文京区男女平等参画推進計画(本文抜粋)

更新日 2017年04月14日

第1章 計画の考え方

1 計画の目的 

昭和21(1946)年に制定された日本国憲法は、すべての国民は個人として尊重され、法の
下に平等であり、性別により差別されないことをうたっています。また平成11(1999)年に
制定された男女共同参画社会基本法では、男女が、互いにその人権を尊重しつつ責任も分か
ち合い、性別にかかわりなく、その個性と能力を十分に発揮することができる男女平等参画
社会の実現を、早急に取り組まねばならない重要な課題として位置付けています。
文京区では、平成13(2001)年7月に「文京区男女平等参画推進計画」を策定し、年度毎
の推進状況の評価により課題を明らかにしながら、男女が性別にかかわりなく平等な立場で、
あらゆる分野に参画できる男女平等参画社会を目指して、事業を推進してきました。
そして、平成25(2013)年には『文京区男女平等参画推進条例』が施行され、この計画は
条例上の根拠を持つこととなりました。
しかしながら、平成27(2015)年に実施した「文京区男女平等参画に関する区民調査報告
書」では、固定的な性別役割分担意識は若い世代や女性を中心に変革が進んでいるものの、
政策や方針の決定の参加、慣行や社会の様々な分野での不平等感は依然として見られます。
また、長時間労働等を背景とした男女の仕事と生活を取り巻く状況、女性のライフスタイ
ルや世帯構成の変化への対応、安全・安心な暮らしの実現、防災・減災などの課題が存在し
ており、世代を超えた男女の理解の下、それらを解決していくための取組が求められていま
す。
男女平等参画を推進することで、一人ひとりが自由に自分の生き方を選択することができ、
多様性を認める社会が実現されることになります。そのためには、すべての人が、男女平等
参画を自分のこととして捉える必要があります。
男女平等参画の実現に向けた取組は、女性活躍や男性の家事や育児への参画を促すための
各法の制定や改正、方針決定の場への女性参画推進など、加速度的に変化しており、新たな
段階に入っています。文京区の男女平等における更なる施策の強化・推進を図るため、この
たびの改定を行うものです。

2 計画の性格

(1) この計画は、平成13(2001)年度に策定し、平成18(2006)年度、平成23(2011)年
度に改定した「文京区男女平等参画推進計画」を継承したものであり、区が目指す方向や
施策を区民に示すことにより、区民、事業者及び区の役割を明らかにし、協働して男女
平等参画社会の実現を目指す指針としての役割を担うものです。
(2) この計画は、男女共同参画社会基本法第14条の3に規定する、市町村男女共同参画計画
として位置付けられます。
(3) この計画の「3あらゆる暴力の根絶と安全・安心な暮らしの実現」のうち「1ドメスティッ
ク・バイオレンスの根絶」の部分は、「配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関す
る法律(以下、配偶者暴力防止法という。)」第2条の3に規定する、「配偶者からの暴力
の防止及び被害者の保護のための施策の実施に関する基本的な計画(以下、配偶者暴力防
止基本計画という。)」に相当するものです。
(4) この計画は、平成25(2013)年に施行された『文京区男女平等参画推進条例』の7つの理
念を踏まえたものです。
(5) この計画の施策の展開のうち、区の各部門の計画事業としての性格を有するものは、別
途「文京区基本構想実施計画」や各々の個別計画により実施するものです。該当する個別
計画は、第4章の事業名欄に表示しています。
(6) この計画は、区民参画の方針に基づき、文京区男女平等参画推進会議の提言を尊重し、
かつ区民の意見や要望を取り入れて改定したものです。
(7) この計画の期間は、平成29(2017)年度から平成33(2021)年度までの5年間です。

 

