自然分科会活動報告

更新日 2006年10月01日

3.自然分科会活動報告

自然分科会の活動方針と活動の概要

平成11年1月から始まった文京区ネットワーク会議は、当区における市民と行政の協働による良好な快適環境づくりへ向けての第1歩でした。
大気汚染、ヒートアイランド化やゴミ問題はもとより、市街地の高層化、高密度化などが進行し、私たちを取り巻く環境は、ますます深刻さを増してきています。このような問題を解決していくためには、私たち市民が行政とともに行動していくことが不可欠です。
私たちの生活する文京区は、江戸時代からの歴史を誇る町ですが、多くの大学や旧大名屋敷の庭園などが残る一方、都心に近いためオフィスビルや工場などの混在した複雑な構造をしています。また、住民も古くからこの地域に住んでいる人々と、新たに移り住んでくる人々とがおり、人と人とのコミュニケーションが疎遠になりがちです。
このような状況の中で、平成9年から11年にかけて環境基本計画策定が市民、専門家と区との協動で行われました。その中で提案されたのが、市民と行政との協動による環境創出の活動でした。
これを受けて平成11年度から文京区環境ネットワーク会議が開催される事となり、応募などによって区内の在住、在勤者の方々が選出されて当会議が発足しました。
活動の進め方としては、約20名ほどのメンバーを半分に分け、社会環境分野(社会分科会)及び自然環境分野(自然分科会)の2つのグループに別れて活動を行うとともに、合同の会議を開いてグループ相互のコミュニケーションを図る方式で進めることとなりました。
以下、私たち自然分科会グループの行った活動を整理してみました。

初年度(平成11年度)の活動

まずは共通認識の構築から

環境ネットワーク会議のメンバーが、一緒に考え行動していくために、私たち自然分科会では、まずメンバー相互のコミュニケーションを図ることが大切であると考え、地域の環境に関して、ある程度共通の認識を得ることから活動を始めました。

基礎的なデータをもとに討論

まず、文京区の環境に関する既存のデータ、すなわち環境基本計画、緑の基本計画その他のデータや地図、各メンバーの住むコミュニティーに関する情報をもとに文京区の自然環境ならびに公園緑地等の実態、問題点などについて討議しました。

タウンウオッチングの実施

まず、自分たちの街を見て、その状況を把握する。そして問題や課題を見つけることから始めました。日頃住み慣れた町でも、その状況をしっかり把握していないことも多いことから、区の自然や緑などの環境の実態を把握するという意味で、みんなで情報を提供しあい、調査ルートを決め、数回にわたり写真を撮りながら調査をおこないました。
その結果、区内の公園や公有地、それに民有地の緑等に関し、いくつかの問題が抽出されました。そこで、これらの問題を解決していく方法などを模索するため、さらにいくつかの調査を行いました。詳細は、各メンバーのレポートにまとめられていますが、そのうちの主な項目を挙げると、

区内の公園について

  • 区内の公園のほとんどは敷地が狭く、余り利用されていない。

民有地の緑及び環境について

  • 建物の高層化や敷地の分割が進みつつあり、緑が急速に失われるとともに、日陰、ビル風等が新たに発生しつつある。

公有地(学校その他の公共施設用地)の緑および環境について

  • 建物の増改築によって敷地内の緑が減ったり、高層化によって日陰やビル風等が発生しつつある。
  • 学校(小・中学校)などにおいては、自然観察などのできるビートープづくりが要である。

社寺その他民有地の緑及び環境について

  • 社寺などでは、経済的理由等から徐々に境内の緑が減少してきている

個人の住宅の緑について

  • 比較的広い屋敷の緑なども、代替わりに伴って敷地が分割され、小規模住宅やマンションに立て替えられて、緑が失われている。など、様々な問題や課題が抽出されました。

公園に関するアンケート調査の実施

また、これらの認識を踏まえて、公園に関するアンケート調査を企画しました。
特に地域の小公園は、幼児を持つお母さん達にアンケートを配り、地域の公園に関しての意見を書いていただき、これらを集計し分析結果を取りまとめました。

区への提案

さらに、一年間の活動体験をもとに、次年度以降における区の公園緑地ならびに環境創出に関わる事業について提案を出しました。
提案のねらい及び提案項目は、以下のとおりです。

