文京区議会
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自治制度・行財政システム調査特別委員会会議録(平成26年9月11日)

更新日 2015年04月24日

自治制度・行財政システム調査特別委員会会議録 

1 開会年月日

平成26年9月11日(木曜日)

2 開会場所

第二委員会室

3 出席委員(11名)

委員長  上田ゆきこ
副委員長 國枝正人
理事   松下純子
理事   藤原美佐子
理事   白石英行
理事   松丸昌史
理事   島元雅夫
委員   金子てるよし
委員   海老澤敬子
委員   名取顕一
委員   品田ひでこ

4 欠席委員

なし

5 委員外議員

議長 渡辺雅史

6 出席説明員

成澤廣修 区長
原口洋志 教育長
佐藤正子 企画政策部長
林顕一  総務部参事総務課長事務取扱
田中芳夫 教育推進部長
竹越淳  企画課長
井内雅妃 政策研究担当課長
大川秀樹 財政課長
辻政博  職員課長

7 事務局職員

事務局長 吉岡利行
議会主査 古内克哉
議会主査 吉野隆久

8 本日の付議事件

(1) 理事者報告
 1)地方分権改革による権限移譲等への特別区の対応について
 2)「都区のあり方検討」について
(2) 一般質問
(3) 研究会
 「人口減少社会における特別区の行財政運営について」
 講師 政策研究大学院大学名誉教授・客員教授 松谷明彦氏
(4) その他
 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 

午前10時00分 開会


上田委員長 おはようございます。

それでは、自治制度・行財政システム調査特別委員会を開会いたします。

委員等の出席状況ですが、委員の皆様は、おそろいでいらっしゃいます。理事者の皆さんもおそろいでいらっしゃいます。

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 


上田委員長 理事会について。

必要に応じ、協議して開催することとしたいと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と言う人あり)

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 


上田委員長 研究会について。

本日は、研究会を午後から行いたいと思っております。

研究会の開催については、既に御了承をいただいておりますが、本日は、午後1時から、「人口減少社会における特別区の行財政運営について」をテーマに、政策研究大学院大学名誉教授の松谷明彦先生を講師としてお迎えし、研究会を開催させていただきます。

また、議会広報のため、写真撮影をさせていただくことを御了承いただきたいと思います。

また、あわせて、午後から研究会を行うため、現在御着席いただいている座席とは、若干異なる配置となることを御了承いただきたいと思います。

また、理事者報告及び一般質問では、通常の理事者の出席となります。研究会については、企画政策部長、企画課長、政策研究担当課長及び財政課長のみの出席となりますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と言う人あり)

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 


上田委員長 本日の委員会運営について。

理事者報告は2件、報告、質疑とも項目ごとといたします。

その後、一般質問に移りたいと思います。

また、午後1時から3時まで研究会を開催します。

その他、委員会記録について、11月定例議会の資料要求について、閉会、以上の運びにより委員会を運営したと思いますが、よろしいでしょうか。

(「異議なし」と言う人あり)

 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――― 


上田委員長 それでは、理事者報告2件、企画政策部から2件でございます。

まず、資料第1号、一つ目が「地方分権改革による権限移譲等への特別区の対応について」です。

資料第1号の説明を、井内政策研究担当課長、お願いいたします。


井内政策研究担当課長 おはようございます。

それでは、資料第1号、地方分権による権限移譲等への特別区の対応について、御説明を差し上げます。

資料につきましては、1ページおめくりいただきまして、資料第1号でございます。

地方分権改革については、これまでも、地方自治体の自主性を強化し、住民に身近な行政は地方自治体が担っていくという考え方の下、地方分権改革推進委員会の勧告に基づきまして、第1次一括法から第2次一括法、第3次一括法という形で着実に推進してまいりました。

特別区においては、その都度、主管部長会におきまして、一括法による区への影響や課題など、特別区における対応を検討してきたところでございます。

この度、平成26年5月に第4次一括法が成立いたしまして、これに係る対応について、主管部長会での検討状況が取りまとめられたため、御報告をさせていただくものでございます。

では、早速ですが、1番、地方分権改革関連法に伴う特別区の対応についてでございます。

今回、区に実質的な影響があるものといたしましては、3点ございます。

1点目が(1)の、区が条例を制定する必要があり、かつ、移譲に向け、国との調整等が必要ということで、こちらが健康増進法の関係でございます。移譲時期については、平成28年4月を予定しております。

移譲される事務の主な内容ですが、食品として販売に供するものに関しまして、広告、その他の表示をするときに、健康の保持・増進の効果、その他内閣府で定める事項について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしたものに対して、当該表示に関し、必要な措置を採る旨の勧告等を行う事務でございます。

移譲の可否につきましては、特別区として移譲を受けることとされております。

次に、(2)でございますが、こちらについては、移譲に向け、国との調整等が必要とされた法令でございます。

こちらは医療法でして、移譲時期については、平成27年4月を予定しております。

移譲される事務の主な内容でございますが、国等が開設する病院等、具体的には国等が開設する診療所と助産所になりますが、そちらの開設の許可及び変更届の受理等でございます。

移譲の可否につきましては、特別区として移譲を受けることとされております。

次に、(3)番の、今後更に検討するとされた法令についてですが、こちらは道路運送法になります。移譲時期につきましては、平成27年4月でございますが、今年度、移譲を希望しないといった場合、来年度以降も移譲を希望できるという見込みになっております。

こちらの移譲される事務の主な内容でございますが、自家用有償旅客運送に係る登録及び監査等の事務でございます。

ちなみに、この自家用有償旅客運送というのは、米印、少し小さい字で恐縮でございますが、書いてありますとおり、過疎地等における地域住民の生活維持に必要な輸送が、バスやタクシー事業等によっては提供されない場合に、市町村、NPO等が自家用車を使用して、有償で運送できる制度というものでございます。

こちらの移譲の可否でございますが、こちらについては、現在調整中となっております。特別区におきましては、バスやタクシーなどの輸送手段が充実しているということから、特別区内でも、移譲しない、移譲を希望しない区と検討中の区に分かれているという状況になっております。

続きまして、2番、今後の対応についてでございます。

ただいま御説明いたしました(1)番につきましては、必要に応じて各区で条例制定手続を行うとともに、各区で共通とすべき項目につきましては、主管部長会で今後調整を行っていくということでございます。

また、国との調整が必要なものについては、特別区で情報共有を図りながら、国の関係部局に申入れ等を行うということでございます。

なお、今後の地方分権改革については、提案募集方式により推進を図るということが見込まれております。この提案募集方式というのは、個々の地方公共団体から地方分権改革に関する提案を広く募集し、それらの提案の実現に向けて検討を行っていくというものでございます。

ここで、裏面を御覧ください。

こちらは、現在、特別区といたしまして、国に対して提案要求をしている提案項目でございます。今後、これらの項目につきまして、優先度等に従いまして、国において検討が行われることとなっております。

なお、参考資料といたしまして、これまでの第1次から第4次一括法における区への影響ということで概要をまとめておりますので、御参照いただければと思います。

資料第1号に関する説明については、以上でございます。


上田委員長 それでは、質疑に入りたいと思います。

資料第1号について質問のある方、挙手をお願いします。

松丸委員。


松丸委員 おはようございます。

今、課長のほうからも説明ございましたけれども、特に私が確認をさせていただきたい部分は、今後の対応ということであります。今後の地方分権改革については、提案募集方式、いわゆる手挙げ方式というのか、そういった方法で今後進めていくということです。この裏面にありますように、これは特別区長会で提案された部分だと思うんですけれども、権限移譲という部分においては13項目、それから規制緩和という部分においては6項目、ここで出ているわけです。実際問題として、可能性として、この中でどういうものが現実的に、今後どう取り上げられていくか。実現性がある部分というのはどういうふうに見られているのか、また、検討されているのか、ちょっとその辺だけ確認をさせていただきたいと思います。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 今の御質問でございますが、こちらのほうで特別区長会から情報提供していただいている内容の中では、まず、権限移譲については、県費負担職員の人事権等の移譲という項目、5番でございますが、こちらが今後、国のほうで検討していく中では可能性が高いというところで聞いております。

それからあと、下の規制緩和については、3番目になりますけれども、産後ケア事業に対する補助条件の見直しというところが、優先度が高いということです。これら2項目につきましては、今後、国のほうで委員会等を設置しまして、有識者を入れた中で議論をし、その委員会での検討の項目となるような予定であると聞いております。

その他の事項については、最初の段階では、委員会で検討というよりは、内閣府あるいは省庁のほうで事務的に淡々と検討していく中で、必要に応じて、国の委員会のほうで議論するというようなことを聞いております。


上田委員長 松丸委員。


松丸委員 分かりました。

今述べられたように、権限移譲という部分においては、県費負担職員の人事権等の移譲。それから、規制緩和では産後ケア事業に対する補助条件の見直し。この部分は、具体的に委員会を設置して検討していくということであるわけでありますけれども、では、具体的にいうと、県費負担職員の人事権等の移譲というのはどういうような形なのか。その辺を、もうちょっと分かりやすく教えていただきたいというふうに思います。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 県費負担職員の人事権等の移譲につきましては、現状につきましては、もう御案内のとおり、東京都の教育委員会のほうに人事権があるということで、各学校の状況などについて、区の状況を都に報告するというような制度になっております。しかし、特別区が長期的な視点を持ちまして、地域の実情に応じたきめ細やかな教育を今後推進していくためには、必要な財源もそうですけれども、区立の小・中学校の教職員の人事権や定数権の確保は欠かせないのではないかというような認識の下で、教育の更なる推進というところから、こういったところを今後、区で責任を持ちながら地方の実情に応じた学校教育を推進していく。そのためには、やはりこういった人事権ですとか定数権の確保というものを、区のほうに移譲していくことで効果が期待できるのではないかということであります。

また、一方では、地域の防災拠点としての学校の位置付けというようなものも、今後すごくクローズアップされてくるという中で、そういった学校を含め地域、町会や自治会との結び付きというところも含めて、新たな局面を迎えていると。そういった中で総合的に見て、こういった権限の移譲を提案しているというようなところでございます。


上田委員長 松丸委員。


松丸委員 分かりました。

そうすると、よく議題になっていましたけれども、いわゆる教職員の人事権。これは、東京都が持っているわけですけれども、その辺も今後、区に移譲され、そして区の中で今後、人事権を使って職員を採用していくと。

ただ、一方では、東京23区なんかは、いろいろな意味でメリットがある部分と同時に、例えば、それ以外の三多摩地域のところは、なかなか職員のほうがそっちに行きたくないというような格差も、一方ではやっぱりあると思うんです。そういう意味では、非常に大きなテーマでもあるものが、今後、この委員会を設置して検討していくという部分なわけですけれども、教育委員会のほうとしては、この辺は、どういうふうに見られているのか、ちょっとその辺だけ。


上田委員長 原口教育長。


原口教育長 この県費負担職員の人事権については、特別区長会、それから教育長会でもずっとこれまでも提案しているところなんですけれども、今、そういった新たな動きが委員会を作ってということですが、いかんせん、東京都のほうがかなり厳しく、移管に反対の状況です。今おっしゃいましたように、特別区はともかく、多摩地域の市町村が反対している状況でございますので、なかなか難しいという状況です。

私どもの感覚というか、今までの状況では、前に進んでないという状況なので、もしこちらの委員会で積極的な前向きな提案等があれば、一歩前に進むのかと思っていますけれども、東京都のほうではそういった形で、かなりガードが固いというような状況です。


上田委員長 松丸委員。


松丸委員 分かりました。今後、この委員会の推移というのをよく見ていかなければいけないと思います。

もう一つ、規制緩和では産後ケア事業に対する補助条件の見直しというのがありますけれども、これは、具体的にどういったことを想定されているのか、ちょっとこの辺を教えてください。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 産後ケア事業に対する補助条件の見直しでございますが、これは、国のほうで母子保健医療対策等総合支援事業という事業がございまして、この中の一つとして妊娠・出産包括支援モデル事業というのがございます。今、この事業で補助金を申請できるんですけれども、補助要綱の中で、このモデル事業の補助を申請するためには、母子保健コーディネーターの配置、産前産後のサポート事業、それから産後ケア事業の3事業を全てやるといったような条件を満たす自治体については、この補助金の申請ができるというような補助要綱のつくりになっています。

ただ、各自治体においては、なかなか財政が厳しい中で、少しでもこういった産後ケア事業を推進したいという意向がありまして、そういった中では、この3事業を必ずしもセットでやるということでなくても、どれか一つをやるといったような場合についてもこの補助申請ができるように、要綱の見直しをしていただきたいというようなことが具体的なところとなっております。

これは、具体的な話で申しますと、この提案しているところの一つとしては、先日の一般質問でも世田谷区の産後ケアセンターが取り上げられていました。正に提案している区の一つとして世田谷区があります。世田谷区としても、今後も産後ケア事業の拡大というのが課題になっているけれども、予算も含めて厳しいと。ただ、区民ニーズとしては、もっとこの産後ケア事業を拡大してほしいという要望があるという背景がありまして、そういった中から、弾力的に補助要件の見直しというのを進めてもらいたいというような提案の概要となっております。


上田委員長 松丸委員。


松丸委員 分かりました。

特に、子育て支援という部分においては、今回の田中香澄議員の質問にもありましたように、産前産後のきちっとした切れ目のない形での支援を、しっかりと行っていくという部分においては、今回幾つか提案させていただきました。そういう中で、さっき話がありました世田谷区なんかも、一般区民の方はかなり低額な、これは、当然、区が補助してやっているわけですけれども、区民以外の方たちが利用すると、相当な費用が発生するわけであって、そういう部分が今後、どういうふうに改善されていくのかというのを我々も注目しています。今後、文京区としても、仮にいわゆる規制緩和という部分になって、補助条件の見直しになっていった場合、仮定してそうなった場合、これに伴った新しい事業ができるということは十分、今後考えられることだと思うんです。

今、特別区長会での提案ということで、権限移譲が13項目と規制緩和が6項目とありました。例えば、これが特別区長会だけに限らず、区としても何らかの形でこういった提案ができるようなのが、今回の手挙げ方式なのかどうか。また、その中で、区としても今後、可能であればどういう形の提案を考えているのかという部分をちょっと最後に確認させていただきたいと思います。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 提案募集方式の提案のやり方についてのお尋ねでございます。今回は、特別区取りまとめの提案事項ということで、資料をお付けしておりますが、この提案募集方式という形においては、地方公共団体単独の提案ももちろんできるという仕組みになっております。ただ、今回は、ちょっと事務的なことで恐縮なんですが、なかなか取りまとめといいますか、締切りまでの期間が短かったりとか、これまでもこういった提案募集みたいなものについては、特別区長会として取りまとめてやっているというようなところもありまして、特別区で取りまとめたという状況でございます。この内容、それからこれ以外の項目についても、文京区として独自に提案が必要な事項というものが今後想定され得る場合については、その状況の中で提案が必要だということで、提案することは妨げないということを、特別区長会のほうからも聞いております。


上田委員長 松丸委員。


松丸委員 そういう中で、区としても何か今後提案していくということも視野に入れて考えているの。


上田委員長 佐藤企画政策部長。


佐藤企画政策部長 今、政策研究担当課長から答弁いたしましたように、そういった仕組みはございます。ですから、具体的に、何かこの部分がということで単独の区としてどうしても必要な状況になれば、そういった道は開かれておりますので、検討しながら提案していくことは可能という仕組みでございます。ただ、今の時点で具体的に何かということではございませんけれども、そうした仕組みがあることから、有効に使っていければとは考えております。


上田委員長 松丸委員。


松丸委員 分かりました。

最後にまとめとして、いずれにしても、そういった、区としてもいろいろな提案ができるという部分においては喜ばしいというふうに思います。今、文京区の抱えている問題等々もしっかりと認識した上で、そういった政策の提案を今後検討して、前向きにやるべきというふうに思いますので、その辺は、是非よろしくお願いしたいと思います。

以上で結構です。


上田委員長 金子委員。


金子委員 地方分権改革による権限移譲ということであるんですけれども、権限移譲ということですと、これまでも、参考資料にあるように、何度か議論というか質問をしてきました。それで、(1)の一番最初に出ている健康増進法のことを引き合いにというか、具体例として聞きます。権限移譲をする場合に、国の基準としては、従うべき基準と標準と参酌すべき基準ということで三つの類型があるというふうに聞いております。従うべき基準ということになりますと、全国一律で、これに絶対従ってやってくださいということだと思うんですけれども、その他二つの類型ですと、今までの説明の中では、地域の実情だとか実勢だとかを反映できるということの中で、私たちが心配しているのは、今まで全国で決まっていた基準が切り下げられたり、サービス低下につながっていきはしないかという点が心配だというような議論を、今までしてきた経過があると思います。

そういう点でまず1点お聞きしたいのは、今回、健康増進法の誇大広告の禁止ということで、著しく違う表示が健康食品なんかでされるというのを、きちっと取り締まっていこうということで、いろいろ事件も起きているので心配だなというようなことを聞くと思うわけです。今回の健康増進法の取締りの基準というのは、この三つの類型のうちでどの類型で条例化がされると理解すればいいのかというのを、御説明いただきたいのが一つ目の質問です。

それから、併せてもう一つ。今まで、幾つかの条例化というのが文京区でもされてきているし、4次にわたる一括法の中で、特別区のレベルでいえば主管部長会で検討がされてきたということなんですけれども、いろいろな法令がある中で、これを例えば、条例で自治体レベルに権限移譲していこうというようなことになる選定基準は、どういうふうに一般的に理解すればいいのかということも併せて教えていただきたいんです。お願いします。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 まず1点目の御質問で、従うべき基準、参酌すべき基準、標準という3パターンがあるということで、この健康食品の表示の取締りについて、こちらがどの基準に該当するかというものは、今ちょっと手持ちの資料は持ってございません。しかし、これを特別区の主管部長会の中で議論した際には、こういった健康食品の表示の取締りということについては、当然、人命ですとか健康に関わる案件でございますので、そういったものが各区市町村に移譲された場合に、ばらばらの基準を作成してしまうことによって、総体的に都民とか区民の健康が害されるというようなことになってはならないという認識は、主管部長会のほうで共有されております。

そういったことで、これから行政指導を行う際の具体的な条例というのを各区で手続していくんですけれども、そういった中で共通項目ですとか基準設定の部分についてはきちんとバランスを取りながら、具体的に区民の健康が守れるような形で定めていこうというような合意は得られているところでございます。

それから、2点目の御質問、、事務が移譲されることについての選定基準ということですが、それにつきましては、一番の大元は、国のほうの地方分権推進委員会というものがございまして、そちらの中でこれまでも、第1次から第3次までということで、必要性に応じて移譲はされてきたというところでございます。この地方分権推進委員会の中で、学識経験者ですとか、あと地方からの意見といいますか、そういったものも踏まえた上で、総合的な見地から検討して、主には義務付け、枠付けの見直しですとか、規制緩和といった大きな2項目ですね。そういった視点から今ある法令を見直したところ、こういったものが地方分権で下ろしていくべきだろうというところを、優先度に従いまして、第1次から第4次の一括法で、それぞれ提案しているというような認識でございます。


上田委員長 金子委員。


金子委員 1点目の、どの類型かということについて、今いただいた答弁の関係でいうと、趣旨としては、従うべき基準のようなところにはまっていくというように、答弁を聞きながら思いました。

ただ、同時に、そもそも従うべき基準自体が具体的にどうなっているかという話は、ここではもちろんしませんけれども、定まっている国の基準というのがハードルの低いものであれば、今言った心配がクリアされないということもあると思うんです。

そういう点では、実際に権限移譲されて条例化をしていく場合に、それを今度は、自治体でそういうお仕事をやっていくということになるわけですから、当然、権限が移譲されると同時に、財源や人の手当といった点もきちっと確保できるのか。自治体、国や都のほうもそこのところを見るのかということも同時に関心が向くところだというふうに思うんですけれども、その点については、今回のここの部分については、今どんな具合になっているのかをちょっと説明いただけますでしょうか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 ただいま御質問の財源ですとか人の手当ということでございますが、健康食品の表示の取締りというところは、非常に人手が掛かるといいますか、事務も高度な事務というふうに認識しております。当然、こういったところの財源は、国が全額見るべきだということを、特別区長会として所管省庁である厚生労働省のほうに意見をお伝えしていると聞いています。

それからまた、人の手当につきましても、財源と同様に、非常に重要な問題でして、お金が来たけども人がいないということで、ちゃんとこの事務ができるかというと、当然できないということになります。人がどのぐらいこの事務で必要かというところについては、現在、厚生労働省のほうで事務量の算定というものをやっております。それに基づきまして、この権限移譲が平成28年ということで、まだ少し期間もあるものですから、厚生労働省のほうで必要な人員の算定を行った上で、それに基づいて各区で必要な人員について検討していくということで、そちらも特別区長会事務局を通じまして、国のほうとやり取りをしている状況でございます。


