第3回要点記録(HTML)
文京区障害者地域自立支援協議会 第3回障害当事者部会 要点記録
【日時】平成28年2月3日(水曜日) 15時から17時まで
【会場】文京シビックセンター3階 障害者会館会議室C
【出席者】志村 健一(自立支援協議会 副会長)
小和瀬 芳郎(障害当事者部会長・精神障害)
天野 亨(身体障害 区民公募)
土屋 功子(難病)
石岡 美佐子(知的障害)
竹間 誠次(知的・身体障害)
畑中 貴史(権利擁護専門部会長)
新堀 季之(権利擁護専門部副部会長)
伊藤 美穂子(権利擁護専門部会事務局)
須藤 直子(文京区福祉部障害福祉課長) 以上10名
1 開会挨拶(部会長 挨拶)
2 事務局挨拶(本日の予定)
【議題1:権利擁護専門部会からの意見交換(机上配布)】
議題の説明(権利擁護専門部会 畑中部会長より)
・今年の4月から、障害を理由とする差別を対象とした法律が始まることになっている。現在、障害者差別解消法(すべての人が互いを尊重しあいながら、ともに生きる社会をつくるという目的でつくられたもの)の職員対応要領を作成中。障害を理由とする差別として以下2点が挙げられる。
1「不当な差別的取扱い」・・・「障害がある」という理由だけで、施設の利用を断るといった条件をつけること。
2「合理的配慮の不提供」・・・障害のある人が、その人の障害にあった工夫や、やり方(合理的配慮)をお願いしているのに、してもらえないこと。
今回、区で作成している対応要領から、合理的配慮(車椅子利用の方へ駅員が手助けをする。視覚障害者へ対する読み上げ、聴覚障害者へ対する筆談、ルビふり等、障害特性に応じた対応)に関する事例3つを挙げた為、御意見を頂きたい。
例1)目的の場所までの案内の際に、障害者の歩行速度に合わせた速度で歩いたり、前後・左右・距離の位置取りについて、障害者の希望を聞いたりする。
→聞かれたら、どう思いますか?うれしいですか?負担になりますか?
→どんな風に聞いてもらえたらいいですか?また、どんな聞かれ方は嫌ですか?
回答(抜粋)
・視覚障害者の誘導方法は、人により異なる。声がけのアドバイスとして、「障害者会館への行き方」を尋ねられた場合、「では一緒に行きましょう」といっていただくこと、また「このようにして一緒に行くのはいかがですか?」と聞いて頂くことは、有難い。ほぼ見えない人たちは、肩や肘をもたせていただき、一緒に歩き、弱視の方に関しては、希望の方法があるのか聞いていただきたい。階段や曲がる所があったら声をかける等、説明を頂けると有難い。
・交差点で、段差に躓いてしまう。案内の場合には段差に注意してもらうこと。
例2)疲れやすい障害者から、別室での休憩の申し出があった際、別室の確保が困難であったことから、当該障害者に事情を説明し、対応窓口の近くに長椅子を移動させて臨時の休憩スペースを設ける。
→休憩スペースが無いとしたらどう思いますか?
→休憩スペースを用意してももらうことをどう思いますか?
回答(抜粋)
・私は精神障害という疲れやすい障害。難病の人にも共通することかもしれないが、別室というのは静かな所が良い。長椅子の配置は、「配慮がなされている」と思う。疲れが急に高まって、症状が出ると不安になる。休憩スペースの確保はありがたいと思うが、はたして必要な障害者だけが、利用できるのでしょうか?
高齢者の方が使ってしまうと、障害者だけの合理的配慮というよりも高齢者用という優先的な意味合いになる。必要とされる障害者が排除されるようなこともあるかもしれない。
・別室のみえない場所で休憩をしたいが、皆に迷惑ということもあり、プレッシャーになる。私の経験なのだが、9階の生活福祉課にブースが5部屋あり、年配の人の相談で部屋がうまっている。疲れているのに、立ったまま印鑑や字を書いたりすることがある。行った時にブースが空いていれば良いが、きかれたくない話も周りにきかれてしまう。
・他の委員が言ったように、高齢者と障害者を分けてもらわないと、高齢者の優先事項が多い。高齢者はすぐに見たらわかるが、障害者は一見してわからないので、遠慮してしまう。長椅子も優先分を設けてほしい。一緒にされると押されてしまう。障害者・高齢者と条件わけは難しいかもしれないが、分けたほうがいい。
例3)会場の案内表示をわかりやすいものにする。
回答(抜粋)
・建物のサイン・絵を表示し、わかりやすいものにしてほしい。
・わかりやすいというよりも、上手く伝わるように努力する、工夫したほうがよいと思う。どこに、どのようなものをつけるか検討して頂く必要がある。たとえば障害者会館のトイレは右に奥まっていて、わかりにくい。表示する場所についても工夫する必要がある。
・(障害者会館のトイレの表示について)小さくてみえないことがある。デパート等サインがいっぱいあるとわからない。表示はきれいに、わかりやすくしたほうがいい。
・会場等の案内表示は、ひとつの情報。かつての障害当時者部会で話題になったことがあるが、案内表示の情報量の中身が多すぎたり少なすぎたりしても、わかりにくい。案内表示について精神障害者・難病者も共通かもしれないが、飲み薬を飲まなくてはならない場合があるため、水飲み場の案内表示をシビックセンターから始めてほしい。災害時、水飲み場は、障害者だけではなく、町の弱者や区民に必要となる場である。どこにどのくらいの量で、何を表示するのかということも大事。