提案のねらい

区民の都市自然環境に関する意識の普及及び啓発

提案項目

  • 区のイベントに環境ネットワーク会議として参加
  • 花と緑のコンテストなどの実施
  • 活動内容などを広く区民に知ってもらう(広報活動)

平成12年度の活動

2年目は、1年目に抽出された問題点及び課題を重点的に取り上げ、その実態ならびに動向を探るとともに、良好な街の環境創出へ向けて、各関係団体などへの働きかけを行いました。

企業や民間団体、施設、社寺及び学校などへの働きかけ(ヒアリング及び協力依頼)

企業ヒアリングとしては、株式会社東京ドーム、共同印刷、トヨタ自動車へ出向き、環境関連の担当者の方々から、地域の都市環境に対する考え方及び取り組みなどについての話を伺いました。
具体的には、

  • 環境NPO団体などの立ち上げの可能性についての検討(世田谷トラストに関する資料収集及びヒアリング)
  • 都市の自然環境改善に寄与するようなイベントの実施(エコリサイクルフェアでの展示)
    以下、平成12年度に行った自然分科会の活動について、各テーマあるいはトピックごとに各メンバーで分担してとりまとめてみました。

(環境ネットワーク会議副座長・高山啓子)

3‐1文京区の公園・児童遊園についてのサーベイ結果

テーマの一つであります環境と緑の問題として区内の公園・児童遊園のフィールド調査(委員自ら)と区内の全公立幼稚園を対象に、そこへ子供を通わせる保護者向けにアンケートを実施しました。アンケートは2000年1月に行われ、308件の回答がありました。関心度の高さもさることながら、現状に対する不満の声(回答者の内80%)が圧倒的でした。
既存の公園/児童遊園は数十年も前の需要で供給されたものが多く、生活の変わった現時代にあった公園/児童遊園に作り変えていくべきではないかということと、 回答者のあげる現状の問題点とは大きく分けると衛生問題、社会問題、自然環境問題の3つでした。

衛生問題

バリアフリーを公園にとりいれていく計画が進む一方で忘れてはならないのが、ハトやカラスのごみ散乱被害、犬や猫の糞尿、浮浪者の居住化です。この問題が残されたままでは憩える場所とはいえません。

社会問題

住宅地の中でさえも交通量が多く、子供が外で遊べる場所が激減しています。情報化は増々進み、そうした環境の中での子供は「内」で、「個」で遊ぶようになります。そういった子供時代の過ごし方は、現在の社会問題にも影響を及ぼしているといっても過言ではありません。

自然環境問題

公園は老若男女全ての人のためにあるべきですが、小さい頃によく遊んだ場所(広場/公園)があり、よく登った木があったから、後に、子供たちはそこの動植物を守っていくのである。自然に親しみ、自然を知るということは、自然を守るという気持ちにさせていくことです。このことは、グローバルに考えた環境問題とは切り離せません。
当アンケートの回答(生の声)は、限られた紙面の都合上掲載できませんが、区において保管していただき今後、区が個々の公園/児童遊園に手を加える時にその問題点を参照し、より区民の理想に叶うものであるように利用していただきます。 そしてそれを切望します。

(自然分科会・山田浩子)