上田委員長 金子委員。


金子委員 分かりました。

今の点でもう一点。費用の点と人の確保というか、人件費というか、そういう点でその量を今算定中ということなんだと思うんですけれども、今後、自治体においてそういう予算をきちっと見て、また人も配置して、同時に、人の育成というか、そういう点も当然見ていく必要あると思うんです。その事務量の算定という中では、そういう人的な継承性についても見ていくという検討も含めてされているということでいいんでしょうか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 人の育成の点についてですけれども、こちらのほうについても、移譲を受ける特別区としましては大変心配な事項ということで、マニュアルの作成はもちろんですけれども、国のほうで、今までこういった表示の取締りに関しまして勧告をした事例ですとかケースを含めて、ちゃんと資料提供をすることを要望しております。

また、各区の担当者を集めた研修会の開催ですとか、具体的な行政指導のやり方についてのアドバイスが受けられる機会、個別相談ですとか電話問合せ窓口の設置ですとか、そういったところにつきましてもきめ細かく国のほうにやっていただきたいということで、各種要望として厚生労働省のほうには伝えているような状況でございます。


上田委員長 金子委員。


金子委員 分かりました。

自治体が一番、住民の皆さんに一番身近なところにある行政機構なわけですから、そこがしっかり権限も持ち、また人的にも財源的にも裏打ちされて仕事をやっていくという方向は、私はあるべき自治体の発展の方向なんだろうというふうに思うんです。それと同時に、この三つの類型でいきますと、今、従うべき基準がどういうふうに具体化されていくのかということを前提にお聞きしてきました。逆に、標準、また参酌すべき基準という中では、今の理解を反対解釈していけば、自由裁量とは決して言ってないですけれども、地域の実情に応じていく。だから、逆に国のほうはそういう人的な、又は財源的な裏打ちというのも実情に応じて考えなさいというふうになっていかざるを得ないような説明にもいきがちなのかと思うんです。そういう点で今後、自治体のほうから、今の段階では特別区からの提案募集方式で権限移譲だとか規制緩和がやられていくという方向も、今日、具体的に幾つか示されているわけです。こういう形式に、提案募集方式に替わっていくということを通じて、国の人的な、財源的な裏打ちをしていく役割がそがれるというか、そういう心配はないというふうに理解していいんでしょうか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 今後の提案募集方式に伴う対応についてでございますが、国のほうからも、これまでの地方分権改革については、国のほうで集中的かつ主体的に、国が主導となって進めていくものという認識の下で、必要な予算ですとかそういった協議をやってきたという経緯はございます。

ただし、今後の提案募集方式につきましても、これまでの国の分権のやり方がここで終わりということではありません。国が第1次一括法から第4次一括法までで進めてきたものを引き継ぎながら、それに更にプラスということで、今後の新たな展開においては、国からの押し付けといいますか、国からの提案ということではなく、地方の実情に応じた規制緩和について推進していこうという方向でございます。したがって、そこの財源の部分につきましては、これまでと同様、国のほうについては、きちっと手当をされるという考え方でよろしいかと思います。


上田委員長 金子委員。


金子委員 分かりました。

一番の根幹は、住民の皆さんのサービス低下につながるような権限移譲や条例化では本末転倒だというふうに思いますので、その点は留意してやっていく必要があるということを申し述べておきたいというふうに思います。

あと個別に、幾つか聞いて終わりにしますが、いろいろな事業というか、権限というか、そういうものが特別区の自治体に移譲されてくる、移管されてくるということでは、区と東京都の間の事業移管というんですか、事務の移管についても、この間内容をずっと議論されている。具体的には、児童相談所の設置権限の移譲とかというのも、その提案事項の中に含まれていて、これについても、具体的に今日はやりませんけれども、議論されてきているところです。

国との間で、権限移譲がいろいろ動いていくということと、東京都との間での事業移管との関係というのはどんな関係になっていて、今後どういうふうに進んでいくという状況になっているのか。それを、ちょっと御説明いただきたいと思います。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 権限移譲に伴う今後の調整のやり方についてでございますが、権限移譲を受ける事務というのは、元々都道府県事務というふうにされているものが区市町村におりるというものでございます。したがって、財源ですとか事務量の算定などについては、国のほうに要望したりということも、直接やってはいるんですけれども、具体的に今、都道府県事務というふうにされているものが区に下ろされるということについては、当然、そこも含めまして、東京都と区とで調整をしていくという内容でございます。その移譲される事務の内容や性質に応じて、直接、東京都と区でやり取りをしたり、いろんな協議をしたりというものもございますし、それが元々国の事務の場合については、国と特別区で協議をするというふうな形で、その事務の種類に応じまして、適切に協議を行っていくというような方向でございます。


上田委員長 金子委員。


金子委員 分かりました。そうすると、例えば、今回の特別区提案事項の中に入っている児童相談所の施設権限の移譲についていえば、国も含めて移譲の時期や財源や、今聞いてきた人的な手当の問題や何かも含めて、国も含めて議論されていくということになっていくわけですね。そう理解すればいいわけですね。はい、分かりました。

それも、先ほど申し述べた観点、必要とする住民の皆さんのサービスがきちっとやられていくという形で取り組まれるよう、お願いをしておきたいというふうに思います。

それから、最後に1点だけ。資料1の(3)の道路運送法の御説明の中で、自家用有償旅客運送の移譲の希望は、各自治体で今、判断が分かれているという御説明がありました。この米印の説明だけ読むと、特別区で一緒なのかと。これだけ読むと、その御説明となかなかぴたっと来ないんですけれども、例えば、区内でなかなか交通が行き届かないところにBーぐるを走らせようだとかというようなことを、そういう趣旨で今やってきていますよね。区で判断が分かれているというのは、どういう背景があってそういうふうになっているのかということ。それと、そうすると、文京区は、どういう希望を出しているのかというようなことも、ちょっと説明を聞きながら疑問に思ったんですけれども、そこの御説明を加えていただけますでしょうか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 (3)番につきまして、今、各区の意向ということで分かれている状況なんですが、手元の資料としては、4月末時点ということで、検討中というふうに考えている区が12区、それから希望しないというふうに考えている区が11区という意向についての調査結果が出てございます。

現時点においても、道路運送法の主な内容について、ちょっとまだ具体的な移譲事務の内容が見えてないというところがございまして、主に、そういったところも検討中であるというような理由になっております。

希望しないというふうに回答している区の考え方としましては、都心部に位置しており、公共機関が充実した状況であるため、必要性は低いといったような意見がございます。それから、検討中というふうに回答している区としては、もう既に移動困難者の輸送対策に、区として独自に取り組んでいて、現在のニーズは満たされているといったような意見等もありまして、そういった中で、この希望が分かれているというような状況になっていると考えております。

それから、文京区については、福祉部のほうに確認をしたところ、希望しないということで聞いております。


上田委員長 金子委員。


金子委員 状況については、分かりました。

権限移譲ということで議論してきたわけですけれども、本来、国が住民の皆さんの健康や命に関わるようなこと、また、生活の質に関わるようなことを国全体で決めていこうという基準があって、それを各自治体できちっとやれるようにしていこうということが、大枠の流れなわけですよね。そういう趣旨がしっかり貫かれるように、改めてしていっていただきたいということを最後に言って、ここでは終わりたいと思います。


上田委員長 松下委員。


松下委員 皆さんから、今御質問があったので、重ならないようにしますが、地方自治体の強化と自分たちで担っていくというようなことで、必要であり、また大変なことかというふうに思います。

幾つか分からないことも含めて質問したいんですけれども、今回は特別区の対応という題にはなっているんですけれども、例えば、特別区の足並みがそろわないと駄目なのかというふうに思いましたところ、先ほど、各区で手挙げもできるというのが1点。それからあと、特別区がこうしようと思っていても、先ほどの教育長の御答弁の中で、先生とか教員のこととかになると、三多摩地域のほうとの合意がなかなか取れないという点がありました。例えば、水道とか、そういう網目のように網羅されているものを、では、ここだけ文京区は切りましょうみたいなことになったときにはできないのかとか、そういうようなことというのは、すごく簡単に分かるんですけれども、そうではない部分で、各区で希望することができることとか、特別区でまとまればできること、東京都全部ができなければできないことというのも元々決まっているんですか。それともそれは、嫌な言い方によると、案配によって決められるのかというところを、まず根本のところで1点教えていただきたい。

と言いますのは、先ほどの教育長の御答弁の中の、三多摩地域の話が大変分かりやすいんですけれども、確か教員の給与で三多摩手当というか遠方手当というのがあって、私の友人は、大変だけれども、手当が付くのよみたいなことで、以前盛り上がったことがありまして、有り難いなという話で終わったんです。平たくなったときには、そういうことも同じになってしまい、どこも平等になってしまうようなことからの反対が起きているのかとか、そういういろいろな臆測が生まれるんですけれども、まず根本的に、そういうものによってできるのか、それともそうでないのかというそこを確認させてください。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 ただいまの御質問についてですが、制度としましては、特別区は基礎的自治体ということで位置付けられておりますので、各区の意向によって、移譲を受ける、受けないという判断は可能であるということでございます。

ただし、今、委員御指摘のとおり、そういった原則的な考えを貫いてしまいますと、その隣接区ですとか、そういった狭いエリアの中で、隣の区に行ったらそれが大丈夫で、うちの区は駄目とかというような極端な事例が出てしまう弊害も考えられます。そういった点から、特別区全体として、区としての最低限の調整をしていこうというようなところでございます。それが、先ほどの教職員の関係になりますと、区だけで決めた考え方と、それから市部、町村部を含めた考え方というところで、それがもし異なってしまってもよいのかというようなことが、実態の問題としては出てくる。そういうことで、特別区としては、提案要望として権限移譲を受けるという旨を出しているんですけれども、それが実際通るかどうかというところは、そういった観点からも、国のほうの委員会で、実態としてどうなのかというところも含めて恐らく検証された上で、それを区に移譲するかどうかというところが決まってくるということでございます。


上田委員長 松下委員。


松下委員 分かるような、難しいようなというところが、多分ずっと尾を引いて、この問題がいろいろ過去も、それから未来に対しても、明確になかなか言い切れない部分の難しさなのかと。お互い、譲り合うところと譲り合ってはいけないところは、各自治体が守らなければいけないこともあるし、譲らなければいけないこともあるということだと思うんです。

そんな中で、今回、特別区提案事項は各区から多分出たんだと思うんですけれども、権限移譲の13項目と規制緩和の6項目で、どのくらいの区がイエスと言ったものがこの中にあるのかということ。それと、多分、特別区提案事項は各区から持ち寄ってきたものなのかと思うんですけれども、この中で、文京区が必要というか、手挙げというか、提案したものがあるのかという点。

それから、ちょっと話は前後するんですけれども、金子委員の最後の質問のところの(3)、検討する区が12区、しない区が11区というところでいうと、文京区は、すみません、これだけ飛んだ質問なんですけれども、文京区は、どちらのほうで手を挙げられて、しないということで手を挙げているということなんでしょうけれども、ということは、3番目は、道路運送法に関しては、やらないという判断で良いのかどうかの確認だけ。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 まず1点目の、特別区提案事項について、どういった考え方で取りまとめられているのかという御質問でございますが、特別区長会のほうから聞いている内容といたしましては、1区でも希望する区があった場合は、こちらの取りまとめの対象としているというようなことでございました。それを、総体としてまとめたものというような形で御理解いただければと思います。

それから2点目の、文京区がこの中で提案したものがあるかどうかという御質問でございますが、こちらについては、文京区として特に意見を出したという事項はございません。それは、これまでの文京区の施策ですとか、それぞれの分野でこういった権限を受けることが必要かどうかということを協議した中で、現時点としてはもう少し、移譲を受けるに当たって詰めるべき事項があるのではないかというような考え方の下で、希望は出してないというようなことでよろしいかと思います。

それから、3点目でございますが、先ほどの希望しないものと検討中に分かれているというお話でございましたが、文京区は、これについては希望しないということで回答しております。


上田委員長 佐藤企画政策部長。


佐藤企画政策部長 一言補足いたしますと、先ほども御質問に出ました、2番のような児童相談所の設置権限の移譲、こちらについては、特別区としてまとまって、移譲を望むということで進めておりますので、そうしたところで、特に改めての手挙げうんぬんということではなく、特別区としてまとまったという事情もございます。


上田委員長 松下委員。


松下委員 ありがとうございます。

今回の(1)の健康増進法の内容を見ると、これは食品に限るというようなことになっているんですけれども、また、食品ではないものもありますよね、肌に付けたりとか。そういうようなことも入れると、本当に何百とか、何千までいかないまでも、そういう数になってくることなのかというふうに理解をしますもので、なかなか足並みがそろうことも難しい。かと言って、そろわなくても何となく下りてくるものもあるというような中で、文京区が周りに気を遣って、隣近所の、他区との連携とかそういう感覚があるというのも分かりますが、是非、区民の声を聞き、それに近い状態に着地していただきたいなというふうに思うこと。それと、あと、区によっては、職員が区の独自の採用だったり、教職員も、地域によっては、そこの単独での採用だったり。予算的なことになると思うんですけれども、区の予算で教員を採用しているというようなところも、もう既にあるという中で、単独でもう既にやっていることと、権限移譲を改めて決めるということは、何かまたそこでも、複雑に入っているのかというようなこともあります。なので、権限移譲にこだわらずに、できることというのはお金があるからとかないとかではなく、必要があるからやっていくというようなスタンスというのは、是非持っていただきたい。ここで縛られてしまうと、結局、仲良しみたいなイメージとか、仲間外れみたいな、本当に変な話、学校のようなことになってもおかしいなとは思います。是非、区民に目を向けて、権限移譲うんぬんではなく、必要なものに対しては手を挙げ、それは駄目と言われたら独自でやるというような強さを、是非持っていただきたいというのが根本的なお願いです。

それからあと、ちょっと細かいことだけ幾つか聞かせていただきます。

(1)の健康増進法に関しましては、食品のことに限って著しくというような言葉が出てきたんですけれども、著しいというのって、とり方によっては、著しくなくてもやってほしいというふうに思うんですけれども、この辺というのは、法的に争うことにもなりがちですし、区によって温度感も変わるというのはいけない。今そういうことを整えているというようなことだったんですけれども、文京区がやるとしましたら、保健衛生部になるのか、健康推進課になるのかと思うんですが、どこがどのような体制で、どういうふうにやるというようなことというのは、どういう系列で決まっていくのか。もう既に決めているのか。その辺をちょっと伺いたいと思う。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 健康増進法の関係でございますが、こちらは、今のところ、文京区においては、保健衛生部のほうで所管するということで、平成28年4月に向けて準備を進めているところでございます。


上田委員長 松下委員。


松下委員 それは分かりました。だから、それに向けてどういう……。もう方向性を向いていかなければいけないと思うんです。例えば、勉強会をするとか、研究するとか、他区と連携を取るとか。あとは、今までの……。文字で見ると、ふうんということですけれども、いざやるとなると、踏み切るかどうかって、すごく大変なことですよね。本当にそういうふうになったときに、どのような体制で。何か心構えをちょっと伺いたいのが1点。

あと、まとめますが、例えば、2番目の医療法の問題になると、これは、国の開設する病院ということなので、多分、国以外のものというのは、既に区が行われているかと思うんですけれども、例えば、一番近々で、昨年はどれぐらいなものを区が行っていたのかという件。あと、それに国の開設する病院が加わることでどういった変化が。ただ増えただけということか、その良し悪しがどの程度。文京区にとっていいこと、また大変なことが、どうやって増えたのかという点。

それからあと、3番目の道路運送法のことなんですけれども、最初、白タクのこととか言われているのかと思ったら、白タクは多分、特別区提案事項の権限移譲の13番にある一般乗合旅客みたいなところなのかと思ったので、これは違うのかということなんですね。例えば、東京都が24時間バスを運行するうんぬんという話も、まあ今はなくなったのかもしれないんですけれども、そういったようなことに関わってくるのかとは思うんです。これは、都市部ではない過疎地に必要なことであって、我々に関しては、考えなくてもいいぐらいのことなんですけれども、なぜそれが堂々と、今後更に検討するということで出てきているのか。そういうようなことも含めて、そこだけ最後確認して終わります。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 それでは、今いただきました3点の質問についてです。まず、区において健康増進法の関係でどういうような体制を採って、今どんなような準備を進めているかということでございますけれども、こちらについては、先ほども申し上げたんですが、まだちょっと、国のほうから具体的にどういう事務をどのぐらい移譲されるか、また、「具体的に著しい」という解釈について、現状、どんな事例があって、それについてどういうふうに解釈したのかというところについて、詳細な情報提供がまだされてないというような状況がございます。ただし、これについては、早急にそういったものを提供いただく上で、区として、きちんと健康増進法の事務を受けて対応していくために、どういった体制が必要なのかということを検証いたしまして、その上で必要な体制を作っていく。また、人の育成につきましても、やはり研修会ですとか、自主勉強会のようなものとかも、保健衛生部のほうで今後考えながら、十分、健康増進法に関する知識を習得していく準備を、これから進めていくというようなことは聞いております。そういったことをやりながら、区として、しっかり事務の移譲を受けられるように、準備をしてまいりたいというふうに考えております。

それから、2点目の国の開設する病院の話ですけれども、権限移譲を受ける以前に、現状といたしましても一般の病院については、都道府県知事が許可をしているんですが、いわゆる民間の診療所と助産所につきましては、区の保健衛生部のほうで認可をやっている状況でございます。それについて、審査のやり方ですとか指導のやり方については、十分な経験と知識があると考えております。これは、大まかなところなんですが、年間大体20件程度ということで、病院の助産所と診療所の開設許可を出しているということを聞いております。

また、今後、国の開設する診療所等について事務移譲がなされたときに、どのような影響があるかというお尋ねでしたけれども、これについては、現在、文京区の中で国による開設病院等に当たるものは3件と聞いております。今あるものとしては、国立大学です。お茶の水女子大学と東京大学と筑波大学の中にある診療所ということで聞いておりますが、この3件について、具体的には、権限移譲を受けた後、設置認可の申請だとか変更申請だとか、あと監督を行っていくということで、今後の状況としましては、この3件ということを考えますと、それほど大幅な事務量ということはないだろうと。また、その内容についても、今、民間の診療所の認可申請の中で、十分対応できているところではありますので、それについては、今後も特段、何か特別なということはないですけれども、今やっている事務を、きちっと確実にやっていくというような方向でございます。

それから、最後の3番で、何でこういった提案が上がってきたのかという御質問でしたけれども、恐らくこれは、推測になってしまって恐縮です。地方分権改革というのは全国を視野に入れまして、いろいろな必要性とか優先度というものを踏まえながら、あと、地方からの意見ですとか希望というようなものも、地方分権推進委員会のほうで取り入れながら権限移譲項目というものを決めているというふうに聞いております。そういった中から、地方は過疎化といいますか、人口流出というものも大変大きな課題になっているところでありますので、そういった中から、恐らく、かなり必要性が高いということで出てきたのではないかということで考えております。


上田委員長 松下委員。


松下委員 まとめます。

ありがとうございました。順番、ちょっとばらばらになりますが、3番のことは、そういう全国視野で考えるということは、まだちょっと私の中では追い付かないんですけれども、そういったことは理解できましたので、了承しました。

それからあと、2番目に関しましては、今、お茶の水女子大学、東京大学、筑波大学ということで、これを見る限り、監督をするということも含めると、大変なことかと思うけれども、御答弁の中で、そんなに事務量としては増えないということなので、そういったことなのかと思います。今、私はこの質問をしたんですけれども、できましたら、3件あるというようなことは、最初から御説明とかがあると皆さんも分かりやすいということと、こういうふうに書かれると、ものすごく莫大に増えるというイメージがあるので、そうではないと。区としては、そんなにすごく背負うことではなく、今までのものが国に広がって、粛々とやっていくというようなことが含まれると、安心につながるかと思います。

それから最後、1番目のことなんですけれども、例えばこれは、一言では言えないんですけれども、本社があるところが担当に、担当というか、対象になるのかと理解するんですが、今でいう、例えばインターネットとか通販とかで売れるものに関しましては、声が出てくるところと、本社があるところと、作っているところというのが飛び飛びに、昔と違って、同じところでここでどんということではないなというふうには感じます。そういったことでの複雑化というようなことも、きちんと事前から周りの方とか都のほうにも言っていって、簡単に、本社があるからそこだけ管理をすればいいということではなく、間違えれば海外とか、そういったところにもいくではないですか、品物みたいなものというのは。だから、そういったところで、声が出てきたときにどうなるのかというような連携も、とっても大切になる、小さくて大きいところだと思います。こちらで研究するだけではなくて、そういったことの困難さというか、お返しするようなことも含めて、是非深めていっていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

ありがとうございます。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 正に、健康増進法の関係につきましては、今、委員から御指摘のありました広域流通性というところを、非常に課題として捉えております。国のほうも、権限を移譲したからといって、国のほうで広域的に、全国的に出回っているようなものについて、全く手を離すというわけではありませんというようなことを、文書でもって回答していただいているようなところもあります。本社の所在地が置かれている区が、基本的に、主導的に対応するということにはなると思いますが、その辺りは十分連携を保って、必要な対応を採っていきたいというふうに考えております。