その他
回答(抜粋)
・(権利擁護専門部会から挙げられた)事例については、平易な文章でお書き頂けるとありがたい。「当該」と言われても、「さてなんだろうな・・・。」と、わからない。
・『知っていますか?障害者差別解消法のリーフレット』には、ふりがながふってあり、良い面もあるが、視覚障害者の方は、(読み取りに)大変かと思う。
■権利擁護専門部会長の所感
皆さんから御意見を頂き、職員が行動へ移していったら良いのか参考にし、活かしていきたい。なかなか普段気づけない部分、「高齢者と障害者の方の扱いは違う」という新たな気づきを頂きました。ありがとうございました。
【権利擁護専門部会副部会長の所感】
国が提示しているたたき台をもとに、具体的なものになっているかどうかという所で皆さんの意見を伺いました。部会長から、障害があろうとなかろうと「便利なものを」という話がありましたが、目指すところはユニバーサルデザイン。つまり、すべての人に便利なものが求められているのではないでしょうか?ありがとうございました。
【議題2 障害当事者部会 広報物発行について】(机上配布)
回答(抜粋)
・参加した委員の意見を聞きたい。それぞれの障害を持つ人々が、こういうことを考えているんだなと、わかるような形でのせて頂きたい。
・お互いに分かり合える状況を色々な人に伝えたい。3年のあゆみの中で、一般の人にも知ってもらいたい。
・前回に比べればルビもふってあり良いと思う。A3の大きさは、ちょうどいい。
・まだ読んでいないので、申し上げようがない。
・部会長挨拶の部分を考えます。
【議題3 当事者部会の振り返り・当事者部会に参加しての御意見や御感想】(資料第2号)
回答(抜粋)
・最初はわからなかったが、それぞれの障害の方々の理解ができるようになった。視覚障害者のお気持ち等、知らないことを勉強させて頂いた。(みなさん)すごい意見をお持ちだなと思ったし、自分の意見を一生懸命おっしゃっているんだなと、非常に勉強になった。
・私も他の障害を持っている方のことがよくわからなかったので、勉強させて頂き、有難いと思った。言葉にならない気持ちを、会議という形だけではなく、一人ひとりの方々と上手くつながっていけたら、試みとして何か出来たらいいなと思った。その中で勉強させて頂いたことは、とても有意義な時間でした。ありがとうございました。
・(他の委員会と比べ、当事者部会のエピソードとして)アットホームな雰囲気。みなさん一人ひとり発言をし、進行されるのですごく良いなと思った。それぞれの立場から黙っているのではなく、発言する場所として良かった。
・全体的な印象として他の障害から、精神障害以外の障害特性・特徴・困った点を知る所から始まったのがよかった。障害者としての仲間を知ることが良かった。事前アンケートに記入・提出し、それをもとにして進める形式もよかった。全体的な印象としては、障害特性・特徴からくる発言よりも、個人的に大切にしているもの、個性から発言できたこともよかった。
・3年間かかわらせて頂き、最初は全く話せず終わってしまったが、アンケート方式で発表する形となり、意見を言えるようになった。書いて意見を言うことは、気が楽で言いやすかった。
・最初のころは緊張することもあったが、だいぶ慣れてきた。(資料を整理したり、録音したり努力している。)
【議案4 区民の生活のニーズに関する調査(実態調査)について】 (資料第1号)
回答(抜粋)
・「ジョブコーチ」「セルフプラン」という言葉がわかりにくい。
・「障害特性にあった職業訓練」と「障害特性にあった多様な仕事」の違いがよくわからなかった。
■部会長 総評
盛りだくさんの内容だった。権利擁護専門部会長・副部会長が総評で言っていたように、当事者の生の声が出てきた。(これからも)本人のことは、本人のいないところで決めないで、意見を聞いていってほしい。今回の当時者部会は、実りがあったと思う。ありがとうございました。
まとめ
・目的場所までの案内の際には、段差に注意し、階段等声掛けの配慮をして頂けると有難い。
・高齢者・障害者用休憩スペースであると、高齢者が優先になりがち。障害者であると一見してわからない障害もあるため、障害者専用スペースを設けて頂きたいという意見が挙げられた。
・会場の案内表示は、障害者に限らず区民のためにも情報量が多すぎず少なからず、わかりやすい表示が求められる。
・事例は、文京区職員の対応要領から抜粋したもので、書き方が職員向けであったため難しかった。区で働く職員の中にも障害を持つ人がいるはずなので、わかりやすくする必要があるという意見が挙がった。
【事務局】
障害者基幹相談支援センター
電話番号:03-5940-2903
FAX:03-5940-2904
所在地:文京区小日向2丁目16番15号 文京総合福祉センター1階
〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号
文京シビックセンター9階北側
障害福祉課障害福祉係
電話番号:03-5803-1211
FAX:03-5803-1352