|
|
本会議録(平成19年第4回定例会第4日、平成19年11月26日) |
更新日 2008年02月19日 |
|
|
十一月二十六日(月曜日)
出席議員 一番 田中としかね 二番 菊見 直広 三番 海老澤敬子 四番 松下純子 五番 渡辺智子 六番 上田由紀子 七番 浅田保雄 八番 萬立幹夫 九番 国府田久美子 十番 高畑久子 十一番 白石英行 十二番 名取顕一 十三番 橋本直和 十四番 高山泰三 十五番 山本一仁 十六番 若井宣一 十七番 松丸昌史 十八番 前田くにひろ 十九番 田中和子 二十番 板倉美千代 二十一番 関川今朝子 二十二番 田口孝一 二十三番 宮崎文雄 二十四番 武澤房吉 二十五番 戸井田ひろし 二十六番 渡辺雅史 二十七番 品田ひでこ 二十八番 藤野美子 二十九番 岡崎義顕 三十番 堀内喜司夫 三十一番 角野英毅 三十二番 村越まり子 三十三番 小林 進 三十四番 島元雅夫
欠席議員 なし
欠員 なし
出席説明員 区長 成澤廣修 副区長 小祝英二 教育長 根岸創造 企画政策部長 青山忠司 総務部長 岡崎義隆 区民部長 三縄 毅 福祉部長兼福祉事務所長 齋藤啓子 男女協働子育て支援部長 大角保廣 介護保険部長 小松壽博 文京保健所長兼保健衛生部長 大黒 寛 都市計画部長 小野孝道 土木部長 松田照雄 資源環境部長 太田久仁宣 施設管理部長 奥山勇五郎 会計管理者 佐藤一夫 教育推進部長 下田一美 監査事務局長 太田進一 総務課長事務取扱総務部参事 瀧 康弘
事務局職員 事務局長 原口洋志 議事主査 木内実三男 議事主査 齋藤勝美 調査主査 諸 久子 主任主事 坂田賢司
議事日程 日程第一一般質問について
午後二時開議
○議長(橋本直和) ただいまから、本日の会議を開きます。
○議長(橋本直和) まず、本日の会議録署名人の指名を行います。
本件は、会議規則に基づき、議長において、 十七番 松丸 昌史議員 十九番 田中 和子議員 を指名いたします。
○議長(橋本直和) これより、日程に入ります。
日程第一、一般質問を行います。
〔関川今朝子議員「議長、二十一番」と発言を求む〕
○議長(橋本直和) 二十一番関川今朝子議員。
〔関川今朝子議員登壇〕(拍手)
○関川今朝子議員 私は、第四回定例会に当たり、日本共産党を代表して、後期高齢者医療制度、東大赤門近くの超高層マンション建設問題、子育て支援、生活支援の施策について、第五中学校・第七中学校の統合問題、清掃リサイクル問題について、区長並びに教育長に質問いたします。
初めに、来年四月実施予定の後期高齢者医療制度について伺います。
この制度は、一連の高齢者いじめのきわみです。私どもが行った後期高齢者医療制度のアンケート調査では、「私も九十歳になり、戦後、今まで生き抜いてきました。年寄りはぜいたくもしないのに、どうしたらよいか。昔人だから保険料を滞納しないで払うものはきちんと払ってきましたが、高くなれば払えなくなるかもしれません。長生きも不安です」、「保険料が払えない人は病院に行けない、死ねということでしょうか」、「資格証明書発行の制度自体反対です。なぜ保険料を滞納せざるを得ないのか、支払いの状況をつかんでほしい。収入減で払える状況ではない。社会保障にもっと税金を使ってほしい」、「滞納の原因はお金がないからで、貧者に全額負担は政治のやることではない」など、怒りや不安の声が寄せられています。
後期高齢者の医療制度の中身が知られてくる中で、高齢者、国民、自治体、地方議会、医療関係者などから一斉に批判の声がわき起こり、全国二百九十五自治体から意見書が出されています。
このような中で、自民党と公明党がその負担増の一部凍結で合意しましたが、これも世論に押された結果ではないでしょうか。しかし、その中身は、新制度導入に合わせて始める七十歳から七十四歳の窓口負担増を一年延期する、七十五歳以上の被扶養者が新たに徴収される保険料を半年間凍結、あとの半年は保険料を一割に減額するというもので、対象も期間も限定されています。後期高齢者医療制度の中止、保険料の抑制と減免、また、高齢者の公的医療と生存権を守ることにこたえるものとなっていません。
低所得者の負担増は過酷です。東京の一人当たり平均保険料が年額で十万二千九百円と示されました。二十三区在住者の場合、年金収入が年額三百八十八万円以上の人は減額となる一方、それ以下の年金収入の方の保険料は現行の国民保険料と比べて増額になります。しかも、その保険料を月一万五千円以上の年金受給者からは介護保険料とともに年金天引きされるのです。
保険料の抑制のためには、公費負担の拡大が不可欠です。文京区議会として国に意見書を上げたように、療養給付に対する定率国庫負担の十二分の四を確保し、広域連合間の所得格差を調整する調整交付金は国において別枠で調整額を確保するよう求めること。また、東京都に対し、高齢者医療確保法第百三条による補助金交付を求めること。低所得者には特に負担軽減を図ることが、今、強く求められています。改めて区長に、後期高齢者医療制度についての認識を伺うとともに、保険料抑制のための積極的な対応を求め、伺うものです。
また、現行の老人保健制度では、七十五歳以上の高齢者は国の公費負担医療を受けている被爆者や障害者と同じく、保険証取り上げが禁止されています。しかし、後期高齢者医療制度では、保険料を滞納したら保険証を取り上げられ、命にかかわる事態も生まれかねません。直ちにやめさせるべきだと考えますが、区長に伺うものです。
現在、サラリーマンの被扶養者として健保に加入している人も、新制度に移行後は保険料が徴収され、七十五歳以上の人だけはどんな低所得者でも被扶養家族から切り離し、世帯主が収入のある人の場合、二割、五割、七割減額も適用にならない、こんな差別的な医療制度が許されるでしょうか。過酷な保険料徴収に加え、後期高齢者と七十四歳以下の人は診療報酬が別立てとなり、後期高齢者の診療報酬は包括払い、定額制とし、保険が使える医療に上限をつけるという世界にも例のない差別医療制度です。日本共産党は、この制度は撤回、廃止すべきと考えています。国に四月実施の中止を求めるべきと思いますが、いかがでしょうか。
保険料は二年ごとに見直しを行い、医療給付の総額や後期高齢者の人口がふえても保険料が引き上げられる情け容赦のない仕組みです。厚生労働省は、後期高齢者の保険料の負担率と高齢者支援金の負担率は、保険料については一割、現役世代が負担する後期高齢者支援金は四割ですが、今後、後期高齢者の人口は増大する一方、現役世代人口は減少すると見込まれており、現役世代人口の減少による一人当たりの負担の増加については、後期高齢者と現役世代とで半分ずつ負担し、後期高齢者の保険料の負担割合は引き上げ、後期高齢者支援金の負担率は引き下げることにするとしています。この結果、厚労省の試算では、制度発足時の保険料は二○一五年には○・八%増加し、負担率は一○・八%になると推計されるなど、将来の保険料が自動的に値上げされる制度を区長はどう考えますか、お答えください。
さらに、後期高齢者に対する保健・健診事業は、今までどおり無料に受けられるように国や東京都に財政支援を求めること。また、保険料減免制度を創設し、被災の場合だけでなく、生活困窮の場合も対象とすること。生活困窮の基準は、生活保護基準の一・五倍程度とするとともに、被保険者の介護保険利用料や医療費負担を所得控除できる仕組みとすること。減免のための財源は公費で負担し、保険料に上乗せしないことを求め、区長に伺います。
次に、東大赤門近くの超高層マンション建設問題で伺います。
昨年二月、東京大学赤門に隣接する学士会館南側のビル跡地に、一棟が十四階建てともう一棟が十五階建てのマンション計画が明らかになりました。地元住民は、周辺の建造物より十メートルも高いこの計画について、江戸時代から続く本郷の歴史的景観や地域環境を心配しながら、決して好ましいと思って認めたわけではありません。と同時に、これを機に、商店主でつくる本郷五丁目実業会は、まちなみの将来を心配して、これまで不文律だった建物の高さは十五階以下にという申し合わせを明文化しました。これには広範な地元住民の賛同がありました。
ところが、ことしに入って、大手建築主は、敷地面積を広げ、何と一年前のほぼ二倍にもなる二十五階建て、高さ九十メートル級のマンション計画を明らかにしましたが、地元町会や住民から反対の声が上がると、二十三階に変更して説明会を開くというありさまです。これに対して地元町会や住民は、「みんなで守ってきた由緒ある落ち着いたまちなみに、超高層マンションはそぐわない。土足で踏み込むような行為だ」と怒り、本郷赤門周辺の景観を守る会を結成し、計画変更の署名活動や区議会への請願、著名人を呼んでのまちづくりの講演会を開催するなど、重要文化財である赤門周辺の環境を守るため、みんなのまちをみんなの力で守ろうと自発的に運動を進めています。
しかし、建築主は、この願いに応じるどころか、当初の計画を推し進めようとしています。今回の計画は、法定容積率は六○○%であっても、この間の建築基準法の規制の緩和によって実質的に容積率が八五六%に匹敵する計画です。この計画がたとえ建築基準法でクリアされたとしても、景観まちづくり、まちの安全性の面から考えたときにどうなのか疑問を持たざるを得ません。区としてこの点についてどう考えるのかお答えください。