それから、すみません。先ほど答弁した中で、3か所ということで申し上げたんですが、ちょっと訂正があります。筑波大学というのがちょっと違っていまして、東京医科歯科大学になります。なので、すみません、お茶の水女子大学と東京大学とそれから東京医科歯科大学の、こちらの3件でございます。大変失礼いたしました。


上田委員長 他に質問のある方。

藤原委員。


藤原委員 特別区の提案事項については、私から見ると、とても重要なものがたくさんあるんですが、文京区から提案がないというのは大変残念です。それで、特別区提案事項の中には、都市計画分野が一杯あります。ここに担当者がいないので詳しいことは言いませんが、文京区が非常にいい条例を持っていて、都との整合性の関係で1万平方メートルを境に、文京区がやったほうがいいなと思うことが幾つかありますので、これは進めていただきたいとは思うんですが、文京区がその気がないということですとどうしようもないのです。年末までに提案に関する対応方針を決めてしまうということなんですが、これはどこまで決めるのか。その対応方針を決めた後、更にどういう検討を深めて、いつまでに最終的には決めればいいかというようなことを、まず一つ伺いたいです。

あと、それに関連して、技術者の養成とか条例の整備とかがかなり必要になって、それにも時間が掛かると思うんですが、そういうことに要する時間は、その方針を決めた後、また決定した後にも、何か延ばしてできるのかということを一つ伺います。

あともう一つ、今御質問があった、国の開設する診療所、病院、助産所とかそういうものについてなんですが、元々、これは国立行政法人ですよね。国が開設するというのと国立行政法人が開設するというのが、どう違うのかということと、お茶の水女子大学は別として、東京医科歯科大学と東京大学は既に大きな病院持っていますが、それと今回開設するものとは、どういうふうにすみ分けるのかということを、ちょっと伺いたいと思います。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 ただいまの3点の質問ですが、まず、第1点目の都市計画の関係の地方分権の提案についてでございます。こちらは、文京区として全く希望してないというようなことではございませんで、一応、文京区も、検討すべき事項が詰まったら、その段階では、もちろん移譲を受けていくというようなことは表明しております。都市計画の部門について、文京区として受ける見込みが全くないというか、意向がないというようなことではないと聞いております。

ただ、最終的には、そういった意見も主管部長会のほうで申し上げさせていただいた上で、やはり、特別区全体としてこの提案を出していこうということにつきましては、理解をした上で賛同して提案しております。大きく見ていただければ、最終的には、文京区もこの提案を権限移譲として受けるということについては、同意をしているところでございます。

それで、今後のこの検討状況についてですが、年末までに一定の判断というところがありますが、その中で決められる事項としましては、どの項目を今後権限移譲していくかというところと、あとは、実際に権限移譲する時期、それから必要な手続、条例改正が必要であるとか、そういったところです。要綱の整備が必要ですとか、そういった具体的に必要な事務作業と、この権限移譲を行うに当たって必要な項目や事項について、年末までには一定の方向性が出るというふうに聞いております。

その後、これまでの第4次一括法までの流れから考えますと、それが出た後に特別区長会の中で、又は主管部長会の中で、各区でどういうふうに対応されるかというようなところや、共通で対応すべき項目はどういったものかといったようなところも含めまして、特別区長会事務局を中心に検討を行っていくということです。

それから、3点目についてですが、国の開設する病院について、国立といいますか、独立行政法人もありますが、その辺りの考え方ということで、今回の整理の中では、国直営以外の独立行政法人も含めて、国の開設する病院ということで事務の権限移譲をすると聞いております。

あと、この分け方として、国の開設する病院といった場合に、病院と診療所、助産所というところでの区分けが法律上ありますので、病院については、都道府県のほうに国の開設病院について権限移譲がされることとなっております。区には、そういった独立行政法人等含めまして、国の開設する助産所と診療所について権限移譲がされるということでございます。


上田委員長 藤原委員。


藤原委員 すみません、今の最後のところ、ちょっと混乱しちゃったんですが、国立、行政法人については都道府県ということですか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 病院とそれ以外ということです。

病院も、20床以上の病床を持つものということで定義がされておりますが、国の開設する病院については、都道府県知事ということで、今は区分けがされております。


上田委員長 藤原委員。


藤原委員 すみません。病院とそれ以外に分け、国の開設するものは市町村が。違う。

(「国と独立行政法人は一緒で、病院は都道府県」と言う人あり)


藤原委員 診療所、助産所が市区町村。分かりました。

そうしますと、東京大学は、今も大きな超高層の病棟とか建設中ですが、あれは、もう既にあるものとして、今後造るものということになるわけですね。

分かりました。ありがとうございます。

それで、さっきの都市計画の分野のほうですが、今回の地方分権一括法に基づく議論の中で、さっきも松下委員も言っていましたけれども、万が一、間に合わなくてできなかったような場合も、今後も、政策として都と区で独自にやっていって、例えば、条例等の改正ですとか、そういうことで対応していけば、十分可能性はあるというように考えてよろしいわけですね。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 議員のおっしゃるとおり、今、1回目としては、特別区提案事項ということで提案させていただいておりますけれども、今後もまた、何か新たに区として権限移譲を受けてやるべきものが出てきたら、その段階で、区なり東京都なりということでそういった手挙げをして、提案募集をすることはできるということで聞いております。

ただ、提案募集の時期というのが今後決められるということで、大体、年2回ぐらいになるのではないかということで聞いております。今、ちょうど1回目が終わったばかりですので、このままの予定でいきますと、年度内にもう一回あるかないかというようなことではないかと思っております。


上田委員長 他に質問のある方。

海老澤委員。


海老澤委員 幾つか質問させていただきます。

まず、最初の健康増進法についてです。先ほど、松下委員のほうからも質問があって、本社の所在地の区が対応という話は分かったんですけれども、今後、表示法も変わっていくのが、もう分かっていますよね。それから販売に関しても、今、インターネットのことは騒がれておりますが、今後ますます緩和されていくことになると思うんです。今度移譲されるのは、勧告と命令ですよね。そうすると、本社と先ほど言ったのは、それは生産者に対してなのか、販売者に関してなのか、そこをまず教えていただきたいなと。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 すみません。生産者なのか販売者なのかというところについてなんですが、ちょっと手持ちの資料の中では具体的なところがないんですが、内容としては、食品として販売を供する者に関して、表示をするときに、表示した者に対して必要な措置をとる旨の勧告又は勧告に代わる措置を命ずるというようなことになっていますので、その表示をした者が生産者であれば生産者になると思いますし、販売者であれば販売者ということで、この法令上は表示をした者に対してということが、要件となっています。


上田委員長 海老澤委員。


海老澤委員 表示をしたモノというのは、表示を付けた商品ということなのかしら。表示を付けた人ということですか。ごめんなさい。

お店で表示する場合がありますよね。それから、物に……。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 ちょっと音の問題で分かりづらいんですが、モノというのは人のほうです。表示をした人に対して、その表示に関し、必要な勧告等ということで、人に対する規制です。


上田委員長 海老澤委員。


海老澤委員 ありがとうございます。

そうすると、販売者側にも関係してくる場合もあるし、販売のお店のポップとか、そういうところにも影響してくることになるのかと思うんです。そうすると、文京区内にはドラッグストアもあるし、食品スーパーから何からってものすごい数になってくることだと思うので、それこそ本当に、一体人はどれぐらいいるのかしら、どういうふうになるのかしらって想像が私にはできない。そのときに一番怖いなと思うのは、さっき、本社の所在地の話がありましたけれども、栄養食品あと、ドラッグとかも最近騒がれているし、とても怖い。今、特別区で足並みをそろえているところですけれども、文京区だと甘いといったことにならないような条例を、是非作っていっていただきたいなと思うので、各区の様子とか現在の状況とかを踏まえてやっていただきたいと思います。それをどうやって勧告していくのか、命令というのは、お店とかにもしていくわけですよね。販売者側にも、今のお話だとあると思うので、その辺を本当に詰めていただければと思うので、よろしくお願いいたします。

それから、1個ずつ聞くのもなんなんですけれども、今回の特別区提案事項の規制緩和の中にある、要介護認定「更新申請」における認定有効期間の延長について、ちょっと具体的に教えていただきたいなと思うのが一つ。

それから、もう時間もあれなのでまとめてさせていただきますが、地方分権について、今度、提案募集方式というのがあって、年末にもう一回ぐらいあるのではないかというお話があったと思うんですけれども、そうすると、個々で受けるというのは、譲渡される県があるけれども、譲渡されない県もあったりとか、その都道府県ごとに変わってくという解釈で、まずよろしいんでしょうか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 まず1点目の要介護認定の提案内容としましては、申請者等の負担軽減や認定事務の効率化の観点から、認定の有効期間を最長3年に延長するというような内容でございます。

それから、2点目の、県ごとで移譲を受ける県と移譲を受けない県が出てくるのかという御質問でしたけれども、これはそのとおりです。県ごとにその地域特性とか状況に応じて、その県だけ事務移譲するというようなことも想定した内容でございます。


上田委員長 海老澤委員。


海老澤委員 今、東京都の特別区提案事項は、1区でもあったらこの項目に載せていくというお話があったかと思うんですが、そうすると、例えば、ひょっとしたら、移譲されたことによって、そこの場所で法律が変わって、産業がその場所に来る場合、特区みたいなことになることもあるかもしれないと思うんです。そのときに、産業や人がそれによって動く可能性も、絶対ないわけではないと思うので、それが経済発展につながっていくことにもなるかもしれない。今、文京区は子育てがしやすい区だというふうに思われているところも多いと思うんですけれども、東京都は何々がとってもいいところだと思われ、それが経済発展、人口にもっとつながってくるといいことだと思います。なので、今回、文京区は1個も提案を挙げなかったということですが、それは、他の区と足並みをそろえるとか、いろいろな今までの話合いの中でそうなったかと思うんです。そういう観点から、まだ年末までにもう一回あって、今後、またこれをどんどん続けていくということであれば、是非提案していっていただいて、文京区独自のものがあってもいいと思うので、よろしくお願いしたい。これは要望でございます。


上田委員長 ありがとうございます。

他に質問はよろしいですね。

それでは、資料第2号に移りたいと思います。

資料第2号の御説明を井内政策研究担当課長、お願いいたします。


井内政策研究担当課長 それでは、続きまして、資料第2号、「都区のあり方検討」についてでございます。

平成25年3月19日に開催されました第11回の東京の自治のあり方研究会で、研究会における検討が必要な事項につきまして情報収集等を行うため、東京の自治のあり方研究会の部会を設置することとされました。これにつきましては、昨年9月の本委員会において御報告をさせていただいたところです。

この度、この部会におきまして、これまでの議論を踏まえた論点整理というものが取りまとめられましたので、その概要について御報告をさせていただきます。

まず、1の開催状況でございますが、こちらについては、資料記載のとおりでございます。

次に、今後の予定でございますが、平成26年7月に第12回の東京の自治のあり方研究会が開催されておりまして、この中で、部会の報告を受けて、今後、研究会を今年度3回程度開催して、年度末に取りまとめを目指すこととされております。

それでは、早速でございますが、1枚おめくりいただきまして、別紙の報告の概要について御説明をさせていただきます。

まず、1番の「はじめに」というところでございますが、これは、これまでの経過ですとか部会での議論の位置付け等を記載しておりますので、こちらについては、恐縮ですが、お読みいただければというふうに思います。

続きまして、2番の「東京の将来人口推計に関するさらなる分析」というところでございますが、こちらについては、2ページの二つ目の丸でございます。

一つは、こちらの部会の中で有識者の先生をお招きして、ヒアリングを実施したということ。そのヒアリングの概要につきましては、下の点線で囲まれている中段のところに書いております。第2回部会における、有識者ヒアリングの主な内容というところでございます。

もう一つは、三つ目の丸でございますが、有識者の監修のもと、約500メートル四方のメッシュで、総人口ですとか年齢区分、世帯等について、詳細な人口推計を実施したということでございます。こちらにつきましては、下の点線で囲まれている四角の部分に、人口推計の概要が掲載されております。こちらについても、お目通しいただければと思います。

次に、これらの分析を踏まえた地域ごとの将来の姿と課題についてですが、こちらは3ページの中ほどになります。

総論といたしましては、人口の減少、それから高齢者の増加等は避けられない状況であると。このため、行政需要ですとか財政の悪化が懸念されるということが総論として書かれた上で、続きまして、4ページのほうに区部、市部、町村部ということで、それぞれ地域ごとの傾向についての記載がございます。

簡単に説明しますと、区部については、人口の減少率は緩やかで、一部増加も見られること。それから、老年人口については、急激に増加が見込まれること。そのため、扶助費ですとか行政需要の増加というのが予想されるというような内容でございます。

市部でございますが、こちらについては、人口が10%以上減少すること、それから、生産年齢人口が40%以上減少する市や、高齢化率が40%を超える市も見られるなど、早急な対応が必要であるといったことがまとめられております。

それから、町村部でございますが、現在でも高齢化率が高い状況ではありますが、将来、更にこれが進んでいく傾向があること。また、面積規模が大きい自治体もあって、地理的な制約等を踏まえながら、検討を行う必要があるということが書かれております。

これらを踏まえまして、5ページの上に、表で地域ごとの課題ということでまとめているところでございます。また、この課題に対応しまして、5ページから7ページまで、それぞれ、今回部会のほうで実施いたしました人口推計について、まとめているところが掲載されております。図をお付けしたんですけれども、当初はカラーの資料だったので、全然分からなくなってしまい、余り参考にならなかったなと思って反省しております。申し訳ありません。今後は、カラーで付けるようにいたします。

続きまして、8ページでございます。

3番の東京の自治のあり方の方向性の検討ということでございますが、こちらにつきましては、丸の一つ目と二つ目のところで、東京のような大都市の人口の減少は世界でも例のない状況だということで、危機意識を持って対応すると。また、アジアの諸外国の都市との競争という点からも、大都市のモデルへの進化が求められるといったようなことが記載されております。

それから、続きまして、8ページの中ほどでございますが、東京の自治のあり方の方向性について、研究会でも示した三つの観点から整理しております。

まず1点目は、都と区市町村との役割分担ということで、受益と負担の関係性ですとか世代間の受益と負担の公平性という点について、議論していく必要があるということでございます。

それから、次に9ページでございますが、三つ目の丸のところです。市町村間の広域連携を推進することを検討する必要があると。また、それが困難な場合については、都道府県か市町村の事務の一部を補完する役割についても、今後検討が必要であるということが書かれております。

下の囲みでございますが、こちらは、人口減少ですとか少子化対策につきまして、東京都や区市町村が現在取り組んでいる事例を掲載しております。

続きまして、10ページでございます。

自治の担い手のあり方についてですが、こちらについては、二つ目の丸のところで、既存のコミュニティの再構築や、NPO、企業、ボランティア団体との協力は引き続き重要であること。また、四つ目の丸で、住民参加の一層の促進を図ること。五つ目の丸で、団塊の世代等の高齢者が活躍できる環境整備が重要であることが記載されております。

続きまして、効率的・効果的な行財政運営のあり方についてですが、こちらは、厳しい財政状況が予想されるということを前提にして、住民意思等を踏まえた検討が必要になるといったことが書かれております。

続きまして、11ページでございますが、こちらの囲みの中には、合併について、それぞれ期待される効果及び懸念される課題をまとめております。

それから、12ページでございますけれども、こちらの囲みの中には、合併ではないんですが、連携により期待される効果と課題について記載されております。

また、その下の囲みから13ページにかけましては、連携の事例として「みどり東京・温暖化防止プロジェクト」ですとか、京王線沿線7市図書館連携、昭島・福生・羽村観光推進協議会の事例が掲載されております。

最後に、13ページの下ですが、今後については、部会で検証したことを元に、研究会で更なる議論に向けて、検討を行っていくということが記載されております。

雑駁(ざっぱく)ですが、説明については以上でございます。


上田委員長 それでは、質疑に移りたいと思います。

御質問のある方は挙手お願いします。

金子委員。


金子委員 別紙の論点整理ということで、今、ざっと追って御説明いただきましたけれども、幾つか分からないところあるので、お聞きしたいというふうに思います。

一つ目は、2ページ目のところです。前提のところで、東京の将来の人口推計に関する分析をやりましたということで、具体的には、都心部は人口これからも増えるところあるけれども、全体的には減少ということが言われていると思います。そういう分析をするに当たって、今、報告の中でも少し触れられましたけれども、2ページ目の丸三つ目のところで、東京の人口動向を空間的に分析しということで、以下、そういうふうにやりましたというふうに書いてあるんですが、この「空間的に分析し」というのは、3ページの一番最後のところの丸の中でも、将来的な人口の空間的分布の変化ということで触れられています。「空間的に分析」というのがどういう意味なのかということです。メッシュの中で何人とかということでは、平面的にこの地域では増えるとか減るとかという分析をしているんだろうと想像するんですけれども、この空間的な分析というのがちょっとよく分からないので、御説明いただきたいと思うのが一つです。

それから、4ページ目のところで、区部の問題について触れていますが、上から四つ目のところで、ここも、今、政策研究担当課長も触れられたかと思うんですが、老年人口の増加、扶助費の増加ということで、行政需要が増加していくということが、そういう方向性が書かれている。もちろん、それへの対応策の検討が急務になるというのは、誰しも否定できない事態だというふうに思うんですが、対応策というのは、自治体の運営というか、行政需要ということを考えたときに、当然、それに応じて財源を確保するということが、第1の道なんだろうというふうに思うんです。その対応策というのは、そういう理解でいいのかどうかというのを説明いただきたいというのが2点目です。

それから、区部の最後の丸のところで、そういう事態の中で、結論的にはというか、最後の文言というのは、単独の自治体では、この変化に対応し切れないことも想定されると。そして、合併・連携という選択肢がここで出てくるんですけれども、この選択肢に行き着くのは、ここの考え方の中ではなぜなのかと。今回の論点整理の行き着いた先の一つの到達点がそういう表現になっているわけですけれども、その背景というのはどういうふうに理解すればいいのかというところ。

それから、8ページの東京の自治のあり方の方向性の検討というところで、ここが今回の結論というかまとめの部分に入ってくるというふうに思うんですが、9ページの最後から2個目の丸のところで、どういう観点でこういう事態に対処していくかという観点が、幾つか書かれています。「効率性、公平性、費用対効果などを踏まえ、様々な観点から」ということで、今、私が読み上げた効率、公平、費用対効果というのは、今の区政の中でもいろいろ議論されているところだというふうに思うんですが、様々な観点という中には、どういった観点が含まれてくるのかと。当然、一人一人の区民、住民がきちんと生きられるということが、自治体の本来の役割だというふうに思います。人権が保障されていくということが、自治体の役割だというふうに私は理解しますけれども、そういう点も含まれているのかどうかということもお聞きしたいと思います。

あと、ごめんなさい、10ページのところに行きますと、合併のメリット、デメリットということが出てくるわけですが、そういった選択肢が書かれている中で、10ページの最後から2番目の丸のところでは、「地域特性や住民の意思などを踏まえながら、主体的に検討、判断していく」という言葉が書かれているわけです。こういう点では、住民の皆さんの意思というのは、今後の東京の自治のあり方研究会の中でも、きちっと拾っていかなければいけないということを示した内容なのか。その辺について、少し御説明いただければというふうに思うんです。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 ただいま、たくさんの御質問いただいたところで、忘れているところもあるかもしれません。まず1点目の、空間的な分析についてということですが、これは、資料に掲載したときに、色が全く分からなくなってしまい大変申し訳ございません。本来は、これが、例えば5ページの(1)番の老年人口でございますと、傾向が著しいところは、ちょっと見づらいということで黒丸で囲っているんですが、この減少傾向が著しいところについては真っ赤な色が付いていて、減少傾向がない、むしろ増加傾向のところはちょっと薄い緑ですとか、メッシュによっていろいろな色を付けてあります。右下のメッシュのマイナス100から1,000というところで濃淡があるんですが、これが本来は、カラーで見ますと、薄い緑から真っ赤まで色分けがされております。それで、この資料では分かりづらくて恐縮なんですが、東京都全域で見たときに、色の分布を以て、老年人口が2010年から50年にかけて減少傾向がある地域と増加が著しい地域というところで、そういった地理的、空間的な把握ができるということが、今回この部会でやった一つの成果というところでございましたので、そういうことでございます。

それから二つ目が、確か4ページの四つ目の丸ですね。財源の確保が必要なのではないかということで、もちろん、財源の確保ということも必要だと思いますが、こちらは、もう一点の観点としては、選択と集中ですとか事業の見直しといったところで、優先度に応じて事業を遂行していくというようなところも、こういったところに入ってくるのではないかというふうに考えております。

それからあと、4ページの、区部の課題の部分にある最後の丸のところで、合併・連携に言及して集約されておりますが、ここに至った経緯というところでございます。単独の自治体で幾ら行財政改革ですとか選択と集中というところをやってみても、なかなか、人口規模が小さい自治体ですとかエリアが広い自治体については、一つの自治体だけでは、なかなか対応できないといったことも考えられます。そのため、単独の自治体だけではなく、複数の自治体との合併ですとか連携協定といったようなところも考えていくべきだというようなところが出てきたのではないかと考えております。