第2章 計画策定の背景

1 国連の動き

1945年に調印された国際連合(国連)憲章では男女同権がうたわれ、1948年、国連は、「す
べての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である」
とした「人権に関する世界宣言」(世界人権宣言)を採択しました。
その後、国連は、1975年を「国際婦人年」と宣言し、メキシコで国際婦人年世界会議(第
1回世界女性会議)を開催したことを契機に、「平等・開発・平和」と幅広い目標達成のために、
「世界行動計画」の策定や女子差別撤廃条約の採択など男女平等参画社会の実現に積極的に取
り組んできました。1995年、北京で開催された第4回世界女性会議では、「北京宣言」と21
世紀に向けての各国のジェンダー政策についての指針となる「行動綱領」を採択しました。ま
た、2000年には、国連特別総会女性2000年会議がニューヨークで開催され、「政治宣言」
と「北京宣言及び行動綱領実施のためのさらなる行動とイニシアチブ」(成果文書)を採択し
ました。
第4回世界女性会議から20年を契機として、2015年、ニューヨークで国連女性の地位委
員会「北京+20」が開催され、「北京宣言及び行動綱領」、「女性2000年会議成果文書」およ
び第4回世界女性会議20周年の女性の地位委員会の宣言を再確認しました。
2011年、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントに向けた活動を世界的にリードして
いく「ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関(UN Women)」が発足し、
2015年8月、文京区シビックセンター内にアジア唯一の国別事務所(日本事務所)を開設し
ました。
同じく2015年に、国連は、貧困や環境など17の目標と169項目の具体的な達成基準が
盛り込まれた「持続可能な開発目標(SDGs)」を採択しました。SDGsでは、ジェンダー平等
と女性のエンパワーメントは、貧困や飢餓を撲滅し、健康を促進し、不平等と女性に対する
暴力に取り組む方法を見出すための前提条件であるということが認識され、MDGs(ミレ
ニアム開発目標)に引き続き、2016年から2030年の国際目標となりました。

2 国・都の動き

(1)国の動き

昭和50(1975)年、第1回世界女性会議を受け、女性の地位向上のための国内本部機構と
して、内閣総理大臣を本部長とする婦人問題企画推進本部を設置、昭和52(1977)年に、昭
和61(1986)年までを対象とするはじめての「国内行動計画」を策定、昭和60(1985)年には、
女子差別撤廃条約を批准、男女雇用機会均等法を制定しました。
平成11(1999)年、男女共同参画社会の形成に関する施策を総合的かつ計画的に推進する
ための基本理念と、国・地方公共団体及び国民の責務等とを明らかにした男女共同参画社会
基本法を制定し、さらに、平成12(2000)年、男女共同参画社会基本法に基づく初めての計
画である「男女共同参画基本計画」を閣議決定しました。
平成12(2000)年に、ストーカー規制法及び児童虐待防止法を制定、翌平成13(2001)年、
配偶者暴力防止法を制定しました。この配偶者暴力防止法によって、配偶者からの暴力が犯
罪となる行為であることが明確に規定され、被害者を保護する仕組みが確保されました。な
お、配偶者暴力防止法は、平成16(2004)年に保護命令制度の拡充を柱とする改正が行われ、
平成19(2007)年に区市町村による基本計画の策定などが努力義務として新たに加えられま
した。
平成15(2003)年には、性同一性障害特例法が制定されました。
平成13(2001)年、男女共同参画審議会を改組し、内閣府に男女共同参画会議が設置され、
また、推進本部および男女共同参画会議の事務局としての機能を担う男女共同参画局が設け
られました。平成17(2005)年には内閣府に少子化・男女共同参画特命担当大臣を置き、推
進体制を強化しました。
平成19(2007)年、「仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)憲章」と「仕事と生活
の調和推進のための行動指針」が策定されるとともに、改正男女雇用機会均等法が施行され、
性別による差別禁止の範囲の拡大などが行われました。
平成25(2013)年の「改正男女雇用機会均等法施行規則」(平成26(2014)年施行)では、
間接差別となりうる措置の範囲の見直しや事例の追加等がなされました。平成26(2014)年
には、「改正配偶者暴力防止法」の施行により、保護の対象範囲が拡大されています。
また、平成27(2015)年には、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」が成
立するとともに、これらの法制度を踏まえて「第4次男女共同参画基本計画」が閣議決定され
ました。
平成28(2016)年には、育児・介護休業法の改正によって、男女がともに子育てや介護を
第2章計画策定の背景 13
しながら働き続けるための休業制度が改善され、また男女雇用機会均等法の改正(いずれも
平成29(2017)年施行)により、職場内での妊娠・出産、育児休業、介護休業等を理由とす
る嫌がらせを防止する措置を講じることが事業主に新たに義務付けられることとなりました。
また、この年、女子差別撤廃条約の実施状況を審議した国連女子差別撤廃委員会が、最終
見解を国に対して提示しました。
仕事と子育て等の両立支援を推進するための法制度の整備が進み、女性の活躍推進政策は
新たな段階に入ったといえます。

