令和２年度文京区障害者地域自立支援協議会　第1回地域生活支援専門部会　要点記録

【日時】令和２年９月４日(金)午後2時から午後4時まで
【会場】障害者会館A・B会議室（文京シビックセンター３階）

【出席者】
安達 勇二 部会長、浦田 愛 副部会長、夏堀 龍暢 委員、中谷 伸夫 委員、樋口 勝 委員、
行成 裕一郎 委員、髙田 俊太郎 委員、市川 順子 委員、児玉 俊史 委員、渋谷 尚希 委員、髙松 泉 委員、小谷野 惠美 委員
【欠席者】
岡村 健介 委員、清水 健譽 委員、佐伯 成章 委員
【ゲストスピーカー】
石橋氏、美濃口氏
【事務局】
障害福祉課障害福祉係

１　開会
　?　令和元年度地域生活支援専門部会の開催実績
（事務局より説明）
　当初は全４回の予定であったが、新型コロナウイルスの影響で第４回は中止となった。第１回では、自立支援協議会の下命事項、拠点の整備方針、本富士地区拠点の整備状況、地域課題の意見交換について議論した。第２回では、本富士地区の地域課題の事例について、中谷委員と浦田副部会長からご報告をいただき、地域生活支援拠点に求めることについて議論した。第３回では、事例検討を行い、保健師、短期保護事業者、相談支援事業者から見える課題について意見交換を行った。
　中止となった第４回では、本富士地区の地域で活動されている方々の談話を通して地域にどのような課題があるのか勉強することを予定していた。

２　議題
　?　令和２年度自立支援協議会各専門部会の検討事項について【資料第１号】
（事務局より説明）
　令和２年度の地域生活支援専門部会の検討事項については、令和３年度に新たに地域生活支援拠点を設置する駒込・富坂地区の地域課題への対応について検討することとする。第２回、第３回の部会において具体的に検討していくことを考えている。

　?　本富士地区地域生活支援拠点実績報告について【資料第2～４号】
（ゲストスピーカーより説明）
　　①　地域生活支援拠点業務実績【資料第２号】について説明する。１か月平均の相談件数が令和元年度10月から３月と比較すると令和２年度４月から７月は２倍以上に増えている。
　　②　相談支援の事例【資料第３号】を２つ紹介する。
（事例１）精神障害の男性と要介護者の母親の事例では、地域包括支援センターより精神的な落ち込みがあった男性について拠点に相談があった。地域包括支援センターやケアマネージャーと連携を取り、本人と面談を重ねたところ、不安が解消し、社会復帰に向けて就労継続支援B型事業所に通所することができた。地域包括支援センターでは介護者に相談に来られても対応が難しく、介護者の男性については拠点に繋ぐことができたので、うまく役割分担できた事例である。
　　　（事例２）基幹相談支援センターから紹介された親子の事例では、母親の生活相談を開始してからヘルパーの導入も試みたが、マッチングに至らなかった。母親との関係が悪化する時期もあったが、その後も基幹相談支援センターからアプローチがあったこともあり、現在は電話などの相談によりつながっている。拠点と基幹相談支援センターで役割分担することで関係を継続できた事例である。

③　Reなでしこ元町【資料第４号】について紹介する。元々は社協が本富士地区で様々な人が関わって相談できる居場所づくりを進めており、拠点を立ち上げるにあたって、社協に拠点の地域づくりの活動を理解いただき、どんな居場所にしたいかなどのアイデアの提案を通してスタッフのような形で拠点も関わってきた。週に１回程度、オープンスペースなどの場所をつくって、相談や交流ができるような居場所にしたいと考えている。７月から正式に稼働しているが、新型コロナウイルスの影響で催物が開催できていないことについて今後どうしていくか検討している。
　　障害当事者や家族の方に参加していただくことで障害の理解に繋がっていくと思う。地域における活動を通して相談支援の事例のように各機関へつなげていくことや将来的な関係を構築していくことを期待できる。
　　
（委員からの意見等）
　　・　①地域生活支援拠点業務実績の同行支援については、計画相談をやっている事業所だとついでに行うこともある。計画相談をやりながらだと動けない場合は拠点の職員にお願いして手続の同行をしてもらうことがある。
・　②（事例１）について。男性から地域包括支援センターに相談があった時には、地域包括支援センターは母親の相談窓口であるが、男性の相談窓口となる拠点が本富士にあることを紹介できた。拠点がなければ基幹相談支援センターや文京区に繋いでいたが、時間がかかったり、連絡が取りにくかったと思われるので、拠点ができたことによって気分が落ち込んだ時に電話したり、拠点に行ってみるということができるので、拠点の存在は大きかった。
・　②（事例２）について。男性がよく拠点に来てくれて、職員と話をした上で就労支援センターに一緒に行くということもあった。やはり近くに拠点があるということが利用のしやすさに繋がっており、地域に拠点があることのメリットかと思う。
　　・　当事者の方を中心にボランティア部みたいなものを立ち上げて地域貢献できたらと思う。Reなでしこ元町を仲介して高齢の方や独居の方を訪問して話し相手になったり、買い物を代わりにやったりという話は、今はコロナの影響で難しいので、マスク作りや絵葉書を高齢者施設に送ったりなどして、障害当事者と地域の方が混じりあって活動していく土壌ができればと考えている。
　　・　Reなでしこ元町に来訪される方は年齢関係なく、子育て世代の方も割と高齢の方も掲示板を見て来られる方もいる。多様な方が構成された実行委員会形式なので、今後、様々なプログラムを考えていくことで参加者も多様化していくかと思う。
　　・　富坂の拠点で活動していく上で今後、富坂の地域になじんでいくためにReなでしこ元町のような活動ができたらと関心がある。

