令和2年度 文京区障害者地域自立支援協議会 第1回権利擁護専門部会  日時 令和2年9月30日(水)午後3時00分から午後5時まで  場所 文京区民センター3階 3A会議室 <会議次第> 1 開会 2 議題  議題1 昨年度の振返りと令和2年度の活動(案)について                        【資料第2、3、4、5、6号】  議題2 成年後見制度利用促進にかかる中核機関について  【資料第7号】  議題3 成年後見制度を利用するにあたっての金銭的課題について     (1)文京区における助成制度の現状        【資料第8号】     (2)文京区における困難事例           【資料第9号】   3 その他  (1)次回日程 <権利擁護専門部会委員(名簿順)> 出席者 山 直樹 会長、松下 功一 部会長、新堀 季之 副部会長、藤枝 洋介 委員、 美濃口 和之 委員、浦ア 寛泰 委員、箱石 まみ 委員、山口 恵子 委員、久米 佳江 委員、 平石 進 委員、岡村 健介 委員、渋谷 尚希 委員、林 悦子 事務局 欠席者 安達 勇二 委員、安田剛二委員、加藤 たか子 委員、杉浦 幸介 委員 <傍聴者> 2名 ??議題1 昨年度の振返りと令和2年度の活動(案)について 事務局より資料説明及び質疑応答、意見交換(資料第2〜6号)  ・新型コロナウィルスの影響で、2月に自立支援協議会の全体会の実施を考えて、今回が1回目の開催となった。 ・委員は2年任期なので、部会員の変更はなし。 ・昨年度の振返りは資料第2号を参照。 ・障害者地域自立支援協議会では、昨年度まで「下命事項」という表現をしていたが、今年度からは「検討事項」という表現に変えた。 ・令和2年度の検討事項として、次期障害者地域計画に盛り込むことを前提として、権利擁護専門部会で令和元年度、昨年度に議論してきた施策について引き続き検討し、より具体的にしていく。 〇令和2年度 第1回文京区障害者地域自立支援協議会(8/4開催)において、権利擁護専門部会で検討している事項を部会長から報告。 〇資料第6号、権利擁護専門部会活(案)について、文京区においても権利擁護の推進、成年後見制度利用促進の観点から中核機関を設置していく方針。成年後見制度を利用するにあたり、費用負担が大きな課題になることから、この点について文京区の現状を確認し、助成制度だけでなく、市民後見制度や基金など様々な方策を他地区の事例を学び、「文京区モデル」となる案を作成し、親会に提言していくのはいかがか。 〇知的障害者の成年後見制度利用が進まず、利用が少ない。成年後見制度を広めていくプロセスにおいて、ソーシャルアクションを起こしてはどうか。 〇生活保護を受給している人に後見扶助というのを作ろうという動きがある。補完していくよう働きかけが必要ではないか。 〇文京社会福祉士会が、成年後見人を受任するなど、文京区の新しいものを作り出していくのはどうか。 〇知的障害の人たちにとって、成年後見制度は使いづらい。必要性はあるため、そのための費用であるとか、サポートの体制はもちろん必要ではあるが、必ずしも後見制度ありきを前提にした議論ではなく、支える仕組みができていることが必要。専門家も含めたチームを作り、必要時に権利擁護の体制があることが望ましい。 〇成年後見制度を利用する際の課題として、利用開始時期、費用、制度利用の必要性の判断や、(後見人等に対する)信頼などがある。 〇日常生活自立支援事業の活用の考えてはどうか、制度を活用していく中で、権利擁護的なネットワークができるのではないか。 〇自己決定の尊重というが、後見人が選任されると決定するのは後見人。後見人がいても、チームで支援することが必要。 〇認知症があって、判断能力がないからということで本人の意思確認もされないまま、周りの意向だけで決められてしまうようなことがあってはならない。日常の相談業務の中で危機感を感じる時がある。 〇知的障害分野の相談窓口では、今の生活の相談はあるが、成年後見の相談などは、ほとんどない。 〇事前に備えるところまで余裕がないのか、理由は不明であるが、区のほうには成年後見相談はない。 〇障害者に合った広報活動でセミナーを実施しても、周知がされていないため参加者はない。必要に迫られなければ活用されない制度になっている。 〇障害分野での区長申立は、年に1件程度頻度。知的障害者は文京区の中で950人いるが、その中で1人、2人ぐらいの割合なっている。 〇潜在的なニーズについて、将来の必要性はあるが、親が現状支援しているところで成年後見の利用をタイミングもあり進められていない。 〇親の会でも将来的に成年後見制度の利用が必要だろうと思いながら、長期間利用していない現状がある。 〇両親が高齢になり外出が少なくなり、親子ともに共依存的に引きこもってしまう事例もある。 〇成年後見制度の周知は、セミナーを開いても必要な方はこない。アウトリーチで出向き、少人数でもその実施を積み重ねていくことが大事。そこからメリットを感じてくれた人がいると周知される。 〇支援していた親が支援できなくなり、その時に課題として感じ本人が困ってしまうこともある。 ●議題2 成年後見制度利用促進にかかる中核機関について(資料第7号) 事務局より資料第7号の説明及び質疑応答、意見交換。 〇中核機関は何年度からか。また、今年度中に発足が固まるのか。 →令和3年度の4月から発足予定。