令和２年度文京区障害者地域自立支援協議会　第２回地域生活支援専門部会　要点記録

【日時】令和２年１２月４日(金)午後2時から午後4時まで
【会場】障害者会館A・B会議室（文京シビックセンター３階）

【出席者】
安達 勇二 部会長、浦田 愛 副部会長、夏堀 龍暢 委員、樋口 勝 委員、行成 裕一郎 委員、髙田 俊太郎 委員、児玉 俊史 委員、小谷野 惠美 委員、佐伯 成章 委員
【欠席者】
中谷 伸夫 委員、市川 順子 委員、渋谷 尚希 委員、岡村 健介 委員、髙松 泉 委員、
清水 健譽 委員
【ゲストスピーカー】
新堀　季之氏（高齢者あんしん相談センター駒込センター長）、
秋元　康雄氏（神明西部町会長）、菅　完治氏（千駄木三丁目北町会長）
【事務局】
障害福祉課障害福祉係

１　開会
　（部会長より説明）
　駒込地区の特色・成り立ち等について情報共有を行い、令和３年度に開設する駒込地区の地域生活支援拠点の整備に活用する。新堀高齢者あんしん相談センター駒込センター長、小谷野委員、秋元神明西部町会長、菅千駄木三丁目北町会長の４名からお話しをいただく。

２　議題「駒込地区の特色・成り立ち等について」
　（新堀高齢者あんしん相談センター駒込センター長より説明）
　・　駒込地区は他区との境、地区の境が複雑なため、駒込センターの担当が分かりづらいことがある。
　・　お祭りがあること、町会の結束力が強いことから歴史があって人間関係が深い地区である。しかし、時代の移り変わりによりコミュニケーションを取りづらい住民も増えてきたため、どのようにまちづくりをしていくかが課題と聞いている。
　・　家族だけで障害者を支えている家庭が多いという印象がある。高齢者が要介護、認知症になるなどして相談に入ってはじめて障害者の子がいたことが判明することもある。
　・　近隣トラブルや家族間の不和による問題に対応する中で障害者と接する機会もある。
　・　圏域のひきこもりの事例の約２０件のうち、おおよそ半分以上が障害関係であった。
　

　（小谷野委員（保健サービスセンター本郷支所職員）より説明）
　・　保健サービスセンター本郷支所では、本富士地区と駒込地区を担当している。母子保健、成人対象の健康づくり、精神保健、難病の大きく４つの仕事をしている。
　・　精神保健では、主に統合失調症の方を対象にしたデイケアや自立支援医療を通して精神障害者との接点を持っている。医療的ケア児への医療行為に保健師として関係することもある。
　・　本郷支所の担当である本富士地区と駒込地区では、小石川方面の地区との違いとして、一軒家が多く、長期間居住している住民が多い。老々介護や障害を持った子が親を看取ること、遺産や相続といった問題が見受けられる。
　・　大学生や学生の親からの相談も多い特徴がある。精神疾患を持っている学生がサービスを受けたがらないこともあり、保健師だけで対応するには限界があるので拠点と連携して対応していきたいケースもある。
　
　（秋元神明西部町会長より説明）
　・　約７５０世帯が町会に加入している。新しい転入者と地域の絆づくりが課題である。
　・　昔は障害者の家庭の状況が見えていたが、今はほとんど見えてこない。町会がお世話しようとしても拒まれてしまうこともある。
　・　「こまじいのうち」に子ども対象の「こまぴよのうち」が併設されており、乳幼児から高齢者まで様々な住民が訪れている。子どもに食事を提供するボランティアも行っている。今はコロナの影響で寂しくなっているが、発達障害、ひきこもり、要介護者などの方々も訪れている。
　・　災害時の要支援者名簿を活用して月１回の見回りを行っており、有事の際にはお世話させてもらうことを説明している。

　（菅千駄木三丁目北町会長より説明）
　・　区を９地域に区分した場合の汐見地区に含まれている。汐見地区には７町会あるが、各町会、青少年健全育成会の繋がりが深い。古くから居住している住民が多いが、新しい転入者も増えている。
　・　役員の高齢化が課題である。昨年から「千駄木サポーターズ」という組織をつくった。イベントの手伝いなどをしてもらって町会に関心を持ってもらい、若い人が町会役員になることに繋げていこうというものである。
　・　千駄木三丁目北町会と他町会共同で管理していた町会会館を活用して「子ども食堂」を４年ほど前に開設した。当初は貧困の子どもはあまり来なかったように思えたが、コロナ禍後のテイクアウト方式に変更してからは貧困かと思われる親子も利用するようになった。
　・　古い貸家を活用して「坂下テラス」を開設した。半分は焼き菓子の専門工房、半分は地域のコミュニティとしている。



（質疑応答）
　質問　町会や民生委員には障害、難病、医療的ケア児に関する相談が入ってくるのか。
回答　・町会には入ってこない。近隣トラブルの相談はある。「こまじいのうち」では高齢者のひきこもりの相談などがあった。
・直接、相談が入ることはあまりないが、地域の世話好きな方からどこの家庭にどのような問題があるといった情報が寄せられ、地域福祉コーディネーターと対応したことがある。
　
質問　障害者の支援者は一対一の関係になりやすいので、地域の方と複数人で支援できるようにしていきたい。地域の世話好きな方とつながるための方法があれば教えてほしい。
回答　・世話好きな方は多くいると思う。しかし、助けてもらう側が拒否してしまうと世話することも難しい。お世話を拒否する方に対して「拒否していると周りが迷惑します。」と話すと納得してくれる方もいる。
・世話好きな方を見つけることは難しいが、なるべく顔の見える関係を地域に多く作ることが大切である。

質問　拠点の事業を進めていくために地域の方と協働していきたいが、どのような姿勢で地域の住民と交流していけばいいか。
回答　・「こまじいのうち」では地域に住む人は皆家族という考えで運営している。地域に認知されるような方法を難しく考えずにとりあえず実践してみて、うまくいかなかったらやめてもいいという考えもある。実施して話し合っていく中で必要な取組みかどうか整理されてくる。
・青少年健全育成会に参加してみてはどうか。地域懇談会で地域の保育園、幼稚園、小学校、中学校、PTA会長などと情報交換をする機会がある。地域のイベントの手伝いもするので地域の方と顔なじみになれる。

（その他）
「こまじいのうち」で障害者の相談に乗った事例２件について。
・　発達障害の子の事例。食べ物をなんでも食べてしまい、お金を持っているとお菓子を買って全て食べてしまう。母親が「こまじいのうち」にお金を預けて、「こまじいのうち」のスタッフが必要な時にお金を渡して買ってくるように伝えるなどして対応したことがある。
・　発達障害の大学生の事例。進路のことで親と仲が悪くなった。「こまじいのうち」に本を持参して解説をするので、質問したり別の本を紹介するなどしてある種の相談に乗ったことがある。


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