　?　緊急時の対応及び生活体験について【資料第５号】
　（ゲストスピーカーから説明）
　　　緊急時の対応の事例２つと生活体験の事例１つを説明する。
①　緊急時対応の統合失調症の女性の母親が入院した事例について。母親のケアマネから地域包括支援センターに問い合わせがあり、地域包括支援センターから基幹相談センターに連絡があった。ケアマネが本人の受診に同行し、主治医と相談して任意入院につなげられるか考えていたが、事前に何か利用できるサービスがないかという問い合わせだったとのこと。本人はなんとか自宅で生活したいとのことで、経過を見るようにしている。主な介護者が亡くなられたり、入院して不在となることで緊急対応となった場合、どのような状況であれば在宅で安心して暮らせるか、緊急時的な利用の方法が取れるか考えていくために事例として取り上げた。
②　緊急時対応の知的障害の男性とその母親の事例について。主な介護者である母親がいずれ入院する必要があり、不在になることが予想されている。そういった場合、緊急一時的に預かる先が必要になってくるため、その前に生活体験などの形で少し家から離れて暮らす場所の利用も検討できるということで事例とした。
　　③　生活体験の躁うつ病の女性と同居しているその姉の事例について。本人は以前他区で一人暮らししていたが、数年前に熱中症になってから姉と同居している。姉は本人に自立してほしいとのことで介護保険サービスの利用前に何か利用できるサービスはないかという相談があった。現在はヘルパーが週に１回来て買い物、掃除を手伝っているが、生活上のどこに不安とか心配があるか職員と一緒に確認していくことができれば、また別々に一人暮らしすることも考えられる。

（委員からの意見等）
　　・　緊急で受け入れた事例として、医療機関に繋がっておらず、家の中で相当暴れており、制御不能だったため、ショートステイに繋いだことがある。関係が構築できていない状態のときの本当に緊急の受入れという形だった。最後は警察介入の手段を使って、医療機関につなげたのち、他区のグループホームに入所して自身の病状を理解して、今は少しずつ生活を成り立たせているという状況である。
　　・　緊急時の受入れもアパートの二部屋を借りてやっているだけなので、本質的な意味での緊急対応となると現実的にやはり難しいところもある。緊急時に受け入れるしっかりとした箱物の不足感を覚えた。
　　・　障害福祉サービスのショートステイであると、相談支援専門員がサービス等利用計画を立てて計画を調整していくことになると思うが、拠点機能としてショートステイをやっていく場合、誰が計画を立てる役割を担うのか、基幹相談支援センターや拠点がイメージづくりしていく必要がある。
　　・　拠点で予防的介入みたいなことの資源開発というか、スモールステップでサービスを体験するようなコンテンツがあると体験のしやすさにつながるかと思う。
　　・　ショートステイの期日もある程度決めておき、期日を過ぎた場合は家族や本人にアセスメントを行い、これからどうしていくか検討していくための説明を行うようにすれば見通しがついていくのではないか。
　　・　緊急時ショートステイについては緊急的な事由が消滅するまでという記載が要綱に入っているため、長期化することもある。
　　・　情報が少ないままショートステイを依頼されることが本人にとっても施設の職員にとっても負担となる。緊急で宿泊する場合でも情報収集できるような体制は必要であると思う。

（事務局より説明）
　現状、相談を受けて本人や家族のニーズを把握できても繋ぐサービスを提供する事業所や機関、社会資源が限られてしまっているので、区としてどのように整備していくのかということは今後の大きな課題と考えている。
　今年度は本部会を３回実施することを予定している。次回は12月頃になる想定である。
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