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更新日:2025年2月7日
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令和7年2月文京区議会定例議会において、7年度の予算案をはじめ、関係諸議案のご審議をお願いするに当たり、私の所信の一端と新年度の主な施策の概要を申し上げ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力を賜りたく存じます。
能登半島地震の発生から1年が過ぎ、その後、集中豪雨による被害も重なりましたが、被災地では復興に向けた取り組みが進められております。甚大な被害をもたらしたこの災害は、災害時におけるライフラインの確保や避難所環境の改善など、今後の防災対策に多くの課題を残すこととなり、現在、国や自治体において、対策の充実・強化が図られております。また、1月には、昨年8月以来2回目の、南海トラフ地震臨時情報が発表されたほか、季節を問わず、各地で気候変動に伴う災害が多発するなど、日頃からの災害への備えを再確認することとなりました。本区においても、首都直下地震等の大規模災害に備え、緊急防災対策事業などを実施してまいりましたが、区民の皆様におかれましても、身近に迫る災害から大切な命を守るために、一人ひとりが必要な防災対策に取り組んでいただきますよう、引き続き、お願い申し上げます。
国際情勢に目を向けますと、ロシアによるウクライナ侵攻や中東地域における不安定な情勢が続く中、アメリカ合衆国では新しい大統領が就任したことによって、新たな展開を迎えています。
国内においては、昨年8月に、東京株式市場で株価が史上最大の振れ幅を記録したほか、急激な円安や物価の高騰、労働市場における人手不足などが生じました。こうした社会経済状況が激しく変化する中でも、区民の安全・安心な暮らしを守るため、様々な世代への施策を的確に展開していく必要があります。
また、明るい話題として、昨年夏にはパリ2024オリンピック・パラリンピック競技大会が開催され、本区ゆかりの選手として、パラリンピックにおいて、鬼谷慶子選手や木村敬一選手のメダル獲得などの活躍があり、私たちに大きな感動と勇気を与えてくれました。先月には、お二人ともに本年度の日本パラスポーツ賞に選出されるなど、うれしいニュースも入ってきたところです。
本年は、東京2025世界陸上と東京2025デフリンピック大会が開催されます。大会の成功はもとより、国や文化の違い、障害の有無を超えて互いに共感できる「スポーツの力」をレガシーとして引き継いでいくことも大切であると考えております。
なお、今般の都区財政調整協議に係る配分割合については、3年ぶりの合意に至っており、これまで培ってきた都区の連携・協力体制をより一層深めていくとともに、引き続き、「文の京」総合戦略における主要課題の解決へ向けた取り組みを一層充実させ、前例や既成概念にとらわれない、新たな発想や創意工夫による様々な施策を実施することで、次代を担う子どもたちの健やかな成長や、区民の健康で安心な暮らしを支える環境の整備に、全力で取り組んでまいります。
はじめに、令和7年度予算の概要について申し上げます。
我が国の経済状況は、雇用・所得環境が改善するもとで、緩やかな景気回復が続くことが期待される一方、海外景気の下振れが国内景気を下押しするリスクや、物価上昇の影響等に十分注意する必要があります。
区財政においては、ふるさと納税による税の流出や、不合理な税制改正による影響を受ける中、多くの公共施設の改修・更新等を計画的に行う必要があることなどを踏まえると、先行きは、決して楽観できない状況にあります。
このような中、7年度の予算編成に当たっては、各部の主体的・自律的な予算編成を促すことで、「文の京」総合戦略に掲げる主要課題の着実な解決に向けて、バックキャスティングによる戦略的な事業展開を図りながら各施策を着実に推進していく予算を編成いたしました。
また、喫緊の課題に対応するため、区として重点的に推進する必要がある事業を、「重点施策」として選定しております。
今後とも、限られた財源の中で、複雑化・多様化する行政課題に効率的かつ効果的に対応していくため、庁内の連携を強化するとともに、職員の柔軟な発想と創意工夫で業務の幅を広げ、行政としての対応力を高めることにより、行政需要の変化を的確に捉えた区政運営を進めてまいります。
次に、予算の具体的な内容について申し上げます。
はじめに、大規模災害に備えた防災対策の充実・強化であります。
