平成２９年度　文京区障害者地域自立支援協議会
第３回権利擁護部会　議事録

１．日時　平成２９年１２月１３日（水）午後６時３０分から８時
２．場所　文京区民センター２階　２Ｂ会議室
３. 〈ゲストスピーカー〉　社会福祉法人武蔵野会　障害者支援施設リアン文京　
　　　　　　　　　　　　　小林係長
　　　　　　　　　　　　　
出席者【委員】松下　功一・大形　利裕・新堀　季之・美濃口　和之・浦﨑　寛泰・　箱石　まみ・中村　智惠子・久米　佳江・佐藤　真魚・永尾　真一・小谷野　恵美
　　欠席者 【協議会会長】髙山　直樹
           【委員】杉浦　幸介、安達　勇二、賀藤　一示、渋谷　尚希

４　次第　1開会
　　　　　2.議題
           （１）狛江市選挙補助ＤＶＤ視聴
           （２）選挙投票支援を通した意思決定支援及び自己決定について
　　　　　　　　（リアン文京の実践報告を振り返って）
           （３）関係機関における選挙投票支援等について
　　　　　　　　（前回衆議院議員選挙における支援についての情報共有等）
           （４）その他
【配布資料】
       ・開催次第
       ・第２回権利擁護専門部会議事録

【はじめに】
　会長より
第2回権利擁護部会では障害があっても選挙の理解を深めることや、投票に行くことの意味について話し合った。意思決定支援ではプロセスが大切、選挙は権利なので大切にしていかなければならない。
10月に行われた衆議院議員選挙を終えて、リアン文京小林係長から選挙での様子を報告していただき、また狛江市手をつなぐ親の会が狛江市と狛江市選挙管理員会と協力して作成したＤＶＤを見て意見を出していただきたい。最後に前回の振り返りや意見を聞いて次回開催に繋げていきたい。


～リアン文京の実践報告を振り返って～
　小林係長より
先の衆議院議員選挙では、10月初めに選挙管理委員（以下選管）と不在者投票の打ち合わせを行い、10月10日リアン文京で利用者と職員で模擬投票を行った。10月中旬選挙の広報紙が夜中に出来上がり翌日リアン文京の不在者投票を実施した。候補者の広報紙作成など選挙準備の時間の余裕がなかった。不在者投票当日は、候補者の名前を選管の許可を得て拡大し、写真が入った広報紙を利用者に渡した。写真が入っていると利用者にとってわかりやすかったようだ。政見放送はスケジュールがタイトで見ることが出来なかった。
今回の選挙は小選挙区、比例代表、国民審査と7月の都議会選挙より複雑であったが2回目ということで慣れた様子で投票することが出来た。前回の経験が次に繋がっていると感じた。利用者から「だれに投票したらいいかわからない」などの質問を受けた職員はいなかった。「候補者を利用者自身で選び、投票用紙に自分で鉛筆記入する」という意思を利用者から感じたし、投票用紙を投票箱に入れるときは誇らしげな顔で投票していた。
利用者35名の不在者投票の投票券を請求し29名が投票を行った。選挙当日、親が投票所に同行して投票した利用者もいた。不在者投票、期日前投票、当日に投票するなど今後選択肢が広がるようにしていきたい。
　利用者がどんな理由でその候補者を選んでいるか、利用者がどこまで理解して投票しているかなど選挙公示日から不在者投票まで時間が短いこともあり、意思決定支援の難しさを感じている。法人で合理的配慮などの実践としてまとめるように課題が出ているので近いうちにＨＰにアップしたいと思っている。

【感想や質問】
○不在者投票2回目にして慣れた様子が見られたというお話があったが素晴らしいと思った。
○リアン文京内での不在者投票を親御さんはどのように感じているのでしょうか？
　→いい取り組みだと多くの方から評価してもらっている。中には親子で一緒に投票所に行って投票することを楽しみにしている方もいるので、そのような配慮も必要だと感じている。
○義務教育やその後の学校教育のなかで選挙の教育をして欲しい。教育の土壌が無いと大人になって選挙に行っても理解が深まらないと思う。
○法教育は子どもの頃から長い時間をかけて培われてくるものであり、選挙も同様である。意思決定支援も長い目で見ていく必要があり、また支援者の意見とならないようにすることが大切である。
○衆議院議員選挙前に行われた選管との不在者投票の打ち合わせに特養や病院は数名参加していたが障害分野はリアンだけの参加であった。障害分野の施設での不在者投票をしているところは少ない。
○東京都の障害施設で不在者投票を行っているところは２１施設あるが、少ないと感じる。（障害施設で不在者投票を行っているところに）実際にどんな方法で行っているか聞いてみたい。
○滝乃川学園には選挙の前に立候補者が来てくれるので障害があっても選挙公約などが分かりやすい。
○文京区には２６投票所があるが、話し合ったことを実践に生かして行きたい。
○精神障害の方の選挙についてどうでしょうか？
→選挙について職員から話をしなくても選挙に興味がある利用者は自分から話をしてくれる。実際に選挙の相談を受けたことはない。各自の意志に任せているのでどのようにしているか把握していない。
○リアン文京が行った不在者投票は衆議院議員選挙で２回目であったがいろいろな気付きがあった。その気付きを選管や立候補者にフィードバックしたらどうか。
○選挙の際、不在者投票に取り組むことによって周りの行動に変容があるように思う。本人だけでなく、親族、支援者、行政も変わってきていると感じる。関心が高まることで意思決定支援の大切さを考えるきっかけとなるのではないか。意思決定支援を支援者が進めるのではなく利用者がかかわることで理解が深まる。
○投票所の中で選挙を通して利用者の意思決定支援の難しさを感じたが、利用者が投票し、できた時の嬉しそうな表情を見ることができた。
○意思決定支援は場面を切り取って行うのではなく、日頃のかかわりの中での信頼関係があり日常とは切り離せないものである。

【その他】
・就労支援施設や障害支援施設で選挙について勉強会を行いたい。
・来期は任期改正があります。
・30年度に向けて次回（第4回）何か成果を出していきたい。
・部会として予算がないのでアンケートも取れない。
・第4回部会で親の会の下命事項との連動し、報告する内容について検討したい。
・29年度4回目の部会は2月行い今年度のまとめをしたい。親の会、会開催が1月は決まっているが３月は決まっていないはず。日程があまり近くないほうが良いと思うが日程を調整して次回開催日時は事務局から提案します。