3‐2はじめての社寺訪問:心光寺さん(白山)~湧水の話~

文京区内には、かなりの数の寺社があります。その敷地内の緑は、寺社のものであれ、区民にとっては偶然の緑ではありますが、まさに神の恵みともいえる貴重な緑であると思われます。環境ネットワーク会議の自然分科会では、そういった特定の地域の緑が減っているのではないか、そういった事態を放置しておいて良いものなのか、という話題が出ていました。そこでメンバーでとにかくどこか区内のお寺に直接現状をうかがってみるのがよいのでは、ということになり区内の湧き水に詳しい住職さんのいらっしゃる、白山の心光寺を訪問することになりました。(詳しいレポートは、環境ネットワークニュースの3号の「おしかけ勉強会」の記事をご覧ください。)
心光寺は、白山上と白山下の中ほどに位置し、表の通りは、ひっきりなしに車の行き交う主要道路なのですが、一歩境内に入ると、豊かな大小の樹木の緑と、年季の入った石仏が無造作にあり、一瞬都心であることを忘れてしまう光景がそこにありました。そんな雰囲気に驚きながら、応接室に通されますと、その部屋から東洋大学の新校舎のビルが見えたのですが、その手前に広がる庭の樹林は、かなりの奥行きがあるようでした。
なぜそこにそれだけのまとまった樹林があるのかをお尋ねしましたら、お寺の立地条件のお話から教えていただくことになりました。つまり、寺には浄土をあらわす池が必要で、そのためには、そこに湧き水がないといけないとのこと。湧き水があるということは、自然にそこに緑が繁殖する。だから、心光寺は、武蔵野台地のはずれの崖地に位置していて、今でも台地からしみ出す水があるからこれだけの樹林が保たれている、というお話でした。
また、寺は外敵からの侵略を阻止する要塞の役目もあって、水の湧いているところが、必然的に選ばれたというお話も興味深いものがありました。
もう一つ重要なお話は、上記東洋大学の新校舎ビルが建った直後、湧き水がぱったりと途絶えたことがあったそうですが、住職さんの予想どおり数年後には復活したそうです。途絶えた理由は、ビルを建てる際に高さに応じてかなり深く地下まで埋め込む土台が、地下水脈を分断してしまうそうです。そして、復活した理由は、地下水脈というものは、迂回してでも流れて行きたい性質を持っているからだそうです。また、心光寺の近くには、東洋大学しか高いビルがなく、迂回するのにたいして年月がかからなかったというのがもう一つの理由とのことでした。そして、もう一つ興味深いお話が、ここで出ました。そういった高いビルがつながって林立するとせっかくの水脈も、迂回する余地がないために分散されて、湧き水としての性質を無くしてしまうことになるそうです。
例としてあげられたのが、池袋の西口と東口の双璧をなしている百貨店のビルでしたが、そういうお話を聞いた後でそこに立ってみると、ビルの林立は、人類の繁栄の証のようで、実は見えないところで衰退を招いているのかもしれないような気がして、そういったこと少しでも知っていただくにはどうすればよいのか、これも我々の活動の課題であると思いました。

(自然分科会・竹井淳子)

3‐3タウンウォッチング

文京区は歴史ある街、文化薫る街です。古くからの寺社、大学、病院が多くあります。
環境ネットワーク委員会の自然分科会では環境保全、殊に緑の保全活動をするために、まず文京区内を根津、千駄木地区、本駒込地区、白山地区に分け、ウォッチングしました。文京区の“緑”は護国寺、吉祥寺、伝通院、湯島天神、根津神社、白山神社をはじめとする古くからある寺社、小石川後楽園、六義園、新江戸川公園などの大名、武家屋敷跡の公園、庭園や学校が持つ小石川植物園などの“緑”が景観を作っています。そこで、公園や是非残したい美しい緑ある場所などをウォッチングしました。
特に東京大学付属小石川植物園は文京区の中央にあり、文京区の顔をなしています。それ故に植物園周辺を高層ビルなどのコンクリートジャングルで埋めてしまいたくありません。小石川植物園、最高裁判所書記官研修所、日立製作所の白山閣には貴重な樹木(スダジイ・ヒマラヤマギなど)があります。これらの研修所と植物園の道路沿いのブロック塀や万年塀を生垣などの遊歩道にし、区民の散歩道とすれば、災害時には避難用通路ともなり有効活用ができるのではないでしょうか。このような緑豊かな良い環境の場を残し、時には区民に開放してほしいと思います。
不忍通りの根津、千駄木周辺は戦前の面影を残し、古くからの住宅や商店が多く残され下町の庶民的な街という印象があります。現在は、道路拡張工事、高層ビル、マンション建設工事が行われ、歩道が狭く、でこぼこ道で街路樹が少なく、緑がとても少ないところです。しかし、千駄木5丁目付近は昔からの緑豊かな邸宅の並ぶ町になっています。
本駒込地区の旧理化学研究所跡地には現在、グリーンコートとしてマンション、オフィスビル、スーパーなどの近代的な建物が建設されました。その際、大きな樹木(イチョウ、ケヤキなど)は残され、公開緑地が設けられました。この緑地には充分な手入れがなされ、四季折々の草花が咲き、地域の人々が憩いの場として慕っています。昔からの歴史ある住宅街のイメージのある文京区としては少々異空間な場とも思えます。
東京都では「屋上緑化」が義務付けられました。東京のヒートアイランド現象の歯止めに力を入れています。緑の大切さを訴えていますので、緑豊かな環境に優しい場となることを期待しています。残念ながら東京海上保険の住宅は解体され、第一勧業銀行の住宅跡にはマンションが建設されてしまいました。
現在、区内での公園、緑地のための土地を確保することは大変難しくなっています。区が所有する大きな土地、例えば旧第四中学校跡地(4,051平方メートル=1233坪)の活用がグランドと緑地に決まったことは有意義なことです。この地は春日通りに接し、オフィスビルも多く、人が多く集まっています。また、東京大学と隣接していますので、囲いやブロック塀を取り払い、境界地帯とすると災害時のオープンスペースとしても活用できます。
まだ文京区内の一部しかウォッチングしていませんが、街全体の景観を見ることができました。減りつつある緑をいかに保全するか、自然が多い環境の良い街にするために区民、企業、行政が一体となって進めていきたいと思います。