本郷赤門周辺の景観を守る会は、九月二十五日の建設委員会に、建築計画に当たっては、地域のまちなみ、景観、環境に十分配慮し、環境や景観の悪化に対する住民の不安を考慮して十分な協議を重ねるよう、建築主に対し指導いただくことという請願を提出し、全会派の賛同を得て採択されました。区は建設委員会で採択された請願の趣旨を重く受けとめ、建築主に対して十分な指導を行うべきです。この請願が採択されてから、区はどのような指導を行ったのか伺います。
また、景観や環境などの問題で、今後、どのような指導を行うつもりなのか伺います。特に、守る会の方々は、本郷五丁目は東大赤門を初め、文化財、旧跡などの多い地域であり、景観や環境、まちなみを守るべき要請の高いまちですと強調しています。区の景観条例の中の歴史的景観形成地区の指定など、具体的な方策についての検討ができるのではないか。また、文化財保護条例を駆使して、赤門やその周辺に及ぼす影響について調査、検討することができるのではないかと考えます。そのことが、請願者の願意にこたえることになるのではないでしょうか。あわせて伺います。
また、今回の計画が重要文化財である赤門に及ぼす影響について、建築主が文化庁との協議を行っているのか、区として把握しているのか伺います。
今、全国のあちこちで、景観を守る取り組みが進められています。国立市の大学道路沿いに建設された十四階建ての高層マンションをめぐる裁判で、最高裁は初めて景観利益、良好な景観の恩恵を受ける権利を認める判決を出し、京都市では、市街地の建物の高さを都市計画の変更によって上限が四十五メートルから、原則三十一メートル、十階程度に、中心部では十五メートルまで下げる新景観政策をことしの九月に実施しました。目黒区では、都市計画法に基づく容積率に応じて絶対高さを定め、容積率二○○%以下は十七メートル、三○○%は二十メートル、四○○%は住居系が三十メートルなど、区内八割が十七メートル以下にする建物の高さ制限強化を来年十月にも決定するという政策を打ち出しています。区もこれらの例を参考に、本郷通り赤門周辺の景観を守るため、今回の計画に間に合うよう、絶対高さ制限を設けることや、さらに、都市マスタープランの改定時に文京区全体に絶対高さ制限を設け、区内の住環境の整備を図るべきと思いますが、伺います。
次に、急がれる保育園待機児対策などで伺います。
現在の保育園待機児数は何人でしょうか。また、来年四月に向けて保育園の定員増をどの程度見込んでいるのか伺います。
今、文京区は、区外からの転入がふえており、特に三十から四十代のいわゆる子育て世代が多いという傾向が続いている中、区の人口が十八万五千人を超えました。マンション建設も区内各所で進んでいる動向に比例して、保育園の待機児もさらにふえると思われます。常態化している待機児をなくしていくためにも、区が責任を持つ区立保育園の増設計画を早急に立てるべきと思います。あわせて、産休明けやゼロ歳児の受け入れ枠の拡大も進めるべきですが、区の認識を伺います。
また、在宅育児をしている母親への応援も急務です。子育てひろば西片、汐見には、お弁当を持って毎日通う母親から、「指導員の先生たちのアドバイスによって子育ての不安が消えた」、「ここがあったから次の子を産むことができた」などの声が寄せられ、利用している母親を応援する大切な居場所となっています。父親が年休をとってお子さんと来ることもふえてきているとのことです。昨年度の登録者は約一千四百名です。しかし、汐見には、関口、音羽、小日向地域からの利用者は一人もいません。また、西片には、関口から一人、音羽からは二人しかいません。距離の問題や坂がたくさんあることなど考慮したら、利用したくとも利用できない母親は大勢いるはずです。学校の余裕教室の利用なども含め、小日向から大塚、目白台地域への子育てひろばの増設を早急に進めるべきと考えます。答弁を求めます。
区が発行している子育てガイドの中に、父親たちがもっと子育てに参加できるよう、現在参加している父親の声を積極的に取り入れて発信すべきです。また、経済的困難が問題となっている中で、就学援助制度や母子家庭、ひとり親家庭への支援制度についても書き込み、周知していくべきです。区長の答弁を求めます。
次に、妊婦健診の区独自助成の大幅拡充を求めて質問いたします。
ことし、荒川区在住の女性が、都内に受け入れ可能な病院が見つからず、数時間もかかって川崎市の病院に搬送され入院したものの、死産をするという痛ましい事例がありました。問題の背景にあるのは、深刻な医師不足とともに、経済的困窮から健診を受けない妊婦がふえ、かかりつけ医がいないため、飛び込み出産を拒否されるケースも生まれています。妊婦検診は健康保険が適用されないので、一回当たり五千から六千円で、出産までは平均十三から十四回になる負担は大変です。区はこの間、五回ぐらいをめどに拡充するとの答弁がありましたが、台東区では一回六千円、最大十二回、杉並区では一回五千円、最大十二回と、十一区で手厚い独自支援制度が始まりました。渋谷区では、二十三区で最も低い出生率でしたが、五万円の支給を始めた昨年度は一千五百七十件の申請があり、ことしも増加傾向で、助成が出生率を引き上げる要因の一つにもなっていると分析しています。また、新宿区や足立区では、里帰り出産も助成の対象にしています。文京区独自に妊婦健診を十四回まで助成し、安心して出産できるよう来年度予算に盛り込むべきと考えます。答弁を求めます。
次に、介護認定を受けている方々の所得税・住民税の障害者控除認定の問題で改めて伺います。
前議会の質問に、区長は、周知方法は区報とホームページに加え、「特別区民税・都民税申告の手引き」や「高齢者のための福祉と保健のしおり」に掲載しているとの答弁でした。しかし、それだけでは不十分で、世田谷区を初め他区で行っているように、介護保険要介護認定・要支援認定等結果通知と一緒に送るなど、介護認定者に周知できるようにすることが重要です。重い税負担から、区民の暮らしを守るためにも、年末調整や来年の確定申告に間に合うよう、要介護認定者への個別通知の実施、区報とホームページでの掲載は遅くとも十二月には行うなど、周知徹底すべきと考えます。答弁を求めます。
今、高齢化や疾病、失業などで生活保護受給者が急増しています。そこで、生活保護の削減をねらって、国はことし四月から六十五歳以上の高齢者で評価額五百万円以上の土地・建物などの資産がある場合は、リバースモゲージ制度を適用し、生保から除外するよう指導していますが、問題が多過ぎます。
例えば、文京区では、六畳一間にも満たない土地・家屋でも、五百万円と評価される場合もあるではありませんか。区長は、コツコツと住まいを築いてこられた高齢者の努力と汗の結晶を認めないのですか。高齢者の居住権、生活権を脅かすこの制度の機械的な運用はやめるべきです。伺います。
次に、第五中学校・第七中学校統合問題について伺います。
昨年十一月の教育委員会の計画変更以降、既に八回の文京区立第五中学校・第七中学校統合に伴う新しい学校づくり協議会が開かれました。この協議会で議論となったことは、新大塚公園と新校の校庭を分けるフェンス位置の問題、また、新大塚公園と新しくつくる七中グラウンドの使い方、統合校の施設に関する問題などが主なものです。しかし、大事な点は、各委員からは、この時期になっても新大塚公園を今のままで残してほしいとか、統合校の教育環境はこの計画でいいのかといった計画そのものへの疑念の声が出されていることです。
私たちは、この間の議論の中で、統合校の校庭として新大塚公園を兼用する計画は、地方自治法第二百四十四条第三項に抵触すると指摘し、また、都市公園法第五条二項との関係でも、納得のいく説明がされていないと考えています。そして、公園は、五中・七中統合校の兼用グラウンドにするのではなく、現状のまま残すことを要望してきました。その上に立って、以下質問します。
七回目の協議会では、これまでの方針を変えた新大塚公園と校庭の利用方法を事実上見直す三つの選択肢が提案され、八回目の協議会で議論されました。このような提案をせざるを得ないこと自体が、この計画そのものの大きな問題点ではないでしょうか。協議会でどのような議論の経過で三つの選択肢が示されるに至ったのですか、伺います。
次に、協議会に提案されたA、B案について、「新大塚公園のグラウンドを兼用工作物とするには、都市公園法で相互に効用を兼ねる場合に限っているはずである。前からある公園の効用は薄められる一方であり、公園利用者への救済措置が考えられていないのはおかしい」といった出席委員からの発言にはどのように答えるのでしょうか。法的根拠もお示しください。伺います。
協議会の議論の中で、委員から紹介のあった国土交通省からのメールでは、兼用工作物の管理の方法については、地域住民の意見をよく聞くこと、都市の緑は大変貴重であり、公園、緑地などの整備・保全・再生について十分に配慮してほしいとしていますが、これに対する区の見解と対応はどうしたのでしょうか、お答えください。
新大塚公園を朝礼と昼休みにのみ兼用するC案は、現状の公園を改修することなく実現できる案です。十一月十二日の協議会でも、利用時間としてはC案よりむしろ少ない時間で構わないとの意見を委員が述べたと伺っています。私は、協議会のこうした意見を尊重して、公園を現状のまま残すべきだと思いますが、いかがでしょうか。
地域住民は、将来に禍根を残さない、公園は現状のまま残してほしい、いい学校をつくってほしいという願いで計画の見直しを含め、前向きに議論しています。統合校の建設を教育センター跡地と新大塚公園に計画したこと自体に、これを進めてきた区の責任が問われる結果になっているのではないでしょうか。伺います。
