施政方針(平成27年2月定例議会)

更新日 2022年10月13日

平成27年2月文京区議会定例議会(平成27年2月10日)

~すべての世代の豊かな暮らしを27(にな)う予算~

平成27年2月文京区議会定例議会において、27年度の予算案をはじめ、関係諸議案のご審議をお願いするに当たり、私の所信の一端と新年度の主な施策の概要を申し上げ、区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力を賜りたく存じます。 

区を取り巻く状況と、基本構想の実現に向けた区政運営の推進

国においては、昨年末の衆議院議員選挙に基づいて、新たな執行体制の下、大震災からの復興を加速させるとともに、「経済の好循環」の更なる拡大や、「活力ある日本社会」を維持することを目指して、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」などにより、今後5か年の政策目標や施策の基本的方向等をまとめ、地域の発展を柱とする取り組みが示されました。
また、子ども・子育て支援新制度がこの4月から施行されるほか、臨時福祉給付金や、子育て世帯臨時特例給付金を引き続き支給する方針が示されています。
都においては、27年度当初予算を「東京を「世界一の都市」へと飛躍させる予算」と位置づけ、多くの新規事業を盛り込んだ積極的な施策展開を掲げております。
本区としても、国や都の動向を注視しながら、適切に対応してまいります。
区の財政においては、27年度当初予算では、歳入の根幹を占める特別区税が昨年度に比べ6.6%の増を見込んでいるものの、都区財政調整交付金は、法人住民税の国税化の影響の出現によって、減額となっております。歳出においては、子育て支援、高齢者施策をはじめとした社会保障関係経費の更なる増加への対応や老朽化した校舎の改築、区民センターの改修工事など大きな財源を必要とする事業を行ってまいります。
このような状況においては、安定的かつ健全な財政基盤を確立し、将来を見据えた着実な行財政運営が、更に重要となっていくものと考えております。
私は、基本構想に掲げた本区の「将来都市像」である“歴史と文化と緑に育まれた、みんなが主役のまち「文の京」”の実現に向けて、区民との更なる協働を進め、新たな担い手とも力を合わせて、全力で取り組み、自治体経営の責任者として、その責務を果たしてまいります。

当面の課題

これから取り組むべき課題は多岐にわたりますが、ここで、区政運営における当面の課題として、2つ申し上げます。
まず、少子高齢社会への対応についてであります。
今後、都心部においても、少子高齢化の更なる進行が確実に予想されることから、少子化対策を行いつつも、増え続ける高齢者人口を見据えた施策を幅広く展開していくことが、一層必要となっております。
現在、平成27年度を初年度とする新たな「地域福祉保健計画」の分野別の計画として「地域福祉保健の推進計画」、「子育て支援計画」、「高齢者・介護保険事業計画」、「障害者計画」の策定に取り組んでおります。
これらの計画に基づき様々な施策を展開し、誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられるまちの実現に向け、地域福祉保健施策を更に充実してまいります。
27年度重点施策では、高齢者施策として行方不明認知症高齢者ゼロ推進事業や、認知症ケアパス作成・普及事業を実施し、喫緊の課題の一つである認知症に関する総合的な対応を一層推進するほか、認可保育所や育成室の整備を進めるとともに、次世代育成支援の一環として、男性不妊検査費助成事業を展開し、男性も治療に参加しやすい環境を整えてまいります。
また、「ハッピーベイビープロジェクト」では、本年3月にフェスタを開催するなど、今後とも、健康の維持・向上と妊娠・出産の正しい知識の普及に取り組みます。
次に、2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けての取り組みについて申し上げます。
2020年東京オリンピック・パラリンピックの開催は、東京が成熟都市の更なる質的発展を成し遂げ、世界一の都市へ飛躍することを目標に、スポーツを通じた夢と希望、感動を与えられる素晴らしい祭典として期待されています。
昨年開催されたIOC臨時総会において、競技種目を追加提案できる権利が開催都市に認められました。これを受け、区と区議会は、2020年東京大会での野球・ソフトボール競技の復活と東京ドームでの開催についての要望書を、昨年末、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に提出したところです。
本年は、6月に行われるサッカー女子ワールドカップでのパブリックビューイングや7月には、シビック大ホールでオリンピアン・パラリンピアンを招いたキックオフイベントの開催等、2020年東京大会の成功に向けた気運の醸成に取り組んでまいります。
さらに、2020年東京大会は、「文の京」の魅力を国内外に発信する絶好の機会と捉えています。そのためには、区民と協働し、「おもてなしの心」で国内外からのお客様をお迎えする必要があります。本年は、そのための重要な役割を担う観光・語学・スポーツボランティアの育成をはじめ、区有施設及び区内各種サインの多言語対応等にも取り組んでまいります。
今後は、観光、国際交流、まちづくり等様々な分野の施策を計画的に連動させることにより、「文の京」の魅力を更に高め、オリンピック・パラリンピックのレガシーを創造するとともに、次世代に継承できる施策を展開してまいります。

