平成２９年度　文京区障害者地域自立支援協義会
第４回権利擁護専門部会　議事録

１．日時　　平成３０年２月２２日（木）午後６時３０分から８時
２．場所　　文京区民センター３階　３Ｄ会議室
３. 出席者　松下　功一・大形　利裕・新堀　季之・美濃口　和之・　箱石　まみ・中村　智惠子・
賀藤　一示・杉浦　幸介・久米　佳江・佐藤　真魚・永尾　真一・渋谷　尚希
　　欠席者　髙山　直樹　安達　勇二・浦﨑　寛泰・小谷野　恵美　（敬称略）
４　次第　1開会
　　　　　2.議題（１）今年度の振り返り
　　　　　　　　（２）来年度の方向性について
　　　　　　　　（３）その他
　　　　【配付資料】
　　　　・開催次第
　　　　・第３回権利擁護専門部会報告書
　
〈はじめに〉障害福祉課　中澤係長より連絡
自立支援協議会の親会より、議論をして検証するという観点や、文京区障害者児計画のチェック機能という観点から、委員の任期が2年では短いのではないか、という意見があった。そこで、任期を１年延長することが可能であるか確認したい。法人で受けている委員で人事異動があった場合は後任の方に委員を引き受けてもらいたい。不都合がある場合は障害福祉課に連絡してほしい。

（１）今年度の振り返り（２）来年度の方向性について
○29年度の下命事項としては
・権利擁護に関する課題や支援の在り方についての調査・研究・検討を行う
　〈区内地域で活動する関係機関等とのネットワークを強化し、相談支援に関する地域課題や支援困難事例等の解決に向けた仕組みを検討する〉というものであった。
・上記の下命事項について、一年目として障害者権利条約に触れ、選挙支援を通じて、意思決定支援のあり方について検討してきた。
また、障害者の成年後見制度利用が進んでいないこと、この部会で討議した内容を区民へ発信していくことについては、まだ検討が出来ていない。
選挙について
〇今年、部会で投票行動にスポットを当てて意思決定支援を考えてきた。
〇リアン文京の選挙の取り組みの素晴らしさを知り、狛江市の取り組みのＤＶＤを見て、障害当事者や家族、投票事務に関わる区の職員など、もっと知ってもらう必要があるのではないかと感じた。
〇障害を持った方々が時間を掛けて投票をするということの大切さと意味を知った。
○重度の障害がある人が選挙することは皆にとってもいい選挙のはず
○選挙報道はＴＶで聞こえが悪い方には手話などがあるが、知的障害の方向けの政見放送がないのであれば良いと思う。
〇候補者が障害者に分かりやすく話をする実践を行っていることでは滝野川学園の例がある。
〇意思決定支援について選挙を通じて、出来そうで出来なかったことがあったということを気づかされた。「支援者があきらめていたことがあったかもしれない」という気付きがあった。
〇「あたり前のことをあたり前にすること」の意味や大切さなどについて考えてきた。
〇選挙に行って、自分で候補者を決めて投票するということで本人の自信になる。
〇選挙に投票に行く、候補者を選ぶなど、行動を起こすことで本人も親も（両面で）意識が変わる。
〇障害があると選挙について、新聞を読んだだけでは分からないことが多い。施設に入っていない人でも分かりやすく説明してくれる場所や機会が欲しいと思った。
〇選挙については、課題を抽出して部会として、選挙管理委員など多方面に向けて、発信していく必要を感じた。
〇リアン文京での選挙の取り組みの紹介や「選挙」をテーマとした座談会などを企画して実施したい。また、実施することが大切だと考える。
〇31年4月都議会議員選挙がある予定。30年度の部会で準備が出来るのではないか。

成年後見制度について
〇成年後見制度利用促進法がH28年施行されたが、成年後見制度の利用の促進について、なかなか進んでいない。
○成年後見制度利用促進法には、地域の特性を活かして進めてほしいとある。
○成年後見人を受任している委員から、成年後見制度についての情報提供をしていきたい。
〇障害者が就労している会社から、成年後見制度の利用の促進が進んでいないと心配する声がある。
○民生委員の勉強会にも成年後見制度をテーマにしたものがある。
〇地域に暮らす聾者でよくわからずに、司法書士が後見人になって通帳や印鑑を渡してしまったが、本人はそれを望んでいなかった。そのために、本人が民生委員の所に相談に来た。弁護士が申し立てをして通帳と印鑑を本人に返してもらったという事例を知っている。誰のための成年後見制度なのか疑問に思う。
○利用促進に社協がかかわりを持つという流れになるか。
〇親が後見人になっている間はいいが、親が亡くなった後、第三者の後見人が就任すると報酬が高い。後見制度を使うことが本人にとっていいのかと悩むことがある。
〇市民後見人は報酬を安く受けてくれるとうれしい。
〇知的障害者の場合、本人を支えるサポーターのようなボランティアの方が近所にいて、その方が本人の親亡き後、市民後見人になってもらえてまた、報酬を安く受けてくれるとうれしい。
〇障害者の金銭管理について、親が生きている間は親が管理しているので、親以外の人が本人のお金の管理をすることになると思ったことがない。
〇成年後見を利用しようとした時、障害がある場合には話をして理解するまでに時間がかかる。成年後見制度の説明をする人と本人との間に信頼関係がないと制度利用は難しい。
〇成年後見制度のメリットとデメリットを本人に十分説明する必要がある。
〇障害当事者としては、成年後見制度を知りたいし、情報提供してくれる場があるといい。その人にとって損なのか徳なのかを知りたい。