それから次が、9ページの右側の下から二つ目の丸です。効率性とか公平性、費用対効果の様々な観点というところですが、これは恐らく、先ほど申し上げた合併とか連携協定とか、そういったところも踏まえて書いているのではないかと考えております。もちろん、委員がおっしゃっているような住民の人権が保障されているというところについては、基礎的自治体としては、そういったものが基本にあるということは、当然のことだと認識しておりますので、そういったことを踏まえた上で、一つの自治体ではなく、連携とか合併とか、そういった手段も含めて様々な観点ということを理解しております。

最後、10ページ目の下から二つ目の丸のところは、地域特性や住民意思等を踏まえながら、自治体として主体的に検討、判断していくということの意味というか、背景ということでございます。こういった自治の仕組みについては、住民の声を聞きながら、あと地域の特性とかに応じて、東京といっても、区部と市部と町村部では違いますので、そういった特性や住民の意向等を十分取り入れながら、各自治体で適切な自治の在り方を検討していくというような趣旨であると理解しております。


上田委員長 金子委員。


金子委員 ありがとうございました。

自治体の在り方については、日本の地方自治制度の場合は憲法に明記されているわけで、住民自治と団体自治を内容とするということになっているわけです。これが、戦後、どのように実践され、具体化されてきたのかということでは、東京では、平成12年に特別区が基礎的自治体になるということが、大きなターニングポイントとなっているというふうに思います。引き続き、憲法上規定された内容が具体化されていくことが人権保障の制度的な保障だというように理解しておりますので、そういう方向での展開というのを、私としては望みたいと思いますので、よろしくお願いします。


上田委員長 他に質問のある方はいらっしゃいますか。

白石委員。


白石委員 今までずっとこういう御議論をしていただいて、大変有り難いと思っております。ついに、人口動態の件も出てきたわけですが、人口動態の分析については、区だけではなくて、国の経済産業省のほうでも当然やっていて、様々な課題が浮き彫りになっていると、政府は考えていると思うんです。そういう中で、先ほどの前段の都と区との協議のことを含めて、今回、こういう議論に入っていったときに、一丸となって進めるべきことと、一丸となって進めなくて、各基礎的自治体として物事を言っていかなければいけないという二つの課題に分かれていくと思うんです。雑駁(ざっぱく)に大きなことからいえば、社会保障、財政、医療制度、地域の経済力、地方財政、地域の形成、産業経済の活性化ということが挙げられてくる中で、一つだけ質問させていただきたいのは、ここでこういう分析を行いながら、基礎的自治体としてこういうことを行っていくと言いつつも、今度、財源の話になってくると、これだけ都市部での人口が三多摩地域とも違うことが表れていく。では、埼玉県や千葉県はどうなのという話になり、広域的にどんどん見ていくと、また東京都の一人勝ち論というのが出てきてしまう。そのことで、ある程度のことができなくなるということになったときに、この東京の自治のあり方研究会としては、一丸となってそこのところをつぶしていくという作業にも入っていくと思うんですが、その辺の方向性について、今、議論されていく中でどういうふうに考えてらっしゃるのかというのをお聞かせ願えますか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 ただいま、財源の話について、この部会の中でどういったような議論がされているかということでございましたが、こちらについては、都心部で一人勝ちということが言われていますけれども、そういった議論を跳ね返して、東京においても必要な事務をきちっとやっていく。移譲を受けてやっていくということについて、やはり今後、必要な財源については、きちっと国に対して担保していってほしいという意見を明確に持って今後進めていくべきだということが、この部会の中でも議論されております。


上田委員長 白石委員。


白石委員 ありがとうございます。

絶対的に都市である東京は、人口の動態が加速的にいくことはなくて、地方は、もう加速的にいくという中で、この課題というのが、また降りかかってくるというふうに思っていますので、基礎的自治体としてしっかりと議論して訴えてください。お願いします。


上田委員長 島元委員。


島元委員 今の議論、大事な議論なんだけれども、例えば、この東京の自治のあり方研究会の到達点として、今の財政の、国が考えているような東京の一人勝ちにならない現実の分析ということとはつながらないんですか、実際にこの中身というのは。国が出している様々な指標に基づいて人口動態の分析もしながら、基本的には東京の人口減少と高齢化が急速に進む状況になって、一見、一人勝ちに見えるような財源の集中というのは、瞬く間に消えてなくなるという議論をする先生が大分増えていますよね。僕らも、そういう講義を何回も受けてきているんだけれども、特別区協議会の講演会なんかでもそういう講師が来ていますよね。そういうことと、東京の自治のあり方研究会の部会で検討しているこの中身は重なっているんですか、それとも全く違った議論しているんですか。その辺のところは、どういう御認識なんですか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 この東京の自治のあり方研究会の部会については、基本的には東京都の中で、区部と市部と町村部でどういった特性があって、どういった財源等の構成の違いがあるかといったようなところを踏まえて、今後、必要な在り方を検討しているというところです。大きく国から地方への権限移譲というふうに見たときの財政の在り方というところと少し異なる部分はあると思いますが、全体としては、東京にこれだけ人口が集中していて、今後、権限移譲をまだ受けていくという中で、その財源が必要だということについては、総論としてはそういった議論がされております。ただ、具体的な議論としては、東京の中でのそれぞれの区部、市部、多摩地域といった特性に応じた財源の在り方というものについて、議論しているというようなところでございます。


上田委員長 島元委員。


島元委員 特別区が実際にどういう姿であるべきかという自治体の在り方については、東京大学名誉教授の大森彌先生が結論を出していて、それは、東京都からの独立で、特別区が広域連合みたいな形でできればいいではないかということで、2000年の基礎的自治体への移行が特別区に与えた大きな獲得物をしっかり定着させるには、その方向だというふうにはっきりさせたと思うんです。ただ、それは当時の特別区長会の皆さんは必ずしも受け入れないで、大森先生にさよならしたような印象が、私は非常に強いです。それで、その後に出てきた都区のあり方検討というのは、ある意味では、時間稼ぎみたいな形で、大きな法律に基づいた特別区の在り方というよりも、今の広域連合も含めた道州制につながるような国づくり、そういうことの中で東京都と地方自治体の在り方がどうなっていくのかということをあえて問わせるような形で、組合せも含めて、特別区でやったやつを今度は三多摩地域も含めて、東京都も含めて、では、東京都内はどうするんだみたいな議論で、実際の道州制の熟成を待っているような形ではないんですか。その間に財源は取り上げられるというような形になっていませんか、現実の姿としては。その辺は、どうなんでしょう。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 道州制の議論とかにつきましては、今回の御報告の中では、余り具体的なところについて触れられてないということはありますけれども、今後また、この会の部会の議論を基に、東京の自治のあり方研究会のほうに戻して、年度内で検討するということは聞いております。今後、そちらの研究会の中でも、全体として東京の自治の在り方というものを考える上で、そういった積極的な議論というものもなされていくのではないかというふうに考えております。


上田委員長 島元委員。


島元委員 僕は、逆のことを言っているんです。それが、そういう虜(とりこ)にされる道で、時間稼ぎをしていたのではないのかと言っているんです。本当に必要なのは、地域住民の利益、それをしっかり守れるような自治体の在り方、その中での税制の在り方、そういうものを23区は、今の瞬間でいえば、620億円もお金があるわけですから、十分議論ができて、多少いじめられても、正論を吐ける余裕があるわけですね、実際には。そうではなくて、そういう人たちが東京都の虜(とりこ)になって、石原都知事の恫喝(どうかつ)の中でこうした流れの中で、国や世界の流れと実際に結び付いて議論しなければならないのに、閉じこもっちゃって、議論を全然発展させないでいる。気が付いてみたら、この流れが道州制につながって、それこそ、財源について東京都はどうなんだという形そのものがなくなってしまう。ここで出ているような合併だとか連携だという内容は、ついこの間の平成の大合併で、みんな失敗しているではないですか、基本的には。

大きなところと一緒になったところは、辺境の住民がどんどん過疎化して、人がいなくなっちゃって、住まないことが当然のようになっていて、そういうところに人がいないことが当たり前のような自治体づくりに変更していませんか、実際には。そして、5年間や3年間あった財源的な余裕がなくなった瞬間に、財政運営がおかしくなっているような自治体が随分あるではないですか。その延長もさせている。そういうふうな状況の中で、東京都がこういう方向であえて時間をとって、それこそ空間的だと。空間的だと分かるような形で、すぐみんなに資料配ってください。空間的ではない、ぺたんこで平面的な図面を出して、空間的な動きなんか分かりませんよ。

そういうようなことも含めながら、私はちょっと今思いました。これは、議論するつもりはないんですけれども、少なくともそういうことと一致するような議論を、東京都の賢明な有識者や優秀な官僚の皆さんはすべきだというふうに思っています。


上田委員長 ありがとうございます。

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上田委員長 それでは、一般質問は2件とお聞きしています。

では、松下委員。


松下委員 すみません、1件だけ短目に。

ここは、自治制度・行財政システム調査特別委員会ということもあり、一つ質問したいんですけれども、行財政改革区民協議会というものがここ数年行われ、着実に行財政改革というものが進んでいるなという実感は、確かにあります。しかしながら、委員会の中でもいつも指摘をさせていただいておりますけれども、行財政改革というものは、区全体の動向を見て、将来も含めて考えていくべきときに、区民の方の意見というのはとても大切ではありますが、そこに固執しないような区の方向性というのも、確かに必要なのかというようなお声も多々聞こえます。そういう中で、区は行財政改革区民協議会について、今までのもの、また、今後についてもどのような形で進め、どのように考えられているか、その1点だけ伺います。


上田委員長 竹越企画課長。


竹越企画課長 委員が御指摘のとおり、行財政改革につきましては、ずっと以前から続けておりまして、現在も4年間の行財政改革推進計画ということでやっております。ちょうど今年が中間のまとめというような形で準備をしているところです。行財政改革区民協議会で多角的な意見をいただきながら、良いものに作り上げていきたいというふうに考えておりますし、基本構想を見据えて、行財政改革推進計画のほうも、併せて作っていきたいというふうに考えております。


松下委員 まとめます、時間もあるので。

ありがとうございます。否定をしているわけでは決してありません。ただ、やはり、行財政改革というのは大変大切なことでありますので、行財政改革区民協議会に出たからいいとか、行財政改革区民協議会で対象事業の選定をしてもらうということではなく、しっかり区の中で見つめ、どういうバランスで進めていくかというものは、この協議会の委員の御意見にもあると思うんです。例えば、この協議会で自分たち区民委員が、行財政改革の課題を担うのはどうなのかというような御意見があることも含めて、また次回も伺いますけれども、受け止めていっていただきたいと思います。

以上です。


上田委員長 島元委員。


島元委員 短目なので、5分か。二つあったんですけれども、とりあえず一つできるかどうか。

先ほど、地方分権推進委員会のほうに向けて、提案募集方式で自治体の権限移譲だとか規制緩和などの要求が入れられる状況があるよということで議論がありました。以前から我々としては、特別区長会だとか特別区議会議長会だとか特別区の議員の集まり、そこで議論している成果を持ち寄って、国や都道府県に要求を上げるような機会がありましたよね。実際にそういうことをやってきました。現在も、通年議会も含めて、自治権の拡充ということで、議会の中での役割の拡充もどんどんやってきたわけですけれども、例えば今回、特別区議会議長会が要望をまとめて、都や国に出すような努力も併せてしているわけです。こういう点では非常に、今のままでは足りない部分をどうやって補っていくのかという点で良い方向だと思うんですけれども、先ほどの話の中で、地方公共団体が提案募集方式でやれるということなのか。例えば、地方六団体というような形で、僕が元の文章を読んでないのでいけないのですが、特別区議会議長会だとかいうところも、現実にはこうした自治権の拡充につながるような要望というのを持ち込むことができることになっているのかどうなのか1点確認したい。それから、議長にちょっとお願いしたいんですが、議長が今やっている仕事というのは、非常に大事なんですけれども、特別区の中で、かつては自治権の拡充で、特別区議会議長会の活動を支えるという意味で、各特別委員会や常任委員会なんかの委員長会というのもあって、要求の集約というのを、かなり積極的にやってきた経緯があったと思うんです。今回、特別区で特別区議会議長会が取りまとめた中で、残念ながら文京区のほうの、それこそ委員長からの要望を取りまとめたのかもしれないけれども、入ってないという報告もありました。

そういう点では、そういう要望を取りまとめたり、必要なところに出していくという機能だとかチャンスというのを、もっと我々も日限を切ったり、会議の場を設定したりしてどんどん作っていく必要があるんだろうと思うので、その辺についての御意見をちょっと聞かせていただきたい。


上田委員長 議長。

 


渡辺議長 今回の全員協議会でも御報告申し上げたように、国への要望、都への要望に当たり、私も特別区議会議長会の役員として同行させていただきました。事前に幹事長会を通じて各会派の皆さんに、国への要望や都への要望について案件がありましたらお上げいただきたいというのも、事前にお話をしてありましたが、残念ながら文京区からは出なかったということでございます。仕組み的にはそういう仕組みで、かつては委員長会というのがあって、月に1回ぐらい集まっていたんですかね。そこで要望を取りまとめたりというのがあったんですけれども、委員長会の活動がなくなったということで、現在は、各区で上げてもらうという仕組みになっているのかと。残念ながら今年は出なかったと。

私は、国や都への要望に当たり都庁にも行きましたし、国土交通省では太田国土交通大臣に直接お会いもしましたけれども、そこで、各議長が各区から上げた提案を説明する機会があるんです。私も、行って初めて分かったんですが、特別区共通の要望というよりも、むしろ各区の要望が上げられているというのが、実情のようでございまして、そういう意味ではそういうこともありなのかということを考えますと、来年度以降は、文京区の独自要望というのも実際上げていただいて、それを直接、関係省庁若しくは都庁の関係者の方にお伝えするという機会もあるかと思いますので、その辺は来期以降、幹事長会等でも御協議いただく内容になるか思っております。


上田委員長 島元委員。


島元委員 それで、お願いですけれども、東京都全体の議長会は、なくなったんだっけ。市区町村会はなくなったんだよね。それで多分、特別区の議長会になっていたりして、実際には東京都全体の市区町村が今どういう状況になっているかということを議員レベルでしっかりつかむという機会も、昔に比べると少なくなっている可能性ありますよね。そういう点では、交流する場面だとか上がってきた要求なんかを、絶えずそれぞれの委員会のところで交流し合ったり、出し合ったりしながら、それぞれの自治体の住民にとってどういう利益があるかというような議論が、委員会の中でもっと活発にやれるような状況を、是非議長も含めて各委員長も御努力していただきたいなと思います。先ほどの地方六団体というのは応募できるんでしたか。


上田委員長 井内政策研究担当課長。


井内政策研究担当課長 地方六団体ですとか地方公共団体を構成員とする任意組織についても、提案が可能です。


上田委員長 島元委員。


島元委員 では、そういう意味も含めて、我々も地方分権推進委員会のほうに要求が出せるような努力をしましょうよ。


上田委員長 議長。


渡辺議長 今の議長会の市部と区部の関係につきましては、確か去年、島元委員から決算審査特別委員会でもちょっとお話があったかと思いますが、遡ると平成17年ぐらいに、それこそ区長が議長時代当時だったでしょうか。市部と区部のいろいろな問題が起きて、一度は一緒になったんだけれども、結局、市部と区部がまた別々になってしまったという経緯があって、その後、特別区議会議長会の会長も毎年替わるということで、それがずっと先送りになっていたという経緯があるというふうに聞いています。しかし、今期になって、いや、それはいかんだろうということで、市部と区部がもう一回テーブルに、公式、非公式、どういう形か分かりませんけれども、着こうではないかという流れが実はできてきておりまして、その辺のことにつきましては、公式な集まり、会合、いろんなことがあって、相談をして、ある程度、検討内容が明らかになるような時期が来ましたら、私のほうから全員協議会で御報告をさせていただきたいと思います。


上田委員長 それでは、一般質問を終わりたいと思います。

午後1時より研究会を行います。休憩に入りたいと思います。


午後0時02分 休憩

午後1時00分 再開


上田委員長 それでは、ただいまから研究会を始めたいと思います。

本日の講師であります松谷明彦先生を御紹介させていただきます。先生、どうぞ。

松谷先生の御経歴ですが、1969年に東京大学経済学部経済学科、翌年に東京大学経済学部経営学科を御卒業後、大蔵省に入省され、主計局調査課長、主計局主計官、横浜税関長、大臣官房審議官等を歴任されました。1997年に大蔵省を辞職後、政策研究大学院大学の教授の職につかれました。2011年には同大学の名誉教授になられ、現在も客員教授として教壇に立っておられます。なお、2004年には東京大学大学院工学系研究科社会基盤学専攻論文博士号を取得されております。

主な公的活動として、農林水産省農林水産政策研究所客員研究員、国土交通省社会資本整備審議会専門委員、日本政策金融公庫経営評議員会委員、茨城県総合計画審議会委員等を歴任されました。このほか、政策研究大学院大学内に国際都市研究学院を創設し、理事長に就任されています。

主な著書として、「人口減少時代の大都市経済-価値転換への選択」、「人口流動の地方再生学」、「2020年の日本人-人口減少時代をどう生きる」等、多数執筆されています。また、日本経済新聞、読売新聞等の新聞や雑誌への寄稿、NHK総合テレビ等テレビ番組での解説等を多数され、幅広く御活躍されております。

以上、簡単ではございますが、経歴などを御紹介させていただきました。

本日は、人口減少社会における特別区の行財政運営についてをテーマに、先生に御講演をいただきます。なお、講演後に質疑応答の時間を持たせていただく予定です。

それでは、松谷先生、よろしくお願いいたします。


松谷講師 御紹介いただきました、政策研究大学院大学の松谷でございます。

今日は「人口減少社会の特別区の行財政運営について」ということで、お話をせよということでまいりましたのですが、私は、この人口減少問題について、学者に転身してから、ほとんどこの問題に取り組んでおります。最初は、ちょっとした興味で始めたんですが、やればやるほどいろいろな問題、奥の深い問題だということが分かって、研究を進めてまいりまして、今や私のライフワークのようになっているわけであります。今日は、そうした私の研究に基づいてお話をさせていただきたいと思います。

この人口減少社会あるいは少子高齢社会ですね、決して暗い社会ではないんですが、これが何か、こう暗い社会であるかのように受け止められている。そうなるのは、結局、今の社会システムとか、今のいろいろな我々の常識とか価値観とか、そういうものから見るから、どうしてもそうなる。増える一方だった人口が減るという、歴史上、かつてないほどの大変化ですよね。更に経済についても、経済というのは成長するのが当たり前だったのが人口減少、少子高齢化の中で、経済がもしかするとというか、かなりの確率をもってマイナス経済に、マイナスが当たり前というような経済になっていってしまう。これは、いずれも人類始まって以来ぐらいの大きな変化ですよね。

そういう大きな変化に直面しながら、一方で、我々の対応はいまだに高度成長時代の発想であったり、価値観もそうしたものであったりということで、それだけ環境が変わったわけですからね、本当に我々は考え方を変え、価値観もスタンスも全て変えて臨まなければいけないわけですよね。

そして、私の研究では、そのように我々が価値観を変え、見方を変え、発想を変えていけば、人口減少社会が決して暗い社会ではなくて、むしろ日本の経済社会にある色々な問題、それを変える絶好の好機ではないかとさえ思えるんですよね。

そんなことで、今日はちょっとのっけからですが、幾つかちょっと、「え、そうなの」というような話を最初に申し上げておきたいと思うんですね。

一つは、今、もうそれこそ社会福祉の主軸になっております少子化対策ですね。私は、この少子化対策というのは、はっきり申し上げて、有害無益だと思います。えっと思われるかもしれませんけれども、説明は後ほどいたしますが、そう思います。

それから、これからの高齢社会では年金が政策の基本だと皆さんおっしゃるんですが、私は高齢社会だからこそ、年金が主軸にはならないと。我々は、これからの高齢者福祉あるいは高齢者が急速に増加するこの社会に対するいろいろな福祉政策というのは、年金ではなくて、その他の政策でもって遂行していくべきだと、このように私は思います。

それから、3番目に、今、消費税をまた10%に上げるの、上げないのという議論がそろそろ始まりつつありますが、私は、増税によって財政再建をするのは、この人口減少社会では全く間違った政策選択だと。高度成長時代なら、増税によって財政再建をやることは、決して理にかなわないというものではないんですが、この人口減少高齢社会においては、増税は御法度。財政再建をやるなら、それは、歳出のカットしかないということですね。この三つ。

さらに、もし時間があったら後で申し上げたいんですが、これから社会がどんどん高度化していきますよね。高齢社会になると、またまたいろいろな社会のインフラ、そういうのも必要になってきます。実は、インフラについては、むしろこれからは減らしていくべきだ、あるいは今よりも少ないインフラで我々が豊かで安心できるような、そういう生活できるような、といった観点から社会基盤の在り方を、いま一度考え直してみる必要がある。こんなような四つぐらいのお話を最初に申し上げたいと思います。