本区では、首都直下地震等による被害想定や能登半島地震などにより顕在化した課題に対応するため、昨年7月に地域防災計画を修正いたしました。今後も、在宅避難の推進や中高層建築物の防災対策等、計画に掲げる取り組みを着実に実施し、頻発・激甚化する災害にも的確に対応してまいります。
まず、地域防災力の向上に向け、防災ガイドの全面リニューアルにより、引き続き、区民一人ひとりの防災意識の醸成に努めてまいります。また、マンション住民による主体的な防災活動を促進するため、災害時におけるマンションのトイレ対策セミナーを開催するとともに、マンホールトイレ設置助成の拡充を図ってまいります。さらに、区立小中学校の校門周辺に24時間利用可能なAEDを設置することで、傷病者に対する一次救命処置が速やかに行われる環境をつくるとともに、救急救命に対する意識の向上を図ってまいります。
また、避難者対策として、避難所での生活環境の改善に向けた国の方針等を踏まえ、避難所環境の充実に必要な備蓄物資の拡充や避難所運営ガイドラインの改訂に取り組んでまいります。さらに、避難行動要支援者への支援について、より実効性の高い制度運用を目指し、避難行動要支援者避難支援プランの見直しを進めてまいります。
次に、災害に強いまちの実現に向けて、耐震化率の向上を図るため、引き続き、建築基準法における2000年基準を満たさない木造建築物を対象とした助成を行うとともに、一般緊急輸送道路沿道建築物及び緊急道路障害物除去路線沿道建築物への助成を行ってまいります。
また、災害時の電柱倒壊による道路閉塞や断線等を防止し、円滑な避難・救急活動、物資の輸送を行うため、災害拠点施設周辺における区道の無電柱化を推進します。
2点目は、子どもが健やかに成長できる環境づくりについての施策であります。
本年4月に区児童相談所を開設し、専門性の高い児童虐待対応や支援を通して、子どもたちの権利擁護の一層の充実に取り組んでまいります。また、児童福祉機能と母子保健機能を併せ持つ「こども家庭センター」を整備し、妊娠・出産・子育て期における一体的な相談支援を展開いたします。様々な関係機関が連携することで、子ども、保健、教育、福祉部門が横断的な視点のもと、切れ目のない総合的な相談支援に取り組んでまいります。また、子どもをひとりの人間として尊重し、その権利を保障するとともに、子どもの最善の利益を守るため、こどもの権利に関する条例の制定に向けた準備を進めてまいります。引き続き、子どもが健やかに成長できるよう、子育て支援の更なる充実や、質の高い教育・保育環境の整備に取り組んでまいります。
子育て支援については、保育運営事業者に対し、職員体制の充実を要件に建物の賃借料等を補助することで、各地域において希望する年齢で認可保育所に入園できる環境を維持するとともに、安定的・継続的な運営支援と保育の質の向上に取り組んでまいります。
さらに、医療的ケア児が家族以外の他者との交流活動等を行う場として、本年4月に開設する元町ウェルネスパークに、医療的ケア児支援ルームを新たに開設いたします。
次に、教育施策については、不登校や、学級に馴染めないと感じている児童・生徒への支援を強化するため、学びの居場所架け橋計画として学校内で実施している校内居場所の指導員配置を拡充し、スクールソーシャルワーカーの配置等と合わせて、児童・生徒が抱える困難の早期対応・解決に向けた、「チーム学校」としての相談体制の強化を図ってまいります。
育成室の待機児童対策については、「育成室待機児童解消加速化プラン」のもと、保育需要が多い地域に育成室を重点的に整備することに加え、都型学童クラブに対して施設整備費用等を区独自に補助することにより、新規参入を促してまいります。また、待機児童をサポートする取り組みとして、児童館でのランドセル来館事業や放課後全児童向け事業の拡充を図ってまいります。さらに、各地区を統括するエリアマネージャーの配置を順次拡大していくことにより、保育の質を高め、放課後の居場所の機能性・利便性の向上を進めてまいります。
また、良好な教育環境の確保に向けて、明化小学校、柳町小学校等の改築を進めるとともに、小日向台町小学校、千駄木小学校等について、改築に向けた設計等の準備を進めてまいります。さらに、学校施設の快適性を向上させるため、小・中学校の特別教室を対象とした改修についても、スピード感をもって取り組んでまいります。
新たな青少年プラザの建設については、必要な設計を進めるとともに、小学生や中高生との対話及びアンケート等を通じて意見を聴取し、施設整備や運営方法等に反映してまいります。あわせて、インキュベーションオフィス「GROWTH文京飯田橋」に関連したスタートアップと連携して、中高生専用の居場所事業を実施するなど、中高生の自主的な活動を応援する取り組みを充実するとともに、活動の場を拡充してまいります。