「行財政改革推進計画」の着実な実行による効率的な自治体経営

次に、行財政改革への取り組みについて申し上げます。
区財政は、平成25年度決算において、特別区税と都区財政調整交付金がともに増収となり、経常収支比率は83.2%と前年度に比べ、2.5ポイント改善したものの、4年連続して適正水準を上回っております。
このような財政状況を踏まえた上で、基本構想の実現に向けて、より質の高い効率的な行政体制を構築していく必要があります。引き続き、「行財政改革推進計画」に掲げる「健全な財政運営の確保」と「区民サービスの向上」の両立を志向するとともに、「品質志向の区政運営」を推進してまいります。

平成27年度予算の概要

次に、平成27年度予算について申し上げます。
私は、新年度の予算を「すべての世代の豊かな暮らしを27(にな)う予算」と位置付けました。
すべての区民が豊かさと安心を実感できるよう、予算編成に当たっては、「基本構想実施計画の実行に関するもの」をはじめとして、「子育て支援施策」、「高齢者施策」、「災害対策など危機管理の強化につながる施策」などを、重点的に取り組むべき施策として選定いたしました。新規事業について果敢にチャレンジするとともに、既存の事業については不断の見直しを行い、効率的・効果的に執行することで、着実に成果をあげてまいります。
また、国際貢献として、ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関である「UN Women」日本事務所のシビックセンター内開設を支援し、文京区から「女性が輝く社会づくり」の重要性を発信してまいります。
なお、昨年、本区は、トルコ共和国イスタンブール市ベイオウル区と友好交流に関する覚書を締結し、防災協力を実施することとなりました。今後、本区の防災対策事業のノウハウを活かし、ベイオウル区に対し、国際協力機構(JICA)の草の根技術協力事業を活用し、防災対策事業を実施してまいります。

子どもの健やかな成長とすべての子育て家庭への支援

次に、予算の具体的な内容について申し上げます。
はじめに、子どもの健やかな成長とすべての子育て家庭への支援についてであります。
本年3月に新たに策定いたします「子育て支援計画」に基づき、幼児期の教育・保育などの量の拡充や質の向上を図るとともに、子どもの健やかな成長の支援や地域社会全体で子どもを育む体制の構築などを更に推進してまいります。
まず、保育所待機児童の解消に向けて、引き続き、私立認可保育所の開設を進め、保育サービス量の拡充を図るほか、お茶の水女子大学と協働し、大学敷地内に保育所型区立認定こども園開設の準備を進めます。
また、文京区版幼児教育・保育カリキュラムの策定に取り組み、区立の幼稚園・保育園において、等しく質の高い幼児教育・保育を提供する環境を整えるなど、保育の質の向上にも取り組んでまいります。
さらに、すべての子育て世帯が安心して子育てができるようハッピーシッター事業や子育て訪問支援券の交付、訪問型病児病後児保育利用料の助成など、一時的な保育需要への対応を充実するとともに、女性や子どもに関する相談体制の更なる充実を図ってまいります。
また、全ての就学児童が放課後等を安全・安心に過ごせるよう、学校施設等を有効活用した新たな「小学生を対象とした放課後の居場所づくり」として、放課後全児童向け事業を展開してまいります。
なお、本年4月には、青少年プラザ「b-lab」が開設となります。オープニングイベントや、各種ワークショップ、「出張b-lab」等を展開し、継続的な利用を促していきながら、中高生の自主的な活動を応援してまいります。