これから、何でそうなるのかという点を含めて、お話を進めていきたいと思いますが、最初に人口減少ですね、なぜ人口が減っているのか。今、実は世界で人口が減っている国というのは、日本ぐらいなものなんですよ。ドイツがちょっと減り始めていますね。日本が大幅に減っていて、ほかに減っている国はないんですよね。この2か国だけなんですよ、人口が減っているのは。ですから、人口減少というのは、先進国になれば共通の問題だという人もいらっしゃるかもしれません。実際はそうではないですね。少なくともこの21世紀の前半ぐらいにおいては、人口が減る国というのは日本とドイツと、あとイタリア、この3か国ぐらいなものなんですね。どこかで聞いたような組み合わせですけれどもね。ただし、イタリアは減るといっても微減です。50年経ったって、そんなに減りはしません。

今日の資料1ページの第1図を御覧いただくと、減っているのは日本とドイツです。ドイツは減るといっても、日本に比べればずっと傷は浅いというか、大して減らない。日本は大幅に減るんですね。しかも、減り方が、この図だと余りはっきり出ていませんが、ドイツはほぼ直線的にに減っていくんですが、日本は、こういうふうに減っていくんですね。つまり、年々減少率なり減少幅というのは大きくなっていくような、こういうのを加速度的減少というんですけれども、そういう減少。ですから、人口の減少についても、日本は非常に深刻だということなんですが、ただ、では、何で日本だけが減るのか。ほかの国がなぜ減らないのか。多くの人は、それは少子化だからでしょうと言われる方もいますね。もちろん、人口というのは、亡くなる人と生まれてくる人の綱引きですから、どちらかが多ければその人口は増減するということですよね。ですから、確かに少子化で毎年生まれてくる子どもの数が減っている。これも、人口減少の原因なんですが、実はこれから日本の人口が減る主たる原因は、少子化ではないんですよね。亡くなる人が増えているんです。死亡者が急増しているんですね。これが、日本の人口の減少の原因なんですね。

では、なぜ日本だけが減っているのか。今日の資料の3ページの第5図を御覧いただきたいんですね。これを見ると、日本だけが人口が大幅に減っている、あるいはドイツも人口が減るというのはよく分かりますよね。日本は、75歳以上の人が急増していますよね。75歳以上の人というのは、近いうちにお亡くなりになる方なんですよね。言ってみれば死亡者予備軍ですよね。これが、べらぼうに今増えているわけですよ。80歳以上、85歳以上の人もどんどん増えているんですね。死亡年齢の辺りに非常に人口が多くて、その人たちが今急速に亡くなってくる。この後も、この後期高齢者が急増していることが分かるように、亡くなる人が急速に増えていくんですよね。これが、世界の中で日本だけが人口が減っている原因なんです。

では、何で日本だけがこんなにお年寄り、しかも死亡年齢に近い方たちが、日本には多いのか。

これは、その前の資料の2ページの3図を御覧いただいて分かりますが、日本ってやたらと年寄りの割合が多いですね。別に平均寿命が長いからではありません。ここにあるのは先進国ですから、平均寿命はみんな似たり寄ったり。なのに、何で日本だけこんなに年寄りが多いのかですね。

これは、実は自然現象として起こった問題ではなくて、過去の政策のツケなんです。何で日本がここに来て急速に死亡者が増えているかというと、それは死亡年齢に達している人が非常に多いから。言い換えれば、死亡年齢のところに、人口の塊のようなものがあるんです。だから、毎年極めて多くの方が亡くなることになる。では、何でそ死亡年齢のところに大きな人口の塊があるのか。

これは、自然現象ではなくて、実は今から1世紀近く前に行われた産めよ増やせよという出産奨励運動の結果です。軍事政府が、兵隊さんが欲しいんで、ともかく子どもを産め産めといって大変な出産奨励運動をやった。その結果として、大正から昭和にかけて生まれた人の数が非常に多くなったわけですね。その方たちが今、死亡年齢に差しかかっている。これが、日本に非常に死亡者が多くて、したがって、世界の中で珍しく人口が減るということの最大の原因なんですよね。

ということは、人口減少ってもう止められないんですよ。それが、主たる原因なんですよ。人間は寿命に限りがあるわけでして、ちょうどそこにいる人がやたらと多い。これはもう、この状況は変えられませんよね。で、人口が減っているのはこの方たちがどんどんなく亡くなっているからだということになると、人口減少という流れは変えられないということですよね。これをまず、最初に頭に置いていただきたいことですね。

もう一つ、日本では、この1ページの第2図に見るように、人口の高齢化率ですね、65歳以上の人を高齢者と呼びます。本人がどう思っていようが、一応、国際連合で65歳以上の人を高齢者と呼ぶと。このように定義されていまして、この高齢者の全人口に占める率が高齢化率と言うんですが、この高齢化率は、日本は急速に上がっていますよね。この中でいうと、2000年から2020年代の真ん中ぐらいまで、こういうふうにちょっと急速に上がって、1回一段落しますよね。それからまた急速に上がっていますよね。この2020年代頃まで、この高齢化率が急速に上がっているのは、実は、さっき言ったのは大正から昭和にかけてのベビーブームがあったんですが、当然戦後にもベビーブームがあって、その戦後のベビーブームの人たちですね。この人たちがどんどん高齢者になるから、ここが上がっているわけですね。

その後、1回一段落して、30年代からもう一遍、高齢化率が角度を上げていきますよね。これは少子化ですね。生まれてくる子どもの数が少ないので、これだけ急速に高齢化する。だから、高齢化というのは二つ理由があって、一つは、最初の山は、これは高齢者が増えているから。次は、今度は子どもが少ないから。率として高齢者の割合が増えていくということですよね。

そういうことで、さっき申しましたように、少子化というのは、この高齢化に対して、今は必ずしも少子化が人口高齢化の主たる原因ではありませんが、これからどんどん少子化が人口の高齢化を進めていくということになります。では、やはり少子化問題ですね、さっき言いましたように、少子化になると社会の維持運営が難しくなってくるということで、、政府も、あるいは多くの識者も少子化対策が大事なんだと、このように言われている。ただ、私が申し上げたいのは、少子化対策をやっても、少子化傾向は変わらないということです。先ほど、人口減少は、これはもうどんなに人知を尽くしても無理だと、もう決まっている話なんだと申しましたが、少子化もまた決まっている話で、これは恐らくどんな対策をとっても、まず無理です。

なぜかというと、少子化の原因について誤解がありましてね。2000年過ぎぐらいまでの少子化の理由というのは、これは出生率の低下です。この3ページの6図を御覧いただくと、ここに合計特殊出生率というのがありまして、一般的には、1人の女性が一生の間に産む子どもの数、ちょっと正確ではないんですが、大体そんなようなものですね。これが急速に下がってきていますよね。この急速に下がってきた結果、少子化になった。これは、2000年頃までは確かにそうだったんですね。しかし、現在ないし現在以降の少子化については、これは出生率の低下が原因ではないんですね。出生率は、もうほとんど止まっていますよね、これを御覧いただくようにね。一番落ちたところで1.29、もう今1.4近くになって、少しリバウンドしている格好になっていますね。これは、この後も出生率は、専門家100人が100人そういうように、これ以上落ちることはないだろうと。多少リバウンドするだろうというふうに言われているんですが、にもかかわらず、これから子どもの数は激減するんですよね。どれぐらい減るかというと、2010年から2060年までの半世紀、50年間での子どもの数の減り方を、日本と他の国で比較しますと、もちろん予測ですが、諸外国については国際連合の予測、日本については国立社会保障人口問題研究所の推計で見ます。未成年、19歳以下の人たちの人口を2010年と2060年で比較しますと、大体西ヨーロッパ諸国は総じて10%から15%ぐらい増えます。アメリカはもっと増えますね。20%以上増えます。しかし、日本だけは何と48%減るんですよね。52%になってしまうんです。つまり、わずか半世紀で子どもの数が半分になる。だからこそ、日本は世界に類例なき高齢化ということになるわけなんですが、では、何で日本だけが半分になるんですかと。

これはもう、さっき申しましたように、出生率の低下ではないですよね。出生率は、もうおおむね底を打っていますんでね。問題は、子どもを産む年代の女性の数が激減するからなんです。

女性で子どもを産む可能性が一番高い年代というと、25歳から39歳、人口再生産のここが主力になっているわけですね。この25歳から39歳の女性人口をたどると、大体子どもの数が分かると、こうなっていまして、では、この25歳から39歳の女性の数、また、日本と他の諸外国で比較しますと、フランスは、大体2010年から2060年までの50年間で、25歳から39歳の一番子どもを産む可能性の高い女性の数は5%ぐらい増えるんですね。イギリスは3.5%ぐらい増えるんですよ。でも、日本ってどれぐらいになると思いますか。すさまじい勢いで減るんです。何と、2010年から2060年までの50年間で、25歳から39歳の女性の数は、何と62%減るんです。たった半世紀で3分の1近く、38%まで減ってしまうんですよ。これが、よその国と比べて子どもの数が激減する原因なんです。決して出生率の問題ではなくて、子どもを産む年代の女性が激減するからなんです。

過去の人口がどんどん増えていたときに比べれば、フランスにしたって5%しか増えませんから、そんなに増えるわけではないんですけれども、増える。では、何で他の国が増えているのに、日本だけは62%も減るのでしょう。62%というのは、日本人がという意味です。日本の人口は今1億2,700何万人いますよね。あれは、総人口という概念なんですね。総人口というのは、国際的にその国の人口と決められている人口なんですが、総人口というのは、日本の領土内にいる人の数です。これが総人口です。ですから、日本の領土内にいる外国人は、その中に入っています。外国にいる日本人は抜けています。日本総人口というのは、領土内にいる人です。

では、日本人は、これは日本人人口って別の概念ですね。大体150万人ぐらい少ないのですが、今言った62%というのは、日本人のその年代の女性が減るという意味です。外国人の女性は日本に働きに来て、また帰ってしまうんですよね。そういう風に入れ替わり、立ち替わりやって来る外国人の女性がいますが、この人たちは子どもを産みに来ているわけではないですから、これを除いて考えなければいけない。そうすると、日本の国籍を持っている人ですね、その日本人は、何と62%減るんですね。

何で他の国が増えるのに減るのか。これは少子化が原因ではないですよ。これも、自然現象ではなくて、過去にやった政策のツケなんですよね。何をやったか。実は昭和25年、1950年4月1日に日本は大規模な産児制限に踏み切ったんですよね。4月1日というのは、その産児制限の主たる手段とされた優生保護法改正法が施行された日です。

堕胎というのは、刑法上違法とされていて、今も違法になっています。ただし、それを優生保護法、今は母体保護法ですね、その特別法によって、非常に緩やかな条件、経済的に子どもを育てられない場合は堕胎してもよろしいという、そういう改正を、実は昭和25年、1950年にやったんですよね。それを主たる手段として、大規模な産児制限に踏み切ったわけです。つまり、一番確実な子減らしに踏み切ったわけですよね。

何で子減らしする必要があったのか。それは、当時戦争に負けて田畑荒れ放題、海外の植民地はなくなりましたから、たくさん引揚げ者がやってくる。戦争に行っていたお父さんも帰ってくる。その上に子だくさんでは、日本は完全に飢餓状態になるということで、では、子どもの数を減らしましょうということで、すさまじい勢いの子減らしが始まったんですね。

そのわずか、わずか20年ほど前は産めよ増やせよと。子どもを産む女性は国の宝だと言っていたあの政府が、その頃には、子どもを産むような女は非国民だと。大きなおなかでまちの中を安心して歩けないような、それぐらいのすさまじいものがありまして、それで子どもの数は激減したんですね。4割減りました。

それまでの年間出生数260万人が、法施行後160万人まで激減しました。約4割減少させたんですよね。すさまじい減少ですね。

したがって、何で25歳から39歳の女性の数が今後急速に減るのか。それはそのとき4割減らしたからですよ。4割減らしたということは、その時期に生まれた女の子が4割少ないんです。そうすると、その女の子が産む女の子も少ないんです。雪だるま式の逆ですね。ということで、女性の数が激減するのは、実はあの産児制限、当時の優生保護法による産児制限が原因なんですね。

ちょっと皮肉な話になるんですけれども、実はこの産児制限、やる必要がなかったんですよ。歴史の皮肉ですね。これは結果論ですからね、何とも言えないですが、実はやる必要なかった。なぜかというと、昭和25年4月1日改正法の施行ですよね。昭和25年6月25日、わずか3か月後にはその必要がなくなったんです。

1950年、昭和25年6月25日というのは、朝鮮動乱勃発の日ですよね。南北朝鮮が境界線を争っていたわけですが、そのとき日本は、国連軍の前進基地になりました。日本中が戦争景気で沸いたんですね。もう、田畑がいかに荒れていようが、お金があるから世界中から食料が買える。もう飢餓(きが)は去ったんです。飢餓の時期は去ったんです。でも、その後約20年間にわたって出生率は低迷します。

産児制限自体は間違っていたとは言い切れませんが、手段として優生保護法改正は間違っていたと言わざるを得ないと思います。子どもというものに対する考え方を変えたんでしょうね。親の都合で子どもは減らしていいんだという、従来の倫理を破るようなもの、しかも、国がそれを大いに奨励したということの結果、日本はその後長きにわたって、つまり、もう産児制限の必要はなくなったにもかかわらず、長きにわたって出生率は低迷するんですね。約20年間、出生率が低迷します。

この出生率が旧に復する。3ページの6図を御覧いただくと、そこで趨勢(すうせい)線と書いてある辺り、この趨勢線というのは大きな流れですね。なんですが、これを水面としますと、水面下に約20年間潜っていますですよね。出生率が、大幅にここで低下しています。低迷しています。これが、もしあのとき産児制限をこの法律ではなくやっていたとしたら、わずか3か月後にその必要がなくなったわけですから、出生率は戻っていたはずなんですね。でも、優生保護法に変えたことによって、子どもというものに対する価値観が変わった。したがって、その必要がなくなったにもかかわらず、長い、大幅な人工妊娠中絶が毎年毎年大量に行われたんですよね。

それがある程度収まって、出生率が水面上に出てくるのは1970年代の後半。ちょっと私はいつも本を書くときに、文学的な言い方をするんですが、1970年代後半、日本が欧米にキャッチアップして、あり余るほどの豊かさを手にするときになって、初めて出生率が水面上に戻ってくるんですね。その20年間が実は暗黒の時代で、これがこれからの女性の激減になっているというわけですよね。

政策については、ある程度うなずけないこともありませんが、政策の手段については、問題があったと言わざるを得ない。今、日本の中絶率は、これは統計がありません。非合法なものは抜いてありますからね。でも、非合法なものも含めると55%が中絶されていると言われています。こんな国は、ほかにはないわけでしてね、問題ですよね。その発端となった産児制限が、これからの女性の激減につながっている。そのために急速に高齢化が進みます。先ほど申しましたように、この急速な高齢化こそが、年金問題の一番の根源なんですね。

先に御説明しましょうか、2ページの第4図ですね。これは20歳から64歳の人口を分子とし、20歳以上の人口を分母としているわけですね。20歳以上の人口というのは年金に関係している人です。払う人ともらう人と。20歳から64歳が負担する人ですよね。これは年金に関係している人のうち、負担している人の割合を書いたものですね。日本はこのように急速に下がっています。これは、急速な少子化の結果ですね。

これが急速だということは問題で、この比率が急速に落ちているということは、それこそ5年に1回の国勢調査ごとに、かなり大幅な負担の引上げなり、給付水準の引下げなりという大規模な改正をしなければいけない。そういう社会制度の変化が余りにも急過ぎると、人間がそれに追い付いていけないということになります。お年寄りにしてみると、5年に1回、給与水準がどんどん下がっていくわけですよね。もう不安で、どう生活していいか分からない。でも、これが例えば、アメリカ、イギリス、フランスなんて、こんなゆっくりした変化ですとね、これ、10年か20年に1回やればいいんですよ。その収支調整のための制度改正を。そうすると、10年か20年に1回というと、生きている間に1回あるかないかなんですね、65歳から年金もらい始めて10年か20年に1回なら、あるかないかですよ。これだったら、老後はそんなに心配要らないですよね。日本は、5年に1回来るわけですね。

だから、日本はそういう意味で、このスピードが速過ぎるということが、年金問題というのを非常に深刻な問題にしているわけです。もう一つは、これを御覧いただくと、2030年頃に、他の国は、この率が横ばいになっていますよね。横ばいになっているということは、ここを基準に年金制度をつくれば、ずっと安心で、あとはもう変わらないんですよね。その負担率なり給付水準が変わらないんです。非常に安定的な。ところが、日本だけはどんどん下がる。この図の後も。どんどん下がっているんですけれどもね。

だから、いつまでたっても安定した年金制度が組めないんですよ、日本は。ずっと未来永劫(えいごう)、給付水準は下がっていく、大幅に下げていかざるを得ない。負担水準は大幅に上げていかざるを得ないという、そういう状況ですよね。日本だけは下がっていく。これはなぜか。

これはさっき言いましたように、親が少なければ子が少ない、子が少なければ孫が少ない。つまり、産児制限の結果でなんですよね。日本だけが下がっていく。他の国は、大体これが安定するんですね。日本だけが下がっていくのは、産児制限が、あの20年間子どもの数を激減させたから。なかんずく、女の子ですね、男の子と同数ですけれども、女の子の数を激減させたことが、この奈落の底まで、この比率が落ちていくことにつながっているわけです。

ですから、ちょっとうがった言い方になりますが、もしあのとき産児制限をしなかったら、今、年金は問題にはなっていないんですね。でも、これはもう、繰り言を言ってもしようがありませんね。それぐらい、あの産児制限は大きな影響を与えたということですよね。

同時に考えなければいけないのは、半世紀で子どもを産む年代の女性が、何と3分の1近くまで減ってしまうんですよね。これは、少々出生率上げたところで、ちょっと言葉は語弊がありますが、焼け石に水ですよね。少子化傾向を変えることはできませんね。しかも、出生率って、この先そんなに変わらないですよね。出生率って、非常に長期的な社会変化の中で出てきている話で、出生率を下げた最大の原因は、医療技術の進歩ですよね。これは乳児死亡率が、非常に医療技術の進歩で下がってきた。日本は乳児死亡率が世界で一番低いと言われて、これちょっと語弊があって、日本の乳児死亡率というのは、出産後亡くなったのが乳児死亡ですよね。でも、アメリカなんか、他の国だと全て妊娠40数週かな、40数週以降亡くなったのが、つまり死産ですね、死産も乳児死亡率になるんですよ。だから、ちょっとその数字にからくりがあって、日本の乳児死亡率はそんなに低いのではないんですが、まあ、世界的には非常に低いほうですね。

というようなことで、子どもが簡単に死ななくなった。だから、後継ぎとかそういうことが、子どもを持つ動機のうち、非常に大きな動機の一つは後継ぎですよね。というようなことで、そのとき、昔なら二、三人産んでおかないと危なかったのが、今は1人でも十分というようなことで、これが一番出生率が下がった大きな原因ですよね。

もう一つの原因は、やはり女性の考え方が変わってきた。やはり結婚し、出産するというのだけが女性の人生ではないと。もっと別の人生があるんだということで、結婚とか出産を選択しない女性が増えてきた。これも、女性の生き方に対する大きな変化ですよね。一朝一夕に起こったことではなくて、長い間掛かって、そういう考え方の変化が起きてきたわけですよね。

そうすると、出生率というのは、そう簡単には戻らないんですよね。にもかかわらず、この間政府は、2040年には出生率を2.07にすると。あり得ないです。絶対あり得ないです。これは嘘っぱちです。何でかというと、2.07には絶対戻らないんです。どうして戻らないかというと、今、出生率を大きく下げているというか、低迷させている最大の原因は、未婚率が急増しているからですね。49歳を超えて結婚していないのを生涯未婚というふうに定義してありまして、この生涯未婚率が今、女性で15%ぐらいにもう既に達していますよね。だけれども、いま49歳以上の人がそうなんであって、40歳以上の人とか、なかなか結婚しない人も結構いるということで予測しますと、大体2040年頃には生涯未婚率が約3割に達するだろうと。これは、多くの研究者がそういうふうに予測しています。そうすると、出生率2.07にするためには、残りの人たちで2.07にしなければいけないですね、7割の人で。3割の人はゼロですから、あと7割の人で2.07まで持っていかなければいけない。計算しますとね、出生率大体、つまり結婚した人、有配偶女子というんですけれども、有配偶女子の出生率は2.96まで上がらなければいけない。今大体2.0です。つまり、今は結婚したら2人産むんですよ。これが大体多く見られる常識的な線なんですね。それが3にならないと2.07にはならないんです。そうすると、2人というのは医学の進歩とか、子育てにどれだけお金が掛かるとか、自分のいろいろな社会的な活動もしたいというようなことの結果、2という数字が出てきているわけですよね。それが3になるためには、いや、では、もう女性は社会的活動をやめましょうとか、そういうような大きな変化がなければ3という数字にはならないんですよね。ということは、政府の言う2.07というのはあり得ない数字なんですよね。世の中の何十年に及ぶ人々の価値観とか生き方の変化を全く無視して、金さえ出せば子どもを産むんだみたいな、もうむちゃくちゃなことを言うからそうなるんであって、やはり2からあんまり動かないだろうと。

