平成21年度第1回文京区障害者地域自立支援協議会 平成21年7月30日午後3時〜5時 文京シビックセンター3F障害者会館A・B 出席者会長:高山直樹委員:安達勇二瀬川聖美佐藤良行筒井幸代中村雅則松下功一森田妙恵子行成裕一郎吉田美奈子佐々木治佐藤真魚大久保延広國村紀子 幹事:椎名裕治高橋秀代佐藤壽志子伊佐間陽子(合計18人) 協議会の概要 開会 午後3時00分〜3時20分 会長挨拶〜委員紹介 報告事項 午後3時20分〜3時35分 文京区障害者地域自立支援協議会のこれまでの経緯 今後の文京区障害者地域自立支援協議会の体制について 以上事務局から報告 協議事項 午後3時35分〜4時55分 専門部会の検討事項(下命事項)について 相談支援専門部会について・・・・・事務局案に下記の内容を付け加える。 ?身体・知的・精神障害それぞれの問題点を個別に検討し、課題を明確化 就労支援専門部会について・・・・・事務局案のとおり 権利擁護専門部会について・・・・・事務局案のとおり その他 午後4時55分〜5時00分 次回の開催予定について 会議録【要点筆記】 会長挨拶 高山会長 文京区障害者地域自立支援協議会は平成20年3月に発足し、これまでも協議をしてきた。これまでの議論から、権利擁護部会と就労支援部会を加え、相談部会と合わせ3つの専門部会を持った協議体制となる。本日はその具体的な中身と方向性を審議する。障害者自立支援法は、いろいろな動きがあるが、地域の中で、各主体の顔が見える関係を作り、ネットワークを強化していくのは重要な課題である。それぞれの情報を寄せて、文京区としての障害者の方の支援の質を高め、ネットワークを強化していきたい。各委員の意見、協力をお願いする。 事務局から事務連絡(委員の出欠の状況の報告、配布資料確認) 協議会の運営について 椎名幹事 昨年度の協議会での取り決めを踏まえ、本協議会は公開とする。公開の方法は傍聴を認めることとする。委員の発言を録音し、会議録を作成する。会議録は記名式の要点筆記とし、委員の方の確認と会長の決定ののち、インターネット等で資料とともに公開する。委員は発言の際、会長の指名を受けてから発言する。 高山会長 いくつかの事項について確認いただいた。よろしいか。なお、議題によっては、プライバシーもあるので、会長の判断で協議会の公開を制限することもある。ご了解を願う。本日は傍聴の制限はしない。 1新委員の紹介 高山会長 本協議会は平成20年の3月からスタートした。今年度、組織上の異動から新しい委員の方もいる。委員全員の顔を知っていただきたいので、全員が自己紹介をして欲しい。 筒井委員 民生・児童委員の大塚地区の会長と、障害の専門部会の担当会長をしている。民生委員ということで頼りにしていただく事例もあり、うれしく思っている。これからも協力していきたい。 瀬川委員 本郷にある社会福祉法人本郷の森の銀杏企画をやっている。精神障害者就労継続B型と就労移行の3施設をやっている。 佐藤(良)委員 台東区の都立精神保健センターで相談係長をやっている。前任の川畑の後任で文京区の地区担当である。これを機会に文京区と連絡を取っていきたい。 安達委員 本駒込であせび会をやっている。精神障害者の地域生活の支援、自立支援法上の名称では、地域活動支援センター相談支援事業をやっている。 佐々木委員 前任の小松に代わり4月から文京区福祉部長をしている。昨年までは、高齢福祉課長の立場から、この会を見ていた。 佐藤(真)委員 文京区福祉部障害福祉課で知的障害者福祉司をしている。主に知的障害者本人、保護者の相談に乗っている。 大久保委員 文京区福祉部障害福祉課で身体障害者福祉司をしている。身体障害者全般にわたる相談を受けている。逆にここの委員の方々に相談に乗ってもらうこともある。 伊佐間幹事 4月から障害者就労支援センター長をしている。渡辺の後任である。 高橋幹事 文京福祉センター所長である。福祉センターでは、障害者関連の事業として、自立支援法に基づく生活介護事業・機能訓練事業・児童デイ、その他、養育相談事業・発達の相談事業をしている。 椎名幹事 4月から障害福祉課長をしている。それまでは企画部門で福祉センター建て替えなど福祉関係にも携わってきた。 佐藤(壽)幹事 予防対策課長をしている。予防対策課では、精神保健の所管をやっている。 