(2)都の動き

東京都では、国の法律制定を受けて、平成12(2000)年に、東京都男女平等参画基本条例
を制定し、施策を推進しています。
男女平等参画のための東京都行動計画については、平成24(2012)年「チャンス&サポー
ト東京プラン2012」に策定をしています。この行動計画は、働く場における男女平等参画の
促進、仕事と家庭・地域生活の調和がとれた生活の実現、特別な配慮を必要とする男女への
支援、配偶者からの暴力の防止の4点を重点課題としています。
また、配偶者暴力については、配偶者暴力防止法改正に伴い、「東京都配偶者暴力対策基
本計画」を平成18(2006)年に策定、平成21(2009)年、平成24(2012)年に改定を行い
ました。
現在、男女平等参画のための東京都行動計画と、配偶者暴力対策基本計画の改定、女性活
躍推進計画の新規策定が進められており、平成29(2017)年3月に策定、公表される予定で
す。

(3)文京区の取り組み

文京区では、区の実態に即した女性施策に関する計画の策定が必要であるという考えから、
昭和54(1979)年に区民、区議会代表、学識経験者で構成される文京区婦人会議を設置、同
会議の答申「文京区婦人行動計画策定のための基本的考え方について」を受け、区は昭和57
(1982)年、女性をめぐる諸問題解決にあたっての基本方針と施策を体系化した「文京区婦人
行動計画」を策定しました。
昭和61(1986)年には、「区民に女性問題に関する学習及び交流の機会並びに活動の場を
提供することにより女性の地位向上に資する」ことを目的とした文京区婦人センター(現文京
区男女平等センター)を開設、平成3(1991)年に文京区婦人センターを文京区女性センター
14 第2章計画策定の背景
と改称、区内女性団体の横断的組織である文京区女性団体連絡会に同センターの管理・運営
を委ねる自主管理方式を導入しました。
「文京区婦人行動計画」については、昭和63(1988)年に社会情勢の変化に伴う見直しを
行い、平成5(1993)年、「男女共生社会に向けての区民の意識調査報告」をまとめるとともに、
この結果を踏まえ、平成6(1994)年に「文京区女性行動計画」を策定しました。この計画で
は、国の計画に先がけて、新たに「性別の枠にとらわれない男女共生社会の実現」という新た
な視点を盛り込み、平成13(2001)年7月、それまで主に女性を施策の対象としてきた計画
を全面的に見直して「文京区男女平等参画推進計画」を策定しました。
計画の策定にあたっては、当初から区民参画を図っています。「文京区婦人行動計画」策定
のために設置した「文京区婦人会議」は、昭和57(1982)年に、女性施策についての意見聴
取を目的とする文京区婦人行動計画懇談会と名称を変更、平成4(1992)年には文京区女性
問題懇談会に、平成10(1998)年には文京区男女共同参画推進会議に、さらに平成14(2002)
年には文京区男女平等参画推進会議と改称し、文京区における男女平等参画の総合的推進等
について所掌する会議体として位置付けました。
区の行政内部においては、昭和54(1979)年に、関係各課による文京6区婦人対策委員会
を発足させ推進体制を整備し、平成4(1992)年には文京区女性施策推進委員会に、平成14
(2002)年には文京区男女平等参画推進委員会に名称を改め、より強力な全庁的体制を敷き
ました。
「文京区男女平等参画推進計画」の策定によって、女性施策から男女平等参画施策へと施策
の幅が広がったことを受け、平成14(2002)年4月、それまでの文京区女性センターを文京
区男女平等センターと改称し、男女平等参画を推進する施設となりました。なお、平成18
(2006)年4月より、文京区男女平等センターは、指定管理者として文京区女性団体連絡会
が管理・運営をしています。また、平成14(2002)年より、計画の進捗状況を把握し、文京
区男女平等参画推進会議による外部評価も含めた推進状況評価を開始しました。
平成25(2013)年には、『文京区男女平等参画推進条例』を施行し、今後文京区の行う総
合的な男女平等参画施策が条例上の法的根拠を持つことになりました。
平成27(2015)年、文京区男女平等推進委員を設置し、9月には、男女平等に関する区民
の意識・意向及び生活実態を把握するために調査を実施し、その調査結果を「文京区男女平
等に関する区民調査報告書」にまとめました(16ページ以降参照。一部結果を抜粋)。
また、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づき、平成28(2016)年
に「文京区における女性職員の活躍の推進に関する特定事業主行動計画」を策定しました。
今回の「文京区男女平等参画推進計画」の改定は、こうした近年の法制度の変化や政策進展
の背景と区民調査の結果を踏まえたものです。

