更新日:2023年11月27日
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文京区における食品等に起因する衛生上の危害の発生を防止し、区民の食生活の安全を確保するため、食品衛生法に基づき、文京区食品衛生監視指導計画を策定し、区の実状を踏まえ効率的かつ効果的な食品衛生監視指導を実施しました。なお、令和2年度は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、一部収去、講習会等の事業を中止しました。
食品衛生に関する監視指導は、文京保健所生活衛生課食品衛生担当が実施しました。
この他に、東京都と協力の上、大規模製造業、食品流通拠点及び輸入食品、並びに複数の区にまたがっての有害食品の排除及び違反処理などに係る監視指導を実施しました。
「食品衛生法」、「食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律」、「東京都食品安全条例」、「東京都食品製造業等取締条例」、「東京都ふぐの取扱い規制条例」及び「食品表示法」の遵守の徹底、製造、加工及び調理の各段階における一般的衛生管理の徹底を図るため、次の各事業を実施しました。
食中毒の発生リスクの高い業種、及び食中毒発生時に大規模な患者発生につながる大量調理施設に対する監視指導を適切な時期に実施しました。
腸管出血性大腸菌、サルモネラによる散発型食中毒を未然に防止するため、東京都と協力し、保菌者検索事業を実施しました。
区民からの健康相談や病院等から食中毒の届出を受けると、直ちに、原因食品、原因施設の調査を行い、その結果に基づき、被害の拡大を防止するための措置をとり、食中毒発生の原因・感染経路の解明、及び再発防止に努めました。
。
発生月日 |
患者人数 |
摂食者等人数 |
原因食品 |
病因物質 |
原因施設 |
|||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
10月6日 |
8 | 267 |
魚(シイラ)のごまだれ焼き |
ヒスタミン |
給食施設 |
|||||||
10月14日 |
1 |
2 |
シメサバ |
Anisakis simplex |
飲食店 |
また、原因施設が区外にある時は、東京都を通して施設の調査を依頼しました。同様に東京都からの依頼による区民の健康状況や施設の調査を行いました。
調査の結果、食中毒と断定できない有症苦情、区外で発生した事件の関連調査、保菌者等関係調査及び感染症等調査の合計は77件、患者及び有症者等224人、施設調査54軒、医療機関26施設でした。
原因究明のために、糞便、拭き取り、飲食物等の検査を行いました。
検査検体数:209件(実施機関:東京都健康安全研究センター)
平時、関係機関への情報提供に努め、連携して大規模な食中毒発生に対応できる危機管理体制の充実を図っています。
不正な添加物使用などの違反食品や異物混入などの苦情食品を未然に防止するため、製造・加工から販売まで監視指導を実施しました。
違反食品が確認された場合は、当該食品が使用や販売が行われないよう、関係機関と連携し、回収及び廃棄などの危害除去の措置を実施し、当該事業者に対して、再発防止を目的として監視指導を実施しました。
東京都食品安全条例に基づく「自主回収報告制度」により、区内営業者からの自主回収報告を受理した場合には東京都に報告します。
区民からの食品関係の苦情については、速やかに調査を行い、適切な処置と解決に努めました。
総数 |
異物混入 |
腐敗・変敗 |
異味・異臭 |
カビ |
表示 |
施設取扱 |
身体異常 |
その他 |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
令和2年度 |
121 |
14 |
1 |
5 |
0 |
1 |
34 |
28 |
48 |
令和元年度 |
124 |
24 |
2 |
4 |
3 |
6 |
36 |
27 |
20 |
(注)苦情分類は重複していることもあるため、各分類の合計数と苦情総数は必ずしも一致しな
いものとする。
苦情検査検体数:0項目