國村委員 保健師としての活動から地域の精神障害者の実情を肌で感じている。その視点から意見を申し上げたい。 吉田委員 視覚障害者の団体、障害者の代表として来ている。今日の話の中でも、精神障害、知的障害という感覚の中で、障害者福祉の話が進んでいるのかなと感じる。取り残された感じもする。 行成委員 千駄木でエナジーハウスという精神障害者の方の通所施設をしている。自立支援法でいうと地域活動支援センターと相談支援をしている。 森田委員 向丘のトチギ介護サービスという居宅介護支援と訪問介護の事業所である。当初は介護保険が主だった、最近は障害者にもヘルパーの派遣をしている。最近は自立支援法から介護保険に移る方もおり、そのサービス内容のギャップに悩んでいる。 松下委員 大塚の槐の会の松下です。自立支援法でいう生活介護・知的障害と身体障害の方々が毎日通所をしている。それ以外に文京区からの受託事業で短期保護、自立生活支援事業、障害を持った中高生の居場所対策事業、動坂福祉会館では地域活動支援センター等々をしている。 中村委員 文京区社会福祉協議会の次長です。ボランティア関係、権利擁護をやっている。前職は後期高齢者医療制度広域連合の総務部長をしていた。 高山会長 新しい委員の方にはよろしくお願いする。それでは、これまでの経緯の確認を事務局にお願いする。 2文京区障害者地域自立支援協議会のこれまでの経緯 椎名幹事 資料2ページを読み上げる。 高山会長 よろしいか。では次に資料3これからの協議会の体制についてお願いする。 3今後の文京区障害者地域自立支援協議会の体制について 椎名幹事 資料3-1から3-4まで読み上げる。 高山会長 この協議会及び専門部会で地域のさまざまな課題を具体的に検討していくため、このためこの体制としていきたい。ほかの自治体でもこれが基本の枠組みになっており、また重要な枠組みである。重複されている委員の方は大変ですが、よろしく。 椎名幹事 専門部会長は、部会員の互選で決まる。就労支援は一度開催され、決まっている。他の専門部会の会議設定は一回目を事務局で行い、そこで部会長を決め、その後は部会長を中心に進めることになる。 高山会長 権利擁護専門部会の弁護士と社会福祉士の選任は。 椎名幹事 権利擁護専門部会ですので、それにふさわしい、その分野に詳しい方がいいと思っている。会長の指名であるため、名前が挙がったところで、会長の確認、指名を持って決めたい。 高山会長 続いて資料4専門部会への検討事項への下命事項へ移る。事務局の案が提示されているが、協議会の中でも検討したい。まずは資料の説明をお願いする。 4専門部会の検討事項(下命事項)について 椎名幹事 資料4と参考資料を読み上げる。 高山会長 では資料4に戻る。3つの専門部会の検討事項の案と、相模原市の案もあった。まず相談支援専門部会から協議を始めたい。事務局案には、いろいろなものが含まれ、範囲は広い。具体的なご意見があれば専門部会で議論しやすくなる、またこれ以外に検討を依頼したいことがあれば付け加える。 椎名幹事 相談支援専門部会は、去年5回やっている。それを引き継ぐものもある。前回の検討事項は相談支援全般という大きな枠だった。それを絞ることも、広いままにもできる。また具体的な事項の追加もできる。昨年は困難ケースに関してもやっていた。また相談にはネットワークもあるが、ワンストップというキーワードもあった。このあたりから相談支援部会で何を引き継ぐのかとなる。 高山会長 障害者と言っても身体、知的、精神と縦割りである。その障害の種別ごとに特徴的な相談、権利擁護、就労支援があるかもしれない。その意味で具体的な提示をしてもいい。または、抽象的に全体を見てもいい。一番良いのは、この協議会で議論して、文京区独自の課題があれば、それを掘り下げ共有することであり、それが役割である。今日の議論としてはそれぞれの委員の分野から発言をしてもらい、そこから検討をスタートしたい。 安達委員 地域福祉協議会でもワンストップ体制について項目があったと思う。昨年はそれとの連動の必要性を議論をしたと思う。 吉田委員 各委員の事例報告の中に、本人が相談箇所を数か所、回っていたというものがあった。結局たらい回しになったうえで答えが出なかった事例もあった。それを防ぐための連携と、ワンストップ相談ができないかという議論であった。