加えて、多様な保育ニーズへ対応し、質の高い幼児期の教育・保育を実施するため、湯島幼稚園を移転し、認定こども園元町幼稚園として開設します。
このほか、小・中学生と高校生世代の学習支援事業を一本化することで、児童・生徒及び保護者と長期的に関わり、家庭全体を継続的に支援していくとともに、学習や進路、生活に関する相談支援、必要に応じたアウトリーチ支援、体験活動等の充実による総合的な支援により、子どもの将来の選択肢を広げ、貧困の連鎖の防止を図ります。
また、区立小・中学校の学校給食の無償化を継続するとともに、無償化の対象外となる国立、私立小・中学校等に通う児童・生徒の保護者に対する給食食材費相当額の給付を継続して実施してまいります。
なお、現在、次世代を担う若者に対し、「若者の生活と意識に関する調査」を実施しております。多くの皆様にご協力いただき、様々なご意見が寄せられており、今後、これらの調査結果を分析し、若者を支援する計画の策定を進め、若者施策の一層の推進を図ってまいります。
3点目は、地域共生社会の実現についての施策であります。
複雑化・複合化する課題や、制度の狭間にあるニーズにも対応できるよう、本区における包括的な支援体制の構築を推進するため、重層的支援体制整備事業を活用し、引き続き区民一人ひとりが生きがいや役割を持ちつつ、支え合い、助け合いながら暮らせる地域共生社会の実現を目指してまいります。
まず、高齢者福祉については、認知症当事者を含むシルバー人材センター会員の方たちが「チームオレンジお助け隊」として就業活動を開始することで、チームオレンジの取り組みや認知症への理解の促進を図ります。また、節目年齢を対象とした認知症検診事業を見直し、セルフチェック対象年齢を拡大するほか、実施方法をイベント方式の会場型から時期や場所が選べる指定医療機関型に変更することで、より早い段階で認知症予防や生活習慣の見直しに取り組むことができる機会を増やしてまいります。
また、高齢者の社会参画に重要な要素である聴力を維持するための補聴器の購入補助の拡充、生活への支援としては紙おむつ等支給の対象者を拡大します。
さらに、介護人材の更なる確保・定着を図るため、区内介護施設に従事する職員向けの住宅費用補助の対象を拡充します。また、介護支援専門員に係る研修費用補助の対象者の範囲を広げるとともに、登録料・支援員証発行手数料の費用を補助します。
介護サービス基盤の充実においては、引き続き小日向二丁目国有地での特別養護老人ホーム等の整備を進めるとともに、公有地等の活用により、地域密着型介護サービス施設等の整備を進めてまいります。あわせて、経年により老朽化が進む旧区立特別養護老人ホームについても、利用者に安心して利用していただけるよう、順次、大規模改修等の対応を行ってまいります。
次に、障害者(児)施策については、手話を言語とする方が、通訳者が同行できない場合でも手話を利用できるよう、区の窓口や区有施設にスマートフォンやタブレットを活用した遠隔手話通訳システムを導入します。
また、居宅介護、移動支援等のサービスにおいて、人材の確保や専門的資格取得の取り組みを行う事業所に対して補助を行うことで、訪問系障害福祉サービス等の人材確保対策を推進してまいります。
さらに、区内障害者施設の利用者による絵画等の作品の展示や作品解説等を通して、障害者への理解促進を図るとともに、障害者の創作活動を支援する講師の派遣や職員向けの研修を行うことで、創作活動環境の向上を目指してまいります。
なお、引き続き、障害者グループホームや生活介護施設、障害児通所支援事業所等の整備を促進し、障害者(児)の自立した生活を支援してまいります。
加えて、誰もが、主体的な健康づくりに取り組み、医療や介護が必要になっても住み慣れた地域で自分らしい暮らしを続けることができるよう、区民からヘルスケアに関する相談を受け、健康やケアについて学べるプログラムを提供するとともに、区内で働く医療・介護専門職等の交流・研修機会を創設し、在宅医療を支える多職種間の、顔の見える連携体制を推進します。
また、区独自の健康アプリを提供し、区民の身体活動量の向上や運動習慣の定着を促すことにより、生活習慣病の予防及び健康寿命の延伸に取り組むとともに、より効果的にアプリが活用されるよう、健康づくりの講座や講演会等のイベントを組み合わせて実施いたします。
4点目は、地域の活性化や賑わいの醸成についての施策であります。
コロナ禍において大きく落ち込んでいた観光需要が回復する中、物価の高騰や担い手不足など、地域が抱える多様な課題を把握しながら、現状のニーズに応じた支援を行うことが重要であると考えております。引き続き、地域経済と文化・観光の基盤を強化するとともに、主体的な地域活動や文化的な学びの場を通じて、将来にわたりコミュニティが存続できるよう、様々な施策を推進してまいります。
