申し述べ、区議会並びに区民の皆様にご理解とご協力のお願いを申し上げたいと存じます。
私はこれまで、「文の京」の未来を担う宝物である子どもたちと地域を守り育ててくれた功労者である高齢者の皆さん、大切な2つの世代に向けて、「子どもたちと高齢者への応援歌」を掲げ、すべての世代を支える施策の充実に全力で取り組んできたところです。この方針はこれからも変わらずに掲げてまいります。
本年度は、令和2年3月に策定した「文の京」総合戦略の最終年度であり、55の主要課題の解決に向けた201事業を遂行し、すべての区民が住んでいて良かったと実感していただける区政運営をさらに進めてまいります。
また、国の児童手当をはじめ、これまで主に中学生までが対象となっていた子育て世帯への支援を18歳まで拡大し、本年度より開始した所得制限を設けない高校生世代の医療費無償化に加え、0歳から18歳までの子どもがいる全ての家庭に支援が行きわたるよう、児童手当の対象とならない世帯に対する区独自の給付金を創設してまいります。
加えて、本区に集積するAIスタートアップ企業や区内大学との更なる連携によって地域課題の解決に挑戦するほか、東京ドーム周辺の再整備等、区の新たな価値が創造されるよう、大学や民間との共創によるまちづくりを推進するなど、官民の協働によるそれぞれの強みを生かした事業を展開し、区政課題の更なる解決に努めてまいります。
次に、7つの政策的課題に向けた取り組みを申し上げます。
1点目は、「災害・感染症から区民の生命と財産を守る取り組み」についてです。
本年は、関東大震災から100年の節目の年にあたります。これまでの大震災の記憶や教訓を継承し、区民一人ひとりの防災意識の更なる向上を図るため、引き続き在宅避難の取り組みを支援するとともに、中高層マンションの防災対策の強化や防災訓練への防災アドバイザーの派遣、防災士の活躍の場のサポート等に取り組み、地域の主体的な防災活動を一層促進してまいります。
また、災害対策基本法の改正や都の首都直下地震等による新たな被害想定等を踏まえ、「地域防災計画」を見直し、要配慮者の支援体制等、区全体の災害対策の充実を図ってまいります。
さらに、感染症対策を含め様々な状況に対応できるよう、危機管理体制を構築するとともに、関係機関との連携体制を強化してまいります。
2点目は「子どもたちに輝く未来をつなぐための取り組み」についてです。
まず、子育ての切れ目のない支援に向けて、(仮称)文京区児童相談所を令和7年度に開設し、児童虐待等の予防から介入までの幅広い支援の充実とともに、子育て家庭の孤立化の防止を図ってまいります。
また、区独自の給付金の創設等により、高校生世代への支援を拡充してまいります。
さらに、保育所等への巡回指導等を着実に実施するとともに、子どもの保育環境を整えることで、更なる保育の質の向上と安全確保を図るほか、医療的ケア児の受け入れの充実や放課後等デイサービスの整備など、子どもの発達に寄り添った支援を行ってまいります。
加えて、「子どもの貧困対策計画」に基づき、必要な教育・生活・経済的支援に取り組むとともに、次期「子育て支援計画」の策定に当たっては、子育て支援施策が全ての子育て世帯へきめ細かに行き届くよう取り組んでまいります。
教育施策については、時代に即したICT環境を整備するとともに、児童・生徒のグローバル化する社会に対応する力を育成してまいります。
また、区立小・中学校の特別教室を快適な教育環境とするための整備を進めるとともに、老朽化した校舎の改築等を進め、安全・安心な教育環境を整備してまいります。
なお、学校給食の無償化については、国において無償化に向けた検討が動き出したことを踏まえ、現下の物価高騰による子育て世帯の家計への影響を鑑み、区として、先行して、区立小・中学校において、9月からの開始に向け準備を進めることといたします。
あわせて、国には、国の責任において、早期に実現することを求めてまいります。
さらに、育成室待機児童の解消を目指すとともに、特別支援教育の推進や不登校を始めとした学級に馴染めない児童・生徒への支援の強化を図ってまいります。
3点目は、「健康で安心な生活基盤の整備」についてです。
だれもが住み慣れた地域で生きがいを持って暮らせる地域共生社会の実現に向けて、ヤングケアラーの負担や不安の軽減に向けた支援や、ひきこもり対策等に総合的に取り組みながら、制度や分野を超えた重層的な支援体制を整備してまいります。
また、小日向二丁目の国有地を活用した特別養護老人ホーム等の整備を進め、介護サービス基盤の充実を図るとともに、地域との連携を図りながら、区独自の24時間在宅ケアシステムの構築や認知症施策などに取り組んでまいります。
加えて、障害者の自立した生活に向け、施設の整備等を推進し、支援の充実を図ってまいります。
さらに、がんになっても安心して暮らし続けられる地域社会を実現するため、がん対策を推進してまいります。
4点目は、「活力と魅力あふれるまちの創造」についてです。
区民生活や地域経済に活力と賑わいを取り戻すため、中小企業に対する設備投資への支援に加え、リカレント教育やリスキリングによる人材育成への支援を通じて、中小企業の経営基盤の強化や生産性の向上を図ってまいります。
