平成29年度 文京区障害者地域自立支援協議会
第3回相談支援専門部会

【日時】平成30年1月30日 (火) 14時～16時
【場所】文京シビックセンター3階 障害者会館A＋B会議室
【出席者】
樋口 勝委員(部会長)、志村 健一委員 北原 隆行委員(副部会長)、阿部 優委員、金子 宏之委員
森田 妙恵子委員、木内 恵美委員、土屋 功子委員、関根 義雄委員、東瀬戸 徹委員、田中 弘治委員
本加 美智代委員、鈴木 淳委員、大橋 文子委員、武田 美也子委員、永尾 真一委員、渋谷 尚希委員
【欠席者】
阿部 智子委員、浦田 愛委員、髙松 泉委員、髙田 俊太郎委員、佐藤 澄子委員、山名 興子委員

【開会前に事務局からの連絡】
・記録作成のため会議内容の録音許可について
・出席確認
・事前配布資料の確認
・当日配布資料の確認

【配布資料】
資料第1号－1 障害者総合支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律の施行に伴う検討事項について
資料第1号－2 新たな障害者・児計画について
資料第1号－3 新たな障害者・児計画 (計画事業)
資料第2号 平成29年度 文京区相談支援専門部会 活動のまとめ
資料第3号 平成29年度 文京区指定特定相談支援事業所連絡会からの報告
当日配布資料 第4号－1 知的障害のある人たちの地域生活継続に関する事例研究
当日配布資料 第4号－2 平成29年度 文京区障害者地域自立支援協議会相談支援専門部会 
　　　　　　　　　　　 第3回定例会議検討内容

1．開会挨拶　部会長 樋口 勝氏より
　今回が今年度最後の部会となる。委員も2年間の任期が終わる。親会においては相談支援専門部会での活発な議論が期待されている。
本日の内容も親会に繋げ、文京区がより良い方向になっていくように進めていきたい。

2. 議題
（1）東洋大学大学院（志村ゼミ）共催ソーシャルワーク学集会での居住福祉の事例報告及び第3回定例会議の報告
       〇知的障害のある人たちの地域生活継続に関する事例研究　志村 健一委員より
                                                         【当日配布資料第4号－1 別紙参照】
【感想・意見】
スタジオIL文京において、我が事丸ごと、共生社会を考えるための学習会を開催。区内の事業所、区議会議員、当事者など30名ほど参加があった。
学習会においても講師より今後福祉の制度が新しく改定する内容を注視していくことが重要だと仰っていた。
「我が事丸ごと」、「共生社会」を考える前に、今現在の文京区の福祉制度がどのようになっているのかを知る必要がある。
また、今後はますます自治体の力やノウハウが必要になっている。各事業者ができることをいかに集約していくか、具体化していくかを考えることが、
本来の相談支援専門部会の役割であり、重要であると感じる。来年度以降の委員の皆さんにも継続して検討してほしい。


障害者、高齢者、低所得者等の居住の確保と区内の空き家対策を繋げられないかを行政でも課題と捕らえている。
まず、居住に関する課題を集約するために、居住支援協議会にて居住支援団体や不動産団体などを対象にアンケートを実施。
文京区の居住課題を浮き彫りにしている最中である。協議会においてまだ具体的な動きは取れていないが、課題抽出ができてきたため、次なる行動の計画を立てていく。
行政だけではなく、居住支援団体や不動産団体なども同じ方向性を持って進んでいこうとしている。
時間は少しかかってしまうと思うが、具体的な取り組みまでもう少し待っていてほしい。

【質問】精神障害者対象のシェアハウスはあるのか。
⇒一軒家タイプのグループホームで、シェアハウスに近い運営形態のものはある。鍵付き個室タイプ、トイレ・風呂は共同、交流室などがある住環境。
入居者同士のトラブルが起こることもあるが、交流室でのかかわりなど他者とつながる良い機会となっており、こうした形のものが増えていくと良いと感じている。　
文京区では持ち家率が約4割。両親が亡くなった後など、一人で広い家に住んでいる方も少なくない。計画的に空き部屋の有効活用なども検討していけると良いと思う。

障害者が障害者を支援することは可能ではないだろうかと現場で感じることがある。
障害者がサービスを受けるだけではなく、自らが人を助ける側に立つことでエンパワメントされたり、充実された生活が送れるのではないか。

