主要課題No.48 災害時の要配慮者への支援
更新日 2024年03月27日
最新の戦略シート
(1) 現状
- 災害時、高齢者や障害者、妊産婦、外国人等にとって、避難のための情報把握や生活手段の確保等、適切な防災行動をとることは必ずしも容易なことではなく、災害時における安否確認手段や必要なサービスを提供できる体制整備が求められています。
- 令和3年5月に災害対策基本法の一部が改正され、避難行動要支援者に係る個別避難計画の作成が区市町村の努力義務となりました。区では、これまでも避難行動要支援者名簿の作成を進めてきましたが、同時に個別避難計画の作成についても制度の理解促進や勧奨に取り組み、同意方式名簿(平時から区民防災組織等に情報提供することに同意した人の名簿)のうち個別避難計画を作成している人は7割を超えています。
- また、区民防災組織や民生委員・児童委員等の地域の支援者の協力の下、避難行動要支援者を対象とした安否確認訓練等を実施するなど、避難支援体制の強化を図っています。
- 区では、避難所で生活することが著しく困難な高齢者や障害者等が避難する施設を確保するため、福祉避難所を25か所、妊産婦・乳児救護所を4か所設置し、必要な物資を備蓄しています。特に、感染症対策として衛生資材及びパーテーション、簡易ベッドを備蓄するとともに、避難所開設キット(行動手順書)を配備しています。
- 国は、令和3年5月に「福祉避難所の確保・運営ガイドライン」を改定し、福祉避難所の受入対象者を特定する制度を創設するとともに、個別避難計画等の作成プロセスを通じて、福祉避難所への直接の避難を促進しています。
- 近年増加する外国人居住者に対しては、言語や生活習慣が異なるほか、災害の経験や知識にばらつきがあるため、円滑な避難行動等をとることが困難な場合があります。
関連する主な計画等
- 文京区地域防災計画(平成30年度修正)
- 文京区避難行動要支援者避難支援プラン(全体計画)
関連データ
- 避難行動要支援者名簿の登録状況
令和4年12月末現在、関係機関共有方式名簿の登録者数は4,161人で、このうち、同意方式名簿の登録者数は、2,110人です。同意率は増加傾向にあり、5割を超えています。
- 福祉避難所、妊産婦・乳児救護所一覧
福祉避難所については、区内の福祉施設の運営事業者と連携・協力し、設置箇所数の拡大に取り組んでいます。
(2) 課題解決に向けて取り組むべきこと
- 災害時における避難行動要支援者の避難支援体制を強化するとともに、平時から、避難行動要支援者と地域の支援者との顔の見える関係づくりが必要です。
- 福祉避難所の拡充を図るとともに、福祉避難所への直接の避難に向け、対象者の特定や受入体制の調整等、円滑な避難につながる対応が求められます。また、要支援者の実情にあった物資の備蓄等、福祉避難所等の環境整備が必要です。
- 外国人居住者に対し、平常時から必要な情報を提供することで、災害時に適切な避難行動へつなげるなどの対応が求められています。
(3) 4年後の目指す姿
災害発生時における避難所での生活において、一般の避難所で過ごすことに困難を伴う要配慮者に対し、必要な支援が行き届き、避難生活環境が整備されている。
(4) 計画期間の方向性
災害時要支援者の避難支援体制の強化
避難行動要支援者名簿の登録を促進するとともに、関係団体等との連携により、災害時要支援者の安否確認や避難誘導など、適切な支援体制を構築します。また、外国人居住者を含む全ての人が正確な情報を取得し、適切な避難行動につながるよう、周知・啓発に取り組みます。
福祉避難所等の拡充・環境整備
区内の社会福祉施設との連携・協力により、福祉避難所の拡充を図るとともに、災害時における福祉避難所への直接の避難に向け、受入体制や運営の事前調整を進めていきます。また、福祉避難所等での避難生活環境の向上のため、備蓄物資の拡充に取り組みます。
(5) 手段 (当初事業計画)
事業番号 | 計画事業 | 所管課 |
---|---|---|
173 | 避難行動要支援者の支援 | 防災課 |
168 | 災害対策本部機能等の強化 | 防災課 |
174 | 福祉避難所の整備・拡充 |
福祉政策課・ 防災課 |
175 | 妊産婦・乳児救護所の体制整備 | 防災課 |