(検査機関:文京保健所、保健サービスセンター、東京都健康安全研究センター)
食品衛生関係営業者、消費者に対して来所・電話等により食の安全に関する相談に応じました。
対応総数 |
電話 |
窓口 |
|
---|---|---|---|
令和2年度 |
16,740 |
10,148 |
6,592 |
令和元年度 |
15,016 |
8,837 |
6,179 |
有害食品などの流通を防止するため、東京都、特別区など他の自治体と連携し、製造業における原材料、製造工程及び製品の監視指導、並びに流通過程における販売業などの流通拠点の監視指導を実施しました。
輸入食品の安全確保を図るため、情報収集に努めるとともに、区内に流通する輸入食品の監視や輸入業者への指導を実施しました。
食品表示法及び食品衛生法に基づく食品表示制度、特にアレルギー特定原材料に係る表示制度の周知と適正な食品への表示について監視指導を実施しました。
食品の安全確保を図るため、食品衛生検査(細菌検査)の際に腸管出血性大腸菌O157等の検査を実施しました。
検査検体数:114検体(検査機関:保健サービスセンター本郷支所)
食品の安全確保を図るため、食品製造業に対し重点的な監視を行い、製造工程の衛生管理、品質管理及び製造記録の確認を実施しました。
今後も、モニタリング検査等による定期的な効果の検証継続が必要となっています
学校や高齢者福祉施設などにおいて、主に冬季にノロウイルスを原因とする食中毒及び感染症が全国的に多発しているため、これらの施設等に対し、ノロウイルス食中毒を防止するために関係機関と連携しながら監視指導を実施しました。
学校及び社会福祉施設等の給食施設への監視指導:174施設
食品衛生監視指導に係る試験検査は、主に保健サービスセンター本郷支所試験検査担当が実施しました。食品衛生の検査を行う施設については、食品衛生法に基づく業務管理を実施して検査の信頼性を確保しています。
また、食中毒などの調査に関する試験検査は東京都との協定に基づき、東京都健康安全研究センターに委託しました。
その他、厚生労働省登録検査機関を活用した検査も併せて実施しました。
食品衛生法、食品製造業等取締条例及び食鳥処理の事業の規制及び食鳥検査に関する法律等に基づき飲食店、食品製造施設、食品販売施設、食鳥処理事業等の許認可事務を行うとともに、これらの施設の衛生状態や食品の取扱い状況について監視指導を実施しました。
食品衛生法関係 施設総数 |
食品衛生法関係 監視指導件数 |
食鳥処理場(認定小規模施設) 施設総数 |
食鳥処理場(認定小規模施設) 監視指導件数 |
|
---|---|---|---|---|
令和2年度 |
8,501 |
4,650 |
5 |
6 |
令和元年度 |
8,555 |
9,617 |
5 |
20 |
食中毒が多発する夏季及び食品流通量が増加する歳末には、重点的に立入検査を実施しました。
腸管出血性大腸菌O157対策については、前年に引き続き、自主管理体制の強化と給食施設等の監視強化を図りました。
冬季に多いノロウイルスによる感染症や食中毒発生の予防について学校・病院・社会福祉施設等の集団給食施設など重点的な一斉監視指導を実施しました。
総数 |
夏期一斉 |
歳末一斉 |
給食等大規模 |
その他(緊急含む) |
|
---|---|---|---|---|---|
令和2年度 |
2,214 |
836 | 579 | 167 | 632 |
令和元年度 |
4,278 |
1,203 |
697 |
472 |
1,906 |
有害食品や違反食品を排除するために、年間を通して時季に応じた食品検査を実施するほか、夏季及び歳末には一斉取締り事業の一環として、重点的に検査を実施しました。
その他に、食品取扱施設に立ち入る際に、衛生指導に役立てるために現場で実施できる簡易な検査(現場簡易検査)も実施しました。
さらに、消費者の食の安全に対する不安要因となっているアレルギー物質やノロウイルスの検査を実施しました。
検査の結果、弁当・調理パン等8検体、菓子及び材料6検体が文京区の細菌検査判定基準より多く細菌が検出されたため、営業者等に対し改善指導を行いました。なお、区内に製造所がない弁当については、製造所を所管する自治体に指導依頼を行いました。