その中でセンターの建て替えの議論も加わり、社会福祉協議会やボランティアセンターが窓口になれないかも議論された。 高山会長 そうです、何ケースか事例検討をした。そこからたらい回しを防止し、ワンストップ対応の相談機能の必要性を議論した。しかしすべてをこなす窓口の設置は困難で、地域のネットワークでの解決が大切となり、ネットワークの必要性が出てきた。文京区には介護保険に絡んで、地域包括支援センターが4つあり、そこが高齢者の総合相談窓口となっている。文京区の障害福祉にも同じような窓口が必要なのではないかという議論である。横道にそれるが、法律の話では障害者虐待防止法が議員立法で提案されていた。児童虐待防止法の児童相談所や高齢者虐待防止法の地域包括支援センターのように、障害者虐待が通報された場合に何かの機関が関わる必要が出る。基本的な仕組みは高齢者虐待防止法と同じで、単に虐待者と被虐待者を分離するのではなくて、虐待する人を支援することもあります。つまり虐待であると判断する機関と、支援する機関を分ける必要がある。法案成立の場合には、このような機関の検討は、権利擁護と相談支援の専門部会において、大変重要となる。虐待をテーマとした議論を想定しておくことは、権利擁護の専門部会も含めて重要である。 吉田委員は、相談の現状からいかがか。 吉田委員 相談は会員からのものがほとんどで、他からの相談は少ない。相談例から耳が遠くなって、自立支援法や介護保険法がよくわからなくなった方の場合等で、「さあどうしましょう」となった時に、ちゃんと相談できるところ、ネットワークがあれば早期の対応ができると思った。 高山会長 自己紹介の時に、取り残された思いと言ったが具体的に何か? 吉田委員 多くの障害者、例えば私のような視覚障害者も何とか生活を成り立たせるため、それぞれが一所懸命やっている。しかし作業所の多くも精神障害者、知的障害者と縦割りであり、希望者全員が通所できるだけのキャパシティーはない。視覚障害者の作業所も見当たらない。通所したいが行けないので、仕方なく頑張っている人もいる。また、いろいろな制度やサービスの利用にも限度があり、制限される部分もある。その中でだんだんと取り残されていく。障害者は、それぞれが社会参加をしているが、どこか違う気がする。社会がこう変わればいいのにと思い描くたびに寂しさを感じる。 高山会長 身体障害者福祉司としてはどうか。 大久保委員 身体障害の方から相談をいろいろ受けている。役所だけで解決できる問題と、他の機関とつながりながら解決する課題とある。出来るだけつながりながら解決しようとしている。しかし今の段階だと限界があると感じている部分はある。 高山会長 その限界というのは具体的には何か。 大久保委員 より深く、面接、相談、訪問を重ねていき、家族や地域の方とも広くつながった支援体制の構築を理想とするが、時間的、人的に限界がある。制度の運用を工夫するにしても限界がある。 吉田委員 自立支援法と介護保険法での家事援助では、サービス内容が異なってくる。障害は変わらないのに、本人の年齢が介護保険に到達するとサービス時間は短くなる。いろいろと区でも相談に乗ってくれ、助けてくれているが、本来それは介護保険の矛盾点である。そうゆう相談を聞くことが多い。 高山会長 介護サービスの事業所として、森田委員はどうか。 森田委員 障害者へのサービスとしては、最初のころは身体障害が主だったが、最近は半分が精神障害の利用者である。精神障害の方は介護度が出ても低く、実際、精神障害の方は、ほとんど家事援助が週一回ぐらいとなっている。中には週に一回、ヘルパーが入ったときだけ掃除をし、後は布団の上で一週間生活することを繰り返す人もいる。ヘルパーも支援に疑問を感じてしまう。法の理念からして、できるだけその人の能力に応じての援助とするため、多少でも掃除や着替えを一緒にやるなど工夫をしているが、精神障害の人はそれも難しいのが現実である。 高山会長 大久保委員は限界があると言いましたが、相談には時間がかかる。信頼関係をつくるため、寄り添わないといけない。相談を待っているのではなく、アウトリーチと言って家庭訪問とか地域に入っていけないとならない場合もある。障害の種別に関係なくそれができて相談といえる。その意味で、人材、場所、相談員の質が問われる。またそこから相談のネットワークが出てくる。