(自然分科会・尾見文子)

3‐4『せたがやトラスト』から学ぶ文京区の緑の保護

新春の1月11日、環境ネットワーク会議が要請し、世田谷トラスト事務局の井上氏から世田谷トラストについてお話をお伺いする機会を持つことができました。

なぜ世田谷トラストなのか

世田谷区は文京区とは比較にならないほど、面積も広くたくさんの人口を抱える区です。面積は11km2:58平方キロメートル、人口では17万人:78万人の規模の違いがあります。農地が残り今なおぶどう狩りが出来、世田谷ブランドのワインが造られるように23区内にあっても良好な自然環境が残された区です。
私が環境ネットワーク会議に入り初めて『エコアップ探検隊』で世田谷区を訪れた時、大蔵公園や砧公園に代表されるスケール大きな、また国分寺崖線等の自然が色濃く残され環境を大変うらやましく感じたものでした。また人材的にも豊富で総勢約60名の『エコアップ探検隊』の内20名程のスタッフがいました。
このように素晴らしい自然環境と人材を備えた世田谷区の自然保護の中心的役割を『せたがやトラスト協会』が担っていることを知り、さらに詳しくお話を聞いて見たいと思いました。
『せたがやトラスト協会』に関する詳細な説明は、巻末付録に掲載した世田谷トラスト協会の井上氏が作成したレジメをご参照願います。

『トラスト』の理念

井上氏のお話を聞いて意外だったのは、せたがやトラストの発生が区主導形のトラストであったため、現在でも財源の95%が区からの拠出金でまかなわれているということです。協会の年間歳入額は約2億4千万円で、賛助会員の年間会費1000円の内950円が年3回の協会会報誌の制作・発送等に使用され純粋に会費の協会運営に当てられるのは50円に過ぎないということです。レジメの今後の課題でも述べられていうように、今後の経費の増大と区から従来同様の拠出金が得られるか否かが問題となってくるとのことです。イギリスのナショナルトラストが『1人の100万ポンドより100万人の1ポンドを』と幅広い国民に支えられた、国民運動として起こったこととの違いがあるのかもしれません。(イギリスの『ナショナルトラスト』は100年の歴史があり、殆どがボランティアの人々によって運営されています。資金は主に有志の寄付、年会費、建造物等への入場料。会員は約250万人で、年会費は26ポンド(1ポンド170円として約4,420円)。会員はトラスト協会が所有する施設等の入場料が原則として無料になり年3回の出版物が配布される等数々の特典がある。)1989年せたがやトラストが設立してから約12年間に、また今後の活動の中で脱世田谷区が課題なのかもしれません。歳出額の半分が人件費とのことなのでその面でのボランティアが生まれれば可能になるのかもしれません。単に緑を守るだけでなく、地域に誇りと愛情を持った人達が自主的に街づくりを進めるグループの支援やネットワークづくりを進める都市型トラストの神髄が求められているのだと思います。
また、一方では、ほとんどが区費でまかなわれているのですから、区民全体がむしろ会員であるということも言えるかもしれません。約2億4千万円の区の拠出金を78万人の区人口で割れば一人あたり30円弱、これは決して高いとはいえないと思うのですがいかがでしょうか。賛助会員はさらに多くの情報とサービスを希望する者ということでしょうか。