第3章 計画の体系

文京区男女平等参画推進計画

 

1 男女平等参画社会を支える意識の形成

  1. ジェンダーに敏感な視点に立った教育・学習
    (1)学校教育における男女平等教育・学習の推進
    (2)生涯学習における男女平等教育・学習の推進
  2. ジェンダーに敏感な意識の浸透
    (1)男女平等参画社会実現に向けた普及・啓発の充実
    (2)男女平等参画の現状把握

2 男女平等参画の推進と女性の活躍

  1. 家庭生活における男女平等参画
    (1)家庭における男女の役割分担の改善
    (2)介護者等への支援
    (3)子育てへの支援
  2. 地域社会における男女平等参画
    (1)地域活動への参画のための活動支援
    (2)男女平等センターを拠点とした推進 
  3. 働く場における男女平等参画
    (1)仕事と家庭の両立支援

        (2)職場における男女平等の促進

        (3)女性の就労・再就職、起業等への支援

        (4)男性中心型の労働慣行を改め多様な働き方の支援

   4.政策・方針決定過程における男女平等参画
        (1)政策・方針決定過程への女性の参画促進

3 あらゆる暴力の根絶と安全・安心な暮らしの実現

  1. ドメスティック・バイオレンスの根絶

        (1)ドメスティック・バイオレンスの防止

        (2)ドメスティック・バイオレンスへの対応

   2.あらゆる暴力の根絶
        (1)セクシュアル・ハラスメント、スクール・ハラスメント、

               マタニティ・ハラスメント等の暴力に対する防止・対応策
        (2)性の商品化とメディアにおける性・暴力表現への対応

        (3)女性への暴力撤廃国際デーと暴力撤廃の呼びかけ 

   3. 生涯を通じた健康支援
        (1)性と生殖に関する健康と権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)の普及・啓発

        (2)保健指導・健康診査の充実 

   4.人権の尊重と自立への支援
        (1)啓発、相談機能の充実
        (2)貧困等複合的困難を抱える方への各種支援制度の整備
   5.男女平等参画の視点に立った防災対策

        (1)男女平等参画の視点に立った災害時対応

        (2)防災に関する活動等への女性の参画促進 

4推進システムの整備 

  1. 庁内等推進体制の整備・充実

        (1)文京区男女平等参画推進条例の推進
        (2)計画の推進と評価体制の確立

        (3)男女平等参画の視点に立った調達制度の活用

        (4)区職員への意識啓発及び人材育成

        (5)苦情申立て制度の運用

   2.国際社会と国内の取組の積極的理解・連携
        (1)国際社会の取組との連携
        (2)国連持続可能な開発のための2030アジェンダ(SDGs)、