一方で、女性の方は何と3分の1近くまで減ってしまう。そうなると、やはり我々は、もう少子化というものを前提に物事を考えるべきだと。だから、我々がこれから考えることは、もう増えもしない子どもの増加を夢見るんではなくて、これはもう無理だと。だから、我々が考えるべきことは、これから少子化でも人口減少でも、それでも我々が引き続き豊かで安心していける、そういう社会、そういう経済にするためにはどうしたらいいのかと。これを考えるほうが、私は賢明だと思いますね。もう子どもの数は減ること、この流れを変えることはできないんだという理解が必要だと思います。

で、最初の話に戻るんですが、ですから、私は、少子化対策は有害無益だと言っているんですね。中身に反対しているわけではないんです。核家族化等で、子どもを育てるという環境が昔に比べればかなり厳しくなっています。ですから、それを社会的にサポートするというのは、私は決して反対ではない。

ただ、問題は、子育て支援とか少子化対策の中でやっているその政策順位、優先順位が高過ぎるというのを、私は問題視しています。なぜ高いかというと、それは、そういう子育ての環境をよくするんだという社会的な要請、プラスその結果、子どもが増えますよというこの二つの政策効果が一緒になっているから、非常に高い政策順位になるんですね。でも、この一方の子どもが増えますよと言うのが、これは嘘だと。そんなことはないということになると、こちらだけですよね。こちらだけで、今の政策的な優先順位が妥当かどうかですよね。ちょっと言葉の言い方は難しいですが、仕事がある、結婚もできた、子どもを育てられるお金もある、でも、世の中には仕事がなくて、それこそ非正規で明日の仕事もないかもしれない、当然結婚もできない、結婚してもともかく貧しくて子どもを育てられない。そういう人に対する対策とこちらと、どちらを優先すべきかというと、私は社会保障からすると、こっちだと思いますね。

そうすると、やはり今我々が冷静に考えなければいけないのは、政策効果と言われるものが、実は半分ぐらいは嘘なんだということになったら、やはり、この少子化対策と称せられる子育て環境、育てる環境の改善よりも、社会にはもう少し優先すべき福祉的課題があるんではないかということですね。

そういう意味からすると、財政資金の資金配分をゆがめることになっているなということ。それと、もう一つ、この少子化対策が有害なのは、今申したように政策を採ったって増えないんですよ。増えないということは、増えないことを前提とした社会づくりを今こそやるべきなのに、あたかもそれによって増えるかのごとく思っていると、では、やらなくていいではないですかということになるんですよね。ですから、そういう意味で、今我々がとるべき政策の時期を逸することになるということで、私はこれはどうかと。

ですから、言葉でいうと、いやあ、少子化対策をやるのは無意味ですと、ものすごくきつく聞こえるんですが、でも、私の言いたいところは、そこです。この後は言いませんが、今日は御理解いただけると思って、直截に申し上げたわけですが、それが第1点ですね。

次に、年金です。

先ほど申したように、2ページのこの第4図を御覧いただくと、これ、一つはさっき言いましたように、ともかく奈落の底まで落ちていくんで、安定したそういう年金制度は組めませんということなんですが、もう一つ、今度はこの角度ではなくて、水準を見ていただきたいんです。アメリカ、イギリス、フランスを見ると、大体もらう人の比率が3割ぐらいですよね。3対7って感じですよね。日本は大体これ、もうちょっと落ちていきますので、大体1対1ですよね。1人が1人面倒見るということですよね。向こうは3対7ですから、2人強で1人面倒見ればいいんですね。やはりこの妥当な水準というのがあるんだと思うんですよ。働いたうち半分は人の面倒を見ているというのと、2人強で1人面倒を見ているんでは、全然出すほうの感覚が違いましてね。よく財務省なんか、いや、半分になりますからね、多少の負担はしようがないんですよと言うけれども、受け止めるほうからすれば、ええっ、半分も、私、もう一人面倒見なければいけないのと。これは相当生きていく上でプレッシャーですよね。ストレスですよね。

そうすると、やはりこの水準から見ると安定的な制度ができない。いつまでたっても働いている間中、負担が上がりっ放し。年取ったら給付が下がりっ放し。だから、これを基軸に高齢社会というものを考えていくということは難しいことであると同時に、負担水準が余りにも将来高過ぎる。したがって、年金を充実させて、年金を軸に高齢者が安心して生きていけるような、それを高齢者政策だというのは、ちょっと負担ということから考えると無理がある。年金をなくす必要はないと思いますけれども、年金以外のもう少し別の政策があるんではないかと思うんですよ。

それで、私がいつも言うのは、だから、年金を別にやめる必要はないけれども、もっと高齢者政策、対策というか、もっと多様化すればいいではないかと。

それは何かというと、年金というのは、若い人がお年寄りにお金を仕送りするみたいなものですよね。お金を差し上げることによって、この人たちの生活をサポートする、これが今の年金ですよね。賦課方式ですから、そういうことですよね。

これは、お金をこっちからこっちに移転させているんで、経済用語でいうとフローというんですよね。流れでお金をフロー、流すことによって、こちらの生活をサポートしているんですね。これが年金システムなんですが、フローは、もうこの高齢社会では無理ですよ。なぜかというと、もらう人はこれから急速に増える一方、払う人は急速に減る、こういう中で、それを基軸として高齢者対策を採っていくということは、負担する側の心理を考えたら無理ですよね。ということで、フローをやめる必要はないけれども、フローをもっと少なくすべきだろうと。つまり、高齢者対策の中でこの年金が占める役割を、もう少し小さい加減で、別の政策と合わせ技1本で何かやっていくような、これが必要なんではないか。

そこで、私がいつも言っているのは、フローはだめだからストックですよと。どういうことかというと、高齢者の中で、高齢者の生活で一番コストが掛かっているのは住居費なんですよね。日本全体では3割、東京では、それこそ文京区辺りだと多分4割か、場合によってはそれ以上が借家住まいになっているはずなんですね。ですから、この人たちは、しかも民間借家、相当高いですから、生活費の中の相当なウエイトを占めているし、不安はそこに集中していますよね。つまり、年金が下がっていったら、家賃が払えなくなって、自分の住むところがなくなるという、これは大変深刻な問題ですよね。いずれにしても、高齢者の中の生活コストに占める住居の比率というのは、非常に大きいですね。

これは、自分の家を持っている人だって同じです。日本の場合には、大体親から家を引き継ぐというのはあんまりなくて、自分で造りますよね。そうすると、自分が一生働いたうちのそれこそ何割かのお金を家につぎ込んでいるはずですよね。この方たちは、亡くなったときに多額の残存価値があるんですよ。亡くなった後、家・土地がそのまま残っていますよね。家も住めますよね。つまり、例えば3,000万円なり3,000万円のお金で家を造ったとすると、まあ1,500万円ぐらい亡くなったときに余っている。ということは、その人が生活しているうち、一生のうち働いたもののうちですよ、この1,500万円ぐらいは使わずに亡くなっているわけですよね。これが要するに、住宅を持っていることのコストなんですね。だから、家賃を払っている人たちが生活費に占める住宅コストが高いんではなくて、家を持っている人だってやはり生活費に占める住宅コストは高いんですよ。もしこの家を売ることができたら、その分でもっと豊かな生活できますよね。そういう意味で、家を持っている人も潜在的に住宅コストは掛かっているということですね。

では、このコストを軽減してあげれば、言ってみれば、お金を渡すことによって生活コストを、その人の生活を支えるというのが今の年金ですが、そうではなくて、この人たちがもっと安いコストで生活できるようにしてあげれば、これも高齢者をサポートする手段になりますよね。その手段として、住宅、公共賃貸住宅ですね。私は、これも長年ずっと主張しているんですけれども、なかなかそうはならないのが残念なんですが、アメリカ、ヨーロッパに行きますと、公共賃貸住宅というのは都市に行くともう本当にふんだんにありますよね。どこへ行きましてもね。しかも、都市の中の一等地に造られていますよね。パリなんかで写真をぱっと写すじゃないですか。シャンゼリゼ通りで。写っているの、あれほとんど全部公共賃貸住宅ですよね。あれは建物の3階か4階以上、全部住宅ですからね。ということで、あれはみんな、ナポレオン3世とか、あの頃にできたものが今でもまだ残っているんですけれども、そういうことで、どこの国でも、アメリカを含めて公共賃貸住宅というのは、もうどこの国にもあるんです。非常に充実した形であるんですね。

ところが、残念ながら日本はないんですよ。公営住宅というのはありますが、あれは所得制限がありますのでね。一般の人はなかなか入れないということで、公営住宅ではなくて、公共賃貸住宅ですね。これは、国土交通省なんかに言わせると、いや、日本は持家志向が強いから、だから、賃貸とか必要ないんですよというのは嘘で、持家志向なんか強くないですよ。戦後になってからですよ。昭和40年ぐらいから持家志向が強くなったので、それまでは、借家住まいは当たり前だったわけですね。別に元々日本人が持ち家志向が強いわけではない。しかも、これからは、持ち家というのはもう実現しませんよね。だって、銀行が20年、30年のローンを貸してくれるのは、終身雇用だからですよね。終身雇用でなくなったら貸してくれませんよね。しかも、今までは土地というのは必ず上がっていく。だから、担保価値があったんですけれども、これから下がっていくかもしれないですね。そうすると、銀行は絶対貸さないということは、これから持家志向は、持ちたいという気持ちは別として、行動としては持家志向はなくなってくるわけですよね。それを考えると、高齢者だけではなくて、社会の安定のためにも、若い人も入れるような、そういう公共賃貸住宅をもっともっと造っていくべきなんです。しかも十分に可能なんですよ。財政負担ゼロで、公共賃貸住宅は幾らでも建つ。

なぜかというと、一つは、民間賃貸住宅というのは大体20年か30年で建築費の元を取るように家賃を設定するんですね。それは、銀行が20年か30年しか貸してくれないからですよ。でも、国や自治体なら100年、200年の借換え、借換えで借りられる。ということになると、100年、200年で建築費用を償還すればいいんですよね。これだけで家賃の水準随分は下がりますね。財政負担、つまり家賃補助なしで、国や自治体の信用力だけでそこまで家賃を下げられる。財政負担ゼロですよね。加えて、あと土地代、特にこの東京なんかだと、家賃のかなりの部分は土地代ですよね。外国行くと、大体市役所の上って、普通住宅ですよね。ここも、この上にしたら問題かもしれませんけれどもね、でもね、本庁舎は別として、いろいろなところにあるでしょう、分庁舎や出張所、あの上を住宅にしても構わないですよね。でも、土地代ってね、ただですよね。それは会計が違うって、そんなこと言ったって、元々皆さん、国民のものなんですから、会計が違うなんて言わずに、ともかくただでその上に造る。あるいは、空いている遊休の公有地にも建てる。土地代はただ。土地代ただで、償還費を100年、200年にすればですよ、これは本当に、二、三万円で立派な賃貸住宅ができますよね。家賃がそれぐらいで。そうするとね、仮に、これから若い人の年金負担をほどほどにする、そのために年金の給与水準は下げていくというふうになっても、たちまちそれによって住むところがなくなるというのもなくなってくるし、今の年金制度の改革に、非常に自由度が出てくるわけですよね。なぜこれをやらないのか、本当に不思議でしようがないんですね。いずれにしろ、社会資本として公共賃貸住宅を精力的に整備するという考え方が、高齢社会では非常に重要になっている。

しかも、財政資金は要らないでしょう。まず、借金でいいんですよね。債務残高は増えますが、その債務残高は100年、200年の間に家賃で償還されるわけですから、財政負担ではないですよね。別会計にしておけばいいんで、そうすると、財政を全く悪化させないで、住宅ができて、景気対策になる。何でやらないのかな。いつも言っているんですが。

もっと徹底させると、例えば、ドイツの自治体なんかは結構多いんですが、ドイツの自治体だと、まず結婚するとしますね。そうすると、大体市営住宅には、大体大変高い確率で入れる。普通だとそこから、では家具をそろえてとかなるんですが、彼ら、彼女らは市役所に真っ先に飛んでいくんですね。そうすると、市役所にわんさと、はい、ソファですよ、ガスレンジですよ、テーブルですよと、みんな市役所にあるんですよ。もっとすごいのは、壁に掛ける絵までちゃんと貸してくれるんです。全部貸してくれるんですね。それをずっと使っていて、いらなくなったら市役所に返すわけですね。また次の人が、つまりあちらでは、住宅だけではなくて、耐久消費材もまた、世代を超えて使っているんですよ。だから、生活コストがすごく低くなるんですよね。

どんどん経済が拡大し、人々の所得が伸びているような高度成長時代はいいんでしょうけれども、これからはむしろ、後で申しますけれども、むしろ所得は下がっていくんですね。そうなってくると、フローで、つまり稼ぐお金だけで何とか生活をやっていくんではなくて、もっとストックというものを大事にして、しかも、そのストックは、個人ではなくて社会でストックを持つことによって、それを活用することによって、個人の生活コストをもっともっと下げていく。こういうふうにすれば、これから後で申しますが、経済が小さくなっても、あるいは人々の所得税が下がっても、特に問題はないわけですよね。もう少しストックの活用を考えてみたほうがいいということで、最初に申し上げた年金を主軸に高齢社会というものを考えていくのは間違いであって、年金はむしろ今よりも少し隅に追いやって、もっと様々な多様化した対策で考えていくということが、その持続可能な政策につながっていくと。このように私は考えていますね。

次に、今度は財政ですね。

11ページの21図を御覧いただきたいんですが、これが、私が言っている財政再建を増税でやろうというのは間違いであるということ。増税で財政再建ができたのは高度成長時代なんであって、これからの低成長ないしはマイナス成長の中では、この増税でもって財政再建をやるという考え方そのものが間違っている。これは、これを御覧いただくとすぐ分かると思うんですが、下に「国民一人当りの租税収入」というのが書いてありますね。その上に「国民一人当りの財政支出」と書いてあります。1950年から2005年までの55年間を比較すると、大体1人当たりの財政支出は倍になっています。これは、国と地方を合算して、純計ですね、国と地方の財政支出をダブりを除いて純計にしまして、そこから物価上昇分を除きます。物価上昇を除いて、なお国民1人当たりの財政支出は、この55年間で倍になっているんですね。それはもちろん、多くの部分はいわゆる福祉財政ということですね。福祉の充実とか、あるいは公共事業の拡大とか、そういったことでどんどん伸びてきたわけですね。ですから大体、50年、約半世紀で倍ですね。

問題は、そのとき考えなければいけないのは、国民1人当たりの租税収入。何と、これも倍だったんですよ。だから、この角度が同じということですね。50年間で倍、そのそれぞれの角度が一緒。こういう状態であれば、これは1回の増税で解決するんです。こういうふうに財政支出が、ここが財政収入ですね。ここが租税収入ですね。これが、赤字というか債務になって、これを増税するということは、ずっと平行移動させることですよね。これをこちらに1人当たりの増税、つまり増税というのは税率を上げることですから、したがって、これそのままいきますと、税率上げれば自動的にくっと上がってきますからね。同じ角度ですから。ということは、これは1回で終わりですよね。1回で財政支出は完了してしまう。

でも、これからは違います。この図でBというふうに書いてあるより右側がこれからの財政環境だということなんですが、これからはさっき言いましたように、国民の中で働いている人の比率が減ります。これが、高齢化社会の意味ですよね。税金というのは、働いている人が負担しているんです。もちろん、消費税は違いますけれども。消費税は、実はこれからの高齢社会に消費税というのは決して好ましくないんですね。悪税、酷税と言ったほうがいいですね。なぜかというと、消費税ってお年寄りにも掛かるんですよ。だけれども、お年寄りは収入がないんですよ。ということは、財産に掛けているのと同じことなんですよね。つまり、年寄から布団を引っ剥がすという、これが消費税なんですね。これは悪税ですよ。やはり、税というのは、社会がある以上、国民として負担の義務はあっても、それは所得がある人から取るから持続可能なんですね。所得のない人から取って財産税になると、これはそれだけ、つまり高齢者の貯金が減るんですよね。ということは、生活ができなくなると。これに、今度は生活保護を出さなければいけなくなりますんで、意味がないんですよ、これをやっても。だから、収入のない人から税金を取るというのは、これは付加税としては意味があります。つまり、直接税だけだと、どうしても脱税ということが起きるんで、それを補完する意味で、間接税があるんですが、何かこれからは、法人税を上げると経団連に怒られる、所得税を上げるとすぐ何か次の選挙で落ちると。こんなことで、一番問題のないのが消費税だというんで、もうすぐ政治的にそっちに転びがちですが、これは、人々のことを考えると大きな間違いですね。やはり税というのは、所得のある人から取るべきだと。

あるいは、一般的に言うと担税力ですね。少なくとも税を負担する能力のあるのは働いている人であって、働いていない人の税の負担する能力というのは、大幅に減っていくということを考えると、これから国民1人当たりの租税収入は、よくて横ばい。

なぜかというと、過去になぜ10倍も、過去1955年から2005年までの50年間でなぜ1人当たりの租税収入がなぜ10倍にもなったかというと、この間、実は増税していないんですよね。ほとんどしていないです。消費税を3%に上げたぐらいのものです。あとは何もやっていない。所得税、法人税は、下げる一方です。ずっと、減税に次ぐ減税をしたんです。にもかかわらず、何で10倍にもなったかというと、これは国民の中で税を払う人の比率が増えていたからですね。若いから。人口構造が若かったんで、若い人の比率がどんどん増えたんです。働いている人の比率が増えたんです。ですから、税率が同じでも、税金を払わない人を含めた1人当たりの税収は上がったんですよね。払う人の比率が多いですから。ところが、これからは、逆に払う人の比率が落ちていくわけですね。このままだと、当然、働いていない人も含めた1人当たりの数字が落ちるんですが、一方で、経済というのは、そもそも世の中には技術の進歩がありまして、1人当たりが作れる物の量というのは、技術革新でどんどん上がるわけですね。ということは、それに応じて賃金水準も上がります。人口減少社会では、経済がマイナスになるかもしれませんが、賃金水準は上がっていく社会なんですよね。だから、賃金水準は上がっていくけれども、働いている人の比率が落ちるんで、働いていない人も含めた1人当たりの所得水準ですが、これは、おおむね横ばいになるというふうに推測されます。

1人当たりの所得が横ばいということは、税率が一緒ならそれで租税自身も当然横ばい。つまり、増税しなければ横ばいですよね。この状態で、従来と同じように1人当たりの財政支出が伸びていったとすると、これは、何度増税をやっても赤字が消えないんですよね。今まではこうだったので、ここは上げたんですよ。今は横ばいでしょう。ということは、上げたはいいが、その翌年また赤字ですよね。また赤字、また赤字。つまり人口減少社会というか、高齢社会では、これは増税しても際限のない増税になるということですよね、歳出を抑えない限り。

必要なことは、さっき言ったように高度成長時代はこういうところ、角度が一緒だったですよね。だから、必要なことは同じ角度にすべきなんですよ。つまり、1人当たりの財政支出を横ばいにすれば、これは1回の増税で何度も何度もということにはならないですね。だから、やるべきことは増税ではなくて、この1人当たりの財政支出を横ばいにすることですよね。

これは、なかなか大変なんですよね。なぜかというと、これから高齢者の比率が増えてきますから、1人当たりの財政支出はどうしたって膨らむ傾向にありますよね。それから、借金の返済もありますから、これも雪だるま式に増えていますからね。1人当たりの財政指数を抑えるということは、それも含めて、1人当たりの財政支出を横ばいにする、つまり人口の減少に合わせて財政規模を小さくするということですよね。そうしないと、破綻するんですね。何度も何度も連続して増税していかなければならないということになると、いずれ国民や都民は離反しますからね。それはできない。際限ない増税は、必ず財政を破綻させますので、これはできないわけで、やるべきことはこれを横ばいにすることだと。なかなか大変ですね。

そうすると、必ずここで出てくるのが、では、小さな政府ですねと。政府の役割を小さくしましょうと。自己責任をもっと増やしましょうと。こう来るんですが、そうは言ったって、みんな政府の役割が比較的大きいということを前提に老後も考えていたわけで、そこで急に自己責任だと言われても、それは、やはりそうはいかない。

私が言っているのは、政府の役割を小さくするのは二の次にして、財政支出を小さくすればいいんでしょうと。要するに小さな財政にすべきだと。

これは、例えば、スウェーデンなんかに行きますと、手の空いた中年のおばさんが隣のおばあさんの面倒を見ますと、国がお金をくれるんですね。つまり、ボランティアではないんですよ、有償なんですね。有償ボランティアなんですね。この隣のおばあさんの面倒を見ている間だけ、実はこの女性は国家公務員になります。なぜかというと、何かが起こったときに国家賠償するんですね。国が責任を持っているんですね。

