平成29年文京区障害者地域自立支援協議会
第1回権利擁護専門部会　議事録　

１　日時　平成29年7月3日（月）午後6時30分から午後8時30分
２　場所　文京区民センター2階Ｂ会議室
３　出席者　【協議会会長】髙山　直樹
　　　　　　【委員】松下　功一・大形　利裕・新堀　季之・美濃口　和之・浦﨑　寛泰・　　　　
中村　智惠子・賀藤　一示・杉浦　幸介・佐藤　真魚・永尾　真一・
　　　　　　　　　　渋谷　尚希・小谷野　恵美・伊藤　美穂子
　　欠席者　【委員】安達　勇二・箱石　まみ・久米　佳江
４　次第　1開会
　　　　　2.議題
(1)　権利擁護専門部会の下命事項の確認について
　　　　　　(2)　28年度の会議開催内容について
　　　　　　(3)　29年度の会議開催計画について
　　　　　3.その他
　　　　　　
５　配布資料　・開催次第
　　　　　　　・資料第１号　　　平成２９年度権利擁護専門部会名簿
　　　　　　　・資料第２号－１　文京区障害者地域自立支援協議会の検討状況等
　　　　　　　・資料第２号－２　平成２８年度検討内容
　　　　　　　・資料第３号　　　平成２９年度下命事項
　　　　　　　・資料第４号　　　平成２９年度スケジュール
　　　　　　　・参考資料　　　　障害福祉サービスの利用等にあたっての意思決定支援ガイドラインについて（厚労省・社会援護局）
　
６　意見等

【はじめに】
　髙山会長挨拶、委員自己紹介

【資料第3号】
平成29年度文京区障害者地域自立支援協議会　各専門部会の下命事項について
事務局より報告


【資料第2号－1号】
文京区障害者地域自立支援協議会の検討状況。
平成26、27、28年度について事務局より報告。

【資料第2号－2号】
平成28年度文京区障害者地域自立支援協議会　権利擁護専門部会における検討内容。
下命事項に対する会議各回での検討内容のまとめと、年間のまとめを事務局より報告。

【資料第4号】
平成29年度障害者地域自立支援協議会スケジュール。
事務局より連絡

【前年度の報告】
○28年度は、障害者権利条約に触れて意思決定支援の大切さ、就労支援や成年後見制度の具体的な事例を用いた意思決定支援、住まいについて、生活上の課題についてなど、さまざまな場面で自分らしく生きるための意思決定支援を行うのに選択肢が十分にあるか、支援がどうあるべきか等について議論、検討を行った。

【前年度の課題と、今年度の期待するところ】
○昨年は後見制度利用促進法ができた重要な年度でありその影響は大きい。
行政課題5カ年計画、成年後見制度の仕組みのあり方など、権利擁護部会としてどのようにかかわっていくのか。国としても大きな転換期となるのではないか。
○昨年度は、テーマが絞りにくかったために議論も絞りにくかった。一年を振り返ると課題となるテーマを委員の間で共有できた。今年度は下命事項について議論をした上でゴールを目指したい。
○成年後見制度や市民後見制度の位置づけ、知的障害者の成年後見の制度設計、成年後見制度の制度面のチェック、文京区内の成年後見制度の実態など確認していきたい。
○障害者の権利に関する意思決定について、住まいの問題では、文京区は土地が高いので賃貸物件の家賃が高い。選択肢は少ないと言わざるを得ない。
○サービス提供の現場で意思決定支援では、どのように実施させているのか、工夫はどんなところにあるのか聞いていきたい。
○成年後見制度の中で権利擁護が進んでいない。
・現行において認知症高齢者の方向けの仕組みになっていて、障害者の方、特に知的障害の方に対する仕組み作りの検討が必要である。
・障害分野にも高齢分野のような地域包括ケアシステムが必要ではないか。
・親会では権利擁護の新しい仕組みを作っていきたい。
○既存の制度にどんどんプラスしていかなければならない。現状で何が足りていないかをピックアップして新しいものを作っていくのが権利擁護部会だと思う。
【委員からの意見】
○地域に住んでいて公共のサービスを拒否している人は専門家の支援では上手くいかない。地域の人、顔見知りの人が家庭に入って話を聞いて、信頼関係を作った上で支援機関のつなぎ役として活躍している。話し合い員や民生委員なら信頼関係は生まれやすい。話し合い員と民生委員は連携ができている。
○1つの家庭には高齢者や障害者が同居していて、さまざまな問題が絡み合っている多問題家族がある。権利擁護の観点からも、○○障害の支援ということではなく、その人全体、その家族全体を見なければいけない。ばらばらな支援のケース会議をするのではなく包括的な連携が必要である。
○親の会でよく話題になるのが、親亡き後の子どもの問題。
後見人と残された子どもとの信頼関係を大切にした人間関係も大切だが、もっと広い人との関わりも必要。親が先に亡くなって、残された子供にとって、町会等コミュニティーの中で色々な人と関わって暮らすことが「普通に暮らしていける世の中」ということではないか。　
○高齢者や障害者の意思決定について、本人が決めたことだとしても第三者から見ると明らかに本人の不利益になる場合ジレンマを感じる。
○「本人のため」と言いつつ家族の視点になっていないか、支援者の目線になっていないか、誰のための支援や意思決定なのか、権利擁護の観点から注意深く考察する必要がある。
○サービスを利用していない方の支援の難しさを感じている。障害があっても近隣の人に「障害がある」と言えない人、自分で訴えられない人の声をどのように拾っていくかは課題である。情報の伝達方法を工夫して、サービスを知らない人に適切に情報を伝達していく必要を感じる。
○システムとして成り立っていない個別性の高い支援や、声を上げることが出来ない人の支援をこの場（自立支援協議会　権利擁護専門部会）でどのように落とし込んでいくか。
○障害者が集まれる場、フリースペース（たまり場）の様なところがあるといいかもしれない。たまり場で意見を言うことは、その人の意志決定である。聞いてくれる人がいて、緊張しない（ストレスフリー）場があると意見が言える。
○問題が深刻化した後の対処法を検討することも必要であるが、深刻化する前に予防できるしくみづくりが必要。
○似たような問題を抱えたケースはたくさんある。これに対応していくためには地域のコミュニティづくりが必要。
○地域の課題が解決されないまま排除的側面が存在している。地域をどうつくっていくかを考えることが権利擁護につながっていくと感じる。

【今年度について】
○次回の専門部会（第2回）は昨年意見が出た施設見学はどうか。
○地域の人に障害を理解してもらうことが権利擁護を進めることになるのではないか。
○権利擁護の根幹の部分として「選挙」をテーマにしたらどうか。
・障害者も、だれもが投票できる選挙のＶＴＲを見た。リアン文京の入居者の全員が7月に行われた都議会選挙の期日前投票を行っていた。家族としては驚いた。
・差別解消法の問題とも絡んでくるかもしれない。指定投票所の整備などシステムを構築していく必要があるのではないか。
・障害がある人が投票するためには細かい配慮が必要である。
・障害がある人がどのようにしたら意思決定ができるか。現在の状況では理解しやすい説明を受けられる機会が少なく、だれに投票したらいいか分からない。障害がある人にもわかるような選挙公約や演説があるといい。
○ネウボラ（妊娠から出産、子育て期にわたる切れ目ない支援によって、より身近な場で妊産婦の方等を支える仕組み）が文京区でも始まっている。産前から産後にわたり継続して関わることで信頼関係が生まれるとともに、ライフステージごとにつながっていくことでこれまで発達段階で見逃されてきた障害の発見が早くなるのではないか。