近隣住民と統合校に期待を込めている生徒、保護者の思いをどのように解決し、今後、数十年先を見通してすばらしい学校をつくるためにどのようにしていこうと考えているのか。教育長の考えを伺います。
次に、区立小・中学校の将来ビジョンの今後の問題について伺います。
策定検討協議会で、教育委員会は初回に、協議会では統廃合計画をどうするのかをすぐ議論するのではなく、総論の議論をまず十分にやりたいと述べていましたが、第二回目には、学校の規模、配置、計画的な改築などの議論の方向を提案しました。年次計画は白紙撤回し、委員の活発な議論を望みますが、区は協議会の議論の方向をどのように考えているのでしょうか。改めて伺います。
また、十分時間をかけてと言いながら、本年度末には中間のまとめを出すなど急いで協議する傾向が見られますが、どうなのでしょうか。区民からも、議会審議でも明らかになったように、凍結した年次計画をたたき台にした協議ではなく、委員からも指摘されているように、文京区の公教育の今後のあり方をしっかり協議すべきと考えますが、伺います。
次に、教育センターの問題について伺います。
この間、教育センターは、統廃合絡みで統合校建設のために既に解体されました。機能分散の方向が出され、現在、将来ビジョン(素案)の年次計画の凍結を受けて、福祉センター及び教育センター建て替え検討会が設置され、分散方向は見直しせざるを得なくなっています。教育センターのあり方について、この間、どのような検討がなされているのか。また、議会への報告については一体どうなっているのでしょうか。教育センターの役割と機能の一層の強化を図るために、分散でなく、集中強化して整備、拡充を求めます。
また、緊急の課題となっている福祉センターは、障害者就労支援センターやグループホーム、自立訓練施設など、障害者総合施設として建設することを求め、あわせて伺います。
最後に、清掃・リサイクル問題について伺います。
東京二十三区は、ごみ埋め立て先の東京湾最終処分場の延命を目的に、来年度からプラスチックごみを燃やして熱回収するサーマルリサイクルを行う方針ですが、既に文京区でも小石川、本郷、千石の一部地域でこれまでの不燃ごみを可燃ごみとして回収するモデル事業を開始しています。
しかし、「都政新報」の報道によれば、ペットボトルと白色トレイ以外の卵パックや発泡スチロールなどのいわゆる廃プラスチックの資源回収を行っている区が二十三区中、十二区に広がるなど、サーマル以前に廃プラスチックを資源化する新しい流れが広がっています。
清掃工場のない文京区としては、いかにごみ減量に取り組んでいくか、今、区の姿勢が試され、注目されています。ごみ処理の基本原則を定めた循環型社会形成基本法では、廃棄物処理やリサイクルの優先順位を、発生抑制、再使用、再生利用、そして最後に熱回収、その他適正処分と定めました。再使用やリサイクルよりもサーマル、熱回収を優先することは許されていないのです。
文京区リサイクル清掃審議会は、「モノ・プラン二○○○文京」改定の三つの課題の第一として、廃プラスチックの取り扱いについてを掲げ、大変多くの時間をかけて検討を重ねました。そして平成十八年三月、一年三カ月かけて議論した結果、答申では、「清掃工場のない文京区として、積極的に廃プラスチックをごみではなく資源として有効活用できるような仕組みを早急に検討、導入する必要がある」としました。「特に、リサイクルできずに残った廃プラスチック類については、区民や事業者の理解を得るために積極的情報提供と意見聴取の場を設けることを望む」と言っています。この答申に沿った取り組みを行うことが必要ではないでしょうか。
二十三区で清掃工場を持たないのは千代田、新宿、台東、荒川、中野、そして文京区の六区のみです。この六区は特にごみ減量に積極的に取り組み、減量成果を上げることが求められています。千代田区は、既にすべての廃プラスチックを分別収集、リサイクルを実施しており、新宿、中野は来年度中の実施を決め、台東、荒川でも実施に向けて検討中です。何と清掃工場を持たず、廃プラスチックリサイクルに消極的でサーマルを優先しているのは、唯一文京区だけというありさまになっているのです。
区長、この文京区の廃プラスチック資源化のおくれは、都の方針、文京区の答申にも反しています。サーマル(熱回収)モデル事業で分別回収をやめ、可燃ごみとして回収し始めたところでは、「ほとんど燃えるごみで出せる。便利になった」と、手間のかかるごみ分別から開放されて楽になったという声も出始めていると言われています。これが全区で来年度サーマル実施になったらどうでしょうか。一度分別の習慣がなくなり、焼却が当たり前になってしまえば、リサイクルの取り組みに引き返すことは容易ではありません。
中野区では、廃プラ資源化をことし六月までは一万四千世帯、七月から四万五千世帯、十月からは八万二千世帯と、約五○%の世帯で取り組むなど徐々にふやし、今年度経費は約二億八百万円ですが、来年四月からは区内全域で実施するとしています。来年度からは容器包装リサイクル法の改正により、収集運搬、保管以外のリサイクル、再商品化経費は企業の出資で運営されている容器リサイクル協会が負担することになり、自治体負担もこれまでより三割程度軽減されるようになります。区長、今こそ文京区も区内全域での廃プラリサイクルを決断すべきではないでしょうか、伺います。
また、リサイクル経費のうち、自治体の過重な負担の原因となっている収集運搬・保管経費を全額負担する仕組みを変えるため、国と業界に向けどのような働きかけをしていくのでしょうか。答えてください。
廃プラなどの容器包装を生産し使用する企業の負担を求める拡大生産者責任についての区長の考えをお聞かせください。
また、住民の声を無視した廃プラのサーマルリサイクルの来年度実施は一たん中止し、住民アンケートなどで区民の意見を十分聞き、住民の参加と合意で多分別収集とリサイクルの実施を図るべきですが、区長の考えはいかがでしょうか。
十月から区内全域でペットボトルの回収が始まり、区民から歓迎されています。我が党としても大きく評価するものです。そこで伺いますが、文京区のペットボトル飲料の消費量は月平均どのぐらいで、先月の回収量・割合はどのくらいだったのでしょうか。当面の目標、実施一カ月の評価、まちの声はいかがでしょうか。お答えください。
さらに、清掃・リサイクル問題の解決では、廃プラスチック資源化も各区ばらばらの対応ではなく、二十三区共通の課題として広域的に取り組み解決すべき事項とすべきではないでしょうか。そのためにも、共通財源である都区財政調整での交付金措置をさせるために積極的に働きかけるべきです。そして、中間処理施設など、文京区の果たす役割を決め、応分の責任を果たすことも必要になるのではないでしょうか。いかがでしょうか、お答えください。
以上で私の質問を終わります。御清聴まことにありがとうございました。(拍手)
〔成澤廣修区長「議長、区長」と発言を求む〕
○議長(橋本直和) 成澤廣修区長。
〔成澤廣修区長登壇〕
○区長(成澤廣修) 関川議員の御質問にお答えいたします。
最初に、後期高齢者医療制度についての幾つかの御質問にお答えします。
まず、制度に対する認識についてですが、後期高齢者医療制度は、老人医療費を中心に国民医療費が増大する中、高齢者世代と現役世代の負担を明確にするとともに、後期高齢者の生活の質を重視した医療サービスを提供する制度として議論を重ねて創設されたものであります。私は、まずは円滑な導入に努め、運営状況を見て必要な対応を行ってまいりたいと考えております。
また、国や東京都に対しては、区長会及び広域連合を通じて、保健事業への財政措置や調整交付金の別枠交付など、保険料を抑制するための財政措置を要望しております。
なお、さらなる低所得者対策については、広域連合において現在検討しているところであります。
次に、滞納者に対する保険証の取り扱いについてですが、保険料の滞納者に対しては、資格証を発行しますが、一律に行うのではなく、区に交付審査会、広域連合に交付判定会議を設置することとしており、被保険者の負担能力に十分配慮し、厳格かつ慎重な運用を行うこととしております。
次に、制度実施の中止を国に求めることについてですが、後期高齢者医療制度は、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき実施するものであり、本区としては、まずは円滑な導入に努めてまいります。
次に、将来の保険料が自動的に値上げされる制度であるとの御指摘についてですが、この制度は、今後予想される超高齢社会を迎えるに当たり、人口構成に占める後期高齢者と現役世代の比率の変化に応じて負担割合を変えていく仕組みとなっており、世代間の負担の公平を維持し、制度を持続していくためのものと理解しております。
次に、従来どおり無料で健診が受けられるよう、国や都に財政支援を求めるべきとのお尋ねですが、保健事業に対する財政支援については、区長会を初めとし、一都三県の広域連合長並びに広域連合議会より、国や都に既に要望しているところです。
なお、本区としては、当面の間、自己負担については無料体制を維持してまいります。
次に、保険料減免制度についてですが、広域連合条例では、被災の場合以外にも、事業の休廃止や失業、長期入院等で著しく収入が減少し生活が困窮した場合に、国保と同様に保険料の全額または一部減免を行うこととし、現在、広域連合において、生活困窮の基準について検討が行われております。
なお、減免の財源については、政令に従い保険料に算入することとされております。
次に、東京大学赤門近くのマンション建設計画に関する御質問にお答えします。