「生きる力」を育む教育活動の推進と環境の整備

2点目は、「生きる力」を育む教育活動の推進と環境の整備についてであります。
昨年3月策定の「教育振興基本計画」に基づき、「知・徳・体」のバランスのとれた、子どもたちの「生きる力」を育んでまいります。
まず、本年4月に開設する新しい教育センターにおいて、教育相談と子どもの発達相談の窓口を一元化することにより、乳幼児期から学齢期までの切れ目のない相談体制を構築するほか、不登校等の予防、いじめ等の早期発見・早期対応に資するための体制を更に充実してまいります。
また、新しい教育センター内に新たに児童発達支援センターを整備して、子どもの成長段階に応じた適切な療育を行い、支援の拡充を図ってまいります。
次に、健康・体力増進事業として、区内大学と連携し、児童の体力向上や、健康教育に取り組むとともに、小中学生に対し「がん」に対する理解を促進するため、がん教育を推進してまいります。
さらに、幼稚園・保育園と小学校及び中学校との円滑な接続のため、ブロック別の協議会を開催し、教育課程の改善、家庭教育の連携等による教育的効果を総合的に検討することにより、更なる連携教育を推進し、「小1問題」「中1ギャップ」の未然防止を図ってまいります。
また、子どもの読書環境の整備と読書活動の充実を図るため、区立図書館の司書等の学校図書館への派遣について、支援回数を増加させるとともに、対象を全校に拡大してまいります。
次に、教育環境の整備についても積極的に取り組んでまいります。学校施設の快適性向上として、築30年以上が経過している小・中学校を対象に、普通教室、廊下・階段等の内装改修及び水周り等の設備改修を基本とし、計画的に実施してまいります。
さらに、老朽化した学校施設の改築・改修については、誠之小学校及び明化小学校の改築基本構想を検討の上、整備方針の策定等を進めてまいります。
加えて、より安全な教育環境を築くため、本年については小学校、平成28年度以降については中学校及び幼稚園に防犯カメラを順次設置することにより、学校・幼稚園の防犯・安全体制を強化してまいります。

高齢者・障害者福祉の充実

3点目は、高齢者と障害者の福祉の充実についてであります。
高齢者・介護保険事業では、医療、介護、介護予防、住まい及び日常生活の支援が切れ目なく包括的に確保される、地域包括ケアシステムの構築を目指します。
今後、団塊の世代が後期高齢者となる平成37年に向けて、要介護・要支援認定者の更なる増加も予想される中、本年4月に施行される改正介護保険法の趣旨を踏まえ、本区でも、この10年間を見据えた中長期的な視点に立ち、介護サービスや生活支援サービスの提供を図っていく必要があります。
そのため、情報提供や相談体制の充実、介護と医療の連携、介護予防、介護事業者への支援等の取り組みを更に進めるとともに、多様な主体による生活支援サービスの体制整備を着実に行ってまいります。
さらに、生活の基盤として重要な住宅の確保に配慮を要する高齢者等を対象として「文京すまいるプロジェクト」を展開し、可能な限り住み慣れた地域でその有する能力に応じ、自立した日常生活を営めるよう住まい方を提案いたします。
また、本年4月に開設する文京総合福祉センターは、民間事業者による区内で初めての障害者入所施設や、老人福祉センターと地域福祉振興施設を併せた文京福祉センター江戸川橋、子育てひろば等が併設されるなど、障害者部門、高齢者部門、子育て支援部門の充実を図る総合的な福祉施設となります。
加えて、施設内には、地域における相談支援活動の中核的な役割を担う専門機関として新たに障害者基幹相談支援センターを設置し、地域の特性や身体・知的・精神障害者及び難病患者の状況に応じた相談支援体制の強化を図ってまいります。
さらに、増加する就労支援対象者への対応や、多様な障害への専門的な支援を継続的に行っていくため、民間のノウハウを活用した障害者就労支援センターにリニューアルし、支援体制を強化してまいります。
そのほか、民間事業者による福祉施設の整備として、3月には高齢者ショートステイ施設とグループホームが、4月には障害者グループホームと日中活動系サービス施設が小石川に開設します。
今後は、特別養護老人ホームや介護老人保健施設、小規模多機能型居宅介護施設、障害者グループホームや障害者日中活動系サービス施設などの整備について、引き続き、区有施設の跡地を有効に活用するほか、国有地についても積極的に活用を図ってまいります。