これは、どこの地域でも同じテーマで、目指す目標はこれです。それをどうやって作り上げるかが課題である。 松下委員 昨年度、当施設でも相談は待ちの姿勢だったかと反省し、利用者の方及びその家族の将来を、あらかじめ先読みして、我々近くにいる人間が備えられるなら備えていくために、一歩踏み込んで支援するということが非常に重要であると感じている。 高山会長 知的障害者福祉司はどうか。 佐藤(真)委員 知的障害者は一人での生活は難しい。保護者の方と寄り添って暮らすことになるが、保護者の高齢化もある。保護者に何かがあると、本人と保護者の両者に介護が必要となるなど、そこに関わる家族全体の問題となってしまう。とりあえず私が相談を受けますが、すべて解決できるわけでもなく、いろいろな機関と相談し、サービス調整をしなければ解決しない。現状は、それぞれの機関が単独で一所懸命解決に努力している状態で、そこから進みえていないと感じる。ネットワークの課題は、現実の問題である。また高齢者の地域包括支援センターのように、障害者福祉にもしっかりとしたネットワークがないと今後の困難事例の対処が厳しいのではないか。昨年度はこの場にいくつか事例が出てきていたので、今年度はそれを含めて、ネットワークをシステムとして協議して、徐々に力が付いていけばよい。 高山会長 民生委員の方には何か特徴のものは。 筒井委員 災害時要援護者名簿登録制度もできたが、障害をお持ちの方はあまり見えてきていない。家族と住んでいらしているのなら、良いのだが、セキュリティーの高いマンションにおひとりでお住まいだったりすると、支援の必要な方を見極められないことも多く、難しさを感じる。 高山会長 身体障害、知的障害、あと精神障害を考えると保健師は相談の一つの重要な要素となります。 國村委員 保健師は区民の方から寄せられる相談を雑多な形のまま引き受ける。よくよくになって相談に来る方もおり、問題のありかもわからないほど、複雑に絡み合ったケースもある。その際つなぐことをキーワードに連携をしている。普段から横のつながりを大切にして、相談相手を良い相談者に仕立て上げていく支援を自然に行っている。このようなさまざまな機関が集まる場で、それぞれの縦割りの垣根を越えてネットワークづくりのための会議ができればと思う。精神障害に関して言えば、サービス利用に至らず、潜在化している方たちにも、その人らしい生活のできる場を地域の中に作っていければと思う。 瀬川委員 以前文京区のアンケートを見た時に、家にこもっていて、出て行くところがないが、働きたいという人が多くいたのに驚いた。一人で悩み、どこで相談できるかわからないという人がまだいると感じた。本施設の案内ポスターを保健予防課に貼らせてもらっているが、そこで初めて存在を知ったといわれることもある。一つの民間施設だけでは、悩んでいる人の掘り起こしは難しい。行政や保健師との協力が欠かせない。 佐藤(壽)委員 相談のある方の掘り起こしは大変大きな課題である。民生委員の方も言ったように、マンションの個人宅までは入れないというとはそのとおり。保健師はその昔、地域の健康を守るために地域に入っていっていた。しかし今では保健師の業務も地区割りではなく、業務別に変更され、地域に食い込む体制ではなくなっている。アウトリーチというが、昔のような保健師活動をやってくれと言われてもそれは無理。また介護保険制度や、自立支援法があり、社会システムも複雑化している。一人ですべて対応するのは無理と思う。その中でどのようなイメージのワンストップ機能を持つのが最も効率的なのかを考えないとならない。オールマイティーなワンストップは非現実的であることを認めた上で、今の時代にあったアウトリーチとして何を構築するかを考えないといけない。 高山会長 その意味では文京区における相談支援事業の評価をする必要があるかもしれない。行成委員の施設はいかがか。 行成委員 相談支援事業を4月から始めているが、実際はこれまでの支援のやり方を変えたわけではなく、これまでやっていたことを相談支援事業に移しただけである。相談機能としては、そもそも利用者は保健師とかワーカーから紹介されることが多いため、すでに連携された形で始まっている。何か生活上の相談で介入しなくてはならない場合も、保健師、ワーカーと連携して対応している。