この計画については、近隣住民より、周辺の建物と比べ突出した高さであることなどから、区に対しても要望書が提出されており、私も懸念しているところであります。区としては、第三回区議会定例会において、周辺環境に配慮したマンション建設に関する請願が採択されたことを真摯に受けとめ、直ちに事業者に来庁を求め、請願が採択されたことを重く受けとめること、また、現行計画について再検討することを要請したところであります。今後も、区の要請に対する事業者側の対応を見ながら、適切に対処してまいりたいと考えております。
次に、景観条例による歴史的景観形成地区指定などの検討についてのお尋ねですが、景観形成地区については、景観に関するルールを定めて指定することになりますが、指定に当たっては、関係権利者などの合意形成を図ることが前提条件となります。
次に、絶対高さ制限を設けるべきとのお尋ねですが、絶対高さ制限については、今後の都市マスタープランの見直しの際に重要な課題として検討することにしております。
なお、絶対高さ制限を定めるに当たっては、関係権利者との合意形成や都市計画の手続が必要となりますので、一定の時間がかかることになります。
次に、待機児対策に関する御質問にお答えします。
本年十月一日現在の待機児童数は九十六人となっております。ここ数年、四月当初の待機児童数が五十人程度で推移しており、この傾向は当面続くものと考えております。こうしたことから、認可保育園においても同程度の定員改定を予定しているところです。
なお、区立保育園の増設については、現時点では計画しておりません。
次に、産休明け保育の実施の拡大などについてのお尋ねですが、産休明け保育については、既に私立園四園や公設民営園二園において実施しておりますので、公設公営園での実施については今後の検討課題としてまいります。
また、ゼロ歳児受け入れ数の拡大については、来年度は八千代保育園の開園や家庭福祉員の増員により受け入れ枠の拡大を図る予定でおります。
次に、在宅育児に関する幾つかの御質問にお答えします。
まず、子育てひろばについてのお尋ねですが、子育てひろばの増設については、公共施設の活用も含め、今後の検討課題とさせていただきます。
なお、児童館の乳幼児利用におきましても、プログラム等の充実を図り、より利用しやすいものとしてまいります。
次に、子育てガイドについてですが、子育てガイドの作成に当たっては、常日ごろ保護者と接している民生児童委員の方々に御協力いただいております。今年度の作成に当たっては、保護者の声を集めていただき、先輩ママ、パパからの応援メッセージとして掲載しました。また、子育てガイドは、主にこれから子育てをする方に身近に使っていただけるよう、対象を就学前としておりますので、その枠内で掲載内容の充実に努めてまいります。
次に、妊婦健康診査についてですが、妊婦の健康リスクを把握し、より安全な出産へと導く妊婦健診は、非常に重要な対策であるととらえております。区としても、妊婦健診助成回数の件については、現在検討しているところです。
次に、障害者控除認定の周知方法に関するお尋ねですが、周知の時期については、ホームページでは通年、区報では税申告の時期にあわせて行っております。
なお、要介護認定者への個別通知は、制度趣旨が異なることから実施することは考えておりません。
次に、高齢の生活保護受給者に対するリバースモゲージ制度の機械的な適用はやめるべきとのお尋ねですが、本制度は、居住用資産を保有する生活保護受給者が死亡した後、扶養義務を果たさなかった親族がその資産を相続することは、社会的公平の観点から国民の理解が得られないとして設けられた経緯があります。実際の適用に当たっては、当該世帯の理解を得られるべく、丁寧な説明に心がけ、機械的な適用とならないよう努めております。
次に、福祉センターを障害者総合施設として建設すべきとのお尋ねですが、福祉センターの建て替えに当たっては、現行事業の拡充のほか、多様な地域生活支援機能を備えた障害者施設の整備等について検討してまいります。
最後に、清掃・リサイクル問題に関する幾つかの御質問にお答えします。
まず、廃プラスチック処理は、審議会の答申に沿い取り組むべきとのお尋ねですが、昨年四月、文京区リサイクル清掃審議会の答申をもとに、一般廃棄物処理基本計画「モノ・プラン文京」を策定しました。この計画に基づき、廃プラスチックのうち、単一素材で分別しやすいペットボトルと白色トレイについて、本年十月より資源回収に取り組んでいるところです。
なお、その他の廃プラスチックについては、費用対効果の観点、住民の分別の負担や環境保全等さまざまな課題があるため、現状としては十分な検討が必要と考えております。
次に、国と業界に対する働きかけと拡大生産者責任についてのお尋ねですが、改正された容器包装リサイクル法の内容は、一定の前進は見たものの、事業者責任の強化など、区市町村の意見が十分に反映されたものではありません。このため、区市町村と事業者の役割分担のあり方や、廃棄物行政に対する財政措置の強化、拡充について、全国の区市町村と共同で国や業界に対し、今後も要請していく必要があると考えております。
また、拡大生産者責任については、製造・販売した商品がごみとなった場合、その引き取りや処理について生産者が責任を負うという原則に基づいて適切に取り組むべきであると認識しておりますので、今後も引き続き要望してまいりたいと考えております。
次に、サーマルリサイクルを中止すべきとのお尋ねですが、平成二十年度のサーマルリサイクル本格実施については、平成十七年十月の区長会において既に確認されております。サーマルリサイクルは、最終処分場の延命化や資源有効活用に寄与するものであり、計画どおり確実に実施する必要があり、中止する考えはございません。
また、本年十月からのモデル収集に当たり、十数回の区民説明会やリーフレットの戸別配布などを実施してまいりました。地域の皆様の御協力により、現在、おおむね順調に進んでいるところです。今後、本格実施の参考とするため、モデル地区を対象にアンケート調査を行ってまいります。さらに、サーマルリサイクルの本格実施に向けて、モデル地区における実施状況を踏まえて、十分な周知を行ってまいります。
また、多分別収集とリサイクルについては、資源回収品目や経費負担などさまざまな課題がありますので、今後の検討課題と考えております。
次に、ペットボトル回収についてのお尋ねですが、本区のペットボトルの月平均消費量は、回収した資源量と不燃ごみに占めると見込まれるペットボトルの量を合計しますと、約七十二トンとなります。十月の回収量は約五十六トンになりますので、回収率は約七八%になります。また、二十年度の分別収集計画における回収見込み量は七百三十五トンであり、実施一カ月の評価としては順調にスタートしたものと考えております。
区民の声としては、便利になったという一方、ペットボトルの分別ルールの徹底を求める御意見もございますので、今後も十分に周知してまいりたいと考えております。
次に、廃プラスチック資源化を二十三区共通の課題とし、本区が中間処理施設等で責任を果たすべきとのお尋ねですが、資源化施設などの中間処理施設については、平成十七年十月の区長会において、原則として各区事項とすることが確認されております。本区としても、資源化施設の確保は検討課題と考えていますが、現時点では、民間事業者を活用し、ペットボトルと白色トレイの資源化に取り組むことにより、廃棄物の削減をさらに徹底することが本区の責任であると考えております。
なお、教育に関する御質問には、教育長より御答弁申し上げます。
〔根岸創造教育長「議長、教育長」と発言を求む〕
○議長(橋本直和) 根岸創造教育長。
〔根岸創造教育長登壇〕
○教育長(根岸創造) 教育に関する御質問にお答えいたします。
初めに、東大赤門近くのマンション建設に関する御質問にお答えいたします。
まず、文化財保護条例による調査、検討ができないかとのお尋ねですが、東京大学構内の赤門は国指定の重要文化財であり、その保全に影響を及ぼす行為の許可手続等につきましては、文化財保護法により、文化庁長官等の権限で行われることとされております。したがって、その影響に関する調査、検討につきましても、法令に基づき、その権限のもとで実施されるものと考えております。
次に、文化庁との協議についてのお尋ねですが、協議は必要に応じて施工主等が行うものであり、教育委員会は文化庁と協議する立場ではございません。
なお、現在のところ、正式な協議は行われておりません。
次に、第五・第七中学校の統合に関する御質問にお答えいたします。
まず、新しい学校づくり協議会での検討経過についてのお尋ねですが、新しい学校づくり協議会では、グラウンドの使用方法について半年以上にわたり検討し、さまざまな御意見をいただいてまいりました。現在、これまでの御意見を三つの案として整理し、検討を重ねているところでございます。
次に、協議会で出された兼用工作物制度に関する意見等についてですが、兼用工作物の解釈につきましては、既に国土交通省の確認を得ており、管理の方法などにつきましても、協議会においてさまざまな御意見を伺いながら検討を進めているところでございます。
このように、新大塚公園のグラウンド利用につきましては、今後、協議会での検討結果や議会並びに住民からの御意見等をお伺いし、決定してまいります。
次に、統合校の建設についてのお尋ねですが、教育委員会といたしましては、よりよい教育環境の整備を図り、統合校が生徒にとって、また、地域の方々にとってもすばらしい学校となるよう、新校の建設に努めてまいります。
