文京区障害者地域自立支援協議会
令和２年度　第1回障害当事者部会　要点記録

【日時】令和2年9月3日(木)　　14時～16時
【場所】文京シビックセンター3階　障害者会館　会議室C

【出席者】　髙山　直樹　　　(自立支援協議会　会長)

	　　志村　健一　　 （自立支援協議会　副会長）

　　　　　　小和瀬　芳郎　　(精神障害)

　　　　　　竹間　誠次　　　(知的障害)
　　　　　　
　　　　　　河野　孝志　　　(身体障害)
　　　　　　
　　　　　　小西　慶一　　　(身体障害)
　　　　　　
　　　　　　畑中　貴史　　　(区委員)

【事務局】　美濃口、立柳、林、武藤　(文京区障害者基幹相談支援センター)

【欠席者】　福田　美紗子　(身体障害)、永野　栄一郎（知的障害）

【補助人】　松下　功一　
　　　　　　　　　　　
【開会前に事務局からの連絡】
・出欠席の確認
・傍聴の確認
・会議録作成のため、会議内容の録音についての確認
・配布資料及び会議録はホームページに掲載
・配布資料の確認

1. 開会の挨拶　障害福祉課　課長　畑中氏より
今回コロナウイルスの関係で生活様式が一変し、色々と制約も多い中で色々お困りのことも多いかと思う。行政としても障害者計画改正の年ということで、新しい生活様式を見据えて策定を進めていきたい。皆様からも何かご意見などあればお声かけ頂きたい。
またこの当事者部会に関しては前年度予定していた民生委員との交流会が中止となったが、また仕切り直しということで、今度こそという思いで楽しみに準備していきたいと思う。

2. 議題
(1) 令和2年度障害当事者部会の検討事項などについて【資料第1号-1～4】
今年度も障害当事者部会の活動目的は、区民に向けた障害への理解を深めるための啓発活動を行うこととなった。大きく変化したのは開催回数である。通常5回開催していたものを今年度は3回にしている。
下命事項が検討事項という名称に変更。
資料の1号-1については、自立支援協議会の検討状況等とある。どのようなことが検討されてきたかについてのまとめとなっている。障害当事者部会は一貫して区民に向けた障害理解を深めるための啓発活動を実施してきている。
今年度は回数も少なく、機会が限られてしまうということもあるが、地域の中で地域住民と共に様々な福祉的な課題のまさに第一線で活動をされている民生委員との交流会を企画している。
今後第2回目は12月～1月、第3回目は3月に行われる予定。

（質問）
文京総合福祉センター祭りについてはどうなったか。
→今年度は新型コロナウイルスの影響により中止が決定している。基本的に交流をメインにするような祭りだったため。中止ということは決まっているが、館内でアートギャラリーのような催しが企画されている。内容としては動画で展示を撮影し、ネットに上げるような方式を取る予定。

アートギャラリーのような催しについて、時期はいつ頃か。
→文京総合福祉センター祭りは例年11月の最初の週に行われているため、おそらく同じ時期になるのではないかと考えている。

来館して観ることは可能か。視覚障害者の場合だと、触って雰囲気だけでも感じたいと思う。オンラインだけではなくてそのような試みもあったらいいなと思う。
→現在検討段階にあり、確認したいと思う。

(2) 民生委員との交流会について
令和2年1月24日に事前打ち合わせをしており、話し合った内容について改めて確認。
交流会当日は、前半の司会を竹間氏、後半を河野氏に担当してもらうことが決まっていた。
事前に民生委員にアンケートを取っており、障害当事者へ聞きたいことを意見集約している。
会長からも障害者の権利条約について交流会の冒頭に説明をする予定になっている。本日配布した資料については当日も使用するため忘れずに持参してもらいたい。