まず、地域コミュニティの活性化については、町会等の持続的な運営を支援するため、加入促進に向けたチラシやパンフレットの作成等への補助を新設するとともに、多様な地域活動団体と連携して実施する事業に対する補助を継続し、町会等への加入促進や担い手の確保につながる様々な事業を包括的に展開してまいります。
また、公共機能と民間機能の複合施設として、本年4月に旧元町小学校跡地に開設する「元町ウェルネスパーク」には、先に述べた医療的ケア児支援ルームのほか、会議や軽運動など区民の方が多目的に利用できる元町多目的室、地域交流スペースや、旧元町小学校と元町公園の歴史を伝える展示スペースを設け、様々な世代が集える地域の拠点として、区民の皆様に親しまれるような施設としてまいります。
次に、経済対策については、中小企業における経営者の高齢化等による事業承継の課題に対し、資金融資あっせんを拡充するとともに、事業承継セミナーの開催及び設備投資に係る補助を新設することで、承継を予定する中小企業に対して、将来を見据えた効果的な支援を行ってまいります。
あわせて、資格取得を伴う講座等の受講料を対象としていた企業のリスキリングに対する補助事業において、資格取得を伴わない講座等を補助対象に追加するとともに、補助件数を拡充することで、企業のリスキリングによる自社人材の強化を支援してまいります。
また、コロナ禍において、区内商店を支援するために文京区商店街連合会と協働で立ち上げた「文京ソコヂカラ」のウェブサイトについては、掲載情報の追加や検索機能の拡充などのリニューアルを行うことで、来街者数や個店の売り上げ増加を図ってまいります。
加えて、区内におけるスタートアップ等の交流促進を図り、持続的な成長を期待して、スタートアップ交流会を実施いたします。
商店街に対しては、商店会が所有する装飾灯の倒壊事故等を未然に防止するため、点検や修繕等に係る費用の一部を補助し、装飾灯の適切な維持管理と安全な商店街づくりを支援してまいります。
次に、文化・観光施策については、小倉百人一首や競技かるたの若年層への認知向上を図るため、謎解きを組み合わせたイベントを実施するとともに、新たに児童館及び青少年プラザにおいてかるた教室の開催や、かるた札の配付等を行ってまいります。
また、インバウンド需要のさらなる喚起に向け、観光PR動画の作成やデジタルマップの導入、肥後細川庭園におけるイベント実施により、区への来訪を促すとともに、観光を通じた地域の活性化を図ってまいります。
さらに、担い手不足などの課題を抱える、文京花の五大まつり等の実行委員会に対し、大学や企業等と連携する場合の経費の補助を拡充することで、まつりの持続化を支援してまいります。
都市交流については、交流都市との交流を継続して行うとともに、昨年10月に友好都市協定を締結した沖縄県うるま市との交流をさらに深めてまいります。また、12月に姉妹都市提携した大韓民国ソウル特別市松坡区とも、交流事業の実施等により、相互協力の関係を築いてまいります。
このほか、区立図書館においては、多様な学習活動を支える「学びの拠点」向上プロジェクトを推進し、ICタグを利用した貸出や返却のセルフ化を開始するとともに、図書館システムの更新によるサービスの拡充を図り、図書館利用者の利便性の向上に取り組んでまいります。
また、ジェンダー平等や多文化共生の視点を持ち、男女平等参画推進計画の改定を見据えて、未だ課題の残る女性の積極的な登用について、関係団体等へ働きかけを行うなど、区民一人ひとりが互いに価値観を認め合い、人権と多様性を尊重する社会の実現に向けた取り組みを進めてまいります。
5点目は、サステナブルな社会をつくるための施策についてであります。
将来にわたって持続可能な社会を実現するため、地域一丸となって地球温暖化対策を推進するとともに、2050年までに二酸化炭素排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」を目指し、脱炭素や資源循環に向けた取り組みを進めてまいります。
まず、脱炭素の取り組みについては、二酸化炭素排出量の削減に向けた、実効性のある施策を区として率先して推進するため、「文京区役所地球温暖化対策実行計画」を改定し、2030年までに、全ての区有施設の電力を再生可能エネルギー電力に順次転換してまいります。また、長期にわたって再生可能エネルギーの利用と電力コストの安定化を図るため、旧岩井学園グラウンド跡地において、太陽光発電所「文京ソーラーパワー・岩井」の整備を進めてまいります。