               女性のエンパワーメント原則(WEPs)の周知・推進

        (3)国・都への要望と連携強化

        (4)大学・企業・民間団体との連携の強化

第4章 計画事業とその考え方

1 男女平等参画社会を支える意識の形成

男女平等参画社会を実現するためには、一人ひとりが男女平等の意識を有することが
不可欠です。男女平等参画社会基本法が制定されて以降、法制度の整備は進められてき
ましたが、現実社会においては、固定的な性別役割分担意識がいまだ根強く、男女の自由
な生き方を縛ったり、可能性を狭めたりするなど、多くの課題が残されています。性差に
関わらず、個人の個性と能力を発揮できるよう、生涯にわたる教育・学習を通じて、男女平
等意識の浸透を図らなければなりません。今後も、あらゆる場面において男女平等参画
社会を支える意識を形成するため、広報・啓発活動を積極的に展開する必要があります。

1 ジェンダーに敏感な視点に立った教育・学習

多様な存在である人間を男女という2区分にし、その他の性自認を否定したり、伝統的な
性別役割を期待することが、性差別や偏見等につながり、人々の自由な生き方を束縛したり、
可能性を狭めたりすることによって、社会的な差別や権利の侵害を引き起こすことがありま
す。
ジェンダーに敏感な視点とは、ジェンダーが存在することを意識し、性別や性差に関する
差別や偏見を排除し、人間の多様性に配慮する視点です。男女平等参画社会を実現するため
には、このジェンダーに敏感な視点に立ち、人々がともに働き、ともに家事・育児・介護の
責任を果たすことができるよう、日々のあらゆる場面で改善に取り組み、ジェンダーに基づ
く性差別や偏見を克服していく必要があります。そのため、学校・職場・家庭・地域におけ
る教育・学習の果たす役割は極めて重要です。
区では、社会の形成者として必要とされる基本的な資質を養う学校教育の場において、児
童・生徒に対し人権や個性を尊重し、男女平等意識を培う教育を実践していくとともに、生
涯学習の場において、男女平等参画社会の実現に向けた学習機会の提供や自主的な学習に対
する支援を行います。

2 ジェンダーに敏感な意識の浸透

人々の意識の中に形成された性別に基づく固定的な役割分担意識や性差に関する偏見を解
消し、男女平等参画に関する認識やその意識に対する理解を深め、定着させるためには、社
会状況を把握しながら、たゆまぬ啓発・普及活動が不可欠です。特に若年男女及び家庭にお
ける夫・父親等、また企業・団体における経営者・管理職等の指導的地位にある男性の意識
を変えるための意識啓発は重要です。
新聞、テレビ、インターネット、ゲーム等訴求力の高いメディアによりもたらされる情報
は膨大かつ多様になり、人権尊重や男女平等の視点に立って、情報を主体的に読み解き、自
ら発信する力(メディア・リテラシー)を育成し、区が発信する情報や開催する事業から、区
民や事業者等に対して、ジェンダーに敏感な意識を浸透させる必要があります。全ての人々
が、学校・職場・家庭・地域それぞれにおいて、性自認や性的指向に関する多様性の視点も
含めてジェンダーの存在を意識し、男女平等参画を推進することが求められています。