検査項目:細菌数、大腸菌、黄色ブドウ球菌、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌O157、腸炎ビブリオ、カンピロバクター等
検査実施検体数:114検体(検査機関:保健サービスセンター本郷支所)
検査の結果、特に問題となる添加物は検出されませんでした。
検査項目:食品添加物検査と、国の定めた食品の規格基準適合検査
検査検体数:34検体(検査機関:保健サービスセンター本郷支所)
食品取扱施設への立入時に、ATPふき取り法による洗浄試験などを実施しました。
化学検査検体数:317件(清浄度試験、油の検査)
区内で流通する加工食品のアレルギー特定原材料(卵、乳、そば、小麦、落花生、甲殻類(えび、かに))を検査したところ、原材料に使用表示のないアレルギー特定原材料の検出はありませんでした。
検査検体数:19検体(穀類加工食品5検体、調味料7検体、菓子・製菓材料6検体、その他加工食品1検体)(実施機関:公益社団法人日本食品衛生協会)
区内に流通する二枚貝類、加工魚介類、冷凍果実類について、ウイルス(ノロウイルス、サポウイルス、アストロウイルスおよびA型肝炎ウイルス)検査を実施したところ、全検体から何も検出されませんでした。
検査検体数:二枚貝類(かき、しじみ、あさり等)18検体(実施機関:一般財団法人東京顕微鏡院)
食中毒の発生や違反食品の発見など、緊急な安全確保が必要とされる場合に、「営業停止命令」、「施設取扱改善命令」及び「販売禁止命令」の行政処分を行います。
また、法違反に対する行政処分などの措置を実施したときは、食品衛生上の危害の状況を明らかにするため、法違反者の名称、施設名などを公表します。
処分年月日 | 業種 | 原因食品 | 処分内容 | 理由 |
---|---|---|---|---|
令和2年10月16日 | 集団給食(届出) | 魚(シイラ)のごまだれ焼き | 食事の供給停止及び取扱改善 | 食中毒 |
令和2年10月22日 | 飲食店営業 | シメサバ | 営業停止・施設及び取扱い改善 | 食中毒 |
食品衛生の向上に関する自主的な活動を推進し、区民の食生活の安全確保をするための民間協力者として、文京区食品衛生推進員設置要綱に基づき10名の食品衛生推進員を委嘱し、その活動を支援することにより、地域の食品衛生の向上を図りました。
主な活動:食品衛生講習会受講等
文京食品衛生協会と共催で各種事業を実施しました。
食品衛生協会の自治指導員等を通じて、自主的な衛生管理に関する情報及び技術を食品関係事業者に提供し、支援を図りました。
共済事業:自治指導員講習会1回
食品衛生推進員、食品衛生自治指導員に対して最新情報の提供し、資質の向上を図りました。
食品関係事業者に対しては、法令の改正や一斉取締を実施した際の業態別衛生講習会の開催や実務講習会を通じ、各時点における最新情報と自主的衛生管理の手法について提供に努めました。
区民に対しては食品衛生街頭相談所・講演会等を実施するとともに、「区報ぶんきょう」・区ホームページ・ポスター等に食品衛生に係わる記事を掲載し、情報提供を行いました。
衛生講習会・文京お届け講座等の開催:
食品取扱従事者 1回 25人、一般消費者 11回 31人
「区報ぶんきょう」への記事掲載:5回
「区設掲示板」への啓発ポスター掲示:6回
食品衛生監視指導計画を策定するにあたっては、その案を文京区ホームページや保健所窓口等で公表し、広く区民や食品等事業者からの意見を募り、実施計画に反映させました。決定した食品衛生監視指導計画及び実施状況についても、文京区ホームページに掲載したほか、保健所窓口及び区政情報コーナーなどで公開・配布しました。
内閣府食品安全委員会、厚生労働省、東京都及び特別区が実施する研修に、食品衛生監視員及び検査担当技術職員を受講させ、知識や技術の向上を図りました。
保健衛生部・文京保健所生活衛生課食品衛生担当
〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号
文京シビックセンター8階南側
電話番号:
03-5803-1228
ファクス番号:03-5803-1386