「市民緑地」制度

せたがやトラストの大きな特徴である「市民緑地」制度は、地価の高い都会での緑の保護に有効な制度であると思います。この制度は建設省が定めている制度で、樹林地などの土地所有者と地方自治体または緑地管理機構(せたがやトラスト協会がこれにあたります)が契約を結びます。その後、緑地を一般に開放していただく代わりに、維持管理は協会が行います。土地所有者は税制面でメリットを受けることができるため、緑地を手放さないですみます。この「市民緑地」はボランティアにより維持、管理され、自然観察やボランティア活動のフィールドにもなっています。せたがやトラスト協会には98の花作りグループをはじめ野鳥ボランティアや市民緑地ボランティア等10のボランティアグループがあり、その参加者も年々増加しているとのことです。

「松之木都市林」を訪ねて

新玉川線駒沢大学前徒歩5分にある「松之木都市林」を2月にも関わらず春のように穏やかな日に訪れてみました。ここはせたがやトラスト協会のボランティア活動に参加されていた方が、ご自分の生まれ育った屋敷林を今の状態で次世代に残す為、世田谷区に寄贈され「区立松之木都市林」として公開している所です。その名の由来は駒沢周辺が昔、大山道(現、国道246号線)沿いに大きなアカマツがたくさん生えていたことによります。面積932平方メートルの中に写真のように大きな竹林や、30種類以上の樹木が保存されています。どれくらいの人が利用しているのかを知りたくてここを訪れたのですが、近くに大きな駒沢公園があることもあってか、私がいた間、他には訪れる人はいませんでした。しかし、さほど鳥に詳しくない私でもその鳴き声や形からメジロ等5種類ほどの野鳥がいる事が判りました。訪れる人はたとえ少なくても、(現在非常に多くの面積を人間は鳥や動物から奪って生活しているのですから)、むしろ、鳥や樹木が主人公となる空間として、周囲の住宅地の木々を渡ってくる鳥達にとってかけがえの無いオアシスとしてこの場所が非常に価値があることを実感し、とても嬉しくなりました。

身近な緑の保護のために

文京区は便利で比較的静かな良い街だと思いながら、関西から来て22年間住み続けています。しかしもっと家々やビルの周囲にも緑が増えれば、更にやすらぎを感じられる良い街になると思います。電車や車で30分も行けば自然の残る場所に行くことは可能です。しかし日々の通勤、通学、買い物等生活全般の中で緑の中に身を置くことができるなら、これは幸せの一つの大きな要素ではないでしょうか?環境ネットワーク会議の自然分科会に参加するようになってから自然と街路樹や家々の緑に目がいくようになりました。塀から覗く木々の種類やその緑の鮮やかさに心地よさを感じながら、持ち主の日頃の手入れに頭が下がります。ネットワーク会議で行った寺社のヒアリングでも樹木の落ち葉の管理が大変だというお話をお聞きしました。区民が緑の大切さを実感しその保護のためにボランタリティーに参加し、「お金のある人はお金を、知恵のある人は知恵を、労力のある人は労力を」出し合いその保護のために尽くしていければ、大都会東京に緑のオアシスを作ることも可能なのではないかと思います。今回、せたがやトラスト協会のことをいろいろ調べながら、その夢を実現するため一区民として何が出来るのかを今後考えていきたいと思いました。

(自然分科会・山本茂美)