次に、区立小・中学校将来ビジョン策定検討協議会についてのお尋ねですが、この協議会は協働・協治のもと、区民等の幅広い意見をビジョンに反映するために設置いたしました。したがいまして、議論の方向性につきましても、協議会の意見を尊重し決めてまいりたいと考えております。
また、スケジュールにつきましては、十分に議論することが当然の前提となりますが、一方、子どもたちは日々成長しており、漫然と協議会を運営していくわけにはまいりません。年度末などの節目をめどに、それまでの議論を取りまとめる必要があるものと考えております。
なお、年次計画をたたき台とすべきではないとの御意見ですが、協議会には将来ビジョンの基本的な考え方と方向性について議論していただくことをお願いしております。
最後に、教育センターについてのお尋ねですが、教育センターあり方検討委員会を現在局内に設置して、福祉センターとの連携及び機能の分散、集中を含めた検討を初め、各事業の今後の方向性、拡充の内容等について協議し、福祉センター及び教育センター建て替え等検討会に臨んでおります。
なお、建て替え等検討会の議会報告につきましては、区長部局と調整、協議し、適切に対応してまいります。
〔関川今朝子議員「議長、二十一番」と発言を求む〕
○議長(橋本直和) 二十一番関川今朝子議員。
○関川今朝子議員 自席から発言させていただきます。
区長さん、教育長さんには、御答弁ありがとうございました。
赤門近くのマンション建設問題では、請願の採択を受けて、早速、御指導をしていただいたことについては、評価をいたします。引き続き、重要文化財の赤門近くに二十三階の超高層マンションはいらない、こういう立場で、二十九日には二回目の説明会も開かれますが、確認申請の書類を住民の皆さんとの話し合いが済むまでは提出しないということについても言及していただいて、御指導していただきたいと思います。
それから、赤門は重要文化財であることは皆さんも御承知のとおりだと思いますが、この赤門についての文化庁との事前協議を業者がやられていないことが判明いたしましたので、その件についてはきちっと事業主が文化庁と、今度の計画は赤門にどのような影響を及ぼすのかという事前協議をきちっと行うことを事業主に指導していただきたいと思います。
それから、絶対高さ制限については、私ども初めて提出させていただくわけではなく、今までも代表質問の中で述べさせていただきましたが、今度の問題だけではなくて、今、文京区内にはマンション紛争が多発しています。そういう面では、絶対高さ制限をきちっと設けていく、緑と文化の一番住みやすいまちということで評価を受けているこの文京区として、環境を守っていくということでは、絶対高さ制限はどうしてもひいていかなければならないと思います。ぜひ、その辺のところで、急いでこのことについて検討していただくことをお願いしておきたいと思います。
それから、もう一点だけ、小・中学校の将来ビジョンの協議会においては、原則として十分に議論することという答弁でございましたが、期間を来年の三月末までにしていきたいという答弁も含まれているように受け取られます。特に私たちが要望している、委員の方からもありましたが、公教育をどうしていくのかというその問題については、きちっとこの中で基本に据えて議論していただくことが大事だと思います。一番迷惑を受けるのは子どもたちです。ぜひ、子どもの立場に立って、この協議会にはきちっとした議論を最後まで行っていただきたいと要望して、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○議長(橋本直和) 議事の都合により、会議を暫時休憩いたします。
午後二時五十四分休憩
午後三時八分再開
○議長(橋本直和) これより会議を再開いたします。それでは、休憩前に引き続き一般質問を行います。
〔田中としかね議員「議長、一番」と発言を求む〕
○議長(橋本直和) 一番田中としかね議員。
〔田中としかね議員登壇〕(拍手)
○田中としかね議員 平成十九年第四回定例会に当たり、自由民主党文京区議団を代表して質問させていただきます。我が会派からは、今回の定例会において二名の質問者を立たせていただいたことから、私からは主に教育の問題について教育長に対して御質問させていただきます。
質問に入る前に、一言申し添えさせていただきます。私は、この四月、文京区議会に初当選させていただきました。議員になる以前は、区内の民間教育機関、いわゆる学習塾で子どもたちへのよりよい教育の実践のために、親御さんたちと一緒になって取り組み続ける日々でありました。また、それは、民間教育現場の声を何とか区政に届けることかできたならばと願ってやまない日々でもありました。今、私がこの場に立たせていただいていることに対して、顧みるにつけて、とても重い責任を感じております。今後とも、区民の皆さんとともにこの「文の京」文京でだれもが安心して暮らし、住み続けたいと望むような環境づくりに力を尽くしていきたいと心から思っております。とりわけ同世代、子育て世代の願いをしっかりと受けとめ、未来に自信と誇りを持って子どもを産み育てられる環境の充実に努め、どの子どもたちもが大切にされる「文の京」を目指して、議会の諸先輩方とともに前進を続ける決意を申し上げ、以下の質問をさせていただきます。
初めに、平成十八年度学習内容定着状況調査に関して、とりわけ区立中学校の理科・社会教育の問題点についてお伺いいたします。
児童・生徒の学力低下が問題視されるようになって既に久しくなりました。四十三年ぶりに文部科学省が実施した全国学力・学習状況調査につきましては、賛否含めましてさまざまな議論が行われております。各地の教育委員会や学校現場では、この結果をどう受けとめるのか、世間の注目を集めたところでもあります。
しかしながら、全国各地の自治体における関心事は、自分たちの地域がどのように評価されたのかということに集まりがちです。言うまでもないことですが、その結果を今後の教育に生かさなくては、調査の意味がありません。テストはしました、今後の教育にどう生かすかはこれからの課題ですというだけでは、教育現場を混乱させるだけに終わりかねません。大がかりなプロジェクトとして実施された調査でもあります。それを都道府県のランクづけだけに終わらせるのではなく、学力を向上させ、子どもたちの学習、生活環境の改善のためにこそ有効活用する必要があることは、言を待たないことであると思います。
東京都教育委員会でも、公立小・中学校を対象に、独自の児童・生徒の学力向上を図るための調査を実施しております。そこから得られた膨大なデータをこれまでどのように生かしてきたのか、そして今後どう活用するのか。文京区としても、まずはみずからの区の児童・生徒がどのような学力傾向にあるのかをしっかりと認識するところから始めるべきだと考えます。その上で、東京都に対しても文部科学省に対しても、現場からの声として提言を積極的に行っていくべきではないでしょうか。
次にお示ししますのは、平成十八年度の学習内容定着状況調査の教科全体としての達成率です。学習指導要領が示すところの「おおむね満足」の理解度に達している児童・生徒の割合をパーセンテージで示したものが達成率になるわけですが、この調査において文京区の小学校四年生の各教科の達成率は、国語について全国平均が七二・二に対して文京区は八四・二、平均を上回る高い数字を出しております。以下同様に、算数、全国が七○・二、文京区は八一・三、理科、全国八○・一、文京区は八二・一、社会は、四年生の学習単元が各都道府県別の内容になっているため、全国平均はブランクになっておりますが、文京区では八六・三、グラフ化するとこのようになります。
〔田中としかね議員パネルを提示〕
青の全国平均に対して、赤の文京区の数値がいずれも高いことが明らかです。
これに対して、中学校一年生の各教科の達成率ですが、国語、全国平均六九・四に対し、文京区七一・○、数学、全国平均五九・九に対し、文京区六八・八、英語、全国平均七五・一に対し、文京区八五・五、理科、全国平均六二・○に対し、文京区五七・二、社会、全国平均五九・九に対し、文京区五七・一。グラフ化すると、
〔田中としかね議員パネルを提示〕
このように、先ほどと違い、赤の文京区の数値が全国平均を割り込んだいびつな形になっております。この結果をどう受けとめるべきでしょうか。
問題は、ただ文京区にあるだけではありません。東京都教育委員会が実施している児童・生徒の学力向上を図るための調査、その結果において、これは都内の公立中学校二年生全員に対して実施されたものですが、次のような結果が示されています。煩雑になりますので、数字を読み上げることはいたしませんが、こちらになります。
〔田中としかね議員パネルを提示〕
赤の文京区の中学校二年生の総合正答率は、すべての科目において東京都全体よりも高い数値を示しています。理科・社会においても同様です。この結果をもって、都の平均を上回る文京区は安心だと結論づけるのは、明らかに誤りであります。達成率において全国平均を下回る文京区に東京都の平均は及ばないと見るべきであって、東京都全体の公立中学校の理科・社会の学力が全国的にも平均を下回ると推定されることこそ憂慮すべきです。