居宅介護事業をしていて思うことは、病状や障害の程度にもよって同じサービスでも、利用の仕方は異なる。
シェアハウスであると、例えば入居者一人にヘルパーがついていると、ヘルパーを必要としていない方への見守りも自然と生まれるのではないだろうか。
シェアハウスは家賃額が抑えられるというメリットもあるのでは。精神障害者は身体障害者、知的障害者に比べて手当が少ない傾向がある。
所得保障も低く、障害年金のみで暮らしていけないとなると、生活保護受給をせざるを得なくなってしまう現状がある。
家賃額を抑えられると、就労意欲の継続にもつながるだろうし、生活保護受給しなくても生活していける人が増えるのではないか。

自宅トイレに手すりがようやくついた。手すりをつけるにもオーナーの許可が必要で、時間がかかった。浴室にもつけたかったが、壁の強度が足りずつけられなかった。
もっと住居の設備面も障害のある方にとって生活しやすい環境になると良い。

健常者、障害者、高齢者、など色々な人が住めるシェアハウスがあると良い。また、コレクティブハウスのような取り組みが増えていくと良い。

本人、家族の高齢化という問題があるなかで、知的障害を持つ方が現実的にどこに住むのか、どのような生活を送っていくかは課題が多い。
現状の障害福祉制度の中で住まいを考えると、施設入所とグループホームが大きな選択肢となる。地域の中で生活し続けたいと思っている方は多い。
区内のグループホームも不足しており、新規の事業所もなかなか増えていかないのが現状である。
以上のことを踏まえても、障害の有無や障害種別に関わらず、シェアハウスのように皆が助け合って住めるような場所が地域の中でできると良いと感じる。

（2）文京区の障害者相談支援の今後について　
　　　～文京区地域福祉保健計画(平成30年度～平成32年度)より～

       〇障害者総合支援法及び児童福祉法の一部を改正する法律の施行に伴う検討事項について
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【資料第1号－1 別紙参照】
         ・平成30年4月～主な変更点
　　　　　　　自立生活援助の創設
　　　　　　　就労定着支援の創設
　　　　　　　重度訪問介護の訪問先の拡大
　　　　　　　居宅訪問型児童発達支援の創設
　　　　　　　保育所等訪問支援の支援対象の拡大

       〇新たな障害者・児計画について　【資料第1号－2 別紙参照】
         ・平成30年度～平成32年度の実施計画となる。
         ・就学前から高齢期まで、すべての障害に対する相談支援の充実を図ることを目的としている。

       〇文京区地域福祉保健計画(平成30年度～平成32年度)中間のまとめより
                                                                 　【資料第1号－3 別紙参照】
         ・相談支援体制の整備と充実 
　　　　* 総合的な相談支援体制の構築
　　　　* 計画相談支援
　　　　* 相談支援事業
　　　　* 地域自立支援協議会の運営
・相談支援の充実と関係機関の連携強化
　　　　* 児童発達支援センターの運営
　　　　* 多様な支援機関の連携
　　　　* 医療的ケア児支援体制の構築
　　　　* 医療的ケア児支援調整コーディネーターの配置
　　　　* 継続支援体制の充実
　　　　* 個別の支援計画の作成
　　　　* 専門家アウトリーチ型支援
　　　　* 障害児相談支援
　　　　* 医療的ケア児在宅レスパイト事業
　　　　* 障害児通所支援事業所における重症心身障害児の支援充実に向けた検討

       〇身体障害者の計画相談支援の現状について
・身体障害者で計画相談支援を受けているのは46.9％ (介護保険の介護ケアプラン含む)
・昨年11月、新しく指定特定相談支援事業所が1か所開所した。
・サービス更新の機会などに計画相談支援の説明をし、周知を進めている。
・最近の計画相談支援を希望される方の傾向としては、医療的ケア児や重度心身障害者（児）を現に介護する家族からの要望が多くなっている。
・計画相談の利用を提案しても、利用について拒否される方や、敢えて利用したくないと感じている方もいる。
・重度の障害を抱えるご本人やご家族では計画相談支援の利用についてメリットを感じる方が多い印象。

       〇知的障害者の計画相談支援の現状について
・知的障害者の障害福祉サービスを受けている方の多くは、日中活動の場として通所系事業所を利用している。
・知的障害者の方の70％以上は計画相談を利用している。障害福祉サービスを利用している方については、相談先のつながりを持っている方が多い。　
・就労している方などは、相談先として障害者就労支援センターとつながっている方もいる。
・一般的な相談は障害福祉課、総合的・専門的相談は基幹相談支援センターと役割分担をしながら、連携をしている。
・相談先につながっていない方に対する相談支援をどのように行っていくかが課題である。
・新規の相談支援事業所の開設を機に、改めて区内の相談支援事業所についての情報提供をすると共に、計画相談支援の周知、利用の提案を行っている。
・高齢化と住まいの課題についても、相談したいときにいつでも相談できる体制が必要。
・既存の相談支援体制の充実に加えて、地域で気軽に相談できる場所や、地域住民の支え合いが大切となってくる。