また自立支援法と介護保険法とのサービスの差に悩むことは多い。他の機関との連携としては、地域包括支援センターがすぐそばにあるが、連絡をしていない。普段から地域のネットワークとして、自分たちの利用者が次のサービスとして移行する可能性も含め、体制を作っていきたいと考えている。 会長佐藤(良)委員はどうか。 佐藤(良)委員 都立精神保健福祉センターでは、地域の方のあらゆる相談を受けている。相談は単発的であり、アナウンス的な解決となり、その後のフォローが確認できないことが多い。日常的にどこかの機関とつながるということもなく、もどかしさも感じる。この協議会で各部署の役割と連携する必要性が話し合えたらいい。私たちに寄せられる相談の中での困難ケースは、以前は精神障害の方が主だったが、最近は保護者が高齢の知的障害者の方への援助で、複雑に事情が絡み合っていることがある。そのような場合、たいていは地域との関係が切れていて孤立していることが多い。そのため、ご本人、家族からもSOSをうまく出せない問題を抱えている。それをキャッチした機関が、いかに支援に食い込んでいくか、また、ただ一つの機関が入るのではなく、チーム対応が必要とされるような状況があると感じる。それが地域づくり、ネットワーク作りにつながると思う。 高山会長 いろいろな意見がありました。先ほど佐藤(壽)委員の整理のように、昔とは違う、新しいアウトリーチの形を考えないといけない。複雑で多問題であるというならなおさらである。また、地域が小さくなるとまた逆に相談しにくいということも起こる。その時にどうバックアップするかも課題である。そこで相談には三つあると思う。 1つは総合相談、2つ目は専門相談、3つ目は身近な相談(地域の相談)。その枠組みをどう作るかの問題である。それをやるには、人の量と質の問題、場所の問題、ネットワークの問題、公と民とのまたは住民との関係を課題として整理する必要がある。そして、これまでの議論を改めて見てみると、やはり3つの障害は全く違うという印象である。そのため、まず三障害それぞれの問題点を明らかにしていく作業が必要でしょう。三障害を包括的にやることには限界があると感じた。三障害のそれぞれの問題点を相談支援部会で議論を深めてもらい、課題を明らかにしていくということを付け加えたい。 次に就労支援部会の議論をお願いする。 椎名幹事 先日開かれた、就労支援部会での議論について報告をする。まず、部会の検討事項としては、現状の把握を行うこととした。部会員が28名がいるので、網羅的に出てくると思うが、まずは現状把握をしたのち、切り口に着手しようとした。そしてその先には、就労継続支援、新たな就労の開拓、各機関がいかにネットワークを構築できるかにつながるのではとの議論であった。 高山会長 部会員が多いため、運営上の工夫をお願いする。 高山会長 行成委員どうか? 行成委員 もともと就労支援連絡会としてやっていたもので、既存事業の話も多いため、就労支援に起案する問題点までは踏み込めていない気もする。しかし就労支援は新しい取り組みであり、新たな事業も始めているので有意義に進められればと思う。 伊佐間幹事 三障害を含めての運営で、学校をはじめ関係機関も多いので、指摘の通り運営の仕方が大変難しいという認識はある。運営では工夫をさせてもらう。本日部会長の川岸統括は欠席であるが、部会長からの話としては、障害者の就労関係はリーマンショック以降の景気動向により、最悪の状況が続いているとのことであった。新規就労の応援もあるが、就労継続支援にも力を注がないとならない状況とのことであった。 高山会長 就労支援は単なる就職口のあっせんではなく、生活をどう支えるのかが含まれる。つまり就労支援と生活支援が一体となって真に機能するものであるので、そこまでの整備をすることが理想的である。 吉田委員 以前スカイホールで障害者の雇用について講演があった際に、これから企業は障害者が働けるような仕事を提供しなくてはならない法律になるという話を聞いた。あの話はどうなっているのか。小さな企業も雇用を考えないといけないのか。 伊佐間幹事 今は300人以上の雇用している企業に対して、1.8%の障害者雇用が義務付けられている。平成22年の7月1日から200人以上となり、次は平成27年からは100人以上となる。 高山会長 これは行政機関、公的機関が工夫をして進めていかないとならない。