会長より：民生委員について改めて共有。自分たちの住む地域に民生委員が存在している。200世帯に一人の配置になっている。民生委員制度は大正時代からあり、ドイツと並び世界各国から称賛されている制度でもある。生活をしていて問題に直面した時、どこに相談したらいいのかわからないということは誰にでもあると思うが、地域の身近にいる人に相談できるという制度。民生委員は専門家ではない。一住民として生活をする中で相談を取り次いでくれる人というイメージである。行政機関も障害のある人のことを全部把握できているわけではない。住民とのパイプ役として民生委員が活動している。高齢の方が民生委員になることが多いため、高齢分野の困りごとについてはよく理解してくれるが、障害分野のことはわからないとの声も挙がっている。例えば、障害のある人が相談に来た時にどこに繋いだら良いのかわからないなど。民生委員組織の中に障害部会という部会があり、障害のある人達のことを知りたいとの声が上がったため、一昨年会長が東洋大学で3回ほど講義をした。その時に講師の一人として当事者委員を招いて話をしてもらった。その時にわかったことが、実際に当事者から語られた生活のしづらさ、生活実態を伝えた方が良く理解できるのではないかということだった。その後民生委員も改選があり、改めて民生委員に障害当事者部会委員の生活実態を話してもらいたいと思う。
生活のしづらさや、あるいは誰に相談をしに行くのかなど（主にインフォーマルな資源について）話せると良いのではないか。民生委員も、本当はそういう存在になりたいと思っている様子が事前アンケートからも伺える。この機会にいろいろ意見を言ってもらえると、民生委員も学ぶことができるのではないかと思う。障害によっても生活のあり方は全く違う。皆さんの生活について語ってもらいたいと思う。
民生委員は文京区民でもあるが、災害時にどこに障害のある方がいてどこに認知症の方がいるかということについては知りたいと言っていた。知っていれば事前に避難のことを考えることもできる。そのような情報をどうしたら事前に捉えることができるのか、課題になっている様子。特に地震。ハザードマップなどで危険個所がわかれば良いのではないか。

（質問）
　　災害時要援護者名簿が災害発生前に民生委員に渡っているのか。
→登録希望の方について渡ってはいると思うが、全ての方ではない。民生委員は厚生労働大臣が委嘱する究極のボランティアと言われており、最近はなり手がいないという問題がある。虐待の問題もある。文京区内には100名以上の民生委員がいる。地域の民生委員とそれぞれの障害について、何をして欲しいのか、何をして欲しくないのか等、交流が出来るとよいのではないか。

事務局より：民生委員を対象にした事前アンケートについては、内容を各自確認し当日の質問などに活用してもらいたい。開催時期については、来年1月頃と考えている。

(3) 今後の当事者部会の活動目的や方向性について
事務局より：今後の部会の在り方については、会長よりこの後説明となる。今後の障害当事者部会のあり方について皆で考えたい。今年度第3回目の部会にて次年度以降の活動について確認が出来ればと思う。

会長より：文京区障害当事者部会は関東では一番初めに作られた。障害者権利条約にもあるが、自分達の事を自分達抜きで決めるな、というスローガンが現在も続いている。支援者のみで集まるとどうしても支援者目線になる。支援者と当事者は違うため、当事者の目線を反映させることが重要と考えた。そのため協議会内に障害当事者部会を作り、他部会に当事者目線を反映していくことを目指して仕組みを作った。各部会から出された課題に答える形式を取った。差別のこと、障害当事者の生活のしづらさや相談について部会で学ぶ事が出来たことは良かったと思う。現在では、障害当事者部会が他区にも波及している。文京区の自立支援協議会の部会は現在5部会ある。部会数が増えている中で、今年度自立支援協議会の内容を見直そうという動きがある。新しい部会を作ったり、改編していく中で、障害当事者部会をどうしていくかということが議題となっているが、それは自立支援協議会内でのニーズと合わせて検討したい。参集する部会のみでなく、自由な形を展開出来るのではないか。障害当事者部会内のみで考えるだけでなく、就労支援部会や相談支援専門部会、権利擁護部会に実際に参加することも考えられるのではないか。自由に活動が出来るものであった方が良いと思う。