というようなことで、これの利点は、サービスについては、本当に高度なものはプロフェッショナルでないと駄目なんですが、普通の介護ぐらいであれば、素人がちょっとした研修を受ければできますよね。介護のうちの半分ぐらいはそうですよね。そうすると、例えば、いろいろなデイケアのセンターなんかも要らなくなりますよね。老人ホームだって少なくていいですよね。なぜかというと、だって、その人はその人の家に行って看るか、自分の家に連れてくるか、どっちかでやるわけでしょう。つまり、ハコモノが要らなくなるんですよね。それから、それをオペレーションしている役所の組織も小さくなりますよね。必要なくなりますよね。ということになると、これはいわゆる行政サービス水準をそんなに下げないで、財政支出だけを落とすということですね。これをもう少し考えたほうがいいんではないか。

スウェーデンは、ちょっと社会主義国家みたいな、そういう国家ですからいいんですが、日本だと、面倒を見てほしいけれども、隣のやつにだけは面倒見てもらいたくないという、そういう傾向が結構ありますんでね。日本で通用するかどうかは別として、例えば、そんなようなことで、有償で国民の間で処理してもらうということで、同じサービスながら財政需要を小さくするような、そんなことも必要なんではないかと思います。でないと、11ページの22図のように、こんなになってしまうんですよね。

これはどういうことかというと、現在の日本の税及び社会保障負担は38.9%ですね、2009年段階で。それで、これがこの後、高齢者と若い働く人のの比率が、これからどんどん変わっていきます。高齢者への給付水準を変えないとすると、負担の増加は全部若い人が背負うというような形に、今は政府が言っているようですが、そのようにすると、社会保障負担にすると、何とこんなになってしまうんですね。

その他に今、毎年の借金が財政支出の4割ほどありますので、これを何とか、このままではいけませんねということで、非常に緩やかな改善条件ですが、2010年から2060年までの50年間掛けて、この毎年の借金をゼロにしましょう、その分は全て増税で賄います、これは両方とも政府が言っていることですが、そうするとどうなるか。2060年には、38.9%が何と91.5%になる。給料袋開けると91.5%差っ引かれている。8.5%しか残っていない。これはあり得ませんよね。

ということは、政府が言っているように、なにしろこの借金でしょう。何とかしなければいけませんよね。だから、その分ぐらいの負担はしようがないですよね。お年寄りはこれから増えますよね、それは何とかしなければいけませんよと言っていると、これになるんですね。だから、増税でもって何とかするというのは、上の図から見ても際限ない増税になるし、その行き着く先は下の図だということですよね。増税で財政状況を改善するのは、これは無理だという。つまりは、支出を落とすことを考えければといけないというになろうかと思います。

次に、最後に、あとちょっと5分ほど。

東京は非常に今、高度化した社会で、それなりに非常に利便性が高く、それはそれでいいことなのかもしれませんが、ただ、これからの時代を考えますとね、そうそう言っていられない。利便性とか快適性を追求して、社会基盤をどんどん作っていくということは、これからは、もうできなくなるということを頭に置かなければいけませんね。なぜかというと、それは、貯蓄率が下がるからです。

例えば、どういうことかというと、アリとキリギリスの話がありますよね。アリは、要するにその年入ってきたいろいろなものを全部食べ尽くさないで、ちゃんと貯金として残していて、これで冬の間過ごすわけですよね。キリギリスは、入ってきたもの全部使ってしまって、冬の間何にもない。ですから、アリというのは、いわば貯金を作るような生活をしている。だから、冬を越せる。キリギリスは貯金するような、貯めるような生活様式をしていなかったから、冬は過ごせないんだということなんですが、これはまさに社会がそうでして、社会の中で道路を造ったり、企業が工場を建てたりしますよね。あれは、実は貯金の部分なんですよね。日本全体でGDPが500兆円ぐらいあって、そのうち人が消費、使ってしまってなくなってしまう、これに使っている割合が大体三百五、六十兆円ぐらいありますね。残りの百何十兆円ぐらいがいろいろな企業の設備投資とか、公共事業に回っているわけですね。この部分が、アリでいうと蓄えになっているわけですね。

でも、これからは、この蓄えの部分が急速に小さくなっていくんですよ。なぜかというと、今5人家族がいて、そのうち3人が働いていたと。ところが、高齢化して働く人が2人になってしまったと。こうなると、この5人家族としての貯蓄できるゆとりは、当然小さくなりますよね。これが日本全体で起きるんですね。国民の中で、言ってみれば働かなくて食べるだけの人が増えるんで、したがって、貯金が少なくなる。ということは、その貯金を使って造っていた工場の設備投資とか公共施設ができなくなるということですよね。それを図で表しますと、10ページの20図がそうでして、ここに公共投資許容量と書いてありますが、これが限界です。これが、これ以上はできないという限界ですよね。

税の問題ではないんです。財源の問題ではないんです。財源や公共事業は国や自治体がやることですから、これは、強制的に税を取れば、公共事業はやれることになります。しかし、ここで公共事業を、これを限度を超えてやってしまうと、さっき言いましたように、そういう貯金みたいな部分で公共投資もやり、民間投資もやっているわけですよね。公共投資が増えると、民間投資が減るんですよ、これ、クラウディングアウトというんですが、信用力の差ですよね。ということで、民間投資が減ります。民間投資が減るということは、翌年のGDPは小さくなるということですね。つまり、この公共投資許容の限度を超えてやってしまうと、GDPそのものが小さくなってしまう。したがって、公共投資許容は、これ以上絶対に上がらないという、財源の問題ではなくて、マクロの経済バランスから来ている、これが日本最大の限度額です。

問題は、これがずっと下がっていくと、大体50年間で半分ぐらいになってしまうんですが、これが下がっていく過程で、今度は、既にある公共投資、これは維持補修していかなければいけませんよね。この維持補修費、更新費、建て替えとかそういう種類の費用が、こちらにどんどん伸びていきまして、これがクロスする。2020年代の半ばぐらいにはこれがクロスしてしまうということは、公共投資を完全にメンテナンスができないということですね。道路が穴だらけになってもしようがないな、下水道破れても放っておかなければしようがないというようなことが、ここで起き始めるわけですよね。だから、これをクロスさせてはいけないんですよ。

そうすると、クロスさせない方法というのは、一つは耐用年数を長くして、年々のメンテを少なくするというんだけれども、それは微々たるもので、限りがありますね。要は、やはりもうこれからは、今までであればこういう社会インフラがあり、インフラが耐用年数を迎えたときに、そのインフラは元通りみんな、全部建て直すというか、建て替えるというか、更新する。かつ、さらに、利便性向上のために、例えば、橋が3本あって、3本の橋の耐用年数が来たときに、3本とも架け替えて、更に1本増やす、2本増やす。これが、これまでやってきたインフラ整備ですよね。でも、これからはそうではなくて、これをクロスさせないためには、上の線はこれ以上行きませんので、下へ下げるしかないですね、この更新と修繕、これを下げるしかない。

これを下げるのは、要するに更新しなければ、耐用年数が来たら、もう建て替えなければ、それ以降は、この維持更新はないわけですよね。これによって下げるしかないですね。

だから、これからは、今までは社会資本をどんどん増やすことによって、快適性を増やし、豊かな生活に結び付いていた、これが今までです。これの考えを変えなければいけませんね。むしろ、それを減らしても、今までと同じような快適性を、より少ない社会資本でもって作り出すにはどうしたらいいのかということを、ここに来て考えなければいけないと思うんですね。

そんな無茶なと、こう言われるかもしれませんが、例えば、どうでしょう。今、都会に緑を。結構なことですよね。都会に緑を。水辺のあるまちをと。結構ですよね。ものすごくお金が掛かるんですよ、これ。水辺のある。すごくお金掛かりますよ。水があるって。元々あったんですけれども、埋めてしまったからなくなったんでしょうが、それをまた元に戻すというのは、ものすごくお金が掛かりますよね。水辺を味わいたい。水辺を味わえればいいんですよね。でもね、味わうんだったら、何もそこになくても、休みの日に郊外に行けばいいんですよね。つまり、人間がどんどん贅沢(ぜいたく)になってきて、据え膳で自分が動かないで緑が欲しい、あるいは自分が買いには行かないで、旅行しないで日本のうまいものを全部据え膳で持ってきたり、これをやると確かに利便性があるというか快適性なのかもしれませんが、そのために膨大なお金が掛かっているんですね。

高度成長時代なら、まあまあそれもいいかもしれませんね。でもこれからは、さっき言ったように、公共投資がこれだけ窮屈になっていく以上、もうそれは、いやあ、都会に緑を植えるのなら、緑を求めて動いてもらいましょうと。あるいは、そのために、例えば、もうちょっと運賃を安くするとか、そういったことで動いてもらう。そういうふうにすれば、必要な社会資本だって減っていくわけですよね。いかに少ない社会資本量でもって、豊かな生活というものをやっていくのか。ある意味で、利便性というのは、多少減らさなければいけないかもしれませんね。でも、利便性に代わる何かもっと、それはそうですよね、この都会で、何か水の切れっ端の横に立つよりは、それは郊外に行ったほうが、はるかに大きな癒しの効果もありますよね。そう考えると、トータルとして、少ない社会資本で何かより豊かな人生という、そのためには、社会資本というのはどうあるべきかということを考えないと、ここがクロスして、下水道が破れて、まちが汚れると。こういうことになるわけでして、少し考えなければいけないということですね。

最後に一言だけ。

こういって、いろいろな高齢者福祉にしても、インフラにしても、財政にしても、やはりいろいろ考え方を180度変えていかなければいけないんだと申しましたが、実はもっと変えなければいけないのは、各個人だと思うんですよね。なぜかというと、高齢化というのは何で起きるか、これは社会問題だという人もいますが、嘘ですよね、社会問題ではないですよ。なぜかというと、社会が原因ではないんですよ、高齢化というのは。高齢化の最大の原因は、寿命が延びているからですよ。寿命が延びていることが高齢化の最大の原因なんです。なぜかというと、自分の人生の中で65歳を超えた高齢者の期間の割合が年々増えているわけですよ、寿命が延びるということは。だから、それを社会的に見ると、高齢者の割合が増えているという、それだけのことですよね。高齢化の原因というのは、全て個人の中に最初からあるんですよ。

これがそうすると、高齢化によって発生する問題を社会で解決するというのは、当然限界があるわけです。なぜかというと、社会があることによって生じた問題ではないからですね。だから、支配とか暴力とか、そういう社会があることによって生じたものは、社会のシステムを変えれば解決するんですが、残念ながら高齢化は、社会があるから起こったんではなくて、社会以前に人間個人の中に起こっているものを、それを社会的に解決するというのは無理ですね。植民地でもない限り。福祉社会というのは、福祉というのは少数の困った人をみんなが助けるからサステーナブルなんですね。みんなが助けるというのは、どうやって助けるのと。

高齢社会では、個々人が自分の人生の中でつじつまをまず合わせてもらわないと、そのつじつまを、全部社会の責任によって持ってこられたら、これは植民地でもない限り無理だということですね。

もう一つは、高齢社会というのは、寿命が延びるということは、貧しくなるということなんですね。なぜかというと、人間の働ける期間は、どうしたって限られているんですよね。最近なんか定年延長して、もっと働きましょうなんて、それは無茶なんで。よその国は若い労働力でやっているのに、日本が年寄りでやったら、日本のほうがコストが高くなって、国際競争力に負けますよね。ですから、高齢者の活用なんて当然限界があるわけですよね。そうすると、人間、寿命が延びるということは、働ける期間が延びるんではなくて、働けない期間が延びるということですよね。これが、寿命が延びるということなんですね。

そうすると、何が起こるかというと、総平均して、その人の生涯を通じた平均年収は落ちるということを意味しているんですね。働く期間の割合が減っているわけですからね。つまり寿命が延びれば、人間は必ず貧しくなるんですね。ただし、貧しくなるのは経済的に貧しくなるという話であって、もし人々が、お金で買えない幸せをより多く追求するようになれば、それは必ずしも貧しくなるとは限らないし、人生も更に豊かになるかもしれない。

例えば、では、お金で買えない幸せって何よというんですが、もちろんお金で買える幸せを追求しておかないと、人間は死んでしまいますので、そのお金で買える幸せを追求しながら、お金で買えない幸せをより増やしていくということです。例えば、こういうことがありますね。どうせ年を取って暇になるんですから、そうすると、外で食事するよりも自分で作れば、これはコストが非常に安い状態で作るという喜びが出てくるかもしれませんよね。例えば、そんなことですね。それから、私はよく言うんですが、子どもを3回ディズニーランドへ連れて行く暇があったら、そのお金があったら1回にせよと。2回にせよと。あとの1回は郊外に子どもを連れていって、川原でバーベキューをやる、テントを張る。それは、子どもの人生をもっと豊かにするかもしれないし、お金は掛からないというふうなこと。そんなことで、個々人が、やはり少し生活や行動様式を変えていかないと、社会政策だけではどうにもならない。ですから、行政は、そちらのほうも何か変えていくような行政施策というものを展開していく必要があろうかと、このように思います。

というふうなことで、幾つか申しました。あとは、まだ時間の許す限り、何か御質問ございましたらお受けする形で、更にお話を進めます。

どうも今日はありがとうございました。(拍手)


上田委員長 松谷先生、ありがとうございました。

それでは、松谷先生に御質問のある方は、是非手を挙げて、御質問いただければと存じます。

では、私から。

ありがとうございました、今日は。

松谷先生のお話の中で、特に年金ではなくて、どちらかというと現物支給で高齢者を支えていきましょうというお話というのは、恐らく、例えば、厚生労働省が進めようとしている地域包括ケアシステム等とすごく整合するお話かというふうに思っております。やはり、地域包括ケアシステムの概念の中にも、住まい方の問題とか、あとは、豊かな地域づくりみたいなものが入っているかと思うんですけれども、先生がおっしゃるような、そういう現物支給の高齢者を支える仕組みづくりというものを、まちづくりというものを行っていく上で、それを主導していくのはどこがやっていくべきなのかということ。それと、地域包括ケアシステムに関しては、やはり2025年までにはこうしましょう、2030年にはこうしましょうというものがあるように見えて、現実的には、そういった介護と医療の連携みたいなところは少しずつ進んできています。しかし、住まい方の問題とか地域づくりということに関しては、なかなかそこまでは至っていないという、モデルが見つかっていないところがあると思うんですね。それをもし、地方自治体が考えていくんだとすれば、そのインセンティブが、今まだ全然足りないと思いますので、それはどういった形で行っていけばいいかということを、まず一つお聞きしたい。あとは、この資料の8、9ページにある大都市に関することも、もう少し御説明をいただきたかったかということ。あとは、先生がおっしゃる個人の人生をサステナブルなものにするということを考えたら、多分、その消費みたいなものを少しずつ抑えていくということなのかというふうに先生はおっしゃりたいと思ったんです。そうすると、日本経済全体のことを考えますと、消費が余りにも落ちるのはどうなのかということを考えたりもするんですけれども、それについてもお聞きできればと思います。


松谷講師 厚生労働省の方々も、随分私の本も読んでくださっていて、大体私が言うと、1年間ぐらいすると似たような政策が出てくるんですね。なものですから、その地域包括ケアシステム、随分私の部分を採っているなという感じがしているんですが、ただ、やはりこれを進めるというのは、さっき申したように、人間、住民とか国民の行動様式が変わらないと無理ですよね。やはり、みんな小さいながらも家が欲しい、庭も欲しいとなってくると、これは、例えば、住宅をそういうふうにしたって、誰も乗ってきませんよね。だから、今、問題なのは、国にしても自治体にしても、いや、人口減少社会、人口減少をもっと緩やかにできるんだとか、そんなメッセージばかりです。いや、もう駄目なんですと、皆さん方の考えを変えてもらわないと、どうにもならないようなところまで来ているんですよといった、そういうメッセージを出して、国民一人一人が、住民一人一人がそれを理解して、それぞれが自分の人生の終始つじつまを合わせるべく模索を始めないと、幾らやっても無理だと思うんですよね。ですから、日本では、行政が、これはできませんとか、皆さんやらなければどうしようもないんですよと言うと、必ずそれは行政の怠慢だとか、おまえらの努力が足りないと来るんですが、それはもう無理なので、やはり行政、自治体にもやれることに限りがありますと。今起こっている変化は、こんなに大きな変化なので、ここは皆さん、それぞれで考えてもらわなければいけないし、当然その中で、価値観なり行動様式を変えてもらわなければいけないこともありますよというメッセージをもっと出していって、人口減少の実態をもう少し分かってもらわないと。情報の発信の仕方を少し変えて、国民の意識が変わっていかないと、どうにもならない問題かという感じが、私はしますね。

それから、さっきの大都市のところなんですが、実はこれでいうと7ページ、13図が、文京区の今の年齢階級別の人口構造ですね。ものすごく若い人が多いですよね。これは、学校が多いせいも、もちろんあるんでしょうけれども、、若い人が多くて、お年寄りがものすごく少ないですよね。これは、財政的に見ると非常に楽で、なぜかというと、この2010というふうに矢印で書いてあるこの大きな山がありますね。これが働いている人、すなわち税金を払っている人ですよね。主として、税金を使っている人、税金でサポートされている人というのはこの右側ですから、これはものすごく財政状況が楽ですよね。片や下の秋田県、これが2010年時点で一番高齢化率が進んでいた地域ですが、働いている税金を払う人はこれで、もらう人は右側これだけ、これはもう、財政状況が大変ですよね。でも、これから30年経つと、文京区はこんな形になってしまうんですね。こういう人口推計というのは、今の人口の地域間移動ですね、東京の一極集中、これを大前提に考えます。この一極集中は今後も変わらないし、今一極集中的になっている地域は、更に集中していくという大前提で計算します。それでも、文京区はこんな人口構造になってしまうんですね。税金を払う人は左側、払わない人は右側と、こんな感じですよね。財政状況は極端に悪化します。これは、同じように東京に一極集中でも必ずこうなる。なぜかというと、これから30年間で人口というのは10数%しか落ちませんよね。でも、その中で若い人は何と4割以上減るんですよね。少子化の影響で。そうすると、これを減るのを変えられないですよね。なぜかというと、今からやったって、変わるのは、少子化対策はまず成功しませんけれどもね、したとしても、変わるのはこの図の左側ですね。ここしか変わらないです。この構造は変わらないですね。ということは、もう少子化対策の何をやっても、ともかくこれから30年後にすさまじい財政環境悪化が起きるということを考えなければいけないですね。

一方で、秋田県は変わらないんですよね。同じなんですよね。これはなぜかというと、何で東京は年寄りが多くなるのか、それは、若い人が多いからですよね。若い人というのは高齢者の予備軍なんですよ。だからこうなってしまうんですね。で、秋田県は高齢者が多いですね。高齢者って死亡者予備軍ですから、ここにいなくなってしまうんですね。元々若い人は少ないですから、同じような格好になる。こういうことですよね。高齢者はそんな極端に増えないですね。

ですから、このままいくと東京では大幅に財政状況が悪化して、地方はそれほどでもないということですね。いや、そうなったら交付税の配分が変わってくるから大丈夫ですよなんていうのは甘い。やはり、人間はもらったものは返さないということですから、今の交付税の仕組みはそのまま残して、要するに、では今、秋田県なら秋田県は、東京から交付税もらっているこの大前提で、そこからゼロスタートにしましょうやという、多分そういうのが政治的には必ず起こってくる。東京は、それをもう言い出したら、いやいや、東京がそうなっているのは、我々自治体の地方のほうがそれだけいろいろ工場を持ってやっているから。東京がそうなんではないですかと。いいところだけ取っていますねということで大げんかになって、多分地方に負けるんで、やはり、東京は大幅に財政悪化して、その辺を書いたのがその次の8ページであります。この特に下側、地域別財政環境で、これはどういう図かというと、図の左側に行けば行くほど、今後若い人の比率の落ち方が激しい、落ちるスピードが速いところが右側です。若い人の比率の落ち方が激しいということは、それだけ増税の幅もスピードも大きいということになりますね。これが一番左側に書いてあります。東京圏というのがここにありますね。

それから、もう一つこれから考えなければならないのは、皆さん、若い人とお年寄りの比率が変わるんで、若い人の負担が大変ですねってなりますが、そうすると、比率だけの問題ではなくて、実はお年寄りの数が増えるということも考えなければいけないんですね。今、東京、埼玉、千葉、神奈川1都3県で、ちょっと数字は忘れました、確か65歳以上の人が730万人ぐらいだと思うんですが、それがこれから何と400万人ぐらい増えるんですよね。そうすると、どういうことが起きるかといったら、今だって高齢者施設は足りないのに、これから急速に足りなくなっていくわけですよ。今足りないんで、いろいろな各県にお願いして預かってもらっていますよね、群馬県とかそういうところに。その状態で、これから急速に増えていくわけですね。ですから、私はこれから東京で起こることは、高齢者難民、住むところがなく、年金が下がりますから、民間賃貸住宅に住めなくて、それこそこれから、ブルーテントがどんどん増えるんではないですか。ですから、私は東京オリンピックに反対していまして、オリンピックの競技場を造ると、あれが全部ブルーテントで埋まることになります。その金があったら、さっき言ったような、そういう賃貸住宅を造るなり、ある程度専門家の介護が必要なところは、そういう施設を増やして、ともかくまちに高齢者の難民を出さないようにするのが大事ではないでしょうか。