       〇精神障害者の計画相談支援の現状について
・主な相談先は保健師、地域活動支援センター(一般相談支援事業所)、障害者基幹相談支援センターなどの相談支援体制を取っている。
・精神障害を主とした困りごとを抱えているのだが、まだ相談先に繋がっていない方々も多くいると思われる。
そのような方々にも相談支援が行き届くような体制構築が重要と考えている。
・平成30年度から平成35年度までの保健医療計画を策定中。精神障害者の方々が地域で安心して生活を送れるような体制づくりを目指している。
・計画相談支援の利用者数より、セルフプラン作成で対応されている利用者数が多い状況。
・区独自事業である、地域生活体験事業や24時間相談支援体制の充実を支援している。

【まとめ】
3年に1度の障害福祉計画の策定時期と相談支援専門部会委員の任期満了の年が今年度重なった。自立支援協議会全体としても重要な年であると感じている。
定例会議での意見を相談支援専門部会の内容と連動させたり、ソーシャルワーク学集会での取り組みなど、多面的な意見を求めて進めて来られたと感じている。
今後、障害福祉計画にどのように組み込まれてくるのか注目していきたい。

(3) 文京区相談支援専門部会 『今年度のまとめ』及び『次年度に検討したいテーマ』について
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【資料第2号 別紙参照】
【感想・意見】
各専門部会の中に当事者を委員としてもっと入れてほしい。当事者の声をもっと発信していきたい。
相談支援専門部会のテーマは多岐に渡っている。今後は各専門部会が連動していくことや、新たな部会の立ち上げなども考えられるかもしれない。　
制度の改定などの動きがあった際は、当事者にどのように説明したら理解してもらえかを考えることも大切であると思う。
いろいろな要望や意見、課題などがあると思う。そのような実情を全体として上手くまとめて集約していってもらいたい。
専門部会の構成を考えていくことも大切である。そして各専門部会からの意見を集約していくやり方も次年度の課題である。
定例会議では、専門職としてだけではなく、地域住民としての目線に立って自由な発想で議論することができた。
定例会議と専門部会を連動させていくことは引き続き行っていきたい。
住まいの課題は多い。次年度も引き続き検討していきたい。
自立支援協議会で「居住支援部会」のような会議体の創設に向けて動けないだろうか。また、差別解消法の周知、啓発のための会を実施できないだろうか。
文京区内の福祉資源のマップを作ってはどうか。
定例会議の中での取り組みの一環として、引き続き区内支援者のネットワーク作りを行っていきたい。

(4) 平成29年度　文京区指定特定相談支援事業所連絡会からの報告　【資料第3号　別紙参照】

　連絡会は計画相談が開始された時に、計画相談そのものを良いものにしていきたいという気持ちから、事業所や行政機関と意見交換を図り計画相談の質を向上するために始まった。
サービス支給に関することや事務手続き等、意見交換をしながら検討を重ね、毎年計画相談Q＆A集の改訂を行っている。事例等を掲げながら行政機関と情報共有する場にもなっている。
　今年度の活動内容としては、計画相談の実状に関する数値データ等を元にしながら、今後より一層普及させていくためにはどのようにしていけばよいのかということを話し合った。
セルフプランを選んでいる理由として、計画相談の存在や支援内容を知らないからではないか、ということや依頼できる事業所がなくセルフプランにせざるを得ない状況にあるからではないか等の意見が出た。
　今後の活動として、精神障害の方を対象に計画相談に関する実態調査アンケートの実施を予定している。アンケートを通して当事者の声を知り、その声を今後の計画相談に活かしていきたいと考えている。
また、セルフプランを作成している方にも、アンケート結果から知り得る、計画相談を利用してのメリット等も伝えられるように出来ればとも考えている。
　実態調査アンケートを実施するために、連絡会内でワーキンググループを作り、取り組んでいく予定。次年度も部会と連動しながら、連絡会でも活動を行っていきたい。

3．その他
〇事務連絡
・事後アンケート提出について
・会議内容議事録の確認依頼について