　　　　事務局より：8月の自立支援協議会親会では、以下の3点を報告している。①当事者部会の下命事項であった障害の普及啓発について。障害当事者部会の委員として障害の普及啓発を文京総合福祉センター祭りやシンポジウムなどを通して活動してきたが、障害理解が実際に区民の中に広まったという実感はなかった。②区民への普及啓発活動を促進するには、イベント的なものではなく、社会福祉協議会などが創っている、地域に入り込んで障害の有無を問わず日常的に集まれる場所が必要であること。社会参加が促進され活躍できる場が増えると、障害の理解、普及啓発が広まるのではないか。③物理的なバリアフリーも大事だが、人と人との関係性の中での心のバリアフリーが大事ではないかということ。何か困った様子であれば、一言声を掛けてあげてほしい。

会長より：一昨年より「発信」ということを部会で意識して行ってきた。他自治体では、こういう形態を作らずに、プロジェクト毎に活動をしているらしい。「ドルチェグループ」という名のプロジェクトグループを作って自治体内のお菓子屋を巡り、お菓子の美味しさはもちろんだが、店舗がバリアフリーかどうか、盲導犬受け入れ可能かどうか等を確認して発信している。その中で分かってきたこととしては、障害について配慮のある所は商品の味も美味しい、ということらしい。美味しさは物だけではない。知的障害があるグループが集まって仕事や恋愛、グループホームについて話し合い提言をすることで、元々あった当事者活動と結びついてきた例もある。

　　　　副会長より：今年度、就労支援専門部会にて就労に関するハンドブックを作成する予定となっている。しかし、就労支援専門部会には当事者委員が参加していないため、障害当事者部会の委員に協力してもらいたい。以前、心のバリアフリーハンドブック制作時にも障害当事者部会の委員には事前に内容を確認してもらい、意見を出し合ってもらうなど協力した経過があった。そのため、同じような関わりができるのではないかと考えている。就労支援専門部会と一緒に作り上げていけることが望ましいだろう。障害当事者部会の委員として協力できるかどうか、委員の意見をきかせてほしい。

(質問) 
障害当事者部会委員はどのような立場で参加するのか。委員としてなのかオブザーバー的役割として参加するのか。
　　　　→就労支援専門部会と情報共有・連携している会議体として就労支援者研修会がある。その研修会のプロジェクトの一環として動いていくことになるだろう。障害当事者委員にはプロジェクトの一員として参加してもらう形になると思われる。就労支援研修会の中でワーキンググループを作る予定となっており、障害当事者委員にも参加可能な方には参加してもらい協働して作成を進めていきたいと考えている。就労支援専門部会としても新たな物を作りだす時には当事者の声を反映していきたいと考えている。今後の障害当事者部会としての在り方や方向性にも関わってくることだろう。

就労支援専門部会の委員と障害当事者部会の委員が合同で集まれる場所はあるのか。広い会場は確保できるのか。参加者が大勢居ると話がまとまらなくなってしまうのではないかなど心配である。
　　　　→障害当事者部会委員が参加するとなれば運営上の配慮をするのは就労支援専門部会の役割となる。単に協力参加を依頼するだけではなく、分かりやすい会議の進め方や配慮ある資料作りが求められる。

　　　　就労支援専門部会と障害当事者部会が協働して就労ハンドブック作成を進めるという合意が取れたとし、就労支援専門部会へ意思表明する。既存のものでは精神障害のある方を対象とした心の健康ガイドはあるが、障害種別を問わず使用できるような就労ハンドブックになると望ましいだろう。ハンドブック作成段階から意見を出し合えるという点では障害当事者部会委員の意見を反映しやすいだろう。

会長より：来年度は文京区障害者地域自立支援協議会の各専門部会に障害当事者部会の委員が参加できるようになると良いだろう。今後は各専門部会が部会を超えて合同で取り組むことも必要になってくるのではないだろうか。

来年度以降の障害当事者部会のあり方、方向性については、今年度第3回の部会時に再度検討することとする。

3. その他　
　事務連絡
東京都障害者自立支援協議会交流会に文京区障害当事者部会委員からは2名の委員が参加する予定となっている。第2回 障害当事者部会時に感想等を共有する。


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