2 男女平等参画の推進と女性の活躍

「女性活躍推進法」が平成28年4月1日より全面施行されました。この法整備により、
301人以上の民間事業主や地方公共団体は、様々な施策や報告事項が義務付けられ、
300人以下の民間事業主は努力義務となりました。しかし、女性の活躍の場は、働く場
ばかりではなく、政治や司法、行政、経済、地域など様々な分野で求められています。
これまでもポジティブ・アクション(積極的改善措置)等について様々な取組や推進、
普及啓発が行われたものの、社会のあらゆる分野において指導的地位に占める女性の割
合が低いのが現状です。このことを踏まえ、女性の参画拡大の動きをさらに加速するた
め、採用・登用・能力開発を視野に入れた事業主行動計画の策定を導入することが必要
です。多様な人材の能力活用の観点からも、重要な担い手として、女性の役割が再認識
されています。
また、男性に対しては、両立支援制度の活用を促すことにより、家事・育児・介護・
地域等に参画可能となるため、この環境整備が求められています。

1 家庭生活における男女平等参画

あらゆる分野で女性の活躍を阻害している原因には、固定的な性別役割分担意識や性差に
関する偏見を背景に、「男性中心の働き方等を前提とする労働慣行(以下「男性中心型労働慣
行」という。)」が維持されている現状があります。区の調査においても就業の有無に関わらず
「家庭内の炊事・洗濯・掃除などの家事」について「主に自分」だとの回答は女性が多く担って
いる状況がみられ、結婚している男女の家庭においては、女性のみが担っているという家庭
が大半を占めている結果から、これまで男性の家事・育児・介護等の十分な分担が得られず、
女性の負担が大きく、家庭以外の場所において女性の活躍が困難になる場合が多く伺えます。
初婚年齢や出産年齢が上昇し、育児世代の平均年齢が上昇する中、育児と介護の二つのケ
アを同時に担う「ダブルケア」問題は、男女を問わず今後予測される大きな課題であることか
ら、ケアワーク(家庭内労働)への理解と社会的な評価を高めるとともに、行政や企業、学校
を含めた支援体制の整備と、男性や次世代の家族による家庭生活への参画を強力に促進する
必要があります。

2 地域社会における男女平等参画

従来の地域活動では、参加者は総体的に女性の方が多いにもかかわらず、伝統的な慣習や
固定的な性別役割分担意識から、女性は裏方、男性は表舞台といった役割分担の傾向がみら
れます。地域や社会における女性の参加も、要員や担い手としてだけでなく、活動の決定過
程への参画であることが重要です。たとえば、災害時に備えた対策には、性差、年代、障害
の有無など、多様な視点で検討することが必要とされています。
区は、性別やライフステージにかかわらず、あらゆる人たちが地域活動に参画しやすい環
境づくりに努めます。また、福祉、教育、防災防犯、まちづくり、文化活動など様々な分野
において男女が偏りなく活動の決定過程に関われるよう、施策を通じて地域社会における男
女平等参画の実現に努めます。

3 働く場における男女平等参画

勤続年数を重視しがちな年功的な処遇の下、長時間勤務や転勤が当然とされている男性中
心の働き方等を前提とする「男性中心型労働慣行」が依然として根付いており、育児・介護等
と両立しつつ能力を十分に発揮して働きたい女性が思うように活躍できない背景となってい
ます。
長時間労働を削減するとともに、個々人の事情や仕事の内容に応じてICTサービスを活
用するなどにより、多様で柔軟な働き方が選択できるよう、働き方改革を推進します。
さらに、ポジティブ・アクションにより職場における男女間格差を是正するなどを通じ、
男女の働き方・暮らし方・意識を変革し、「男性中心型労働慣行」等を見直すことにより、互
いに責任を分かち合いながら家事・育児・介護等へ参画し、また、地域社会への貢献等、あ
らゆる分野において活躍するとともに、自己啓発等にかかる時間を確保できるなど、職業生
活その他の社会生活と家庭生活との調和が図られた、男女がともに暮らしやすい社会の実現
へと取り組むことが大切です。