〇障害当事者は支援を受けることが多いので将来のことが漠然と不安であり、金銭的なことも心配である。
〇社協が中核的な機能を担うことになるのか
〇本人の権利を守るために成年後見制度があるべきなのに、周りの人のための制度になっていないか。〇成年後見制度が広がっていくためには申請の支援も必要ではないか。特に未成年後見の申請が複雑である。
〇成年後見制度の利用が進まない理由の一つには、グループホームや施設に入っている利用者の場合、施設の人が金銭管理をやってくれるので困らない。本質を考えるとそれでいいのか、権利擁護を考える場合、中立的な第三者が必要なのではないか。
〇成年後見制度の区長申立をする時、支援者間で総合的に判断（関係のある親族が死亡しているのかなど）するが、どうしても慎重になってしまう。保佐、補助類型だと本人が保佐人、補助人を付けることを嫌がる場合もある。支援者は必要だと感じても本人が拒否的だと、制度を利用することが本人のためにいいのか疑問を感じることがある。
〇後見制度についてのアンケートを、イベントで区民に向けて実施したい。
〇障害者・児の親も出席しやすい時間帯に、成年後見制度の勉強会を開催して成年後見制度の理解を深めたい。成年後見制度は親にとって事前に知っておくことで安心する制度である。将来「この仕組みを使えば安心できるんだな」と思える勉強会を開催したい。
〇障害のある人がちょっとしたことを相談できるような、ミニ相談場所があるといい。
〇地域で暮らす障害者の権利擁護ということでも、基幹と就労と社協が連携して身近で安心して相談できる場所を作って欲しい。行政や専門職だけでは出来ない。インフォーマルな資源を活用する必要がある
〇行政が出来ること、地域が出来ること両輪で考えていかなければならない
〇障害がある方の、身近なところに相談できる人や場所→近所のサポーター、民生委員の存在は非常に大きい
〇障害者の親の会は、成年後見制度というテーマで今までも勉強会は行っている。
〇後見人としては、成年年後見制度を使いやすくするためのニーズが知りたい。
〇勉強会では講師から成年後見制度について、親と当事者にとってわからないことを、分かりやすく話をしてもらいたい。講師の話を聞いて親会から質問できる形を作りたい。
〇勉強会を開催するにあたっては。来週（2/26～の週）知的障害相談員の会があるので呼びかけみる。
〇親の会のメンバーが勉強会に出席できる時間帯は13：00～15：00が妥当ではないか。
〇まずは、インフォーマルな形で実施する。
〇3月10日ぐらいに「明日に創る会」を障害者会館で行うので勉強会の声掛けをしてみたい。
〇勉強会には精神障害の方やその家族の参加も可能とする。
〇勉強会を実施し、30年度第1回権利擁護部会までに各委員に報告メールを送るので事前に読んでいただき、30年第1回権利擁護部会で議論したい。
〇成年後見制度利用促進法の基本計画において権利擁護支援の「利用者がメリットを実感できる制度・運用の改善」「権利擁護支援の地域連携ネットワークづくり」の推進につなげていきたい。


他の議論
○権利擁護部会での話し合いを区民へ発信をしていきたい。来年度、成果を出していきたい。
〇来期、社会的入院についての実態調査をしたらどうか。障害者の権利擁護という観点から、どこに住むかの住居の問題は重要である。
〇選挙以外のことでの意思決定支援について話し合ったらどうか。
〇それぞれの立場や、いろんな場面での意見が出るが、文京区としてまた、自立支援協議会として何を残すことが出来るのか、誰がどんな形で課題を解決していけるか、会の役割として解決していける事や、方向性を考えたい。

来期の抱負
来期は具体的な実行に移したい。
権利擁護専門部会に参加して、これをやっていて良かったと思える会にしていきたい。

（３）その他
〇権利擁護部会は4回の開催。
1回　成年後見制度について（学習会の学び・振返）（開催時期は5月か6月で実施したい）
2回　成年後見制度について
3回　選挙について（意思決定支援）
4回　一年を通じての振返り