問題は、そこの9ページなんですが、いつ頃それが来るかですね。この経済の成長率ですね。ということは、つまり、財政もこれに応じて、財政資金も増えていって減ると。こういうことになるんですが、御覧いただくように大都市圏、これは、だから東京とかみんな同じぐらいなんですが、大体25年辺りですね、この辺がピークですね。あと10数年でピーク。その後はどーっと落ちていきますね。ですから、今税収があるからといって、どんどん施策を増やしていくと、今度は税収ががくんと落ちていきますんで、それが全部火だるまになっていくということですね。

だけれども、一方でそういう行政サービスを受けている人は、そう簡単に自分の行動様式を変えられませんから、そこで、圧力として歳出圧力がものすごく高まっていって、しかし、税収は入らないということで、大幅な財政の悪化がこの辺りに起きてくるということですよね。ですから、あと10年。まあまあいいのは10年。10年後はひどいよという感じですね。

もう一つ、さっき言った社会資本の整備余力ですね、これも計ることはできます。一応増えていって、ですから、25年ぐらいまでは社会資本の整備を進めていっても、ある程度メンテナンスというのは、それもできていく。でも、そこから急速に落ちますんでね、ここでメンテナンスができなくなって、もうそれこそ廃墟が増えてくるということになりますね。

ですから、この後の10年、よく言うのは、余力のあるこの10年のうちにやっておくことが必要なんですというのは大きな間違いで、その10年でやってしまうと、その後がくんと落ちますので、むしろ、あなたたちは廃墟を造っているんでしょうと、こういうことになる。廃墟の候補生ばかり造っているんではないですかということを私は言っているんですが、それぐらいに危ないですね。

でも、これを見るように、島根県、これはちょっと前の数字だったんですけれども、高齢化が進んでしばらく、島根県は上がってきますよね、その後もね。落ちませんよね、あんまり。だから、これからは地方の時代といえるかも知れませんが、そうは簡単に問屋は下ろさないので、これは、こうなるのは地方にそれだけの就業機会が生まれたらという話なんですね。経済ですからね。だから、生まれるために努力しなければいけませんよ。でも、東京はものすごく財政状況が悪化しますよ。あなたたちはそうではないんで、その分だけでも有利じゃないですか、だから頑張りましょう、と言うのですが、いずれにしても、いい時代はあと10年。その後はものすごい地獄が待っていますよというのが、この9ページの17図と18図でお分かりになると思いますが。

そんなところですね。


上田委員長 海老澤委員。


海老澤委員 ありがとうございました。とてもおもしろかったです。

人口が減少していくから、歳入が減って、歳出を減らす、要するに節約をしていかなければいけないということだったのかと思ったんですけれども、そうしたとき、それで地方、一極集中はもっと進んでいくと、今お話が……


松谷講師 このままいくとですね。


海老澤委員 あったと思うんですけれども、地方のインフラを、例えば、整備を止めてしまうようなことがあれば、そうしたら、歳出が減りますよね。そういうことも考えて、地方の再生って、先生は今あるんではないかと言われたんですけれども、ここから地方の人口がもっと減っていったら、私は、今あちこちばらばらに住んでいる人がきゅーって狭まれば、インフラの整備も減るのかと。極端な考えですけれども、地方の復興って本当にあるのかしらというのと、地方の人口というのは、減らない方法があるのかというのが、すごく思ったんですけれども、いかがでしょうか。


松谷講師 今、やはり中央と地方を考えると、地方、これは言い方が難しいですけれども、効率的でない投資が地方に一杯行われていることは事実ですよね。例えば、新幹線もそうだし、高速道路もそうだし、それは、利便性を言い出したら切りがないけれども、片側4車線の高速道路を、そんな山奥まで通す必要あるのかということですね。ですから、そういうことからすると、政治的にはそうなってしまうのかもしれません。地方に言わせれば、高速道路も新幹線もないと取り残されるだけだというのは、私も分からないではないですけれども、もう少し日本全体で、本当にどこまで必要なのかということは考えてみた方がいいと思うんですね。

ただ、問題は、ではこれから地方で、そういうインフラを考えるときに、コンパクトシティみたいにして、まとまって住んでもらえればそれでいいではないですかと言うんですが、これが非常に大きな問題がありまして、まとまって住んだはいいけれども、では、住まなくなったところをどうするんですかということですね。住まなくなったところは、基本的にほとんど農地なんですね。そこには、実は農地があるんで、山からの水が直接都会に流れ込まないんですよ。ところが、ここに農地がなくなると、畦もみんななくなってしまいますよね。ということは、ここが完全に荒廃した状態になると、保水機能というんですが、この山の里の農村のところで、いわば1回支えられていた水が流れてくるわけですね。これは、ですから、コンパクトシティをやると、大概の都市は、災害の発生の危険度が非常に高まる。

それを、では、災害の危険をなくすようにすると、今までは言ってみれば、みんながそれぞれ住んで勝手に作っていた田んぼが、実はそれが都市の災害防止に役立っていたということなんですが、住まなくなったところは、都市のお金でここを整備しなければいけませんよね。ものすごくお金が掛かるんですね。ですから、コンパクトシティというのは、ここを作るコストだけではなくて、住まなくなったところを災害が起きないように整備するというのにものすごくお金が掛かる。

ではもう一つ、まとまって住むことがいいことなのかというと、実はこれは、まずここを作るのにものすごくお金が掛かる。コンパクトシティですから。高層化します。つまりコンパクトということは、一定面積の間にたくさんの人がより住むということになるわけでして、そうすると当然、そのためにいろいろなビルとかなんか、今の地方のコンパクトシティとか言われるところでは、みんな都心部にビルが建っていますよね。ものすごくお金が掛かっている。すごくお金が掛かると同時に、もう一つは、人口が落ちていってどこかで止まると分かっているなら、これを基準にコンパクトにして作ればいい。ずっと落ちていくわけですよね。ということは、これを作った途端に、翌日から、またこの課題になってくるんですね。また小さくする。そこにもお金が掛かりますよね。

だから、さっき言ったように、このコンパクトシティというのは、正に土建屋さんがものすごく喜ぶ話でして、財政からするととんでもない話。ところが、ではこれの考え方を変えて、私はどこにでも行って言っているんですが、では、無料のバスを走らせればいいんでしょうがと。無料のバスを1日に何本もぼんぼん走らせる。こういうふうにすると、例えば、今コンパクトシティにする理由というのは大体二つあって、一つは行政コストが高いんで大変ですと。ただ、それはさっきも言ったように、人を集めれば行政コストは少なくなるかもしれないけれども、人に実際に来てもらえれば、ただで来てもらうようにすれば、行政コストというのは少なくて、別に増えないわけですよね。だから、集めるんではなくて、人を動かすことによって行政コストの増加を抑える。あるいは、今何で過疎化が進んで人が住めなくなるかというと、商店が撤退してしまうからですね。でも、その場合に、商店が撤退しても、無料のバスが走っていれば買いに行けるわけです。つまり、引き続きそこに住むことができるわけです。そこに引き続き住んでくれれば、それで災害の防止機能も出てきますしね。私は、この人口減少時代というのは、実は、いかにして今住んでいる人たちがそのまま住み続けられるような、そういう政策をするかということのほうがお金が掛からないし、持続可能な地域政策になると思っていますけれどもね。


上田委員長 海老澤委員。


海老澤委員 ちょっとだけ誤解があったかと思っているんですけれども、まず、今のままで地方の再生があり得るのかしらというのが、すごく疑問なんですね、私は。コンパクトシティというよりも、私が思ったのは、本当に地方に人がいられるんですかと。東京にもう一極集中だったらそうなってしまうんですかということで、コンパクトシティの発想ではないわけです。それはちょっと私も違うと思っているので、地方の再生を今しようとしているけれども、どこまであり得るのかなという感じがすごくしています。その地方の再生法って、再生できる方法って考えられるのか、さっき先生が最後のほうに言ったかと思うんですけれども、それをちょっとお伺いしたい。


松谷講師 これはね、ヨーロッパの地方へ行きますと、子どもはものすごく多いし元気なんですよね。確かに、大都市に比べれば、多少高齢化は進みますが、そんなに差はなくて。日本というのは、大都市と地方の差がものすごく激しいですよね。人口も集中しているし、人口の構造も全然いびつになっていて違う。何が違うかというと、要するに今、地方はどんどん疲弊していって、もうこれ以上何やっても無理だから、もう集めてしまったほうがいいんではないのとかいうような意見も出てくるんです。問題は、非常におもしろいのは、私に言わせると自治体のやり方が間違っていて、今、どこの自治体に行きましても、やっていることはまず若い人が大都市に出ていかないようにしようと。もっと、この間石破さんも同じことを言っていましたね、若い人が出ていかないようにしようと。もっと生きがいのあるいろいろなそういう機会を作って、出ていかないようにしようと。そんなことは無理ですよ。絶対出ていくんですよね。更に言えば、能力のある人ほど出ていくんですよ。これは別に、日本だけの傾向ではなくて、アメリカ、ヨーロッパでも一緒です。若い人は、もうどんどん流出していますね。なのに、日本と大いに違うのは、彼らは10数年するとかなりの割合で戻ってくるんですよ。生まれ故郷に。日本って、出ていったらそれっきりですね。ところが、戻ってくるんです。戻ってくるときに、ここが地方の自治体の間違っているところなんですが、就業機会を作れば戻ってくると思っているんですね。戻ってこないはずなんです。なぜかというと、もし大都市に行って、デザイナーとして活躍している女性がいたとする。子どももできたし、田舎に帰って何かやろうとしたときに、デザイナーとして成功した人は、レジ打ちには帰ってこない。絶対帰ってこない。だから、重要なのは、就業機会を作ることではないんですね。都会に出て行った人のその能力を生かせるような仕事を地方に作ることによって、戻ってくるんですよね。日本の地方には、そういう就業機会がほとんどないんです。あるのは工場のラインで働く、あとはスーパーのレジ打ちと、これぐらいしか仕事がない。大体どうしてもそうなる。

ところが、彼らのヨーロッパのまち、アメリカもそうなんですが、見ていると、地方にちゃんとデザイナーの仕事があるんです。その他のいろいろな製品開発とかですね、いろいろな工業開発とか、そういうのをやれる機会があるんですよ。なぜ違うかというと、日本の地方というのは、みんな大企業の工場を持ってきているんですね。大企業の工場を持ってきたときに、大企業は製品を企画開発するような部局は絶対持ってこないですね。これは東京のほうにあります。それから、いろいろな高度な技術を要する、組立てといったところのも地方には持ってこない。なぜかというと、それは消費地に近いところになければいけませんからね。持ってくるのは、下請に出すような非常に単純な作業。部品、原材料を作る、ここしか持ってこないですね。だから、大企業、どこの首長さんに聞いても、みんな言うのは、もっと私の任期中に企業に来てもらって、何人増やしたとこう言うんですが、そんなものでは絶対戻ってこないし、若い人は抜ける一方ですね。

そんなことよりは、もしこれが大企業でなく地場産業だとしたら、地場産業なら当然企画開発部門もあれば、組み立て部門も全部その地にありますよね。そういうもので、しかもヨーロッパの地方都市には、ものすごく世界的競争力を持ったものが、大抵一つや二つはありますから。結局、そこで大都市から人が戻ってきて、生きがいのある仕事ができるわけですね。

だから、私は思うんですが、日本の地方は、まだまだ幾らでももっと安定的な、豊かな地になるのにもかかわらず、行政の対応がこれだけ間違っているんであって、そこを直せば、私はポテンシャルはものすごく上がると思いますよ。だから、地方はもう無理なんだという考え方そのものは、私はちょっと違うんではないかなと思いますがね。


上田委員長 松下委員。


松下委員 先生、ありがとうございました。

もう本当に、しょっぱなから少子化問題は有害無益という、もう驚かないで聞いてねと言われつつも、私、実は4年前にできました少子高齢社会対策調査特別委員会の委員長を今やらせていただいています。それも含めて、本当に毎日模索している委員会なものですから、本当に苦しいところを、今、先生の言葉でどうやって、どこを引っ張っていこうと思ったんですけれども、結果として、すごく私は大変有り難い。無益ではあるけれども、でも、やっていかなくてはならないことには、今伺った価値観を変えようとか、発想を変えていくとか、絶好の今好機ですよと言われると、ピンチはチャンスかなというふうにも思います。ただ、やはり今、将来に、例えば、お金で買えない幸せを作っていこうとか、特に私は、うちの両親とかがもう今80歳とかなんですけれども、それで戦争を経験して、苦労して、今ちょっとぜいたくしてしまった部分が、多分子どももそうなって、また、それを私が自分の子どもにということ。ちょっと悪連鎖というか、昔のハングリー精神がなくなってしまっていることが、何か成功ではないけれども、いいみたいな日本が今ちょっと問題なのかなというふうにも思っています。今、先ほどそういうふうに削って、良いものは残すけれども、削ってというようなことで、少しは何か自分の中では答えが今落ちてきたかと思うんです。でも、やはり、目先の文京区において、少子高齢化をどうにか、特に少子化をどうにかしなければいけないときに、例えば学生さんが、若い人がやはり子どもを産んで育てられるというのは、世界の他の国だと、結構若い方がいるけれども、日本の場合というのは、まず学生さんだったらもう無理と。先ほど変な話、堕胎の話とかもありましたけれども、かなり多いと思うんですよ、確率の中では。社会でも認められない。そして、本当に本人たちも無理だと思うという、そういうふうなところ。それからあと、結構文京区は、年を取ってから子どもを産む方が多くて、今、まだ私も子育て世代なのでいろいろ話を聞くに、3人産むと社会がそこに生まれて、結構親が関わらなくても子どもたちでやっていくんだよみたいな話を、4人目がおなかにいる親とかから何かまじまじと聞くと、ああ、なるほどと。やはりそういうような、まだ未知の部分というのを知らない方たちに、学生でも産んで育てられる社会とか、あと3人、4人産んで本当に幸せな人って結構いて、産まないか、一杯かみたいな部分があるので、その辺で、もう有害無益なんですけれども、それでも……


松谷講師 その部分は有害無益とは言っていませんので。


松下委員 それでも、目先のことで、本当に1個でも何か文京区にというか、文京区だけではないんですけれども、今のそういうところに何か光が差すとしたら、先生の中でどんなことがあるのか、すみません。


松谷講師 分かりました。

私は経済学者ですし、マクロ経済なものですから、やはり核家族化ということで家族構成が変わってきたので、やはり、社会で育てるという感覚がもう少し出てくる必要がありますよね。それは、本当にそう思います。

ただ、それがどれほどの優先順位を持った政策として位置付けるかという問題はありますが、やはり、基本的に考え方を、子どもは親が育てるものだということは、少し変えていかないと、社会の構造が変わっているというので、私は、そこはやるべきだと思いますね。

ただ、もう一度やるべきことは、社会が何かをやる前に、個人がやれる環境をもっと作ってあげればいいんではないか。例えば、婚姻率がものすごく下がっている。特に、若い人の婚姻率がすごく下がっている。ですから、少子化対策なり、子育て施策で間違っているというか、忘れられているのは、若い人の所得水準がものすごく低いから、結婚できないという事実ですね。だって、ネット難民が結婚できるわけがないんで。要するに、どれぐらい低いかといいますと、今、日本の賃金水準というのは、ドイツの大体3分の2なんですね。総平均すると。ですから、日本を100とすると、ドイツが155、時間当たり賃金で。すごく低いんですよ。それは平均ですから、年功序列で賃金の低い若い人は半分ぐらいなんですね。ドイツの若者の時間当たり賃金の半分ぐらいなんですね。それでは、結婚できない。

しかも、男の子の給料が低いんですね。これは世の東西、やはり結婚というのは男性から言い出すというのは、常にどうも決まっているらしい。そうすると、結婚を言い出せないんで、結婚しない。子どもが欲しいんだけれども、こんなに低い給料では、誰も嫁さんに来てくれないとかいうのもあるんですが、女性のほうもまた、自分の給料が低ければ、それだけ不安ですよね。いずれにしても、私、若い人の給与水準をもっと上げるような、だから、実は少子化対策というのは子育ての支援ではなくて、その前段階の、いかにして若い人の給与水準を上げて、自分で結婚生活を営んでいく能力を上げていくか。そうすれば、その分だけ、いわゆる子育て支援は手を抜けるわけですよね。より必要なところに財源を向けられるわけですよね。だから、これはむしろ自治体ではなくて、国の責任なんでしょうけれども、国がもっと個々人の所得水準を、世界の中でいかに、これだけ低いわけですから、これをもっと何とか直すべきでしょうね。

ここを、では、どう直したらいいかと。問題は、日本の経営構造が問題なんで、日本の経済、企業というのは、要するに自分でほとんどものは開発しないで、欧米で開発されたものを、ロボットを使って大量に安く優秀なものを作ると。これでずっと戦後来たわけですよね。このロボットを使って、しかも相手が開発したものを作っているわけですから、ロイヤリティーを払わなければならないわ、ロボットは使うわというんで、しかも二番煎じですから、一番煎じより安くなければならない。だから、すごく利益は薄いんです。薄利多売なんですね。これは、ずっと戦後、ずっと日本の企業はこうだった。今、その薄利多売が、実はもうアウトになっているんですね。もっと薄利多売の中国や韓国が出てきたということで、日本は今、恐らくこれは経済産業省がやるべきことなんですが、日本の企業構造を改善して、人が作ったものをまねして安くするんではなくて、自分が作って高く売るんですね。今日ちょっとお話しできませんでしたが、働く人が少なくなると、経済も小さくなるんですが、私が言っているのは、減るといったって、たかだか30年で2割しか減らない。あなた方は2割減るから、その2割を外国人で補ってというけれども、もう今のビジネスモデル自体がもう中国や韓国のあおりでアウトになっているんだから、それは無理なんで、2割人が減るんだったら、一人一人を3割高いものにすれば全然問題ないではないですか。3割高いものというのは、要するに自分で開発すれば高く売れるんですよ、競争相手がいないですから。人が開発したものは、競争相手だらけではないですか。だから、必要なのは、政府がやるべきことは、今の目先の足元の経済をどうこうするんではなくて、本当の経営改善をして、もっと利益率を今の3割増しにすれば、もうこれで人口減少の何倍の効果になるわけです。だから、そういうビジネスモデルの転換の方向へ向けた政策をやっていく。それから、やはり少子化対策というか、子育てとかそういうことについては、まず、今の給与格差そのものを何とか変える必要があるんではないかと。

これは実は、今日の最後の資料のところに男性と女性の就業率って書いてありますよね。これを見てくれませんか。フランスなんて50代の後半でもう4割ぐらい働かなくなっているんですよ、男性が。60代になるともう20%ぐらいしか働いていないですね。これは、高齢者でいうと、65歳以上の高齢者で男性の場合、日本で65歳以上の高齢者が働いているのは3割働いているんですね。フランスなんて1%しか働いていないんですよ。これは働くことがいいかどうかという問題は別として、フランスという国は、年を取ったら働かなくて済む社会なんですね。日本は年を取っても働かなければいけない社会なんですね。確実に日本のほうが悪い社会です。何でこんなになるかといったら、賃金水準が違うからですよね。例えば、ドイツだったら、1.5倍あるわけでしょう。ということは、働く期間を3分の2にして同じですよね、日本とね。だから、やはり給与水準を上げるということが、子育てにも役に立つし、その人の人生をより豊かにもしていくんですよね。働きたい人は働けばいいんで、働きたくないのに働かなくてはいけなくて、しかも年金しか頼るものがないというのは問題ではないですか。そうすると、これからのいろいろな高齢社会を考えるときに、実は、非常に大事なのは産業政策のほうが大事なので、これを直せば、相当な子育ての部分にしても、今の給料が倍になれば、例えば、若い子どもを産もうという女性が、今よりも給料が1.5倍になれば、多少ベビーシッターを雇うことができる。今だったら、もうともかく空くのを必死で待つ、空くのを待ちながらも、その場合、ある程度収入があれば、その間ベビーシッターで何とかやるということもできるではないですか。そういう、ある程度自己責任だ何だかんだと言うんだったら、それを満たせるだけの何かを、やはり、自己責任を満たせるというのは、経済、お金ですよね。そうすると、やはり大事なのは、実は日本経済の構造改善で、人の作ったものを上手にまねするんではなくて、人ができないものを作るような、そっちのほうに持っていくべきだと思いますけれどもね。


上田委員長 ありがとうございました。

それでは、本日の研究会を終了させていただきます。

松谷先生には、お忙しい中、御講演いただきましてありがとうございました。(拍手)

御講演いただきました内容につきましては、これから本委員会の調査・研究活動に生かしてまいりたいと思います。

では、松谷先生に、いま一度拍手をお願いいたします。本日は、誠にありがとうございました。(拍手)

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上田委員長 その他、委員会記録につきまして、本日の委員会記録について、委員長に御一任願いたいと思いますが、よろしいですか。

(「はい」と言う人あり)


上田委員長 平成26年11月定例議会の資料要求について、平成26年10月24日金曜日を締切りといたしますので、よろしくお願いいたします。

それでは、自治制度・行財政システム調査特別委員会を終了いたします。

お疲れさまでございました。閉会します。


午後3時01分 閉会

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