4 政策・方針決定過程における男女平等参画

全ての女性がその生き方に自信と誇りを持ち、自らの意思によりその個性と能力を十分に
発揮することにより、職場・学校・家庭・地域等あらゆる場面において活躍できることが重
要です。多くの分野において女性の活躍が進んできていますが、政策・方針決定過程への女
性の参画については、まだ十分とは言えません。男女が政治的意思決定過程に積極的に参画
しともに責任を担うとともに、多様な意思が社会の政策・方針決定に公平・公正に反映され、
均等に利益を享受するためにも、政策・方針決定過程への女性の参画拡大が望まれます。新
たな制度の構築や制度の抜本的な見直しが行われる中で、女性の関心事項を含め、男女平等
参画の推進に向けた政策・方針を制度に盛り込むなど、政治的な優先課題に反映させること
も重要です。

3 あらゆる暴力の根絶と安心・安全な暮らしの実現

男女平等参画社会の実現に向け、男女問わず個人として尊重されること、性差等により
差別的な取扱いを受けないこと、個人としてその能力を発揮する機会を確保されること
など、人権の尊重が求められています。配偶者暴力やストーカー等の暴力行為、セクシュ
アル・ハラスメントやマタニティ・ハラスメント、スクール・ハラスメント、性の商品化等は個
人の尊厳を傷つける決して許されない行為です。加えてこれらは、子どもや女性、立場的
に弱者とされる方々が被害者となるケースが多く、男女平等参画社会を形成していく上
で、早急に対応し克服すべき課題です。
また、人間としての尊厳を守るためには、生涯にわたる心と体の健康が欠かせません。
特に、性と生殖に関する健康と権利(リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)は、女性の人権に
かかわる重要な課題とされています。男女を問わず、人が互いに理解し合い、人権を尊重
し合うことは、男女平等参画を推進するための前提です。さらに、個人の自立を容易にす
るための相談支援体制の充実や社会基盤の整備が求められています。

1 ドメスティック・バイオレンスの根絶

ドメスティック・バイオレンスは、犯罪となる行為をも含む重大な人権侵害であるにも関
わらず、家庭内や親しい者同士の問題とみなされて、潜在化、深刻化しやすい傾向があります。
ドメスティック・バイオレンスの被害者は、圧倒的に女性が多く、その背景には、男女の社
会的地位や経済力の格差、女性に対する人権軽視や、男性の暴力に寛容な社会風潮があると
考えられます。
また、被害者が自分や子どもの身を守り、安全を確保して、人間としての尊厳を保つため
に援助を求めることは大切な権利であり、正当なことであると認識することが必要です。
ドメスティック・バイオレンスは、被害者が心身に傷を負うのみならず、同居する子ども
への影響や、次世代への暴力の連鎖の危険性も指摘されています。さらに、ドメスティック・
バイオレンスを背景とした犯罪も発生しており、地域社会の安全への影響も見逃せません。
また、若年層については、交際相手からの暴力への対応という課題もあります。
3 あらゆる暴力の根絶と安全・安心な暮らしの実現 51
ドメスティック・バイオレンスの根絶のためには、防止に向けた啓発活動を推進し、緊急
一次保護施設を確保する一方、関係機関が連携し、社会全体で防止に取り組むことが必要です。

2 あらゆる暴力の根絶

身の回りで起こっている暴力は、ドメスティック・バイオレンスだけではなく、セクシュ
アル・ハラスメント、マタニティ・ハラスメント、スクール・ハラスメント、ストーカー、
レイプ、援助交際を含む売買春、児童虐待などがあります。
これらの暴力は女性や子どもが被害者となることが多く、これまで被害者が我慢してきた
こと、犯罪として認識されてこなかったことなどのため、顕在化しない場合には放置され
てきました。配偶者暴力の防止に関する法制度の改正やストーカー規制法の整備がなされ、
NPOや警察、自治体を含めた関係機関による連携も進み始めています。
しかし、法整備の背景には、残虐な被害事件の実情が顕在化されたことによる影響が否め
ません。現在、ドメスティック・バイオレンスやストーカー、性犯罪は年々件数が増加傾向
にあり、シェルターやワンストップ支援の整備はより必要性を増しています。