この結果を裏づけるデータが、教科に関するアンケート結果からも見てとれます。各教科への関心度や取り組みについてのアンケートにおいて、国語、数学、英語に対しては肯定的な、すなわち関心を持って取り組んでいると回答した生徒の割合が全国平均よりもほぼすべての項目にわたって上回りました。にもかかわらず、理科・社会に対しては全くの逆転、ほぼすべての項目にわたって全国平均を下回っています。これほどのモチベーションのギャップは、単に学校や教職員の取り組みの問題点というよりは、全国にない東京都に特徴的に見られる構造的な問題点であると考えるべきではないでしょうか。すなわち、全国の都道府県の公立高校が国語、数学、英語、理科、社会の五教科での入学試験であるのに対して、東京都において多くの生徒が進学する私立高校では、その入試科目が国語、数学、英語の三科目であることに大きな原因があるのではないかと考えられるわけですが、いかがでしょうか。このことは、義務教育に対する取り組みの問題に直結いたします。広く世論に問いかけるべきであると考えますが、区としてどのように認識しているのかお伺いいたします。
せっかくの調査結果です。全国的な状況との関係において成果と課題を把握して、教育改善を図ることが区の役割であり、各学校では合わせて児童・生徒一人一人の学習改善や学習意欲の向上につなげることにこそ、その趣旨があると考えます。ぜひとも有効な活用をと切望いたします。
次に、教員の質的向上・維持の問題について、特に区独自の教員養成システムの必要性についてお伺いいたします。
教育委員会の必置義務や教員人事権の移譲、また、教員免許の更新制や教員給与制度の見直し等、教育制度をめぐる動きには目を離せないものがあります。制度の変更に応じて区として対応すべきこと、できることは変わってまいりますが、当面、区として対処しなくてはならないこととして、みずからの区立小・中学校の教員の質的向上・維持についての責任をいかに果たすのかという問題があります。
東京都の公立学校では、団塊の世代の教員が定年退職を迎え、平成十九年度から毎年約二千人が退職していくと言われております。一方、児童・生徒は一時的ながらも増加傾向にあり、早期退職の補充も含めますと、東京都は平成二十年度から毎年約三千人の教員を採用しなければならないことになります。必要な教員をどう確保するのか、その質をどう向上させていくのか、教員を採用する立場にある東京都だけの問題ではなく、実際に教員を受け入れる側の区の責任と役割は重大であると考えます。教育への情熱、使命感、子どもたちとのコミュニケーション能力、指導力など、さまざまな能力を備えた、より教員としての適性の高い人材を確保していくことが何よりも喫緊の課題であると考えます。
児童・生徒にとって、どのような教員とめぐり会うかというのは、いわば最大の教育環境であり、だからこそ教員の養成は教育改革の骨格であると言えます。しかしながら、新卒教員の大半は数週間の教育実習だけで各学校に赴任することになります。そして、それらが小学校の場合、新卒教員であっても一年目からクラス担任となります。その経験不足は否めません。新卒教員が円滑に教育活動がスタートできるよう、着任前の段階からサポートする体制を整えるべきです。教員は子どもの人格形成にかかわることになります。それは子どもの人生に深くコミットすることであります。
人の命を扱うことで、同じく人生と深くかかわる職業に、医療に従事する医師という立場があろうかと思いますが、教育にかかわる教員は医療にかかわる医師にもまさるとも劣らない専門的な能力、人間への深い理解が求められる職業ではないでしょうか。ところが、その養成期間が医師に比べて短期間であることが問題なのではないかと考えます。医師は大学で六年間学び、さらに二年間、臨床研修医として患者と接しながら実地での医術を学びます。一方、教員の場合、大学で四年間学びますが、その間、子どもと触れ合う教育実習はわずか四週間です。多くの医師は臨床研修医の時代に患者の死という極限的な場面も含めてさまざまな経験を積みますが、教育実習の四週間では、いじめなど生徒間のトラブル等への対応も十分に経験することができません。現場経験が乏しいままに教壇に立たなくてはならないということが、指導力不足の大きな原因の一つであると言えるでしょう。
そこで、まずは現状の問題点について区がどのように認識しているのかお伺いいたします。
現在の東京都が行っている採用試験に対して、教員の指導力、子どもとのコミュニケーション能力など、実践的な教員としての質を見るための採用基準、採用方法がどのようになっており、文京区としてはどのように提言していくつもりなのかお伺いいたします。
また、ボランティア活動を含めた子どもとの活動歴や、臨時任用教員としての経験などは採用基準にどのように反映していくのか。文京区の方針とあわせてお伺いいたします。
次に、将来的な構想についてお伺いいたします。
公立の小・中学校の教員はもとより、都道府県と政令指定都市が採用、雇用を行うという形態をとっております。平成十五年度からは、構造改革特区の制度により、市区町村による教員の独自採用が特例で認められるようになり、さらに平成十八年度からは、市町村立学校職員給与負担法の改正で、特区以外でもそれが可能となりました。東京特別区でもそれは例外ではありません。独自採用によって、例えば外国人児童への対応や少人数教育の推進など、地域の特性に応じた指導が可能になったことは歓迎すべきことであると考えます。
東京都教育委員会では、平成十六年度から、東京教師養成塾をスタートさせました。また、杉並区でも、杉並師範館を平成十八年度から立ち上げ、大学生や教員志望者の募集を行い、一年間の特別カリキュラムの講義やゼミに参加させ、さらに特別教育実習や体験活動などを実践させ、地域の事情に通じた高い精神を持つ人材を育て、即戦力として採用するということをその目的として、運営を開始しております。
東京都では、養成塾在籍中に特別選考を行い、合格者を東京都公立学校教員候補者名簿に搭載し、小学校教員として採用を予定しております。杉並区では、卒業する三十名の塾生を杉並区の教員として優先的に採用するなどの方針をとっております。文京区教育委員会でも、志や能力の高い教師を育成するために、このような取り組みを行ってはどうかと考えますが、見解をお伺いいたします。
また、すぐさま区独自の教員採用を実践することが困難であるならば、三鷹市が実施しているように、教員採用に関しては都にゆだね、自前採用は行わず、しかしながら、市独自の教員養成講座を開設するという方策が考えられます。この場合、仮に文京区の教員養成講座に通った受講生が文京区の教員を希望したとしても、都に申告した上で区内の小・中学校に配属されることになります。また、たとえ文京区の教員になったとしても、数年後には人事異動で他区市に移ることになります。三鷹市の例では、市の教育委員会の見解として、大きく育って帰ってくればいいと、まずは養成ありきの態度を示しております。
区長は所信表明の中で、小学校における教科担任制の推進など特色ある教育活動を展開することや、東京都教育委員会にある教員の人事権についても特別区に移譲するよう求めていくことを掲げられ、文京区独自の教育システムの構築に積極的な姿勢を示されていますが、こうしたマニフェストの実現のためにも、子どもたちに信頼される教師力を身につけた多くの教員を、この「文の京」文京区から輩出できるように、ぜひとも独自の教員養成システムの構築を要望いたします。
次に、「生命の教育」に対する取り組みについて、特に区内のスクールアニマルの現状と課題とをあわせてお伺いいたします。
文京区教育委員会が定めた教育目標を達成するための六つの基本方針、その最初に掲げられていますのが、心身ともに健康で、人間性豊かな子どもの育成であります。さらに、その教育施策の最初に掲げられていますのが、道徳の時間を初め、すべての教育活動において自他の生命を大切にすることであります。
文京区はもとより、全国の小・中学校においても、生命を大切にする教育の充実が極めて重要な教育目標として掲げられているにもかかわらず、それとは相反するような事件が後を絶たないこともまた事実です。その原因の特定については安易な想像が許されるべきものではありませんが、あまたある事件について、それを引き起こした本人の問題だけに還元することはできないように思います。少なくとも、世間一般の問題点として、一つには、家庭や社会において心と心の触れ合いを避けるような風潮があること。また、一つには、日常生活から死や、その前段階としての老いが遠ざけられてしまった現代社会の構造が存在すること。そして、一つには、学校教育において生命を大切にすることは取り上げられてはいるものの、死から目をそらそうとしている学習指導のあり方など、子どもたちを取り巻く環境も影響しているのではないでしょうか。
生命を大切にすることは、知識として教えるだけでは必ずしも十分とは言えませんし、死から目をそらしていたのでは、生きることの本当の意味はわからないのではないでしょうか。小学校高学年の児童の相当数が、人は死んでも生き返ると思い込んでいるという調査結果が、そのことを物語っているように感じられてなりません。
現行の学習指導要領では、小・中学校がそれぞれ週一コマ程度の道徳の時間を設け、文部科学省が配布している副教材「心のノート」や民間の教材会社などが作成した副読本やビデオを使って学習がなされています。生命の尊さを感じ取り、生命あるものを大切にするといった学習内容について、文京区ではどのような取り組みをしているのかお聞かせください。