3‐5企業ヒアリング報告

1)株式会社東京ドーム

ドーム側出席者:総務部長・中村寿祥、総務部庶務グループ長・土井良一(敬称略)
ネットワーク委員側出席者:朝倉、高山、柳、相原、竹井、松本、尾見、甲斐

企業とのヒアリングは最初であるが、予め高山委員からヒアリング項目(添付資料参考)を10項目ほど提出していた関係上、ドーム側としても、それに沿って回答を丁寧に答えてくれた。その点は十分評価して良いと思う。その中で街の景観構成から、いくつかの具体的課題を出していた。例えば企業区域の50%以上の緑化確保、区の街づくりの指針に沿った小石川モールの整備、JR水道橋駅から外堀り通りに通じる地下鉄後楽園駅の歩道橋での歩行者の動線確保、幹線道路での植樹帯の構築など、積極的に取り組む姿勢が感じられた。また、ドーム球場の屋根も後楽園庭園側については着工時に環境景観の立場から、工夫が加えられた点などを知ったが、これもヒアリングの成果だと思う。
しかし、都市計画公園法に基づく整備ということで、どの程度、具体的にその成果を上げていくかは、今後の問題で短、中期的な視野で、その推移を見守る必要があると思う。

(自然分科会・甲斐正人)

2)共同印刷株式会社

場所文京区小石川4‐14‐12
実施日時平成13年3月2日午前10時~11時30分
訪問先対応者寺田環境部長、堀口広報部長(会議中のため最初の挨拶のみ)
環境管理部福田参事、須藤参事
訪問者高山副座長、甲斐委員、竹井委員、諸留委員

共同印刷(株)が現在実行していること

  1. 茨城県の五霞工場ではISO14001を取得している。
  2. 本社工場は都心に位置しているため敷地に余裕がないが、狭いところを工夫して少しでも緑化に心掛けている。歩道に面した植樹帯等。
  3. 屋上には屋上庭園をもうけてある。
  4. 地方の工場では敷地に余裕があるので緑化部分の面積が大きくとられている。
  5. 文京区内小学校児童の社会見学授業の対象として工場見学が実施されている。
    15校で約600名/年程度。彼らの感想文がいろいろな改善の参考となるとのこと。
  6. 環境負荷の少ない商品の製作を心がけている。例えばすべてが紙から出来ている卓上型のカレンダー等。
  7. 工場としての近隣へ迷惑をかけない対応、役に立つ対応を実施している。
    排水処理施設、防音装置、溶剤回収装置、緊急時の区民向けの飲料水・火災時の消火用水槽の設置(60t×2基=120t)、駐車時のCO2低減のためのアイドリングストップ運動の実施
  8. 省エネ活動、ごみの分別、ゼロエミッション活動、グリーン調達の実施。
  9. 社員への環境に関する教育の実施。
    新入社員、キャリア、新任監督者等一般教育、専門教育と対象者を考慮してカリキュラム作成、実施。

共同印刷(株)が、必要だと思っていること、実行したいと考えていること、問題だと感じていること、要望等

緑化は実施してはいるが、これで十分とは考えていない。改善の余地がある。
小学生の工場見学はあるが、地域とのコミュニケーションは消防関係があるだけで他にはない。必要だと考えている。窓口があればよいと思っている。都市型の企業なので物流が大きなウェイトを占めているが、今のところその件については手をつけられない状況である。区は基本計画を作成しているが、企業側にもアンケートを実施し意見を吸い上げてもらいたい。

話しを伺っての感想

現在、大企業は環境を無視していては生き残ることは困難だと思います。できることはかなりの対応を行っています。宣伝をしないところは周囲が知らないだけのことかもしれません。今の日本では企業にとって営業的にISO14001を取得していることが必要だと考えられるが、共同印刷(株)でも全社的にその考え、手法が基本になっているようにみえました。環境方針、PDCA等。ISO14001もいろいろ問題はあるのでしょうが、よいところは吸収したらよいと思います。
コストの問題もありますのでできること、できないこともありますが、環境部という部署を設置して環境に関する諸問題に対応しています。
屋上庭園に関しては、これは世間では今でこそ壁面緑化とか屋上緑化と叫ばれていますが、ここでは大正時代からやっているとのこと。ヒートアイランド現象という考えは無かったでしょうが緑は必要なものと考えていたと思われます。
行政も中小の地場産業だけでなく大手の企業の意見も聞き、お互いに考えの調整を図ることも必要だと感じました。また、環境ネットワークへ委員として参加されたらどうでしょうかと伝えました。

(自然分科会・諸留和夫)