加えて、暑さ対策として区民施設に開設している「ぶんきょう涼み処」にボトルディスペンサー型の水飲栓を設置することで、熱中症対策に寄与するとともに、マイボトルの利用促進による環境にやさしいライフスタイルへの転換を推進してまいります。
さらに、集合住宅が8割を占める本区の脱炭素を進めるため、「新エネルギー・省エネルギー設備設置費助成事業」に、新たに集合住宅共用部におけるLED照明器具の設置費助成を設けるとともに、区民や区内事業者が脱炭素へ向けた行動に積極的に取り組めるよう、各種イベントにおいて、更なる普及・啓発を行ってまいります。
次に、資源循環の取り組みについては、区内全域において4月から可燃ごみの約15%を占めるプラスチックを資源として分別回収し、リサイクルする取り組みを開始するとともに、外国人に対する指導・啓発に、AI通訳機を導入することで、ごみと資源の分別方法等について、わかりやすく、正確な説明に努めてまいります。
このほか、良好な住環境の整備については、公園再整備基本計画に基づき、後楽公園等の設計や神明公園等の再整備工事を行うなど、区民の参画による計画的な再整備を推進してまいります。
最後に、持続可能な行財政運営について申し上げます。
国におけるデジタル社会の実現に向けた様々な取り組みが進められる中、「文京区DX推進プロジェクト」として、「フロントヤード改革」、「業務改革(BPR)の取り組み」、「DX推進に必要な環境・仕組みづくり」、「DX人材の育成・活用」を掲げ、自治体DXを推進してまいります。
今後とも、デジタル技術を活用した業務改革に取り組むとともに、行政サービスのデジタル化を進め、区民サービスの更なる向上を図ってまいります。
公有地の活用については、湯島総合センターの建替えに向け、現行の機能に加えて、地域における防災性・公共性に配慮したスペースや、地域の賑わいを創出するスペースを検討するとともに、世代間交流・コミュニティ形成を促進するような機能向上の検討を進め、誰もが利用しやすい、地域に根ざした施設を目指してまいります。
また、清掃事務所と認定こども園の入居を予定している、後楽一丁目の小石川地方合同庁舎については、円滑な入居となるよう、引き続き国と連携しながら、本計画を着実に進めてまいります。
加えて、白山四丁目国有地では、地域密着型の介護サービス事業所等の導入に向けて手続きを進めるとともに、本駒込二丁目国有地についても、地域の課題を解決するため、活用に向けた手続きを着実に進めてまいります。また、移転することとなった大塚四丁目の東邦音楽大学の敷地については、区が取得し、喫緊の課題である区立小中学校の改築等に活用すべく、手続きを進めてまいります。
なお、ふるさと納税制度については、制度廃止を含めた抜本的な見直しを行うよう、継続的に国へ要望してまいりましたが、本区において、来年度は40億円程度の特別区民税の減収が見込まれ、依然として拡大傾向にあり、看過できない状況が続いております。
こうしたことから、本区へのふるさと納税を促すべく、地域資源の活用や区内事業者等の協力による返礼品の提供に加え、多くの大学が立地する区の特色を生かし、新たに、地域貢献事業を実施する区内協定大学に寄附できる制度を設けました。昨年から、東京大学への寄附の募集を開始しており、今後、大学において、区民向けのスポーツ体験等の地域貢献事業を展開することとなっております。さらに他の区内協定大学にも参画を促してまいります。
今後とも、多様な行政需要を的確に捉え、様々な手法を活用して、持続可能な都市を形成するための取り組みを推進してまいります。
これまで、物価高騰対策など区民の暮らしを守る施策を展開するとともに、地域コミュニティの活性化により、様々な立場の人がつながり、活気あふれる地域活動が行われるよう、誠心誠意取り組んでまいりました。
今後も、「文の京」総合戦略の進行管理を行いながら、将来にわたり持続可能で豊かな地域社会の構築に向けた取り組みを積極的に行ってまいります。
私は、基本構想に掲げる将来都市像である「歴史と文化と緑に育まれた、みんなが主役のまち「文の京」」の実現に向け、全ての区民の皆様から「住んでいてよかった」「これからも住み続けたい」と思っていただけるよう、その責務を果たし、全力で区政運営に取り組むことを、ここにお誓い申し上げます。
結びに、区議会をはじめ、区民の皆様の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、令和7年の施政方針といたします。
ご清聴ありがとうございました。
【本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更が生じることがあります。】
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