また、学校で動物飼育が行われていれば、家庭で動物を飼っていない児童・生徒にとって一番身近な動物ということになるでしょう。子どもたちがその動物たちと触れ合い、世話をすることによって、動物を慈しむ優しい心、命の尊さや責任感などを学べると思います。しかしながら、それは各学校が動物に対しての知識としっかりした飼育体制を備えていて初めて教員が子どもたちにそれらを正しく伝え、動物たちを管理できるようになることだと思います。
そこで、まずお伺いいたします。現在、文京区の区立小・中学校で飼育されている動物、いわゆるスクールアニマルについて、区は状況を正確に把握しているのかどうか。現状報告とあわせてお聞かせください。
一口に動物を管理すると言っても、大変なことであると思います。動物ごとに正しい接し方があり、適切に水やえさを与えなくてはならず、また、環境の管理をとっても、適切な温度があり、掃除もしなくてはならず、季節によっては繁殖の管理から、緊急時にはけがや病気の対応も迫られます。これは文京区の例ではありませんが、飼育動物のトラブルを抱えている学校では、動物の世話を子どもたちに任せ切りにして先生たちは飼育に無関心、飼育舎に見に行くこともせずに餓死や凍死させるという事態すら起こっていると聞きます。飼育している動物についての知識もなく、古くから続く語り継がれた飼育方法と先生自身の経験則で飼育方法を決めてしまい、病気やけがをしている動物を病院にすら連れて行かない学校もあるようです。
学校に通う子どもたちや御父兄が見かねて重症の飼育動物を獣医師に連れて行くという話も聞きます。これは文京区の獣医師の先生のところでもあった話です。その際に、獣医師の先生が学校側に飼育担当の責任者と状況について話がしたいと申し出たところ、学校の中で一体だれが責任を持って飼育動物を管理しているのかはっきりとしていないとの話があり、結局、校舎の責任者として副校長先生が対応することになったということです。
どうしても、動物飼育を指導・管理するべき学校の教員の方々は、日々の仕事に手いっぱいになってしまい、余分な仕事のようになってしまっているのが現状のようです。これでは教育の上でも逆効果になりかねません。「生命の教育」のためと飼育されている動物たちが、ほとんど世話もされず放置されていることのないように、状況の把握をしっかりと行っていただきたいと思います。
ことしの八月一日に行われた東京都の教職員研修では、「命の教育 学習指導要領と飼育の意義と方法論」という講義がありました。また、十月十三日の東京教師養成塾では、「言葉では伝えられない、こころ、命を教え、脳を育む体験」と題する講義が行われました。スクールアニマルを通じて学校教育の意義がいま一度問い直されようとしているこのときに、文京区としてどのような方針のもとで「生命の教育」を進めていくのか、区の具体的な今後の対策をお聞かせください。
最後に、情報リテラシー教育に対する取り組みについて、文京区から発信する新学習指導要領の方向性についてお伺いいたします。
ITやメディアの発達で、世界のどこでも、だれでも、さまざまな情報にアクセスできるようになりました。メディアの伝える情報は日常のあらゆる局面に深く浸透し、我々のものの見方や考え方から文化の形成に至るまで大きく影響を及ぼしていると考えられています。そこでは、メディアが送り出す情報を単に受容するのではなく、意図を持って構成されたものとして積極的に読み解く力を養うことが求められています。すなわち、メディアが伝えるのは事実ではあっても、事実のすべてではないことを教える必要性があるということです。限られた時間、紙面で表現されている情報は、当然、事実の一部を切り取ったものであり、その情報は発信者によって編集されていることを教えることが不可欠であるということです。
この状況は、子どもたちにとっても何ら変わるところではありません。むしろ、子どもたちにとっては、日常生活や価値観の形成の上で、より大きな影響をさまざまなメディアから受けていると言えるでしょう。その際に、子どもたち自身がメディアを主体的に読み解く力をつけること、これが現代社会において求められる情報リテラシー教育であります。
情報リテラシー教育は、ほとんどの先進国で現代的教育として義務教育に具体的に組み込まれています。先進的なカナダにおいては、一学年から十二学年の全学年で義務化、国語の授業時間内で一から八学年では二○%、九から十二学年では二五%を情報リテラシー教育に充てております。イギリスでも既にカリキュラムにしっかりと根づいており、現在では義務教育修了試験の一つの科目として、「Media Studies」があるといった状況です。
このように、諸外国で情報リテラシー教育が行われ、一方、日本であまり根づいていないことの背景には、文化的な思考方式の違いが影響しているのではないかとも考えられています。すなわち、諸外国においては、批判的思考(critical thinking)が重視されており、幼いころからそうした思考能力を育てることが教育の重要課題になっているのに対し、日本では、他人のやったことを批判することはむしろ望ましくないことだというムードが教育の世界にあるという違いです。海外では、「critical」ということは否定的にとらえられているわけではなく、論理的で根拠に基づくということを指していることが多く、これ自体は日本の教育の中でももちろん存在していますが、それを前面に出して議論したりすることに対してははばかられる雰囲気があるというわけです。
例えば、諸外国では十分に学習指導されているディベートも、日本ではよく、口先ばかりの人間を育てるとか、自分の考えと反対のことを言わせるのはおかしいといった非難の声が聞かれもします。ディベートは論理の学習であり、相手の立場になって反論してみることを通じて自分の論を確かにするという学習方法であるわけですが、論を否定することが人格を否定することだと思ってしまう日本の風土においては、こうした方法自体が避けられがちです。そのことが、かえって人の言うこと、すなわち情報を疑わないということを是としてしまう危険性をはらんでいるとも考えられます。
そこでお伺いいたします。緊急性の高いと判断される情報リテラシー教育を、年間授業時間数の確保も含め、具体的に強化させるべきではないでしょうか。現状においては、高等教育から始められているにすぎません。昨今の社会環境を考えるならば、小・中学校から始める必要性を感じます。速やかに前倒しして義務教育から取り入れるべきであると考えますがいかがでしょうか。見解をお聞かせください。
OECDが実施した国際学力調査の結果から、日本の子どもたちの学力低下が問題にされ、子どもたちに、いわゆるPISA型読解力を育てなければならないと言われてきています。PISAが言うところの学力とは、知識や技能を獲得し、しかもそれらを活用、発展させていく能力であり、すべての子どもたちにとって必須のものです。日本の子どもたちは、数学、科学の問題解決能力は世界トップレベルでしたが、読解力は平均点程度でした。そこでは、文章を読み解く力が弱いと指摘されています。また、活字に対しては、疑わずにうのみにする傾向があるのではないかとの危惧もあります。さらに、確信の持てない問いに対しては無回答の子どもが多かったというのも憂慮すべき点です。
現状の課題を踏まえ、文京区では、子どもの読解力を向上させるために新たな取り組みを国や都に先駆けて行っていくべきだと考えますがいかがでしょう。所見を伺います。
OECDの調査で読解力にすぐれていたフィンランドでは、文章や資料を信頼性、客観性、論理性などを評価しながら読むクリティカルリーディングの教育が発達しています。先ほども申しましたように、日本と海外の文化的土壌の違いはあるものの、そうした違いを越えて新たな教育的取り組みに乗り出す時期が来たということだと思います。
一つのテーマで賛成、反対に分かれて討論し、客観的、論理的思考力を養うディベート教育にしてもそうです。新聞社などが共催している「ディベート甲子園」といった催しも年々盛り上がりを見せています。全国大会は文京区白山の東洋大学がその会場になっております。全国から文京区を目指して中高生がしのぎを削っているわけです。ディベート教育の普及を進める文京区独自の役割が求められているのではないでしょうか。
印刷・出版業界が集中している文京区です。メディアに対する新たな教育的取り組みを全国に向けて発信することこそが文化の香り高いまち「文の京」文京区の課題ではないでしょうか。クリティカルリーディングやディベート教育の導入について、区の見解をお聞かせください。
これからの変化の激しい情報時代に、子どもたちが主体的に生き、みずから考え学ぶように育成していくためには、「生きる力」の養成が必要だと言われています。子どもたちがみずからの人生を切り開き、豊かにしていくための確かな学力として、情報リテラシーはこれからの時代の基礎・基本となります。本年末に公表される新学習指導要領では、これまで申してきました状況も踏まえて、国語力の育成が強調されることになりそうです。子どもがみずからの考えの実現のために調べ、読み取り、表現する、その力と技を磨くこと。そのためには、各学校内に設置してある学校図書館というインフラを整備することも、より重要になってくると考えます。子どもの読書の習慣を育て、情報リテラシー技能を育てること。文京区の教育に期待されるテーマであると考えます。学校図書館の充実についても、あわせて区の方針をお聞かせください。