3) トヨタ自動車東京本社ビル

私達は、トヨタ自動車の東京本社ビルを訪ねました。文京区の外堀通り沿いに19年前にできた大きな建物で、まるで緑の森に包まれているようです。正面から見ると、手前の緑越しにショウウィンドーを透して小石川後楽園の森が広がっています。こんなに不思議で素敵な建物が、他にあるでしょうか?
東京本社ビルでは、この日、環境部の西堤部長はじめ4人の企業紳士が対応。世界に誇るトヨタの環境に対する取り組みについて、丁寧に説明して頂きました。しかし、私達5人に配られたのは、表紙も表題もない両面コピーのA4の3枚。もっと資料が必要ならHPで調べられるわけですから、さすが省エネだと感心しました。

トヨタの環境に対する取り組み

環境保全活動を重要課題として、会社方針のトップランクに位置づけ、トヨタ地球環境憲章を始め、トヨタ環境取り組みプラン、環境マネジメントシステムなど策定。1992年に「地球環境に関するトヨタの取組方針」を制定してから、2005年に向けた実践的な対策までお聞きしました。1995年より、「ISO14001」取得活動を展開、国内外における各分野、各事業所で推進。地球環境に配慮した厳しい取り組みに沿って、商品の車自体の環境性能向上、工場、ビルなどの施設から出る排出物低減、リサイクルの推進など、実績を上げながら、さらに努力を続けています。
私達は、特に文京区の大企業として、東京本社ビルについて伺いました。
総務部スタッフリーダー曽我課長は、環境マネジメントシステムについて、使い込まれている5センチ以上の厚さのファイルを私達に見せながら「現在は、既に定着活動の徹底を重視している段階です。」と話してくれました。

  1. 外部監査人資格取得など、専門知識の習得、資格取得を推進し、様々な工夫で、一般従業員も含めた環境教育の定着を徹底させている。
  2. 省エネシステムの積極的な導入
  3. 建物の環境への配慮(別紙参照)
  4. その他水の再利用、車通勤の制限、低公害車導入など。

自然分科会の私が特に凄いと思ったのは、この本社ビルの屋上緑化や、地域の景観に配慮した緑を生かす精神です。3メートル以上の高木だけで、クスノキ、シラカシ、リョウブなど110本。殆ど常緑樹で、落葉するモミジなどは一段低くした中庭に植えて落ち葉が近隣の迷惑にならないように配慮されています。さらに接する小石川後楽園の庭園と一体化させるため、地下5階と中庭(屋上庭園)をつくり「建坪率22,3%、セットバック8メートル」として建設しました。先ほど一階の正面から見た緑の森は、こうやって実現させていたのです。冷たい高層ビルの街に住む文京区民にとって、感謝しなければならない事と思います。
曽我氏のお話。「文京区に東京本社のビルを構えて事業活動を行うためには、地域の理解と支援は不可欠であり、当社としては、地域の環境保全向上について積極的に協力をしていきたい。地域の環境保全活動を計るためには企業ごとの取り組みでは限界がある。今後、行政や地域一体の環境活動が実施されれば積極的に情報公開、交換を行い相互研鑽をはかりたい。今、外堀通りで、自転車専用路を作るために工事が行われているが、事前に地域の企業や住民が行政と一緒に、アイディアや工夫など考えたり、協力できるようにすれば、一つの工事がきっかけになって、新たな環境コミュニティができるのではないか。」

環境保全は、人と人、心と心で創る地域コミュニティから

今、盛んに行政、企業、住民のパートナーシップと言われていますが、行政は、政策協力を求め、住民は、企業倫理、環境保全、拡大生産者責任など、営利追求のみに走らないように願い、しかし具体的には、資金など財力を中心に求めてきたと思います。例イベント共催等。しかし経済効率を考える企業も、このトヨタビルのように、地域の環境に貢献する例もあります。また、職業柄、世界に通用する環境マネジメントシステムなど、行政も、企業から学ぶことはたくさんありそうです。お互いにギブアンドテイクがなければ、一方通行です。企業に対してお願いばかりでなく、これからは、企業の考えをもっと行政に反映させ、地域の発展の為にも、住民を交えた三者が、形だけではなく、人と人、心のつながりを、何より大切にしていかなければならないと思いました。

(自然分科会・松本美智子)

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