発足が固まる予定で現在準備中。 〇参加メンバーが重要。身上保護の視点から社会福祉士の参加が必要。 〇協議会委員は、区が選任するが、社協も議論する。準備会では専門職にも入ってもらっている。協議会の部分と実務者会議は別の方が選ばれる。 〇権利擁護部会と中核機関は連携し、フィードバッグをすることが必要。これまで障害分野のニーズが表出しなかったが実際にはニーズがある。この先も部会において進捗を共有したい。 ●議題3 成年後見制度を利用するにあたっての金銭的課題について (1)文京区における助成制度の現状(資料第8号) 成年後見制度を利用するにあたっての金銭的課題について事務局から説明及び質疑応答、意見交換。 〇資料第8号の「報酬助成の生活保護に準ずる方」というのは、何か規定があるのか。 →重度の障害で資産があり生活保護受給ではない場合、計算式があり、報酬が払えるかどうかを計算して決定しているようである。 〇収入が障害年金のみの方の場合はどうか。 →計算は同様。受任した方で障害年金のみの方がいたが、報酬を払うと生活保護になってしまう収支状況の方だったと思われる。 〇グループホーム入居者は、年金、手当と、工賃をプラスして生活費の収支が合う。報酬を支払うと月々の支払はマイナスになる。これらの方々も対象であると増えるはず。 〇生活保護を受けていないと報酬助成を受けられないと思われている。この部分を丁寧に説明するだけで大きく変わる。 〇自治体によって助成対象に違いがある。告知の在り方も考えるべき。 〇報酬助成は予算で枠が決まってしまっているという課題があるという話をきいている。 〇報酬助成という制度自体は20年くらいかけて創り上げてきている。財源は決まっていても、ニーズがあることを示す意味でも財源以上のものをやることに意義がある。 〇基金を作り、報酬助成の予算を充ててもらって基金を拡大していくという方法もある。 〇僅かな違いで生活保護に該当しない方の対応を考える必要がある。これは権利擁護の課題。 〇良いチームができれば社会的コストも減るという考え方を持つべき。 〇申立て助成は高齢で2件。毎年これくらいの人数なのか。この人数についてはどうか。 →申立て助成は件数がない年もある。申立て自体は費用が安く、鑑定料はほぼかからない事が多い。鑑定を除いた費用は1万円もかからないので使われないことが多い。 〇報酬助成の件数の増減の推移はどうか。 →過去5年は区の発行物にて公表されているが障害と高齢等の内訳は公表されていない。ここ数年では特に高齢が増えていると思われる。 (2)文京区における困難事例(資料第9号) 部会長より事例の説明及び、質疑応答、意見交換。 〇権利擁護事業は、貯金額の上限はあるのか。 →通常の支援で使う通帳の残高が100万以下で、動かす上限は50万円程度。書類預かりの場合、約1,000万程度が預かれる範囲になる。 〇成年後見の財産管理の部分のみを見るべきではなく意思決定支援やチーム作りが前提にある。また、本人を全体的に見るキーパーソンは相談支援事業所であり、サービス等利用計画を立てる相談支援専門員が足りていないことが課題。 〇家族支援の場合は、地域包括支援センターと相談支援事業所が縦割りにならず一緒に動くべき。 〇地域包括支援センターと拠点事業の展開が、同じ生活圏域で設置されているので、全てを連動させる構想がある。それらが連動すると、家族全体のアプローチが可能。 〇生活支援事業所が文京区では足りないということの原因は何か。 →国の報酬上の問題が大きい。単独の計画相談事業所の場合は経営的に難しい。国だけでなく文京区で独自に対策を練る必要がある。計画相談が増加しない一方、障害者数は増加し、ニーズは増えている。課題のある家庭が取り残されやすい状況になっている。 〇今年は、障害者・児計画の改定年。長年、計画相談事業所数が少ないことが課題に上がっているので検討していく必要がある。 〇計画相談は平成27年度から必須になっているがセルフプランも認められている。文京区の場合、6割の方が計画相談事業所、それ以外の4割の方はセルフプラン。自治体によっては100%、計画相談事業所が作るところもあるが、文京区はどちらでも選べる。 〇計画のチェック機能が重要。セルフプランにはモニタリングがなく、相談支援事業所も適切なモニタリングが行えているかも疑問である。モニタリングを行うプロセスの中でのチーム形成が重要だがそれができていない。 〇法人後見での支援について。社会福祉士会等が法人後見を受任して、市民後見人等のバックアップをすることでチーム化を図っていくというのも一つではないか。一方で、最初からチームがあるのではなく、一人一人に合わせたチームができることが本来の形でもある。 〇現在、国のおける意思決定支援のワーキンググループにおいて「意思決定を踏まえた後見事務のガイドライン」関する提言が10月末頃には出る予定。それに基づき成年後見活動も含めた権利擁護の活動が、適切な意思決定支援のプロセスを踏んでいるのかというチェック機能を果たしていける。 〇成年後見制度の利用の有無は関係なく、事例が活発に中核機関へ上がってくることが本来の姿。この人にとっての権利擁護の活動や仕組みはどうするのが良いのか、広く検討できるといい。 〇相談支援部会や就労支援の部会のケースをあえて縦割りにするのではなく、権利擁護として検討することも必要。 ●次回について 次回は11月以降に開催予定。詳細は別途連絡。 以上 26 1