健康づくりの推進と健康危機管理体制の充実

4点目は、健康づくりの推進と健康危機管理体制の充実についてであります。
「保健医療計画」を引き続き着実に実施していくとともに、区民一人ひとりの主体的な健康づくりへの参加を促進していくことで、だれもが健やかに安心して暮らせる地域社会の実現を目指してまいります。
地域において妊産婦やその家族を支える力が弱くなってきている中で、より身近な場で支える仕組みをつくるため、文京区版ネウボラ事業を行い、妊娠・出産・子育て期にわたる切れ目のない支援を実施してまいります。具体的には、母子保健コーディネーターを配置して、すべての妊産婦の状況を継続的に把握し、支援ニーズを踏まえた情報提供や関係機関との調整を行うほか、両親学級の実施回数を拡充するとともに、土曜子育て相談・パパママ交流などの産前産後サポート事業、更には、宿泊型ショートステイ等の産後ケア事業を新たに実施するなど、産前産後の不安の解消や、地域での仲間づくりを促進してまいります。
また、予防接種について、接種もれ等を防止し、接種率の向上と安全な接種環境を実現するため、予防接種スケジュール管理モバイルサービスを導入するとともに、里帰り先で接種した予防接種の費用の公費負担を実施してまいります。
次に、健康危機管理については、地震等の大規模災害発生時に、迅速かつ的確な医療救護活動を実施できるよう医療関係機関と連携し、災害医療体制の充実を図ってまいります。各医療救護所で使用する衛生材料の整備や、医療従事者を対象にしたトリアージ研修会を実施するほか、災害医療運営連絡会に、新たに地域災害医療コーディネーター等を加え、連絡体制を強化してまいります。
また、大規模災害発生時における感染症特定のため、検査用試薬を確保するとともに、非常用電源等の機材を整備してまいります。

地域との協働・コミュニティの活性化

5点目は、地域との協働・コミュニティの活性化についてであります。
区政課題の解決に当たって、地域が果たす役割は非常に大きく、また、コミュニティの活性化が重要であることは言うまでもなく、これまでも、地域活動団体、とりわけ町会・自治会を核とする活動に対する支援を行うことで、その活発化を図ってまいりました。
引き続き、様々な広報媒体や機会を活用し、町会・自治会への加入促進や、各地域で行われる事業での協働を進めるとともに、地域活動センター広報紙の発行、地域を知るセミナーの実施等により、活動の場の機能強化を進めてまいります。
また、平成24年度から社会福祉協議会と連携して行っている「地域福祉コーディネーター」の配置事業については、実施地区を広げることとしております。区としても、多様化する地域のニーズを捉え、住民が主体となって地域課題の解決を図る取り組みを支援してまいります。
さらに、25年度より開始いたしました新たな公共プロジェクトにおいても、地域課題の解決プロジェクトが、いくつか生まれてきており、地域活動の担い手を生み、育む仕組みとして、成果を挙げつつあります。本年も引き続き、新たな公共プロジェクトに取り組み、地域の課題は地域で解決する土壌の醸成を進めてまいります。
加えて、先程申し上げたお茶の水女子大学との協働による区立認定こども園の開設、跡見学園女子大学との協働によるシニアプラザ事業等、様々な施策において、区内大学との連携を更に進めてまいります。