最後になりますが、教育改革こそがこれからの日本を支えていく大きな柱であると言われております。私は、改革ということの本質は、とにもかくにも変えていくことではなく、いわば変わらないためにこそ変えることだと思っております。今のこの平和な社会生活を守りたい、変えたくない、だからこそこれまでのやり方、取り組みについては大きく変えなければならない、そのような時期に日本は差しかかっている、そう認識しております。このことは、文京区のこれからの運営について我々議員にも、行政に携わる皆様にも、そして区民の方々の生活にも当てはまるのではないでしょうか。私たちの未来を、特に子どもたちの将来世代の未来をよりよくするために、行政は何を行うべきなのか、これからもともに知恵を絞っていきたいと思います。
以上で私の質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手)
〔根岸創造教育長「議長、教育長」と発言を求む〕
○議長(橋本直和) 根岸創造教育長。
〔根岸創造教育長登壇〕
○教育長(根岸創造) 田中議員の御質問にお答えいたします。
初めに、都・区が実施した各種学力調査の結果等についてのお尋ねですか、各学校では、入試科目の有無にかかわらず、すべての教科学習で適切な指導がなされていると認識しております。したがって、平成十八年度のいわゆる学力調査において、中学一年生の理科・社会が全国平均を下回っている結果については真摯に受けとめ、授業改善に取り組んでいきたいと存じます。
何よりも、魅力ある授業づくりこそが、教科を問わず学習意欲の向上につながると考えておりますので、今後とも各種学力調査の結果等を踏まえ、各学校においてすべての教科で充実した学習活動が展開されるよう、授業の改善に努めることを指導、助言してまいります。
次に、教育の質的向上等に関する現状の問題点についてのお尋ねですが、団塊の世代の大量退職に伴い、ここ数年、特に小学校において、新規採用教員が毎年配置されるようになっております。すぐに担任として配置されることが多いのは事実ですが、一年間、主に指導教官が授業や学級経営について指導するとともに、初任者研修を通して教員に必要なスキルを身につけさせております。また、保護者対応や細かい学級経営を指導するため、初任者教育アドバイザーが各学校を巡回しております。
その他、平成十九年度の新規採用教諭から、三月の段階で配置予定校において一週間程度の実習を行うことにより、児童・生徒の状況をあらかじめ知った上で四月から勤務するというシステムを導入しております。
次に、都が実施している教員採用試験及び採用方法等への提言についてのお尋ねですが、都では、平成十九年度の教員採用試験から一年間の臨時的任用を経てからの採用枠を設け、教員としての適性を見きわめることを重視しております。また、御指摘のように、東京教師養成塾を設け、大学及び区市教育委員会と連携し特別教育実習を行うとともに、来年度から始まる教職大学院とも連携して、実践的指導力、対応力ある新人教育の養成に努めることとしております。
教育委員会としても、これらの動きに積極的に協力するとともに、教員の選考においては、他府県での経験者採用枠の拡大や面接方法の工夫など、適性や人物評価を重視する選考をさらに進めるよう、都に働きかけていきたいと考えております。
次に、区独自の教員養成講座を開設してはどうかとのお尋ねですが、現在、本区では、先ほど申し上げました教師養成塾の塾生や学校インターンシップ制度による大学生等の学校現場への受け入れを行っております。さらに、来年度からは、教職大学院の院生の受け入れも進めるなど、都や大学と連携する中で任用前の教員養成に積極的に取り組んでおります。その際、本区で実習し、都の採用試験に合格した学生等については、本区へ配置されるよう都に要望しております。
一方、現職の教員の指導力向上も重要課題と考え、新任教諭研修会や二、三年次教諭研修会等、区独自の研修体制により資質向上を図っております。また、教員のキャリアアップのための東京教師道場への参加や、各種課題研修、教育研究会への参加も積極的に進めております。したがいまして、今後とも教員の資質・能力向上に努めてまいりますが、多額の財政負担等を伴う区独自の教員採用を目的とした講座開設につきましては、今後の研究課題とさせていただきます。
次に、生命の尊さを感じ取り、命あるものを大切にする学習内容についての取り組みですが、生命を尊ぶことは、かけがえのない命をいとおしみ、みずからもまた多くの命によって生かされていることに対して素直にこたえようとする心のあらわれであると認識しております。生命を尊重する教育については、これまでも道徳の時間や総合的な学習の時間など、学校の全教育活動を通じて実施しております。具体的には、白血病で幼い命をなくした子どもが育てていたアサガオの種を引き継ぐという「いのちのアサガオ」について、お子さんを亡くされたお母さんから直接話を聞いたり、助産師や救急医の方から話を聞くなど、死を正面から見つめることや命の尊さについて子ども自身に考えさせるなどの取り組みを行っております。今後も、体験的な活動などを重視して、子どもたちの発達段階に合わせた取り組みを充実させてまいります。
次に、学校で飼育されている生き物と飼育の現状についてのお尋ねですが、小学校においては、ウサギやニワトリなどの小動物と金魚や亀など、全体としては七から八種類で、二百匹以上を飼っております。また、中学校では、金魚やコイなどの魚を飼育している学校が多く見られます。学校における小動物の飼育活動は、命のかけがえのなさを実感させ、命を大切にする心を養う体験的活動として、担当教諭の指導のもと、飼育委員会等が担当しております。飼育の方法には学校が責任を持って対応し、病気やけが等への対応では文京区獣医師会とも連携して取り組んでおります。
次に、学校における動物の飼育活動などを踏まえて、「生命の教育」を区として今後どのように充実させていくのかとのお尋ねですが、学校では、動物と人との触れ合い、人の生き方など、さまざまな形で生命の大切さについて考えさせる授業を行っております。動物の飼育については、新規採用教諭がふえてきており、動物飼育に対する基本的な理解不足も懸念されております。したがって、研修を通して動物の飼育に関する基本的な知識や技術を習得し、望ましい環境で動物を飼育する中で命を大切にした教育を進めていきたいと考えております。
次に、情報リテラシー教育を具体的に充実させるべきではないかとのお尋ねですが、急速に進展する情報化の中で、情報を吟味したり、適切に機器を活用したりする能力を習得させる教育を充実していくことは課題の一つであると考えております。したがって、学校においては、総合的な学習の時間等で、近年急速に普及している携帯電話の安全な使い方などについて、企業等の外部人材を活用し、専門的な立場からの指導の充実などを図っております。また、教員研修の内容に情報モラル研修を位置づけ、教員の資質向上にも努めております。
次に、子どもの読解力を向上させる新たな取り組みについてのお尋ねですが、これまでも国語力の向上について、各学校において研究等に取り組んできておりますが、OECDの学習到達度調査において、我が国の課題とされた読解力については、各教科にわたってその指導の充実が必要であると考えております。
現在、既に区内の学校においては、教育研究協力校を初めとして、連続型及び非連続型のテキストを読み解くという意味での読解力向上の研究に取り組んでおります。新しく示される学習指導要領でも、言語活動の充実、国語力、読解力の向上を大きな柱としており、これらの趣旨に沿って各教科や領域の指導を充実させることが、読解力の向上に結びつくと考えております。
次に、クリティカルリーディングやディベートを学校教育に取り入れるべきとのお尋ねですが、クリティカルリーディングやディベートは、多面的な見方、考え方を育て、思考力、判断力、表現力をはぐくむ上で有効な方法であると認識しております。現在、各小・中学校では、国語、社会、総合的な学習の時間などの中で、必要に応じ、授業の中で取り入れております。これらについても、新しく示される学習指導要領に沿って適切に指導してまいりたいと存じます。
最後に、学校図書館の充実についてのお尋ねですが、学校図書館の充実は、子どもたちの国語力の育成にとって重要な要素の一つであると認識しております。現在、学校図書館における図書、消耗品、備品の整備は、各学校がその実情に合わせて充実を図る一方、区立図書館と連携して図書館から学級文庫への長期貸し出しを行っております。また、調べ学習等のための団体貸し出し、読み聞かせ会、お話会の実施など、さまざまな取り組みを行っており、小学校においては、学校図書館ボランティアの協力も得て、さらなる充実に努めているところでございます。
〔田中としかね議員「議長、一番」と発言を求む〕
○議長(橋本直和) 一番田中としかね議員。
○田中としかね議員 自席からの発言をお許しください。
多岐にわたる質問に対し、教育長の真摯な御答弁、各教科、各学校に対する細かな目配りが伝わってまいりました。
今後は、委員会の中でさらに議論を深めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
○議長(橋本直和) 以上で本日の日程は終了いたしました。
次の本会議は、追って御通知申し上げます。
本日は、これにて散会いたします。
午後三時四十六分散会
|
|
お問合せ先
〒112-8555 東京都文京区春日1丁目16番21号
文京シビックセンター23階南側
区議会事務局議事調査係
電話番号:03-5803-1313〜4
ファックス:03-5803-1370
メールフォームへ | |
|
|
|
|