一般就労でも月から金の9時5時を要求するという枠組みは、障害者の就労支援にならない。ワーキングシェアを含めて工夫していかないといけない。いろいろな勤務形態で障害者の方が就労ができる形になるといい。 就労支援専門部会については、既に一回やっているが、その中で障害の特徴を明らかにしていただくということで良いか。では次、権利擁護専門部会に移る。 文京区社会福祉協議会には権利擁護センターがある。成年後見制度との関係から、権利擁護専門部会では社会福祉協議会が要になる。その点について中村委員いかがか。 中村委員 権利という概念が範囲は広い。現実に社会福祉協議会の権利擁護センターの仕事は高齢者の財産の法律問題、家族がいる場合の相続の問題が主となる。その中には家族に障害者がいるという点で心配という相談もあった。ただ一番多いのは認知症高齢者の成年後見制度の相談に応じるというものである。いずれにせよ専門家、弁護士や司法書士などのレベルの話となり、職員の窓口対応では難しい。障害者の権利ということで考えると、三種類の障害者の抱える問題が多様であることと、権利という概念が多岐にわたり、金銭問題から身上監護的なものまであることを含めると、ワンストップで引き受けることは難しいと感じている。専門性のあるところが担う必要がある。また権利としては、バックとして法律で保護されている部分がいくつかあると思う。法律でそれを保護する所管部署が、どのような悩みを持っているかを、最初に事例として把握していく必要があると思う。 高山会長 権利というと、日常的な生活の問題から、法的な財産的なものまで幅広い。そのためこの専門部会にも就労の問題も相談支援の問題もかかわってきます。実は障害者差別禁止法では、擁護者の虐待もあるが、就労場面の虐待、施設においての虐待もあるため、この三部会はつながる。その意味では、いま文京区にある権利擁護のシステムが法的な制度も含めて、どうゆう仕組みになっているかを明らかにしていく必要がある。例えば、各事業所には苦情処理の仕組みがあるが、その第三者委員会が本当に活用されているか、いくつかの権利擁護の仕組みを検証してみたい。 松下委員 身体障害や知的障害の場合は主たる介護者という人がいて、その主たる介護者に何かがあった時に周りがその障害者のことを何も知らないという事例がある。日常介護をしている人が何を思って介護していたのか、また本人は将来どうしてほしいと思っているのか等を書きとめるサポートノートの作成を検討している。本人が生きていくうえでの最低限の将来の権利擁護としての整備していく範疇と思っている。 高山会長 権利侵害は起こってはいけない、予防のところをしなくてはいけないということである。日ごろの支援が充実していれば権利侵害が防げる。しかし発生した時にどうするかというセーフティーネットの仕組みの検証も必要である。現実は起きていても助けられない仕組みになっていないか。たとえば介護保険で、選ぶ権利があるといっても、実際には選べない無権利状態である。契約を解除できない。そうゆう状況下で権利擁護はどうなるか。事業所内の権利擁護の検証、あるいはネットワークはどうなのか。地域福祉権利擁護事業との関係性もある。いろいろ仕組みとしてはできているが、その評価を文京区でする必要がある。 椎名幹事 障害者の権利擁護に関する相談は、社会福祉協議会や地域包括支援センターでも事例が少ない。それがどういうことなのか。文京区には、入所施設がないけれども、通所施設では権利侵害は無いのか、権利擁護の仕組みは機能しているかを、この協議会、専門部会で検証を始めて、特に会長の専門領域でもあるので、会長からの指導もいただいて進めていければと思う。 高山会長 では権利擁護専門部会の下命事項の議論をまとめると、事務局の案に内容が含まれるため、事務局案のとおりと決定する。それぞれの部会では部会長を中心に検討をお願いする。 椎名幹事 各部会での検討内容は、後ほどこの協議会に報告をいただきたい。結論まで至らない場合は、検討経過として報告をお願いする。 5その他 高山会長 今後の日程はどうか。 椎名幹事 自立支援協議会の開催は、必要に応じて開くこととなる。特段何もない場合でも来年3月をめどにの協議会を開催する。 高山会長 これで文京区障害者地域自立支援協議会を終了する。