活力みなぎる産業と商店のあるまちの実現

6点目は、活力みなぎる産業と商店のあるまちの実現についてであります。
区内中小企業の景気回復の状況については、業況によって、ばらつきがみられる中で、本区では、区内産業の活性化に向け、職員による区内企業の訪問を強化しており、経営相談を受ける中で、個別具体的な経営課題の解決に向け、各種助成事業や融資あっせん利子補給、区内外との異業種交流など、多様な支援策を実施してまいりました。
さらに、昨年11月からは区内中小企業調査を実施しており、今後、調査結果を踏まえた企業訪問を行うことで、個々の企業とのつながりを一層深めるとともに、時代のニーズをとらえた第二創業等に関わる融資や経営相談の拡充を含め、より適切な支援メニューを検討してまいります。
また、商店街振興については、商店街販売促進事業や商店街環境整備事業など、地域性や独自性のある取り組みや環境整備を引き続き支援していくほか、国や都の交付金を活用し、地域の消費を喚起するプレミアム付きお買い物券の拡充を図るなど、一層の商店街支援を行ってまいりたいと考えております。
次に、新年度からの新たな取り組みとして、メディカルHongoプロジェクトに着手いたします。区の医療機器産業と連携を希望する全国の自治体と、医工連携に係る協議会を設置し、ネットワークの構築を図るほか、医療機器産業とモノづくり産業との交流を目的として、展示商談会等を行ってまいります。
また、昨年1月20日に施行された産業競争力強化法に基づき、「創業支援事業計画」を策定するとともに、創業支援施策を強化いたします。具体的には、現在実施しております起業家支援セミナーをリニューアルし、講座の充実を図るとともに、創業希望者と創業経験者の交流機会を設けたり、創業に関する専任担当者による相談機能を強化するなどして、新たなビジネス展開を支援してまいります。
さらに、ますます複雑巧妙化する消費者トラブルに適切に対応するため、引き続き、消費者相談室の機能強化を図り、消費者被害の未然防止に努めるとともに、消費者の自立を支援するため、体系的に消費者教育を推進してまいります。

「文の京」の歴史・文化の伝承と創造、魅力の発信

7点目は、「文の京」の歴史・文化の伝承と創造、魅力の発信及び生涯スポーツの振興についてであります。
本区は、伝統文化や歴史・文化資産が多く存在するほか、様々な教育機関に加えて個性あふれた博物館や美術館なども多く、「文教のまち」として発展してきました。
旧熊本藩細川家下屋敷の庭園跡地である新江戸川公園については、現在整備を進めており、本年は、池の菖蒲田と塀の改修工事などに着手してまいります。公園内の集会所を有する松聲閣についても、歴史性に配慮した改修工事等を実施しており、平成28年1月からの供用開始に向け、来園者に親しまれる施設としてまいります。
さらに、近隣の観光施設等と連携を強化し、地域全体の魅力を高めるため、ガイドツアーや周辺観光マップの作成などのまちあるきを促進する事業を展開し、新江戸川公園からはじめる緑と歴史のまちづくりを進めてまいります。
また、区と東京大学との連携事業の一環として創設される区内中学生以上の女性を対象とした地域密着型女子サッカークラブチームの活動を区・東京大学・日本サッカー協会が協働して、支援してまいります。
加えて、スポーツセンターについては、オリンピック・パラリンピックでの利用も想定されることから、施設のバリアフリー化や地球温暖化対策等、全面的な改修工事の実施設計に着手してまいります。
また、区民の生涯学習を支援する施設である真砂中央図書館については、区民ニーズに沿った機能の充実を図るため、設備を更新し、区民がより快適に利用できるよう、改修工事を行ってまいります。
なお、生涯学習、文化・芸術、スポーツ、観光及び国際交流の五つの分野を包括する「アカデミー推進計画」については、昨年、実態調査を実施し、27年度は本格的な改定作業を進めてまいります。この計画は、オリンピック・パラリンピックの開催に向けた取り組みにも大きく関わるものであり、分野間の連携を図り横断的な観点からも施策の展開を図ることを目指してまいります。
また、区制70周年記念事業として今年度より編纂に着手した文京区史については、27年度は企画案を固め、原稿執筆に着手する予定です。