3 生涯を通じた健康支援

男女が互いの身体的性差を十分に理解し合い、人権を尊重しつつ、相手に対する思いやり
を持って生きていくことは、男女平等参画社会の形成に当たっての前提と言えます。また、
心身及びその健康の維持増進に関する正確な知識・情報を入手することは、自らが健康で主
体的に行動していくために必要です。区では、健康の維持増進に関することや、嗜好品であ
る喫煙や喫煙者からの影響、アルコール摂取などがもたらす健康への影響について、様々な
機会を捉えて情報提供し、健康の支援を行っています。特に、女性は妊娠・出産や女性特有
の更年期疾患を経験する可能性があるなど、生涯を通じて男女が異なる健康上の問題に直面
することに留意する必要があり、「リプロダクティブ・ヘルス/ライツ」(性と生殖に関する
健康と権利)の視点が殊に重要です。

 

4 人権の尊重と自立への支援

暴力は被害者の尊厳を傷つけ、人権を著しく侵害する問題です。人権尊重の理念に対する
理解を深めるとともに、各々が自らに保障された法律上の権利や、権利の侵害を受けた場合
の対応等について知識を得られるよう法律・制度の理解促進を図ります。また、尊厳の回復
や自立への支援として、専門的な相談窓口の提供や、心に寄り添えるメンタルヘルス事業を
展開し、複合的な困難を抱える方へも連携して対応できる支援に取り組みます。

 

5 男女平等参画の視点に立った防災対策


東日本大震災においては、様々な意思決定過程への女性の参画が十分に確保されず、男女
のニーズの違い等が配慮されないなどの課題が明確になりました。災害時には、平常時にお
ける社会の課題が一層顕著になって現れるため、平常時からの男女平等参画社会の実現が、
防災・復興を円滑に進める基盤となります。
女性と男性では災害から受ける影響に違いが生じることへの配慮や、男女平等参画の視点
からも女性のリーダーシップを促進することや、防災計画の企画・立案及び実施、事前の備
えや避難所運営など、政策、決定過程における女性の参画拡大が重要です。また、災害時に
おける帰宅困難者への対応においては、こうした視点を踏まえ、地域での企業や大学、町会
等との連携は不可欠です。

4 推進システムの整備

文京区男女平等参画推進条例では、「区の責務」「区民の責務」「事業者の責務」と
3者が主体的に、また協働して男女平等参画社会の実現に向けて取り組むことが義務付
けられています。
区民として、自らの自由な意思に基づき、性別役割分担意識にとらわれない多様な生
き方や社会での活動を選択できるように、男女平等参画についての理解を深めるととも
に、事業に関与し推進に努めなければなりません。
区は男女平等参画を推進するための啓発活動や環境整備を行い、施策の推進状況や
ジェンダーに敏感な視点に立ち男女平等参画を推進しているかを文京区男女平等参画推
進会議より評価や提言をうけ、区自らも計画の進捗状況を確認し、各種調査結果を区
民に公表するとともに、絶えず施策の見直しや改善を図ります。

1 庁内等推進体制の整備・充実

男女平等参画施策を推進し、区民に対し男女平等参画の意識を浸透させるためには、施策の
実施に携わる区職員がジェンダーに敏感な視点を持つことが重要です。全職員に対し、研修や啓
発を通じて、男女平等参画の考え方を徹底します。

2 国際社会と国内の取組の積極的理解・連携

国内における男女平等参画施策は、国連をはじめとする国際的なジェンダー平等・女性の
エンパワーメントに係る働きと連動して展開しており、女子差別撤廃条約をはじめとする男
女平等参画に関連の深い各種条約や国際会議における議論等について広く周知徹底するとと
もに、国際社会への理解を深め、男女平等参画の視点に立った国際交流・協力の推進のため、
地域での交流や連携、協力への支援を展開します。

お問い合わせ先

〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号

文京シビックセンター14階南側

総務課ダイバーシティ推進担当

電話番号:03-5803-1187

FAX:03-5803-1331

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