また、「文京ソコヂカラ」により、区内店舗への支援を強化するなど、商店街の活性化を図ってまいります。
さらに、区の文化資源を活用し文化芸術の振興を図るなど、文化・観光施策を一層推進してまいります。
5点目は、「文化的で豊かな共生社会の実現」についてです。
主体的な地域活動や学びの場、スポーツを楽しむ機会を通じて、暮らしの中に安心と豊かさを感じることができるよう、様々な施策を推進してまいります。
地域での様々な活動を再始動し、地域コミュニティの活性化が図られるよう、新型コロナウイルス感染症の影響で縮小・休止していた町会・自治会のイベント等へ支援を行ってまいります。
また、竹早公園と小石川図書館との一体的整備に当たっては、魅力ある公園づくりを進めつつ、文化的で豊かな生活を支えるスポーツ活動や学びの拠点を整備し、調和のとれた空間で、多様な人の交流や賑わいを創出できるよう、基本計画の策定を進めてまいります。
さらに、男女平等参画社会の実現に向け、固定的な性別役割分担意識の改革等に取り組むとともに、DVや生活困窮等の困難な問題を抱える女性が、切れ目のない支援により、自立に向けて安心した生活を送ることができるよう、関係機関や民間団体等とのネットワークの構築に取り組んでまいります。
6点目は、「環境の保全と快適で安全なまちづくり」についてです。
二酸化炭素排出量を実質ゼロとする「ゼロカーボンシティ」を目指し、地域一丸となって地球温暖化対策を推進するとともに、だれもが安全・安心な暮らしを送ることができる都市基盤の整備を進めてまいります。
また、昨年度に行った「バリアフリー基本構想」の中間評価を踏まえ、インフラ等のバリアフリー化を進めるとともに、区立公園や児童遊園等がより魅力的で快適なものとなるよう、公園再整備事業による良好な環境づくりに取り組んでまいります。
さらに、循環型社会の形成に向けた取り組みを推進するため、フードシェアリングサービスの実施による食品ロスの削減を進めてまいります。
また、総合的な自転車対策を推進するため、「自転車活用推進計画」に基づき、交通ルールやマナーに関する周知・啓発を促進してまいります。さらに、自転車ナビラインやナビマークの設置、駐輪場の整備などにより、通行空間や駐輪環境を整えてまいります。
7点目は、「持続可能な行財政運営」についてです。
一人ひとりに寄り添った区民サービスを、持続的かつ安定的に提供するためには、AI等のデジタル技術の活用が不可欠であり、業務改善や行政手続き等のオンライン化をより一層推進することで、区民の利便性の向上や暮らしの充実に取り組んでまいります。
また、旧元町小学校及び元町公園については、民間活力を活用した官民連携による整備を進めております。今後の公共施設の整備に当たっても、区民ニーズや地域特性、社会状況の変化等を的確に捉えて、施設整備を進めてまいります。
さらに、多様化・複雑化する地域課題の解決に向けて、企業やNPO等、様々な主体と共に、区に新たな価値を創造することを目指し、先進的な技術や知見を積極的に取り入れることで、これまでにない手法により、課題解決に取り組んでまいります。
ふるさと納税制度については、これまで行ってきたガバメントクラウドファンディングの手法による活用に加え、地域の魅力を発信し、地域振興を図る機会となるよう、更なる活用を図ってまいります。
以上、区政運営の基本ビジョン及び7つの政策的課題に向けた取り組みについて申し上げました。
当面見込まれる人口の増加に的確に対応する一方で、少子高齢化に伴う人口減少社会の到来も視野に入れ、社会の複雑化や高度化に伴い求められる多様なニーズへ対応し、区政を展開していくことが求められております。
変化が激しく、先を見通すことが難しい社会状況において、将来にわたり持続可能で豊かな地域社会を構築していくためには、迅速かつ柔軟に区政課題を解決していくことが不可欠となることから、これまで本区では、「文の京」総合戦略に掲げる主要課題の解決等に向け、一層の創意工夫を凝らしながら、効率的・効果的な施策・事業を着実に実施してまいりました。
計画期間が終了する本年度は、これまでの主要課題の解決に向けた取り組み状況等を踏まえ、区政運営の更なる推進を図るために、令和6年度から9年度までを計画期間として、「文の京」総合戦略の改定を行ってまいります。
「文の京」をさらに充実・発展させ、23万人の区民の皆様の暮らしを未来につなげ、すべての区民の皆様に「住んでいてよかった」「これからも住み続けたい」と実感いただけるよう、自治体経営の責任者として、新しい時代を切り拓くという強い気持ちを持って、すべての世代を支える施策の充実に全力で取り組んでまいります。
今後とも、区議会並びに区民の皆様の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、私の所信表明といたします。
ご清聴ありがとうございました。
【本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更が生じることがあります。】
企画政策部企画課
〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号
文京シビックセンター15階南側
電話番号:
03-5803-1126
ファクス番号:03-5803-1330