安全・安心で快適なまちづくりの推進

8点目は、安全・安心で快適なまちづくりの推進についてであります。
災害に強いまちづくりを実現するため、本年3月に改定する「耐震改修促進計画」に基づき、建築物の耐震化に取り組んでまいります。
さらに、耐震性が不足する木造住宅の建替え時に要する解体費用の助成対象地域を拡大するとともに、分譲マンションの耐震化助成金上限額を引き上げることにより、区内建築物の耐震改修を促進してまいります。
加えて、不燃化特区の指定及び新たな防火規制区域指定が施行された大塚五・六丁目地区においては、不燃化建替や老朽建築物の除却に対する助成を開始し、燃えない・燃え広がらないまちづくりを進めてまいります。
また、誰もが暮らしやすいバリアフリーのまちづくりを推進するために、高齢者・障害者・事業者等から構成する協議会を設置し、「バリアフリー基本構想」を策定してまいります。
次に、防災対策については、平成24年3月に「地域防災計画」を修正した後、防災意識の啓発や区民防災組織の防災資器材の充実、関係機関等が連携して行う防災訓練の実施など、自助・共助の備えを強化し、地域防災力の向上に取り組んできたところです。今後も、地域で主体的に防災活動を行うリーダー等の育成や、福祉避難所の充実、災害時要援護者の支援等の課題に積極的に取り組んでまいります。

環境保全の推進

9点目は、環境保全の推進についてであります。
平成10年度に策定した「環境基本計画」について、環境・社会情勢の変化等を踏まえ、見直しに着手いたします。本年は、まず、改定に当たり区内の現況を把握するとともに、課題を整理するための基礎調査等を行ってまいります。
さらには、廃棄物対策についても、一般廃棄物処理基本計画である「モノ・プラン文京」に基づき、廃棄物等の発生抑制を主眼とした効果的な施策を進めておりますが、本計画が中間年度を迎えたことにより、引き続き、見直しを進めてまいります。
本区の環境保全政策の礎となるこれらの計画について、見直し・改定を行うことで、今後の効果的な施策の実施につながり、将来世代に良好な環境を引き継ぐことができると考えております。
また、地球温暖化対策として、新エネルギー・省エネルギー等利用促進事業の助成メニューに、新たに家庭用蓄電システムの設置費助成を加え、低炭素社会の実現に向け、積極的な取り組みを進めてまいります。

おわりに

以上、平成27年度予算の主な施策について申し上げました。
子育てや医療・介護、年金などの社会保障の充実と安定化が求められる中で、区民に最も身近な自治体の長として、本年も引き続き、行政ニーズを的確に捉え、必要な施策を積極的に展開し、全力を挙げて区政運営に取り組んでいく所存であります。
私は、未来を担う子どもたちと地域の功労者である高齢者をつなぐ「責任世代」として、就任以来一貫して「子どもたちと高齢者への応援歌」を掲げ、様々な世代を支える施策の充実に全力で取り組んでまいりました。
この間、社会経済状況はめまぐるしく変化し、東日本大震災という未曾有の大災害の発生もありました。地域や家族の「絆」が見直される中で、地域の力を大切に、区民、地域活動団体、NPO、事業者など新たな公共の担い手と協働し、区政課題に立ち向かってまいりました。
また、本区の10年後の将来像と、その実現に向けた基本的な姿勢を示すべく、区民の皆様と共に創り上げた基本構想も、本年で策定から5年となり、計画期間の折り返し地点を迎えることとなります。
私は、今後も、この基本構想を着実に進め、子どもから高齢者まで、あらゆる世代の区民が、ふれ合い、支え合い、助け合える、みんなが主役のまち、そして20万人を超える区民の皆様が、心から誇りを持って未来へと継承できる「文の京」の実現に向けて道を拓くべく、これからも、たゆまぬ努力を続けることを、ここにお約束いたします。
結びに当たり、区議会をはじめ、区民の皆様の一層のご理解とご協力を心からお願い申し上げ、平成27年の施政方針といたします。
ご清聴ありがとうございました。

【本文は口述筆記ではありませんので、表現その他に若干の変更があることがあります。】
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